・ フリウリ州の山村 ・ チモライス と バルチス

7月上旬にフリウリでの山の子供キャンプに参加したのは既にご紹介しましたが、
翌日近くの2つの町、チモライス・Cimolaisとバルチス・Barcisを訪れました。

いずれもドロミーティ・フリウラーネの麓に位置する美しい山村で、
写真は、朝キャンプ地出発の時に見えた山の姿。 ほんの少し、雪が残っていて。

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子供のキャンプ地はチモライスの町の北はずれでしたから、チャオ、チャオ!の後は、
5分もかからずに町の駐車場に車を止め、河原に。

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チモリアーナ渓流・torrente Cimolianaといい、じきに南でセッティマーナ渓流と
合流し、美しいチェッリーナ渓谷を流れる、チェッリーナ渓流・Cellinaとなります。
薄いエメラルド色の水をご覧下さいね。



傍で見る渓流。 何とも素晴らしい透明度です。
そう深い流れではないのですが、段差のある所ではかなりな水音が。

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広い河原の向こうで、遊ぶ親子。 じりじりと暑くなり始め。

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河原横の空き地には、野草の花。 ヒメジオンでしたっけ? 薄い紫もあり、
塊の白い花は?

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これも名を知らず。 でも、ウンブリアでも見かけた覚えが。

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町外れの河原の駐車場から、町に。 ちょっと予想外の眺め!
広壮な、新しい家が国道筋に並んでいます。

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ウィキペディアで調べましたら、この町は海抜652m、人口は440人ほど!
歴史は古く、先史、ローマの発掘物もあるようですが、15世紀に
ヴェネツィア共和国の元に入り、船建造の木材調達所となったようです。
となると、やはり筏流しがされた事でしょうね。



で、上の写真の道を少し入り込んでいくと、修復されてはいますが、
古い村の面影が見え始め少し安堵。 きっと何年か前に大きな地震があったものと。
広場から、高所に教会が望めます。

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奥に見える高い建物に比べて、ひときわ可愛い家があり、
軒下にティロル・ハウス・Tirol Hausと。
その下の木彫りの花は、エーデルワイス・雪割り草でしょうね。

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エーデルワイスは、こちらのお家の壁にも。 チモライスの町は周囲をドロミーティの
山々に囲まれているので、人々には馴染み深い花なのかもですね。

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上の写真に見えた奥の白い建物は、郵便局で、こちらの壁には日時計が。
時に学べ、と書いてあり、針の影は9時を指し、夏時間で10時でしたから、正確!

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山の町では必ず見かける丸太の植木鉢。 真ん中の紫の穂はラヴェンダー。

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殆どの家が修復され、綺麗過ぎる程ですが、珍しく廃屋を見かけましたが、
庭先には花が変わらずに咲き。

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古いままの石壁を残し、このびっしりの窓! ホテルでもないようなのに?!
かっては大家族で住んでいたのかも・・。

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中心の通りからまず覗き込み、様子を窺い、そろそろと入って行きます。
人畜無害の顔をして。 ははは、実際そうですがね!
考えてみれば可笑しいですが、でも、余りズカズカと入り込みたくはなく・・。
そして、あちこち眺め、失礼でない程度にパシャッと。

洗った椅子が干され。

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道の向こう側には、このホテル。
この1階がバール、レストランで、地元の人のたまり場であるのは、間違いなし!
朝のこの時間から、大声で喋り捲るのが、まる聞こえ!!       
既に、オンブラ(一杯)をやっているのかも。

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町外れの大きなお家の庭先。 古い手押し車が花鉢に。

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冬は寒いのでしょうね、山村は。 どこの家も、薪を積み上げています。

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騒がしい鳴き声が聞こえ、覗くと、日陰にたくさん!
       
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窓の下に並ぶ大小の丸い形が面白く、撮っていると、

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「ボンジョールノ!」とお家の主のシニョーレが出て来て、
既に秋に向け、薪の用意を始めている事、冬は零下10度以下にもなる事、
この冬は雪が多くて、1,5mも積もった事などなど。
ついでに、ほらほらこんなのも全部薪に、と頼みもしないのにお家の中にまで!
      
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うん、余所者に飢えている感じ! 近所の犬まで柵の隙間から覗いていたっけ!
この辺り一帯、近くのエルト、カッソも含めフリウリの言葉とも少し違う言語の一帯で、
消滅を防ぐのに保護されている様子ですが、でも、このシニョーレの話は良く分かり。
年代がもっと上の人だと、やはり分かりにくくなるのかも、ですね。
       


で、上に見えた電動ノコですが、使っている様子は見た事もありますが、
刃を実際に近くで見たのは、初めて!
折れ曲がった刃が、互い違いの向きで付いているのですねぇ! 皆さん、ご存知で? 
まぁ、のこぎりの刃も、逆に付いていますけど!

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この通りには古い家が多く残り、興味深かった。 この大小の扉と窓の並び。
上の大きな両開きの扉の中には、藁、まぐさなどが積み上げてあり、
あの扉から運び出すのですよ。

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壁の粗い材質感。 静物画を描いていた昔に、こんな壁が見れていたらねぇ・・。



扉の木目、小さな鍵穴、間に合わせみたいな、細い引き手。

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ふっと屋根を見あげて、見つけました。
これ、雪の落下防止ですね。 向かいのお家の屋根にも。

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ニューヨーク・ヤンキースの帽子、サンダル、そしてサングラスの粋な
シニョーレを見つけ、写真を撮っても良ろしいか、と。
すると、「どうぞ」と言いながら、サングラスを外されました。
近くで拝見したお顔は、穏やかで、大変ハンサムでありました。

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最後に、町の教会の鐘楼を。

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これより、バルチスに向かいます。
地図をどうぞ。 印の付いているのが、チモライス・Cimolaisで、
南東に下り、バルチス・Barcis。

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この道沿いにずっとチモリーナ渓流、そしてクラウト・Clautの西でセッティマーナ渓流と
合流したチェッリーナ渓流が流れ、素晴らしい眺め。
地図では分かりにくいですが、このチェッリーナ渓流がバルチスで湖になります。

地図の東端の刃物の町マニアーゴ・Maniagoは マニアーゴ ・ 刃物の町
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463999407.html



朝は快晴だったのに、バルチスに下る間に、18k程の行程、少し雲行きがおかしくなり、
写真に見える奥辺りが、チェッリーナ渓流が湖になる部分。

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河床が浅い部分は、水の色が淡く白く、深くなるとエメラルド色に!

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町の西外れに湖の対岸に渡る橋があり、そこからの眺め。

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到着した時はまだいくらか陽が射し、湖面全体が鏡の様。 で、欲を出し、
少し高い所から見たら素晴らしかろうと、町の対岸を巡る道を、そろそろと。
所が、道の位置は高いのですが、殆ど樹木で隠れ、湖や町は葉の隙間からのみ!
何箇所かの場所はすべて家か別荘があり進入はできず、とうとう湖を一周し、
小雨が降り出した事もあり、お昼ご飯に。

これは、町を出発する前にもう一度橋まで戻り写したもので、
残念、さざなみが立ち、全面鏡ではありません。
それでも、この小さな山の保養地の感じお分かり頂けると思います。

町の海抜は409m、人口はなんと270人程。
ヴァルチェッリーナ渓流を利用して水力発電所が戦後に造られ、その人工湖だそう。 
この辺り一帯、自然保護地域も広がり、日本のダム湖の様ではないですね。



湖には、こんな風にかなり大きな鱒が。
鱒だけではないのかも知れませんが、お昼に、この湖で獲れたという鱒を、はい。
鱒のムニエルと、茸、ポレンタで16エウロ。 美味しかったぁ。
       
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湖岸から、向こうの山林を眺めて。 7月上旬、まだ町はひっそりでしたが、
暑い時には、泳げるのでしょう。

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湖に沿って町は細長く続き、北側はすぐ山が迫ります。
修復が済んで直ぐの様子の由緒ある建物のようですが、何の標識もまだなく。
右に、門が見えますが・・、

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門柱に、こんな顔。 どうやら、13,4世紀の建物ですね。

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最後に、湖の住人のイタ鴨ご夫婦に登場を願い。

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フリウリ平野に下って来ましたら、暑~い夏日でしたぁ!

再訪したバルチスの様子を。 暑中お見舞いを! フリウリ山中より、バルチスの水の色
http://italiashinkai.seesaa.net/archives/20170724-1.html


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