・ アーゾロ、 そしてポッサーニョ ・ 春の日 

先週土曜にアーゾロ周辺を、正確にはポッサーニョ・Possagnoとアーゾロ・Asoloに、
お昼ご飯の後マゼール・Maserに寄り道し、
最後はサン・ヴィトー・ダルティーヴォレ・San Vito d'Altivoleに。

ポッサーニョには18~19世紀に活躍したアントーニオ・カノーヴァ・Antonio Canova
の生家跡と塑像博物館、彼の眠るテンピオがあり、
マゼールにはパッラーディオ設計のヴィッラ・バールバロ・Villa Barbaro、
サン・ヴィトーにはカルロ・スカルパ・Carlo Scarpaが設計したトンバ・ブリオン・
Tomba Brionがあり、それらを見に、若い友人2人をご案内したのでした。

どんな友人なのかは追々とご説明する事とし、今日はヴェネト平野の様子を、
美術博物館のご案内というよりは、漸くの春の陽射しを受ける、
山の町アーゾロ周辺の散策をご一緒にどうぞ!

写真はまず、ポッサーニョの塑像博物館隣のバールの猫ちゃん。
奥から鳴きながらお迎えに出て来て、お客様の前の席に、ね。

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アントーニオ・カノーヴァの塑像博物館とテンピオについては、2度ご案内済みですので、
そちらをご覧頂く事にし、写真が重ならぬように見て頂きますね。

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A.カノーヴァ塑像博物館 ・ ポッサーニョの夕暮れ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467387849.html

アントニオ・カノーヴァ ・ 塑像博物館、テンピオ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463694164.html

       

漸くにお天気が続いていると書きましたが、この日は本当に暖かで麗らかな陽気で、
生家を利用した塑像博物館の庭にも、春の花が咲き出し・・。

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実はこの日ご一緒した若い方おふたりは、トゥレヴィーゾに本拠があるベネットン・
Benettonのプロジェクト、ファブリカ・Fabricaで働いている日本人の山本龍さんと、
課は違うそうですが、やはりファブリカの中国人、香港からの石(シェク)さん。

山本さんがブログのコメント欄に書き込んで下さり、ポッサーニョに行くにはどの様に?
ファブリカを見学したかったらご案内しますよ、との事で、
では一日足を務めるので、友人たちとのファブリカの見学をと一計を案じたshinkaiで、
ははは、お出かけの一日に。
       

ポッサーニョの博物館新館の設計はカルロ・スカルパがしており、
それを見たいお二人でしたので、まずはここをゆっくり見学。

ブックショップでスカルパ設計の本を眺めていて、建物の後ろが見れるかな、と
山本さんが呟き、確かめてみるとすんなり、どうぞ、と鉄柵の鍵を開け裏側に。

ただし、裏側を回って庭の方までには出れませんで、角の長い窓を通しての
向こう側の窓や、地下室の外側が見れました。 

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カノーヴァの家は大きく、博物館のみだけでなく、裏の方もきちんと整備され清々しく、
奥の納屋かな、の屋根の下に白い鳩がくつろぎつつ、薄目を開けて我々を眺め・・。

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使われなくなった井戸の覆いも、なにやらデザイン的でしょ?

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博物館前を横切る道の向こう遥か、緩やかな坂道の上に見えるテンピオ・Tempio.
奥の山に残る白い雪が鮮やかでしょう?

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上り坂両脇には、いかにも裕福そうなお家が続き、
こんな風にちょっと芸術している感じの前庭も!

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ゆるゆると坂道を登りテンピオの前に到着すると、その広場の広さと
テンピオの雄大さに、いつも感嘆します。 とにかく、舞台装置満点!

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観光バスでやって来ている見物人、学生もですが、この日は年配者がいっぱいで、
はい、その賑やかなこと!
ええ、日本のみならずイタリアも年配者が大元気ですからね、ははは。



今回、上部の三角タンパンの下に並ぶ浮き彫りが、旧約聖書のお話の場面で
ある事に気が付きました。

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ほら右から、神がアダムを祝福し、カインの弟殺し、イザクの息子の犠牲、でしょう?
きっとこれらも、テンピオ用のカノーヴァの作品なのでしょうね。
       
そうそう、テンピオの内部から、天辺の明り取りドーム、というのか、ガラスの三角に
見える部分の周囲の展望台に上れるのを今回先客たちがいたのを見て知りました。
我らもと行きましたら、ちょうどお昼で閉める所で残念ながら・・!



という事で、テンピオ前でのこの日のお二人。
左が山本龍さん、右が石さん、お二人のコムニケーションは英語。

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ふと気が付くと、裏山の上にいっぱいのパラグライダー!
写真略で、あっち側のもお見せできないのが残念で~す。

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高い位置にテンピオがあるので、平野の風景ものんびりと。
この日は少し靄がかかっており、あれなんだろ?と撮ったのですが、
工場の煙突みたいですね、石灰採取用かも・・。

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ゆっくりと博物館とテンピオを見て、アーゾロまで出てお昼を。
山本さんというより、可愛く撮れた龍さんという感じの、ははは、1枚をどうぞ!

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彼の前にあるお皿は、ポレンタの上に猪肉のラグーがかかり、
その上にラルドの薄切りが乗っているもので、



石さんとshinkaiが食べたのは、ナスのパルミッジャーノ。
茄子の薄切りの間にトマトソースとチーズが挟まり、グラタンしたもので、
これは本当にどこで食べても美味しい!

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お昼をのんびりと済ませ、アーゾロの町の散歩を。
この町は田舎の丘の上にありながら、どことなく典雅な雰囲気が漂い、
並ぶ店も高級品店が多いのですが、

先年行った時はやはり不況の影響か、何軒も店じまいでがっかりしたのが、
今回は前に閉めていたのを見たレストランやバールも、店主が変わり新装開店で、
なにやらほっとする思い!
こういう素敵な小さな町が寂れてはいけませんよね。

骨董店というよりも古物店の店先の自転車も健在!

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なぜか、いつもあそこには自転車があるのです。
自転車自体は代替わりし、今ので何代目かな、ははは。



お城に続く広場の一廓。

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今回の写真整理で、いつもは影の中も明るめにするのをちょっと変えてみると、
いやに影が濃く見えますね。
ドラマチックではありますが、う~ん、何があるのか見えないなぁ・・!



要塞前の見晴らし。城壁の隙間に、コインを入れるオウディオ・ガイドまでが
ちゃっかりと新しく据えられていて、
そこからのお馴染みのアーゾロの景観。

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ただし、左手前の木の枝が茂りすぎて、以前は見えたドゥオーモの鐘楼の足元が
見えなくなってまっせぇ、観光局の方ぁ!



町外れの山頂にある要塞の姿。

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今も残るカテリーナ・コルナーロのお城の塔。

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この城は、15世紀ヴェネツィア共和国の養女としてキプロス王の下に嫁いだ
カテリーナ・コルナーロの城なのですが、
現在建物の一部もほんの少し残るだけで昔の面影はなく、バールがテラス席を設け、
内部は展示会場に。



庭の奥のに「パノラミコ・眺めが良い」と書いた狭いテラスがあり、
はい、ご覧の通り! 細く西に続く通りのお屋敷の裏側が、こんな風にね。

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こちらはもっと先のほうで、手前に屋上式庭園が見えますが、ここも整備されて
いるのを見て来ました。 いつか一般公開されると良いのですが!

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町の中心広場。 夏には今見える大樹がうっそうと茂り、良い日陰を作ります。

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広場から南に続く、ロバート・ブラウニング通り。

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いつもはこの通りの先にある町の門を潜って少し下った所にある駐車場から、
逆に町にやって来るのですが、
この通りはいつも「アーゾロに来た!」の喜びを感じさせる通りなのです。



門の手前にある、小さな「ゼンの泉」もすっかり修復が済み、

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お隣の建物の壁にあるデッラ・ロッビアの聖母子像も安泰!

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中心広場に戻り、手前のバールの柱頭にも始めて目が行き・・。

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アーゾロの町にもローマ遺跡がたくさん残っているので、きっとどこかからの
リサイクル品なんでしょうねぇ!ははは。



広場の北端で、まだ暖かい赤ワイン・ブルレを飲ませていて、土地の物産も並び、
・・う~ん、誘惑の一隅!

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車を止めた場所に戻りつつ、ホテル・ヴィッラ・チプリアーニの前。

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う~ん、ご縁はshinkaiには無さそうですねぇ、ははは。
      
アーゾロの一連のご案内は、カテゴリ欄のヴェネトから、
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460835147.html
     


さてアーゾロを出発、サン・ヴィトーに行く前にちょっとマゼールの
ヴィッラ・バールバロを覗こうかと、カー・ナヴィに打ち込み、坂道を下り、
指示された道の分岐点にMaserと見えるので入り込みました。

アーゾロからだと普通は南に坂を下り、左に折れ、平地の道を東に行けば
簡単に行き着けるマゼール。
ところが今回は町の北端に駐車したので、北の裏道から入りこんだ道は、
おっとどっこい、物凄い曲がりくねりの狭い坂道!
途中でターンして引き返すのも嫌な程で、ははは、
有望な将来を持つ若いお二人を乗せ、責任重大なshinkai!!
はぁ、でも何とか無事に峠を越え、マゼールのヴィッラ前に。


ということで、ヴィッラ・バールバロ・Villa Barbaroの眺め。

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サン・ヴィトーのトンバ・ブリオンをゆっくり見たい、というので、
ここは表からのみパッラーディオの建築を眺め。



所が何と、表の庭にお馬ちゃんが3頭のんびり草を食み・・。
陰になった一番奥の馬は、その前のもかな、脚が太くないですか?
案外荷車用の力の強いお馬の種なのかも。

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ヴィッラの前を通る道は車がびゅんびゅん通るのですが、その脇にある、
こちらもパッラーディオ設計のテンピエット。

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かってはお屋敷前の道も、馬車や荷車がパカパカと通る位だったでしょうが、


お屋敷前にまっすぐ続いてくるこの並木道。 今は柵が閉まり、
ただ過ぎ去った時を偲ばせ、そう、再びめぐり来る春!!
       
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ヴィッラ・バールバロ・ディ・マゼール
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463456543.html

サン・ヴィトーの  トンバ・ブリオン ・ そして、お盆
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463693503.html
カルロ・スカルパのお墓も見つけ、新しい写真もあるのですが、またのチャンスに。

n.1 ベネットン ・ ファブリカ ・ Fabrica 見学
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/465574954.html

n.2 ベネットン ・ ファブリカ ・ Fabrica 見学
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/465575151.html

  
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