・ ムーラ ・ 少し遅い春を待つ村 ・ ヴェネト

この27日はパスクワ・復活祭で、寒くは無いものの、生憎とこの日は曇り日。
が友人のジュリアーナと2人で、我が家からだと車で約30分ほどの
北西にある村、ムーラ・Mura に出かけて来ました。

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はは、お気づきになりましたか? ムーラという村、なんです。
ムーロ・muro・壁、城壁の複数形がmuraなので、村の名に何か謂れが
あるかと調べてみましたが、特に見つからずでした。

昨年末グループで夜のプレゼーピオ、明かりの灯ったキリストの降誕を
人形などで現すもの、を見に行ったジュリアーナが、なかなか良い村だったと
いうので、では春になったら出かけようと言ってたのでした。

トップの写真はこの村の教会、ちょうど到着時間を示していますね。      
       
生憎の曇り空で、今回の写真は余り明るくないですが、ご勘弁を。


ムーラの村はどこにあるか、地図をどうぞ。 我が家は右下Casaと囲った赤点で、
その下Ogliano・オリアーノはいつも見て頂く隣村。

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坂下の道に出て、北のヴィットリオ・ヴェネトまで出て西に、という行程が
早いのでしょうが、家から好きな田舎道を辿る、赤線を引いた村々の
カルページカ・Carpesica、コッツゥオーロ・Cozzuolo、西にコルバネーゼ・
Corbanese、そして北にタルツォ・Tarzo、ラーゴ・Lagoと進み、
Mura・ムーラで、こちらの方が断然四季折々の眺めが良いのです。

ムーラは行政では西のチゾン・ディ・ヴァルマリーノ・Cison di Valmarino
の下に入り、北に見えるサン・ボルド峠・San Boldoは、 
先日見て頂いた羊達が峠を越して北の故郷に戻る峠道。

サン・ボルド峠 ・ 難所の峠越えは
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467388089.html



村に入ると細く曲がりくねった道が続き、両脇に建つ家はすべて頑丈な石造り!

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今は住まう人も居ない放置された家や納屋もあちこちに見られ、
手前四角の大きな家、この辺りこういう木のベランダ柵が特徴なのですが、
2軒分に別れた手前側は売り家の札が付いていて、

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奥半分は、



きちんと整備修復され住んでおられますが、売り家の札。
修復して後に売る、という事なのでしょう。

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近くの修復された納屋と母屋。 母屋の濃い茶色、そしてこの低い軒から
なんとなしに日本の民家を思い起こしたshinkai!

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こちらも修復されたばかりのお家の出窓。 なんとも頑丈でしょう?! 
これでまた何世紀も大丈夫なのでしょうね。

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かっての納屋の入り口かな、右上に見える黒い丸は木の梁で、
壁に見える / とか X の鉄は、梁を閉める鉄の要。

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下の写真のガレージになっている扉口は、ちょっとモダンで素敵でしょう?!



ここも住居入り口は上にあり、外階段が続きます。が現在このお家も空き家。

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お隣の広い庭の奥にワンがいて、ジュリアーナが何度も呼ぶとやっと立ち上がり、
ワン!と一声吠え、またペチャっと腹ばい!

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普通であれば、大急ぎで門柵まで駆け寄り大声で吠え走り回るべきなのに、
この子は全部省略! まぁ、このお腹を見ればね、ははは。



村の中を行ったり来たり、細い道を辿りますが、まさに村の中の家々は
すべてこんな風に石を積んだ造り!!
 
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かろうじて見える門脇の花壇もこんな風!  

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ここもやはり2階には外階段のお家で、2軒分、なかなか良い雰囲気でしょう? 

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村外れまで来ると、葡萄畑の中でお仕事中。
復活祭でも春の仕事があるのですねぇ。

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大きな赤い建物に白い線、そう、チゾンの領主、ブランドリーノ家の
持ち物の印がここにも残りますが、

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奥の低い方の家の窓が開き、中から家畜小屋の匂いが流れ、むぉ~の声。
覗いてみると、やはり牛達がいましたね。  

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村外れの道を南に行くと透明な川が流れ、ソリーゴ川と。

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村外れの道から見るムーラのほぼ全体。
そうなんです、村のすぐ北に山が迫り、いわば屏風の役を。

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丘の向こうに、チゾンのお城、カステルブランドが見えます。

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2000年の歴史 ・ カステル・ブランド・Castel Brando
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462784366.html



村の南外れは平地が広がり、子供の遊び道具のある公園もあり、
道はこんな風に東に続き、村の東側を囲みますが、

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これは南に延びる道。

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村の東に近づくと、花が既に盛りを過ぎ、

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川辺に小さな礼拝所、フレスコ画で装飾されたのが。

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ここに至り、初めて、あれっ、この場所には来た事あるよ!
何年も前、写真仲間と村のこちら側に来た事を思い出し、ははは。

チゾンの村に、春をさがしに
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463526050.html



岸辺にある柳の芽吹き。

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そう、この眺め、覚えているなぁ!
あの小さなのは礼拝所かも。 修復されたようですね。

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垣根の隙間からレンズを突っ込み、動くなよ!と言いつつ、
ははは、来年の干支用を撮り貯めしておかないと・・。

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お家の前の広い庭端には、要りそうで要らない物があれこれ、ははは。

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刈り取ったばかりの木の始末も。

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やはり花を見ると、春だなぁ、と嬉しく! 

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これも見覚えのある水槽。
ですが、上の古い写真陶板は新しく追加された物ですね。 

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古いアーチの中、家が見え、中庭が見え。

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ジュリアーナは子供時代をフリウリの北で過ごしているのですが、
過ごした家は、こんな風に大きなアーチの門があり、中に入ると広い中庭で、
女達が編み物をしたり、フェルト布の靴を作ったり、トウモロコシの実をこそげたりの
農作業をしたり、中庭の周囲を家がぐるっと囲み、他の家族が住み・・。
つまり、アーチの中は門を閉めると小さな村と同じだった、
という想い出話を。 

きっとこの村も、そんな古い時代を何世紀も重ねて来たのでしょうね。
村の中には1軒のバールも、タバッキも、食料品店も見かけず、
まぁ今は、隣のチゾンまで行けばレストランもホテルもあるほどの町ですが、
かっての村人達の生活は大変だったでしょう。
きっと自給自足の助け合い、不足を補っての暮らしだった事でしょう。

ジュリアーナ達がプレゼーピオを見に来た夜は、村でお茶とクッキーの
サーヴィスがあったそうで、やはり一種の村興しというか、自分達の村を何とか、
という皆さんの意思なのでしょうね。
良く保存されていると思いましたもの。



中庭の向こう、綺麗に改装された可愛いお家。

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ふと気がつくと、柵の向こうにワン君がいて、
吠えもせず動きもせずに、尻尾を立てたままポーズ!

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おお、いい子じゃねぇ!と広島弁で褒めてあげ、ははは、我らは道を辿ると、



なんと庭続きにずっ~と一番端まで移動して来て、もう1枚! 
長い黒い耳が目立つ、好奇心の強い、暇なワン君、ははは。

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後ろから、ボクもぉ!と吠え騒ぐ、羊みたいな耳の子!

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こうして村の中の道を行ったり来たり、奥まで入り込み、はは、
村の入り口まで戻って来て、最初の教会前に。

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この教会は村の守護聖人サン・ゴッタルド・S.Gottardoに捧げられ、
この聖人は家畜たちの守り神で、農民達から長年に渡り家畜を病気から護る様
祈りを捧げられたという、いかにも農村に相応しい守護聖人の教会なのでした。

前を通る道が、ヴィットリオ・ヴェネトから西のヴァルドッビアーデネ・
Valdobbiadeneまで続く、この先から白ワインの道と呼ばれ、プロセッコの葡萄畑の
間を抜けていく道。 

n.2 白ワインの道 ・ サント・ステーファノ付近
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462783931.html



村は教会横の道を上った上にも少し続くので、行って見ようかとなり、

お家の裏庭に見えるムスカリの花。

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如何にもの可愛い半円の橋が架かっているのが見えますが、
水路も掘られているのが今は空で、どうして水路がなくなったんだろ?!

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山に近いせいか、ここの花はちらほらの咲きかけ。

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村を見下ろす位置に出て、

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山からの風が遮られ南からの陽が当る位置の木は、正直に花を咲かせ。

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なんの芽だろ、こういうのを見ると嬉しい!

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土手の南面に咲く花。 

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村の南向こう遥かに、雑木を焼く煙がたなびき、

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教会の後ろに戻ってきて、小さい教会なのに、ちゃんと後陣が張り出し、
横にもポコッと礼拝堂があるのに感心!はは。

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時計を見ると12時40分。 2時間ほどのムーラの村散歩でしたぁ。


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