・ n.1 ファルネーゼ邸 カプラローラ 

今回から3回に分け、ラツィオ州のカプラローラ・Caprarolaにある
ファルネーゼ邸・Palazzo Farnese、ルネッサンス期の貴族の邸宅として
今に残る有数の素晴らしい例で、

ローマにあるミケランジェロ設計のファルネーゼ邸は、現フランス大使館として
有名ですが、それよりも豪奢な邸宅と言われる、
カプラローラのファルネーゼ邸をご案内です。

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選び出した写真が100枚を越え、余り減らすと見て頂くのに
その豪華さが伝わらないと思い、3回に分ける事にしました。
あれこれ読み、それでも到底読み切れなかった、というのが正直な所ですが、
めげずに頑張ってお伝えしたいと思います。

カプラローラの町の位置は、先先回の「ファルネーゼ邸のある・・」に
載せておりますので、そちらをどうぞ。

写真は、バス駐車場から谷を挟んでの眺めで、左後ろに聳える大きな建物、
これがファルネーゼ家の元厩舎で、右後ろ奥にちょっと見えるのが本邸。



こちらが元厩舎の入り口、現在は子供達の夏のキャンプ宿泊施設に
使われている様子ですが、

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かってこの1階部分の厩舎には120頭もの馬を収容出来たそうで、
貴族のお屋敷、まして実力枢機卿、そして教皇パオロ3世の私邸なので、
お付きの偉い方々、伺候するお偉い方々ご使用の駐車場という訳ですね。

上階は、馬丁や召使たちの住まいとなり、また1部分は藁置き場、
馬車置き場にも使われたそう。
馬車を上階に?と思われるかも知れませんが、本邸の方にある
らせん状の階段が、多分こちらにも、と思います。



本邸南に広い広い前庭があり、そこから見上げるファルネーゼ邸の威容。

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前庭は土庭ではなく、こんな風に煉瓦が杉綾模様に埋め込まれていて、
ご覧の様にかなりすり減り、壮大豪奢なお屋敷への馬車のお客が
多かった事を物語ります。 勿論、ローマからだと73kmの距離ですしね。

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そして前庭の一番南端には、こんな風に緩やかな半円を描く石段が
両脇から突き出しており、馬車で上の前庭に上がる為のアプローチですね。

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この両側の緩やかな石段部分に挟まれ、前庭の段差を利用し、
物置きか、門番小屋かな、があり、両脇の水槽はきっとお馬ちゃん用ね。

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水槽についている百合の花はファルネーゼ家の紋章で、
ここにまず最初ですが、もう至る所に出て参ります。



広い最初の前庭から正面玄関に至るジグザグの階段。

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ではどうぞ!
段差がとても低く作られているので、きっとここも馬車のままお上がりになり、

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ここが正面扉前のポーチで、ここでお降りになられたのだろう、と。

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入り口から、中に。  ほら、真ん中がすり減っていますね。
こちらの邸宅やお城、また古い塔に上る石の階段の足の当たる部分、
そこが丸くすり減っているのはよく見ますが、
歴史を感じるというより、かっての人々がとても身近に感じられ、好きな部分。

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入り口を入った所は広い部屋で、切符売り場などもここにあり、
部屋にあったパネル写真をどうぞ。

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見ると、正面からは四角く見える建物が実際は5角形なのも良く分かり、
南に真っ直ぐに下る道、先回あれこれ建物の写真を見て頂きましたが、
この道も実は建物が整備された時に、この様に整備したものと知りました。
建物の裏、北側には広大な庭園が広がり、様子も順にご覧頂きますね。



これはウィキペディアのイタ版から拝借で、内部構造が分かりやすいと思い、

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1階と2階が見学出来る部分で、最上階3階には護衛兵士の宿舎があり、
召使の部屋、また台所などもここにあったのではないかと。
火事の危険から、かっての台所はたいてい上階にありましたので。
       
設計の配慮というか、2階からもこの階は殆ど見えず、召使たちの使う
螺旋階段があり、手摺を滑り降り即呼ばれた部屋に行けるようになっていたと。

はい、呼ぶには部屋に下がった紐を引くと、召使の部屋のベルが鳴り、
どの部屋のご用か分かる仕組み。
ほら、映画にも出て来ますよね、あれです。
       


これは入り口を入った大部屋のフレスコ画のほんの一部で、
奥にこのお屋敷が見え、町の真っ直ぐの道を建設中かな?

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最初の部屋を出ると、こんな感じで中庭を囲んでの廊下。
そう、全てこの様にフレスコ画が描かれ、よく残った物と感嘆。

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天井部分、木々の中に小鳥が飛び交い、所々にファルネーゼ家の紋。

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こちらをどうぞ。 ほらね、こんな風に大きくファルネーゼ家の紋が描かれ、

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部屋の扉の上に読めるのは、隣にいた友人に読ませましたが、ははは、
アレッサンドロ・カルディナーレ・ファルネーゼ・ヴィーチェ・カンチェッレリーア、
だろうと。  確かですか?

となると、これはこの豪華な邸宅を建設し始めたアレッサンドロ、
後の教皇パオロ3世ではなく、その孫で、この館の建設に積極的に関わった
同じ名を持つアレッサンドロ枢機卿の方なのでしょうね。



外側の形は5角形ですが、中庭は丸く、

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上階の、もひとつ上品優雅な壁画が見えます。

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このお屋敷の建設が始まったのは1530年、後に教皇パオロ3世となる
アレッサンドロ枢機卿がアントニオ・ダ・サンガッロ・Antonio da Sangalloを指名、
彼の設計の元に、以前からあった5角形の要塞の上に建設開始。

この一帯のファルネーゼ家の領土の管理と住居を兼ね、アレッサンドロ枢機卿
62歳の時の事ですが、4年後の1534年、先の法皇クレメンテ7世、
メディチ家出身でローマ略奪を引き起こした教皇、の死去に伴い、
アレッサンドロが66歳で教皇に選出され、一旦停止。

後1546年にサンガッロの死去により、建設は中断されますが、
同年に教皇の孫、という事自体がまぁ本当は有り得ないのですが、はは、
孫アレッサンドロ枢機卿は父親ピエール・ルイージ・Pier Luigiが、
初代パルマ公爵がピアチェンツァの城内で殺害された事にショックを受け、
同年にこのカプラローラに移って来ます。

彼はこの地の美しさに感銘を受け、中断されたままになっていた祖父の城館の
建設を情熱を持って引き継ぐべく、新しくジャコモ・バロッツィ・ダ・ヴィニョーラ・
Giacomo Barozzi da Vignolaを指名、建設は1559年に再開。

ヴィニョーラは5角形の基本線は変えない物の、かなり大きな変更を加え、
つまり貴族の住居、宮廷要素を大きく加えたのですね。
例えば邸宅部分を孤立させ、角部分に大きなテラスを設け、周囲に広がる
所有地の良い雰囲気を取り入れ、
南に続く真っ直ぐの道を新しく造ったのも彼ヴィニョーラで、奥の丘の上に広がる
素晴らしい庭園も彼の設計。
という事で、我々は現在のこの素晴らしい邸宅にお目にかかれるわけです。

今回あれこれ読んだ中に、アレッサンドロ枢機卿の父にして、
教皇アレッサンドロの長男のピエール・ルイージの逸話が大きな興味を。

後には嫡出子として認められるものの、所謂教皇の庶子として子供の
頃から負い目を感じ続け、多分それから抜けだすのに傭兵隊長として
軍歴を積み、勇敢ではあるものの残忍、時に仲間からも嫌悪感をもって
見られるという人柄で。

父の教皇はその権力を持って、教皇領からパルマ公国を引き離し、
愛する長子に渡しますが、それ故の憎しみを呼び、自分の城の中で
反逆者に殺害される、という男の逸話。

そしてその長子であるアレッサンドロ枢機卿。
長い歴史の中で、偉大なと称される教皇は幾人もいますが、
偉大な枢機卿、と呼ばれるのは彼のみ、という素晴らしい才気と教養、
そして母似と思われる麗しい姿。

若い頃には貴族女性との数々のロマンスがあったそうで、
建物にまつわるその人間模様にも魅かれ、これを書く為に読み、
知る事をも楽しみました。



という事で、これから少しずつ部屋の様子をご覧頂きますが、
到底全部の部屋は無理で、なにせ70部屋あるとか読んだ気が・・、
どの部屋がなんと呼ばれる部屋かは控えておらず、
良い、凄い、と思って写した物の中からご覧頂きますね。

こちらはまだ1階の部屋でジュピターの間だったかな、
とにかくどの部屋も素晴らしい壁画で飾られ、
この部屋の奥には、騙し絵の壁画の部屋も見えます。

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当時の最高の画家、建築家を集めての仕事だったそうで、どの部屋の装飾も
全て違い、それぞれテーマを持っており、と、ご覧の様に優雅なグロテスク模様。

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天井の装飾が見事になされている割に壁の装飾が少ないのは、
きっとタぺスリーを壁に掛けていたからと思われ、それ用の釘が残っているのも
見かけました。



こんなシンプルな椅子が置かれ、床の焼煉瓦が渋いのも、
逆に目に心地良い程の、周囲の装飾の豪華さでして!

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出窓ですが、それを設えた壁の厚さにもご注目を!
召使い用の部屋の中には、壁をくりぬいた部屋もある、という説明もあり、
納得できる厚さですねぇ。

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建物が5角形、丸い中庭、というので、こんな角に張り出した、
でも逆に秘密の小部屋式に素敵なアングルもあり、

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書き物机。

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こんなのに我がPCを乗っけたら、も少し優雅な文章が書けるかも!!
いや、無理か? きゃはは。



なんとも、優美で手の込んだ天井装飾!

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可愛い地図でしょう?! 真ん中に見えるのが、イタリア、のつもり?!

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ではでは、このなんとも素晴らしい螺旋階段でお二階にどうぞ!

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という所で、今回はお終いにさせて頂き、
次回は2階のお部屋、もっと素晴らしく豪奢な2階のご案内をどうぞお楽しみに!

そうそう、最後にこれを。 見学時間、そして月曜休館のお知らせ。

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こちらのサイトにToutubeもありますので、どうぞ。
http://www.caprarola.com/palazzo-farnese.html              


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