・ n.1 スペルロンガ ・ イタリアの一番美しい村々の1つ

南ラツィオの旅のご案内、今日はスペルロンガ・Sperlongaを。
「イタリアの一番美しい村々」にも選ばれていて、写真は町の東にある
ローマ皇帝ティベーリオ(ティベリウス)の別荘跡から眺めたもので、
町の旧中心部は、こんな風に突き出した崖上に。
       
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ローマ皇帝ティベーリオ・Tiberioというのは、ローマ帝国第2代皇帝、
初代皇帝アウグストゥスの養子だったそうで、「ティベーリオの別荘」というと
カプリ島にあるのが勇名ですが、ここの別荘跡もかなりの大きさ。

傍らにある洞窟内から発掘された素晴らしく大きなギリシャの大理石彫刻群が
現在隣接の国立考古学博物館に収容展示されており、次回にご案内したいと
思っていますが、今回はまず町のご案内を。



スペルロンガの町はどこにあるか、地図をどうぞ。 ローマの南、車で約2時間程で
行ける位置で、

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上記のティベーリオの別荘跡、洞窟内の発掘などは、テッラチーナ・Terracinaから
ガエータ・Gaetaに至る道を建設中の1957年に、偶然に発掘されたのだそう。



これは上の写真に、町から海に突き出した岩場の上に見える物で、
かっての海賊船相手の物見の塔トゥルーリア・Torre di Trugliaで、
16世紀に元のローマ期の塔の後に建設されたものと。

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現在は一帯が自然博物館公園となり、博物館として使用されているそう。
それにしても、ペンキ塗り立て、みたいな凄い色で、ははは。



町のある高さは55mで、人口は3300人程ですが、この位置からは隠れる向こう側の
浜辺に、現在は新しい町が広がり、

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右端に見える木々のある場所、ここに海を見渡せる展望台が。



さてティベーリオの別荘、洞窟跡見学から町に移動し、バスを降りて見える風景は
こんな新しいそっけない広場で、えっ、大丈夫かいなといささか心配に・・!

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広場にある古いオリーヴの根元で、ぐっすり眠る黒猫ちゃん。

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展望台から見渡す東側の海、浜辺。 ほら、洞穴みたいなのがポコッと見えますね、
あれがローマ皇帝ティベーリオの別荘跡と、彫像群の見付かった洞窟。

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こちらが西側、崖の上にそそり立つ町の古い部分。

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展望台でかなり長いガイドさんの説明があり、こちらは早く町の中に行きたく
気もそぞろで、ははは。 やっと集合時間を告げられ、町の広場に向いますが、

まずこんなに高い家が見え・・!

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先ほどの海の岩場の上の見張り塔の他に、町の中にも3箇所ほど見張り塔が
あったというのですが、この高い建物が案外その1つだったかも、ですね。



中心広場に出て来て、ブーゲンビリアの花がもうこんなに!!


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この辺りは夏はきっと大変な人出でしょうね! ローマから2時間ですものね。



広場のカフェの椅子の下。

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広場から西に延びる小路。 そう、どこもかしこもこんな小路があっちにこっちに。
緑の十字のネオンは、薬屋さん。

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小路突き当りの建物の入り口の脇柱の足元。 なにやら由緒ありげと見ましたら、

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内部は12世紀の元教会の建物で、カフェを兼ねた催し物とか集会場とかに変貌。

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前を横切る小路の天井部は青く塗られ、右に見えるアーチをくぐると、

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奥に小さな広場と井戸が見え、手前の左側の壁と、奥の建物に残るフレスコ画。

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こちらは古いフレスコ画で、どうやらトルコの海賊船!

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そしてこちらは建物の2階の壁に描かれた騎士物語りのロマンス。 海賊船にも
かかわりがあったと思うのですが、ガイドさんから聞いた話はきれいに忘れ・・! へへ。

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旧石器時代に既に住人が居たらしいこの町は、町の東に残るローマ皇帝ティベーリオの
別荘にも見られるように、ローマ期にはかなりの数のローマ貴族の別荘があった様子。
が7世紀頃には、あの洞窟も海賊から避難する為に使われたと。

町の名の「スペルロンガ」というのは、この一帯にあるたくさんの天然の洞窟、くぼみ、
穴を意味するスペルンカエ・speluncaeから来ているのだそうで、
町の名が記録に登場するのは10世紀で、今は無い町の城壁が11世紀に造られ、
今も残る町の門に残るのはカエターニ家の物と。       
       

最初に見て頂いた町から突き出す岩場の物見塔、そして町の中にも3つ程あったと
いわれる物見塔、そして城壁と様々な防御にも拘らず、この町は2度トルコの海賊に
破壊されており、最初は1534年、そして1622年と、

この海賊の名はバルバロッサ・Barbarossa・赤ヒゲ(1475-1546)と呼ばれる
Khair ad Din・ハイレッディン、オスマントルコの提督で、
16世紀のイタリアの海岸沿いは、軒並み彼にやられたのでした。
こんな小さな漁村を襲って取る物があるのか、と思われるかもですが、
そう、人間を略奪し、奴隷に使った、売り払ったのですね。

そして町はずっと小さな貧しい漁村、として近年まで来て、ティベーリオ帝の別荘跡が
偶然に発見されたという道路の建設で、一挙に状況が変わり、
それ以降観光の町に変わったのだと。
       


細い小路の両脇に高い建物が迫りますが、一番上の窓も綺麗にされ、
住んでいる事が分かり、

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こんな色違いの扉、これは多分倉庫の扉、も並び、

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狭い土地にかなりの人々が住んでいたのだろうと想像できる建物の高さ!
    
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この右手前の建物は、



こんな感じ、この高さ!!  途中で拡張され、嵩上げされたのも分かりますね。 

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玄関脇の狭い土からも、木々が頑張り! 

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上の玄関から顔を覗かせる、暇そうなワン君! 

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脇に延びる下り坂の先に見える、ちょっと興味を引いた形の建物。

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小路の名は「元の病院通り」とあったので、案外貧者や病人の救護所だったのかも。 
時間があったらねぇ。



なんとなし、髪の毛を細い細い三つ編みに何本もたらし、ビーズなどを編みこんだ
髪型を思い出した扉、ははは。 扉の開け閉めのたびに、ちゃらちゃらと鳴りそう!

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郵便受けの上の青い陶板には4人家族の名前が書かれ、その上左には
飼い猫ちゃんが居るのも分かり、ただし名はなし、はは。



一方こちらは頑丈一式の扉、ただし、救命浮き輪風の飾りあり!

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大概のお家の中はかなり狭いのではないかと想像したのですが、
この入り口部をご覧くださいね。
番地の札を見ると、51、53、55とここに3軒分あり、

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同じ建物の2階には、左から43、45、47、49と4軒分! まぁ2階のお家は中が
2階建てになっているのだと思いますが、やはりかなり狭い居住環境なんだろうなと。

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ここがずっと辿ってきた道の下り坂、つまり旧中心地の終わりの下り坂で、
上って来た仲間からもそう聞き、上り坂は避けたいshinkaiは引き返します、へへ。

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ご覧頂いているように、建物の色は殆ど白で、入り組んだ小路と階段という
特徴がありますが、扉の色、玄関周りの小さい飾りでそっけなさが消えていますし、
何よりも路地が綺麗、掃除が行き届いている感じを受けました。



夏のこの辺りの海の色を思わせるような青い扉!

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今度は家の前の石段に、腰を下ろしているワン君。
う~ん、狭い1段には、お尻と前脚が入りきらないんだね、君は!

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隙間から見えた港、青い海。

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来る時通った時は何もなかったこの階段に、
そろそろ店開きをする手前のワイン・バーがクッションと明かりを。

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細い路地を覗きながら、ゆっくりと戻ります。

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ティベーリオ帝の別荘跡横の洞窟が真っ直ぐ見え、
      
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午前中に傍で見た時は、なんとなしに自然洞窟と思い込んでいたのが、この写真で
手を加えて入り口を掘ったんだと気が付き、調べて、やはりそうなのを知りました。
かなりの厚みを掘り込んでいるのが分かりますね!



小路が狭すぎ、扉の前からだとレンズに入りきらないのが殆ど!

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入り込む小路と階段が至る所に!!

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中心広場まで戻り、

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カフェ・テラスの椅子席を占領している猫ちゃん2人!

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猫ちゃんの詳細は  スペルロンガの猫たち
http://italiashinkai.seesaa.net/archives/20160623-1.html



町の新しい広場の角の展望台から見る、薄い夕焼けの色。

あの岬の向こうの町、テッラチーナまで戻ります。

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正面に見えるポンツァ島。

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この日の最後は、海に射し込む一筋の光。

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我らが行った5月下旬は、漸くに浜辺の準備が整いだした頃で、
少し曇り空の日でもあり、小路に射し込む陽も弱かったですが、
今頃はきっと暑い夏の陽射しの下、町はヴァカンス客があふれ出している事でしょう!

あの狭い路地に余り人が溢れるのはちょっとね、と思いますが、
夏はまた別の表情を見せるのであろうスペルロンガの町。

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狭い路地奥のレストランで、美味しい魚料理を食べるのも
きっと美味しく楽しい事でしょう!!


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