・ テアトロ・ラ・フェニーチェ ・ Gran Teatro La Fenice

今回のご案内は、ヴェネツィアのと言うよりイタリアの有名な劇場の一つ、
ラ・フェニーチェ・La Feniceを。

先回に続き「夏のヴェネツィア」に加えましたのは、2年前の夏に来伊した
友人のお土産の一つに1冊の本、
「ヴェネツィアが燃えた日」 ジョン・ベレント著 光文社があり、その内容に
興味を持った友人がフェニーチェ劇場を見たい、との事で行ったのでした。

この本は大変興味深いヴェネツィアの貴族社会も分り、様々なゴシップも
盛り込み、放火犯人の様子も描いており、関心ある方のご一読をお勧めです。

写真は、1996年1月26日の夜、炎上中のフェニーチェ劇場の様子で、

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これは夜、既に寝ていたのを呼び起こされTV中継を見た、
忘れられない記憶があります。
すぐ傍を通る運河がたまたま浚渫の為に閉鎖され、消防船(ヴェネツィアでは
船なのです)が近寄れず、結局すべて炎上した、という悲しい結末でした。

再建工事の開始も経過も長引きましたが、漸くにひとまずの落成で、
お披露目は7年後の2003年12月14日から1週間、
そして2004年元旦の新年コンサート。
ですがその後の整備もあり、オペラ上演再開は2004年11月、
そして昨年再建後10年を迎えたフェニーチェ劇場。

中の見学もしましたが写真撮影は禁止で、内部の様子はサイトから拝借し、
ゆるゆると劇場周辺も含めご案内いたしますので、ごゆっくりどうぞ!
いつもの通り、ブログ名の入っていない写真は、サイトからの拝借です。



フェニーチェ劇場はどこにあるか、地図をどうぞ。

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サン・マルコ広場の南西側から西に、サリータ・サン・モイゼ・Salita San Moise
を行き、サン・モイゼ教会前の橋を渡りさらに西に。
通りの名はカッレ・ラルガ・XXIIマルツォ・Calle Larga XXII Marzoと変わりますが、
その中程を右(北)に折れ、カッレ・ヴェステ・Calle Vesteを辿り、
橋を渡って進むと劇場前に。



衛星地図で見ると、グレイの屋根が2つ見え、中に茶色の瓦屋根を挟む形と、
建物の南西角に接し、運河・Rioが角を囲む形なのにご留意を。

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はい、ヴェネツィアの街を逆Sの字に通り抜けるのはご存知の通り、大運河・
カナル・グランデですが、それ以外はすべて小運河・リオと呼ばれます。
      


所で例により、ははは、即脱線ですが、衛星地図を眺めていて、
フェニーチェ劇場の南西角から南に、サンタ・マリーア・デル・ジーリオ教会・
S.Maria del Giglio教会前からの細長い広場の先、
大運河に橋が架かっているのが見えますか?

ここには平常橋は無く、ここに臨時の橋が架かるのは、大運河に丸屋根の
影を落としている、先回ご案内したサンタ・マリーア・デッラ・サルーテ教会の祭日、
11月21日を挟んでの事なのですね。ですから、この衛星地図はその時の物と!

という事で、ついでに、はは、こんな橋です、を。
     
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古いご案内で、 サンタ・マリーア・デッラ・サルーテの仮橋 ・ ヴェネツィア
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461785880.html



脱線が続きますが、も1つついでに、この鐘楼をどうぞ。
写真を整理していて、この鐘楼はどこのかと思い、
・・見て即どこの鐘楼と分るのはほんの幾つかでして、はぁ、

ですが簡単に判明、サント・ステーファノ教会の鐘楼と。

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フェニーチェ劇場を訪れた時はアッカデミア美術館を見学、大運河の橋を渡り
南西方面から行きましたので、アッカデミア橋を渡ってじきの
サント・ステーファノ広場に見える鐘楼を撮った物と。

でなぜここに、と言いますと、鐘楼を調べていて興味深い事が分りましたので、
付け刃の知識を皆さんにも! ははは。
この鐘楼は、教会から少し離れて立っているのですが、高さは66mで、
ヴェネツィアの高い鐘楼の1つで、おまけにこの写真では分かりませんが斜塔!
それも基礎からすると約2mも南に傾いていると!

教会は13~14世紀の建設で、鐘楼も多分同時期の建設と思われますが、
高さが約30mに達した時に基礎が傾いたもののそのまま工事が続いたと。 
怖いなぁ!

所で1902年に、サン・マルコの鐘楼が崩壊したのをきっかけに、
・・はい、鐘楼の管理人も無事、怪我人も出なかったですが、
管理人の猫ちゃん1人が犠牲になったそうで。
で、この鐘楼もあわや取り壊しになりそうになり、当時の司祭様が頑張り、
技師たちの援助で補強され、現在は崩壊の危険は無いものの、
絶えずモニターされていると。

という事もあり、この鐘楼は公開されておりませんが、やはり上った方が居られ、
こちらで鐘楼からの眺めをご覧になれます。
http://alloggibarbaria.blogspot.it/2010/10/vista-dal-campanile-di-santo-stefano.html
       
おまけにもう一つ知った逸話は、このサント・ステーファノ教会は何度も暴力沙汰、
殺人事件の舞台ともなり、その為に幾世紀の変遷の中でなんと6回も、
聖別から外されたのだそう! これは凄い!

怖がりの癖に好奇心いっぱいのshinkai、ははは、
どんな騒乱が教会内で繰り広げられたのか、その内に調べるべ!

夏のヴェネツィアにサント・ステーファノ広場の写真が1枚!
広場はいつも通るものの、教会内は見た事があるっけ?
夏のヴェネツィア ・ ヴェネツィアの館フランケッティと、あれこれ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463739998.html

サン・マルコの鐘楼の上から  ヴェネツィア ・ 黄昏から夜に
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463331310.html



さて、小運河に舫うゴンドラを見たり、
  
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水面に映る建物を楽しんだり、

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古い建物の入り口扉を眺めたり、

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古い建物の古い扉を見つけたりしつつ、

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ほら、フェニーチェ劇場の運河側入り口で~す!

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まるで抽象絵画みたいな、水面への映りこみと、

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劇場への橋の裏側に、煌めく水の揺らめき。

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運河側の劇場出入り口。

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ヴェネツィアの街の立地条件からして、フェニーチェ劇場が1792年に建設された
時から、運河側の出入り口があるのは当然の条件だった様子。

かってヴェネツィアにあった幾つもの劇場に付いては、リンクして頂いてます
pescecrudoさんの「イタリア、とりわけヴェネツィア」のこちらに詳細が。
http://pescecrudo.blog122.fc2.com/blog-category-23.html



運河が周囲を巡っているので、ゴンドラもあちこちからやって来ては通り過ぎ。

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我らは劇場の北側の小路を通り、ホテル・フェニーチェのレストランや
入り口を眺め、

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壁に嵌めこまれた小さな像やランプも愉しみ、
省略ですが、ライオン君がかぷっと羊に噛み付いているのも・・!

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この小運河はホテル・フェニーチェの北を通りますが、
建物の下を潜る、暗い通り抜け道がなんとも面白く・・!

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こちらは劇場前の左横のカフェかな、レストランだったっけ?

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そして、フェニーチェ劇場の正面入り口。

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ラ・フェニーチェ・不死鳥。

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「不死鳥」の名に恥じず、この大劇場は1792年5月の開設以来、
1836年そして1996年と、2度にわたる火災での消滅から再建復興を。

ジョアッキーノ・ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディなどの
今も残る名作オペラが初上演された劇場でもあり、
音響効果を重視しての木造の内装、装飾も漆喰と紙張り細工ですから、
一層の安全を配慮し、最新技術を取り入れた効率良い舞台装置の運営も
考慮設計しつつ、

再建の際のモットーとなった言葉
「com'era, dov'era・コメ・エーラ、ドヴェ・エーラ ・元の姿の通り、元の場所に」
7年の歳月をかけ復興がなったのでした。

ルキーノ・ヴィスコンティの映画「夏の嵐」に、かってのオーストリア支配下に
おけるフェニーチェ劇場の姿が登場しますが、

再建に辺り、場面の中に見える装飾同様に忠実に復元しつつ、
オペラ公演のみならず、バレー、オーケストラ公演、室内楽演奏、果ては講演会、
舞踏会にも対応できる舞台装置と設備、そんな新しい設計配慮もされた様子で、
火災消失前は840だった席も1000席に、以前は舞台装置の仕事場であった
屋根裏というのか、そこも新しく一般公開され、巨大な桁組みなども見学できると。
・・見なかったぁ。



正面入り口の横にあったポスター。 ガイドつきのツァーもあるようですが、
我々は切符を買い自由に見学。 入り口入った右手に受付があったと。

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さて内部構造ですが、内部見学はしたものの、実際の所、
中のどの部分にあの煌びやかな舞台と客席があるのか、
ピンとくる図が見つかりませんで、舞台と立ち上がり図のみで。

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が、フェニーチェ劇場の舞台部分は、真ん中に見えた赤い瓦屋根の下、
と考えて良さそうですね。

フェニーチェ劇場のサイトは  https://www.teatrolafenice.it/

切符購入、他のインフォメーション、説明は  
https://www.teatrolafenice.it/info-biglietteria-abbigliamento-disabili/



という事で、サイトから拝借の写真で、豪華絢爛、金きらきんの様子を!
まずは劇場玄関ロビー・フォイェール・foyer.

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2Fにある様子の、多目的催しに使用できる、サーレ・アポッリネエ・
Sale Apollinee.

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さて舞台と桟敷ですが、こうしてみるとオーケストラ・ボックスが一段低いのが
良く分かりますね。 見学した時は、この部分に椅子が積み上げてあり!

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舞台に向かって正面真ん中に貴賓席。



こちらがその貴賓席を見上げた所と。

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貴賓席内からボックス席の様子と、

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天井下の装飾の様子。 まさに豪華絢爛!!

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平土間の席を取り外し、こんな舞踏会も!
本物のお馬ちゃんも登場するカヴァルキーナ・Cavalchinaと呼ばれる、
カルネヴァール期間の最終土曜の夜に催される大舞踏会と!!

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豪華絢爛、綺麗だねぇ!と見学した後は、まるで縁の無い世界のお話の如く、
いぇ、オペラのCDを聴くのも、TVで公演を見るのは好きですが、
劇場に縁の無い2人は、フェニーチェ劇場を見渡すバールに腰を下ろし、

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よく冷えたプロセッコで乾杯~ぃ!

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お疲れ様でしたぁ~!!


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