今日のご案内は、陶器、とりわけマヨリカ焼きで有名なデルタ・Derutaを。
町はペルージャの南20k程、アッシジからでも35kほどの行程にあり、
見学してきたウンブリア州立陶器博物館の様子をご覧下さいね。
町はペルージャの南20k程、アッシジからでも35kほどの行程にあり、
見学してきたウンブリア州立陶器博物館の様子をご覧下さいね。
幹線道路を出てすぐ東に新しい町が開け、陶器店も並んでいますが、
古い町は丘の上にあり、新石器時代からの歴史を持つそう。
こんな坂道を、ウンブリアの町は皆こうなんだから! と諦めて、ハァハァと。
古い町は丘の上にあり、新石器時代からの歴史を持つそう。
こんな坂道を、ウンブリアの町は皆こうなんだから! と諦めて、ハァハァと。

町の北端近くの元フランチェスコ会派修道院に、ウンブリア州陶器博物館が。


町に着き一番に行くと、開館時間にまだ30分ほどあり、
大丈夫、開くのかいな?と、イタリア式に少し不安を感じながらも、
時間潰しに近くの陶器店を覗きに。
時間潰しに近くの陶器店を覗きに。
この博物館のポスター。

ウンブリアは、オリーヴ油、ワイン、豚肉加工製品などの有名産物の他に、大変に
手仕事が盛んな州で、陶器、織物など、各地に見るべきものがあります。
で、このデルタは中世からの陶器製造で、ヨーロッパ中の貴族の邸宅の食卓を飾った
マヨリカ焼きで有名なのですね。
手仕事が盛んな州で、陶器、織物など、各地に見るべきものがあります。
で、このデルタは中世からの陶器製造で、ヨーロッパ中の貴族の邸宅の食卓を飾った
マヨリカ焼きで有名なのですね。
博物館の開く時間に戻り、無事会館、入場!
破片の数々。 無くなって見えない分、逆に想像が沸きません?


垣間見える顔のいろいろ、太い線、細い線、色も鮮やか、豊富です。
一段と高い出窓の場所に、背の高い見事な壷。

広い陳列室の一つ。 ガラスのケースにびっしリと。
ここは2階の一部ですが、一階にも陳列室があり、作業台の置かれた所では
子供達が賑やかに製作中でした。
子供達が賑やかに製作中でした。

上の写真の正面の棚の一部。

細長い筒状で、名前が書かれているのは薬草入れ、の様。
これは、ペルージャのパオリーナ要塞で使われていた陶板との説明。
床ではなく壁だろうと思いますが、図柄が優しくは無いものの、繊細さに驚き。

スープ入れ。 横についている顔の、なんとも言えない表情の良さ。
柄も大変繊細で、同じ柄のお揃いセットだった様ですね。

蓋物の、塩入れ。 ワン君の柄入り。

こちらも塩入れ。 なんとなし藍の染付けを思わせる、可愛い小鳥の柄入り。
他にも小鳥の柄入りはたくさんありましたね。
私も小鳥柄のサラダ鉢を一つ、町で買いました。
私も小鳥柄のサラダ鉢を一つ、町で買いました。

こちらも小鳥の絵柄ですが、何に使われるお皿か、わかります?
卵入れが2つ付いて、上はお塩をのせるのだそう。
このまま現代の食卓でも使えそうですが、17~18世紀の物だったと。
卵入れが2つ付いて、上はお塩をのせるのだそう。
このまま現代の食卓でも使えそうですが、17~18世紀の物だったと。

これは見た途端に、うぷっ、と吹きだした、なんとも楽しいお皿。
このアイディア、筆遣いの闊達さ、これで18世紀の作品ですと!
このアイディア、筆遣いの闊達さ、これで18世紀の作品ですと!

昨年春グアルド・タディーノ・Gualdo Tadinoという、グッビオとアッシジの
中間にある、やはり陶器製造で有名な町に寄りました。
町中にはほんの少しの店しか見当たらず、尋ねると、殆どがフラミニア街道筋に
工房と店を出しているとの事で、この町の作品と同列の作品を2種類どうぞ。
グアルド・タディーノの町の作品は、金属的な味わいの絵付けで有名で、
中世の後一時途絶えていたのを復活させたのだとか。
中世の後一時途絶えていたのを復活させたのだとか。

これは鍛冶屋の格好で、ハートを鍛えている図柄で、何か含む意味があるものと。
上のお皿よりももっとハードな印象ですが、図柄は、サン・フランチェスコが
聖痕を受けている様子。

現在のグアルド・タディーノで見た作品は、もっと多色で金属的な味わいも強く、
キンキラ、キンキン。
キンキラ、キンキン。
他の気に入った作品をどうぞ!
小紋柄にも似て、すっきりと、美しく。

唐三彩と同じで、藍、緑、黄土(茶)色が、基本色だったそうですが、
こうして見ると色数は少ないものの、かなり複雑に見え、
なんとなく日本の南蛮絵図のイメージを感じられません?

色々見ているとヴァリエーションがあるものの、縁取り模様に一定の様式がある様で、
3本の線、色で区切りながら、曲線の植物、鱗、楕円形、といった様な。
3本の線、色で区切りながら、曲線の植物、鱗、楕円形、といった様な。
おちょぼ口のウンブリア美人。 バックの山を波に見立て、帆船があっても
可笑しくはないですね?
可笑しくはないですね?

この筒状の物は、薬草入れ。 今でも由緒ある薬局には、大小の同様の焼き物が。

最後に、小振りの可愛いお皿を。

デルタの古い町は小さく、ぐるっと町の壁が取り囲んでいます。
壁に沿っての道は格好の散歩道のようで、お喋りに余念のない人々の姿が
見られた、眩しいほどのお天気の日。

アカシアの花の種類と思いますが、ちょうど満開。
戦争直後の食糧不足のとき、この花をフライにして食べたとか。

こちらが町の中心通り。 先に私は博物館とその近くの店々を覗き、
気に入ったお皿や、鉢、時計等を買い、もう十分に満足していましたので、
この通りはチラッと見ただけ。

陶板で飾られた建物の様子が分かりますか?
店の場所が良く観光客が多いと、それ様の品も多くなるようで、
同じような品の店が増えますね。

一見パッと派手で見栄えがしても、近寄って見ると、絵柄が素人の腕前だったり、

この店は、表の感じがなかなか良く・・。

ここで小鉢と小さい蓋物を買った店奥の制作机。

殆どが、店の主人兼製作人の様で、買い物をした3軒のうち2軒が、
年配の女性が絵付けをしていて、色々話を聞く事もでき、実際の絵付けも
ちょっと見せて貰えたり、でした。
マヨリカ焼きの定義について、ガイドブックを読んだだけではイマイチ分からなかった
のですが、今回博物館にあった説明と、彼女の説明とですっきり、解決。
のですが、今回博物館にあった説明と、彼女の説明とですっきり、解決。
つまり、マヨリカ焼きというのは、粘土整形の後、上にガラス質の釉薬をかけ、
その上に絵付けをするのですね。
磁器のように、高温で長時間の焼き入れ、数字は聞かないで!なので、
普通の陶器のように、絵付けをした後の釉薬は必要なく、
出来る製品も、大変固い品、という事で納得。
その上に絵付けをするのですね。
磁器のように、高温で長時間の焼き入れ、数字は聞かないで!なので、
普通の陶器のように、絵付けをした後の釉薬は必要なく、
出来る製品も、大変固い品、という事で納得。
今、机の上にある製作中の図柄は、受けるイメージ通り、孔雀と言うそう。
ラファエロ風等という名を持つ柄もあったり、名の無い物もあり、
古い作品の柄からアイディアをとったりも。
私の買った、白の帯の上に薄いベージュで柄を描いた小鉢は、色が見え難く
大変面倒で、1週間かかったと余りまけてくれませんでしたが、
やはり焼き物の国の日本人、こういう町に行くと手ぶらでは帰れませんねぇ!!
ラファエロ風等という名を持つ柄もあったり、名の無い物もあり、
古い作品の柄からアイディアをとったりも。
私の買った、白の帯の上に薄いベージュで柄を描いた小鉢は、色が見え難く
大変面倒で、1週間かかったと余りまけてくれませんでしたが、
やはり焼き物の国の日本人、こういう町に行くと手ぶらでは帰れませんねぇ!!
道の両脇にずらっと駐車していて、なかなか思うように写真が。


デルタの町はマヨリカ焼きで有名ですが、デルタ固有の柄、というのは無い様子。
が、こうして見ていると、やはり幾何学的というか、小紋柄風に
びっしりと埋め込んだ柄が多いのに気が付きます。
ウンブリア、トスカーナの土地、土地で陶器の作品を見ますが、
今回デルタを見て思った事は、やはりデルタの陶器の技術の高さですね。
デルタ以外の他の町では、グワルド・タディーノ。
今回デルタを見て思った事は、やはりデルタの陶器の技術の高さですね。
デルタ以外の他の町では、グワルド・タディーノ。
他の町は、個人的に優れた作家がいるかもしれませんが、全体の技術としては
やはりデルタに劣ります。 伝統の強さでしょうか。
やはりデルタに劣ります。 伝統の強さでしょうか。
朝登ってきた坂道を戻りますが、

その前にお昼を食べました。
半地下風の古い家を修復したレストランで、美味しいチーズの入ったサラダを
勧めてくれた中年のご主人は、黒いシャツに茶色のジーンズ。
勧めてくれた中年のご主人は、黒いシャツに茶色のジーンズ。
隣に座った2人連れが傑作でした。 女は30代半ば、男は40代後半から50代。
ご夫婦ではなく、ははは、女は大変な文句たれ!
が、男の方は完全に斜め座りで、甘~い言葉を次々と!!
あははぁ、聞き耳を立て大いに楽しみましたぁ!!
ご夫婦ではなく、ははは、女は大変な文句たれ!
が、男の方は完全に斜め座りで、甘~い言葉を次々と!!
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