・ n.2 レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯 ・ DVDから 

では、「レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯」 n.2を。

こうして約30年程をフィレンツェで過ごしたレオナルドは、
居をミラノに移します。

霧の深いロンバルディアの風景は、彼に安らかさを感じさせ、
彼の絵に所謂空気遠近法と呼ばれる「ぼかし」を与え、

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運河の流れる街の風景も心地良く、

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女性もしっとりと優美で・・、と場面が続きます。

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が、女性はともかく、ここに使われている街、運河風景は、
我がヴェネト、トゥレヴィーゾの街であります、はい!

昔見た記憶の中では、古いフィレンツェの街として
トゥレヴィーゾが使われていたという記憶があったのでしたが、
かって運河が通っていたミラノの街の場面に登場なのでした。

n.1 トゥレヴィーゾ ・ Treviso
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462521537.html

n.2 トゥレヴィーゾ ・ Treviso
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462522259.html



こうして「岩窟の聖母子」の作品で有名になった彼は
ミラノ公イル・モーロの宮廷にもお出入りがかない、
チェチーリアの肖像を描いたり、

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宮廷内で大がかりな仕掛けを使った素晴らしい公演を指揮したリ。
この場面は大変大掛かりな素晴らしいもので、是非DVDの画面で
ご覧頂きたいものですが・・!!



さてこの間にも鳥の飛翔研究を重ね、遂に実験にまで行くものの
もろくも失敗、のエピソードがあり、

そしてフィレンツェに戻り、ヴェッキオ宮の大壁画を請け負います。

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片面にはレオナルドの「アンギアーリの戦い」で、もう片面には
ミケランジェロの「カッシーナの戦い」と知り、
レオナルドは60年前に実際に戦った年寄りから話を聞いたり、
様々なデッサンを重ね研究し、取り掛かります。
       
「アンギアーリの戦い」始末記と、その周辺もろもろ
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461130197.html


1503年6月6日の金曜日、下図を描いた紙を壁に写し始めた日の
午後1時頃突然の大嵐となり、下図も吹き飛ばすほどに。

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レオナルド自身が書きのこしたこの日の様子ですが、
仕事始めとしては、幸先が良くありませんでした。

この大壁画については先回書いた様に、現在フィレンツェの
ヴェッキオ宮に置いて、上に描かれたヴァザーリの壁画に
穴を開けて調査中。
◆追記◆  結局ヴァザーリの絵の下には何もない、という結果に。      


この映画の中では、こんな様子で描かれております。

レオナルドは、古代ローマでも用いられていたエンカウスト描法、
ギリシャが起源の艶のある描法を、油絵具で描き急速に乾かす、
という方法で行いたかった、というのですね。

フレスコ画は1日に描ける量の下塗りをしつつ描き繋いで行くもので、
仕上がりは油絵の様に艶がでませんから、レオナルドはそれが
好きではなかったのでしょうね。
ミラノの「最後の晩餐」にも油絵描法が使われていると言いますしね。

エンカウスト描法は、「ポンペイの秘儀荘の壁画」の中でご説明を。
n.6 ポンペイ遺跡 最終回 ・ 秘儀荘 その2
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/465223960.html

レオナルドがエンカウスト描法を狙ったかどうかについては
当時のフィレンツェ政府に対して、

663リーブリの石膏、
89(リーブリ)のギリシャ蝋
223Lの亜麻油 
 
を請求している記録があり、そこからの推察の様子。



壁に実際にその描法で描き、大火鉢に起こした火で急激に乾かす
小実験では成功した物の、

いざ実際の画面に取り掛かると、壁の面積が大きすぎ、
上部は乾かず、 絵具が流れだす、という結果となり、

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この場面は、様々な記録をもとに組み立てた場面でしょうし、
実際にどうであったか、と分かるには、今少しの時間が必要な様で。



こうして様々な作品を生みながら、様々なアイディアを抱えつつ
あちこちとスポンサーを探しての旅から旅への彼の人生ですが、
最後はフランス国王に迎えられ、落ち着いた晩年を。

この映画の中で流れるタイトル・ソングは、オルネッラ・ヴァノーニが
歌っていますが、場面の中で彼自身が歌い、最後まで
付き添い彼の手稿を受け継いだフランチェスコ・メルツィ・
Francesco Melzi に聞かせる場面を。

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歌詞に、拙訳を添えます。
  Muoversi L'amante per la cosa amata
  Se la cosa amata è vile,
  l'amante si fa vile
  Quando l'amante è giunto all'amato
  Là si riposa
  Quando il peso è posato
  Qui si posa

人は、愛するものに向かって進む
もし、その対象が価値の小さなものであるなら
それを愛する者も、価値の小さな存在になる
人は、愛するものにたどり着いた時、休息する
重荷が取れた時、休む事が出来る

これはレオナルドが書き残した言葉にメロディーを付けたものだそうで、
こちらでこの場面が見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=3Y2G-XKkspM&feature=related     
  
     
今回はもうRAIの回し物、宣伝係みたいなのですけど、ははは、
ドキュメンタリー後40年間に様々なレオナルドの研究も進みましたが、

それでもなお、このTV映画は一見の価値があると思います。
どうぞ、チャンスを得て、ゆっくりお時間を取って是非!!

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レオナルド・ダ・ヴィンチの発明になる、ヴェネツィア式製材所の見学
http://www.italiashiho.site/archives/20180921-1.html

「レオナルド・ダ・ヴィンチ 万能の人」展 ・ ヴェネツィア
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/474839192.html

レオナルド・ダ・ヴィンチの発明した物、考案したもの
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461685811.html
       
彼はまたトルコのスルタンにまで話を持ちかけておりまして、
ガラタ橋は、釣り人天国 ・ イスタンブル
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461093420.html


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