さて今回は、ヴェネツィアで見るあのすらっと細長い船
ゴンドラ・gondola、複数形でゴンドレ・gondoleについてのあれこれを。
ゴンドラ・gondola、複数形でゴンドレ・gondoleについてのあれこれを。

ヴェネツィアで、とお断りしたのは、最近は世界のあちこちで「ゴンドラ」と
名乗る船がいる様子で、サイトでとんでもなくずんぐりむっくりのを見たり、
ゴンドリエーレ・ゴンドラ漕ぎ、が半パンを履いていたり! の大反則で。
名乗る船がいる様子で、サイトでとんでもなくずんぐりむっくりのを見たり、
ゴンドリエーレ・ゴンドラ漕ぎ、が半パンを履いていたり! の大反則で。
そういうのではなく、ヴェネツィアの運河にいるゴンドラ、最近ゴンドラを
描く事が増え、かなり見知っている筈が、えっ、ここどうなっていたっけ?!と
焦る事もあるので、1度しっかり調べて見たい、と思っていたのでした。
描く事が増え、かなり見知っている筈が、えっ、ここどうなっていたっけ?!と
焦る事もあるので、1度しっかり調べて見たい、と思っていたのでした。
ヴェネツィアの写真が何千枚にもなっていて、その中からゴンドラの写真を
探そうと思うと時間がかかり、ここのはもっと良いのがある筈と思いつつも
なかなか上手く探し出せませんでしたが、へへへ、と言い訳を、
いつかヴェネツィアにお出いでになりゴンドラに乗られる際に、
お役に立ちますように、 ん? 立つかなぁ? はは、
既に乗られた方はその時を思い出し、お楽しみ下さいませませ!
探そうと思うと時間がかかり、ここのはもっと良いのがある筈と思いつつも
なかなか上手く探し出せませんでしたが、へへへ、と言い訳を、
いつかヴェネツィアにお出いでになりゴンドラに乗られる際に、
お役に立ちますように、 ん? 立つかなぁ? はは、
既に乗られた方はその時を思い出し、お楽しみ下さいませませ!
まずはヴェネツィア名所に見るゴンドラの姿で、
溜め息橋

対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ島を望み、

サンタ・マリーア・デッラ・サルーテ聖堂が奥に。

こちらが休んでいる覆いの架かったゴンドラの姿で、冬などは全部覆われている
事が多いのですが、たくさんの各部の様々な覆いがあるでしょう?
櫂も、あんな風に先っちょが仕舞われるのですね。

現在のゴンドラの船体は、最初に見て頂いたように細長く、10,8~11m、
幅が、1,4~1,6m、 船体のみの重さが、350kgあるのだそう。
ですがこれは昔からの姿ではなく、こちらが1500年に描かれたジェンティーレ・
ベッリーニ・Gentile Belliniの絵の中に見るゴンドラの姿。
ベッリーニ・Gentile Belliniの絵の中に見るゴンドラの姿。

現在よりもずっと短く、すんなりとしておらず、1番の違いは現在のように
左右非対称ではない事で、漕ぎ手の位置も平らで低く、櫂受けも現在の様に
曲がっていないと。
左右非対称ではない事で、漕ぎ手の位置も平らで低く、櫂受けも現在の様に
曲がっていないと。
そして17~18世紀にゴンドラの使用が大きくなり、船体が長く船体の前後の
傾斜も大きくなり、着いている金属部も大きく、櫂受けも曲がって来たそう。
19世紀になると船体の長さも11mとなり、漸くにここで緩やかな船体の非対称が
導入されたのだそうで、これはゴンドラの漕ぎ手からの操作についての必要性
による物で、最終的に現在の形になったのは20世紀の初めなんだそう。
傾斜も大きくなり、着いている金属部も大きく、櫂受けも曲がって来たそう。
19世紀になると船体の長さも11mとなり、漸くにここで緩やかな船体の非対称が
導入されたのだそうで、これはゴンドラの漕ぎ手からの操作についての必要性
による物で、最終的に現在の形になったのは20世紀の初めなんだそう。
ゴンドラの船体が左右対称でないと言うのは、漕ぎ手が1人で、船首に向って
左側にいますから、それでバランスが取れるように竜骨が曲がっていて、
左舷の方が右よりも約25cmほど長いのだそう。
左側にいますから、それでバランスが取れるように竜骨が曲がっていて、
左舷の方が右よりも約25cmほど長いのだそう。
ゴンドラの黒い色についても、1609年以降、それまでの様々な色や華美な装飾を
廃することが公示され、現在の黒1色になったそうで。
廃することが公示され、現在の黒1色になったそうで。
黒はいつもエレガントな色と見なされていた事に因るのですが、
はい、黒は葬儀の色ではなく、当時の喪の色はパヴォナッツォ・pavonazzo
と呼ばれる暗い赤紫色でした。
はい、黒は葬儀の色ではなく、当時の喪の色はパヴォナッツォ・pavonazzo
と呼ばれる暗い赤紫色でした。
古い写真に見るゴンドラの姿で、これは19世紀のもの。
2人漕ぎで、中ほどにフェルゼ・felzeと呼ぶ客室が見えます。
2人漕ぎで、中ほどにフェルゼ・felzeと呼ぶ客室が見えます。

この客室があるのは、ヴェネツィア貴族の間では1家に1艘か、または
それ以上のゴンドラを持っていて会合や船での出歩きに使われ、
1般でも1種の交通手段となり始めると、人目を避けたり、また冬などは
厳しい寒さを避ける為にも必要だったよう。
これはドゥカーレ宮の中庭に展示されているドージェの使ったゴンドラで、
一般の物よりもずっと大きく、客室もある、舳先の彫り物が見事なもの!

ゴンドラの製作は、280もの異なる部分から成り立ち、木材も8種類、
樅、桜、クルミ、楡、オーク、シナ等など、勿論すべて手製で制作に1年以上かかり、
お値段は約2万エウロ! 20年間は使えるそう。
これは確かヴェネツィアで1軒のみ残っていると聞いたサン・トロヴァーゾ・
San Trovasoのゴンドラ製作所・スクエーロ。
San Trovasoのゴンドラ製作所・スクエーロ。


ここはサン・マルコの運河越しの斜め向かいのドガーナ・税関から、
南のジューデッカ運河沿いのザッテレ・Zattereをずっと辿り、
サン・トロヴァーゾ教会の隣にあります。
建物自体も16世紀頃の物のようですが、ゴンドラの船底が平底で、緑色に
塗られているのも見え、大きなマグロがゴロンと寝ている様でもあり・・!
塗られているのも見え、大きなマグロがゴロンと寝ている様でもあり・・!
これは舳先の彫り物部分。 如何にも職人仕事である事が分かり、
好きな絵葉書の1枚。

ゴンドラの舳先のあの鎌みたいな金属ですが、衝突から船を守る為でもあり、
美しさを加味し、そしてヴェネツィアを象徴しているのですね。
よく聞く説明ですが、6本の歯はヴェネツィアの6区を現し、上からサン・マルコ、
サン・ポーロ、サンタ・クローチェ、カステッロ、ドルソドゥーロ、
サン・ポーロ、サンタ・クローチェ、カステッロ、ドルソドゥーロ、
カンナレッジョ、後ろに伸びるのはジュウデッカ。

間には挟まる3つは、ヴェネツィア・ラグーナの代表的な3つの島で、
上からムラーノ、ブラーノ、トルチェッロを。
あの大きな一番上はドージェ・ヴェネツィア総督の冠を現し、
その下の半円部分の上のラインはリアルト橋を、中はサン・マルコ前の海、湾と。
その下の半円部分の上のラインはリアルト橋を、中はサン・マルコ前の海、湾と。
いずれにしてもこの重さは10kあり、使っている金属によりそれ以上にもなるそう。
金属の質を書いてあるのが見つかりませんでしたが、やはり鉄でしょうね。
金属の質を書いてあるのが見つかりませんでしたが、やはり鉄でしょうね。

艫にもやはり金属の飾りがあるのですが、ここの形は様々で、やはり船体を
衝突から守る為とはいえ、はぁ、こんな風に力尽きているのも、結構見ますです。
衝突から守る為とはいえ、はぁ、こんな風に力尽きているのも、結構見ますです。

ゴンドラ内部の装飾となると、これはもう注文主の美的センス、金銭状態を示し
様々でして、豪華なのから少し質素なのまで!
あれこれ写したのをご覧下さいね。







こちらは新婚カップル用のゴンドラで、ゴンドリエーレの衣装も違うのですよ。


これはサイトで見つけた、新婚カップル専用ゴンドラ・レンタル会社ので、
ヴェネツィア名所のその2、リアルト橋にやって参りまして、


こんな風にカップルでゴンドラを楽しむ人もあれば、

何艘も連なっていくグループもあり。

大概こういうのには、アコーディオン奏者と歌手が乗り込み、歌いながら行きますが、
時に「サンタ・ルチーア」などが聞こえたり! ナポリじゃぁないんだよぉ!
大運河を行くグループは、ヴァポレットやモーターボートと一緒で、
すれ違う時などちょっと波が立ったりしますが、
脇にそれて小運河を行くと、今度はゴンドラ同士のすれ違いがあり、
脇にそれて小運河を行くと、今度はゴンドラ同士のすれ違いがあり、

ほらね、右の真ん中のゴンドリエーレは足を使っているでしょう?
あれは壁に近寄って、ゴンドラがこすれない為で~す。
狭い運河での出会いの衝突を避けるため、勿論ミラーが付いている場所もあり、
ゴンドリエーレが警笛代わりの声を上げます、「オェ、オェ~!」というような。

ゴンドラは細長く、そして平底で水面下に沈まないので、あの大きさでも操縦が楽
なんだそうですが、それでも熟練と機敏さとバランス感覚が大いに必要だそうで、

こんな狭い間を、総勢6人も乗せたのを漕いで行くのですものね、
やはり大変ですよね。
やはり大変ですよね。

懐かしい写真が見つかりましたので、
1951年、ハンフリー・ボガードと奥さんのローレン・バコール。
彼も素敵だったけど、彼女のあの目はなんとも素晴らしかった!
彼も素敵だったけど、彼女のあの目はなんとも素晴らしかった!

前の教皇様、ベネデット16世。

一緒に乗っているのはゴンドリエーレの衣装ですけど、みんな棒、もとえ櫂を
持ってからに、警備の人じゃないのかなぁ、ははは。
客待ちのゴンドリエーレ。
冬はお客が少ないからと言って、これは半分職務放棄の姿ね。
冬はお客が少ないからと言って、これは半分職務放棄の姿ね。

ゴンドリエーレ・ゴンドラ漕ぎにとって大事な櫂受け。
材質はクルミの根で、これは彫りの入った大変美しいものですが、
この様々な角を使って角度や速度を決める様子。
この様々な角を使って角度や速度を決める様子。

前進で普通に漕ぐには、上の右の半円状に当てているのを見ますが、
英語のこんな図も見つかり、大体これで漕ぐ時の櫂の置き場が分りますね。

そうそう、櫂の長さは4,2mで、長年寝かせたブナ材から掘り出すのだそう。
櫂受けは、取り外しが出来るようになっていて、仕事を終え覆いの架かった
ゴンドラには見えません。
この写真、奥に見えるのはゴンドラですが、手前のカップルが乗っているのは
ゴンドラではなくサンダロ・sandaloと言い、舳先が違うでしょう?

ゴンドラではありませんので、客引きがゴンドラ、ゴンドラ!と言っても、
引っかかりませんように!
と言うようなゴンドラについての様々でしたが、
ヴェネツィアはいつもヴェネツィア、世界唯一の独特の美しさを持つ街。
ヴェネツィアはいつもヴェネツィア、世界唯一の独特の美しさを持つ街。

おいでませぇ、ヴェネツィアに!!
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