先回ご案内のヴァル・ディ・ノン、トレンティーノ・アルト・アディジェ州の
ノン渓谷。
今日はその奥深い谷の切りたった岩の上に5層になって聳える
聖所サン・ロメーディオ・San Romedioのご案内を。
今日はその奥深い谷の切りたった岩の上に5層になって聳える
聖所サン・ロメーディオ・San Romedioのご案内を。
細い谷間の道、陽も差さず露が落ち、道も木々もしっとりと濡れる奥にちゃんと
駐車場があり、写真に見える標識に従い、丸石舗装の段々道を辿ります。
駐車場があり、写真に見える標識に従い、丸石舗装の段々道を辿ります。

あれこれ説明するよりも、次第に見えてくる様子をご覧になり、
1000年以上に渡る民間信仰の姿をもご想像下さいね。
位置の地図などは、先回の「ヴァル・ディ・ノン」をどうぞ!
位置の地図などは、先回の「ヴァル・ディ・ノン」をどうぞ!
クリスさんがあれこれコメントに記して下さった事に促され、改めてガイドブックを読み、
漸くにすっきり納得の部分があり、追記補記致しましたので、よろしくお願い致します。
漸くにすっきり納得の部分があり、追記補記致しましたので、よろしくお願い致します。
上り道の脇に切り立つ岩はこんなに苔むし、濡れてつるつる滑る
丸石舗装はとても歩きにくく、
丸石舗装はとても歩きにくく、

漸くに見えた建物ですが、

も少し先に進み、見張らせる場所からの眺めはこんな感じ! 凄いでしょう?!
奥の岩山に沿って、次々に小さな教会が重なっているのですね。
奥の岩山に沿って、次々に小さな教会が重なっているのですね。

教会の聳えたつ様子。
空は雲ひとつない快晴ですが、陽の射さない地面は濡れて暗く・・。
空は雲ひとつない快晴ですが、陽の射さない地面は濡れて暗く・・。

上に辿り着いての正面の様子。 どこもかしこも綺麗に手入れ修復が施され、
かっての隠者修行僧達の修道院というイメージはありません。
かっての隠者修行僧達の修道院というイメージはありません。
正面のアーチをくぐると、

小広場があり、そこから聳える教会群がこんな風に見えますが、


まずアーチの横にある小礼拝堂に入ると、天井にはこんなフレスコ画が施され、
この礼拝堂はサン・ジョルジョの礼拝堂と呼ばれる物で1487年建設。

壁にある祭壇。 天井のフレスコ画もそうですが、この祭壇の絵もいつも見かける
教会の装飾画と少し違い、素朴でどこか北国の香り・・。

一番上の教会までは石段の数が130との事ですが、ここ迄は外の石段だったのが、
今見える左のアーチをくぐると、建物内の石段に。
今見える左のアーチをくぐると、建物内の石段に。

建物中程の階の右奥に見える木造部分は、内部の様子が分かりません。

いよいよ上層部に入るアーチから見下ろすと、こんな様子。 高いでしょう?!

右側の建物の手前にはやはり小さな教会があり、この小さな礼拝堂が
第一次大戦後に建設された一番新しい「悲しみの聖母の礼拝堂・
Cappella dell'Addlorata」で
入り口アーチに近い方にはバールとスーヴェニール店。
第一次大戦後に建設された一番新しい「悲しみの聖母の礼拝堂・
Cappella dell'Addlorata」で
入り口アーチに近い方にはバールとスーヴェニール店。
石段の脇、空間がある場所にはこんな風にキリストの受難場面を現わした
木製像が何か所が置かれているのですが、ご覧下さい、
かってのトルコの脅威を現わし、兵士達は皆トルコ兵で表現。

壁のあちらこちらにいろいろな献金箱、お賽銭箱が設えられているのですが、
熊を連れた聖人、これがこの聖所、隠所を創始した聖ロメーディオ・
San Romedioを現わす姿。
熊を連れた聖人、これがこの聖所、隠所を創始した聖ロメーディオ・
San Romedioを現わす姿。

サン・ロメーディオという方は4~5世紀にかけ存在された方だそうで、
南オーストリアはインスブルック近くの城に住む貴族出身。
が、ローマに巡礼した後全ての財産を教会に寄与し、2人の仲間と共に
現在のこの聖所の近くの洞窟に隠棲したのだそう。
彼と熊との逸話は、トレントの司教に会いに行く時に彼の馬を熊が食べてしまい、
馬の代わりに熊に跨って出かけたという物!
馬の代わりに熊に跨って出かけたという物!
暫く前までは聖所の近くに野生の熊が何頭か飼われていたとかで、
現在も入り口アーチの脇に熊の像がありましたが・・!
下から数え2つ目のサン・ミケーレ・アルカンジェロ教会・S.Michele Arcangelo、
1514年建設、狭めながらも比較的明るく整った教会で、ここで司祭の説明を。

我らのグループにはアンナマリーアという大変素晴らしい女性がおられ、どこか遠足に
出かける時には、行きのバスの中で必ず現地事情、土地の歴史などの説明があり、
この日も先回ご案内の3殉教聖人のお話も含め、聖ロメーディオについても
説明を受けていたので、教会で説明に出てきた司祭の話の下手さ加減、ははは、
詰まらない話しぶりに呆れ草臥れながらも、眠らずにやり過ごす事が出来ましたです。
説明を受けていたので、教会で説明に出てきた司祭の話の下手さ加減、ははは、
詰まらない話しぶりに呆れ草臥れながらも、眠らずにやり過ごす事が出来ましたです。
ガイドとしてお願いしてあったようで、お布施を払うのも見ましたが、ドテッと大きな
お腹を抱えた司祭で、清貧の陰者どころか、アンナマリーアの話がなければ、
まったく分からずにすんだ説明振りでしたぁ!
年間20万人程の参拝者があるそうで、この平日もかなりの人出で、
かっての信仰の巡礼とは違い、観光地として成り立っている様子が見て取れました。
お腹を抱えた司祭で、清貧の陰者どころか、アンナマリーアの話がなければ、
まったく分からずにすんだ説明振りでしたぁ!
年間20万人程の参拝者があるそうで、この平日もかなりの人出で、
かっての信仰の巡礼とは違い、観光地として成り立っている様子が見て取れました。
壁に残るフレスコ画には、如何にもの往時の北の香りも残り、

天井の装飾も素朴ながら可愛らしく、

隅に、鐘楼に繋がると思われる引き紐も下がります。

教会建設の最初は1000年頃、聖ロメーディオのお墓の上に建てられた物と言われ、
巡礼達が運び上げた石によって造られたそうで、正式に認められたのは1300年。
巡礼達が運び上げた石によって造られたそうで、正式に認められたのは1300年。
15世紀頃になり信仰が盛んになると、今こうして石段の両脇に掛けられている
願かけ成就のお礼・エクス・ボート・ex votoが溢れたのだそう。
願かけ成就のお礼・エクス・ボート・ex votoが溢れたのだそう。

そうなのですね、普通の教会では余り見かけないエクス・ボートは、所謂聖所と
呼ばれる教会や、町の一角に設えられた礼拝所等に山の様に掛けられて
いるのを見ますが、 こうして見るといわゆる民間信仰の厚い聖所であったのが、
今もそうなのかもですが、良く分かります。
そしてエクス・ボートを見かける場所は、やはりちょっとくだけたというか、
親しみやすい庶民的な雰囲気のイメージなのですね。
15世紀になり第2の教会の建設が始まり、16世紀に第3、第4と造られ、
最後の一番上が建設されたのは20世紀初頭で、次々と上に重なる形で
5層の教会が出来たという訳ですが、見える鐘楼は16世紀の物と。
最後の一番上が建設されたのは20世紀初頭で、次々と上に重なる形で
5層の教会が出来たという訳ですが、見える鐘楼は16世紀の物と。
石段を上まで上り詰めると、こんな感じに教会の周囲を、
他に言葉が見つからずで失礼し、展望台が開けます。

上の写真の1ヶ所開いた所から外に出ると、ほら、こんな周囲が!

谷底はこんなに深く、水音が遥かに聞こえ、

一番上の教会の屋根はこんな風な板張り。

中に入ると2つの礼拝堂、というのか教会が隣り合わせにあり、こちらは下側の広い
1536年建設のサン・ロメーディオ教会・S.Romedio、聖人達の壁画が取り囲み、
1536年建設のサン・ロメーディオ教会・S.Romedio、聖人達の壁画が取り囲み、

石を彫った上の教会入り口。

この上の教会がいわばこの聖所の心臓部で、入り口の門は1200年作で、
半円部の下に並ぶ3つの顔は、先回ご案内した3殉教聖人を現わし、
太陽は生、上の十字架のキリストは死、彫り込まれただけの十字架は再生を示し、
半円部の下に並ぶ3つの顔は、先回ご案内した3殉教聖人を現わし、
太陽は生、上の十字架のキリストは死、彫り込まれただけの十字架は再生を示し、
側柱に見える鷲は民間の、顔は宗教を示し、この聖所の見張り、という解説が。

石段を7段上がるとこの薄暗い教会に。 壁上部の壁画は殆ど消えかけていて、

少し古いイメージを受ける壁画の名残も見え、

鉄格子の窓の奥にはこんな小さな礼拝堂も見え、が天使像など、
如何にも普通の民家の置物風で・・!

ガイドブックには、ここに始めて聖ロメーディオが小礼拝堂の様なもの、少なくとも
十字架を立て信仰の場とし、最後はここに葬られたと言われ、後1000年代になり
お墓の上に建てられた、と言われる最初の教会がこの聖所の起こりと。
十字架を立て信仰の場とし、最後はここに葬られたと言われ、後1000年代になり
お墓の上に建てられた、と言われる最初の教会がこの聖所の起こりと。
5層に重なる教会、という言葉から、なんとなし下の部分から建設、と思い込み、
見学した時に疑問が出たのでしたが、クリスさんのコメントのお陰で
漸くに納得する事が出来ました。 有難うございました!
見学した時に疑問が出たのでしたが、クリスさんのコメントのお陰で
漸くに納得する事が出来ました。 有難うございました!
上の教会から見る、最初に入った広く明るい方の教会。
祭壇正面に、熊を連れた聖ロメーディオの姿。
祭壇正面に、熊を連れた聖ロメーディオの姿。

射しこむ光に浮かび上がる椅子。

入り口の扉、薄暗い中で黒茶と思って写したのですが、なんと赤い扉でした。



曲りながら降りる石段。

石の備え付けのお賽銭箱なのですが、大きな南京錠が2つも!!

入口のアーチまで戻り、漸くにお昼近くの射しこむ陽が嬉しく・・。

外正面より。 こうして見ると、前の建物と後ろの教会の水平が少しずれている様な。

厚い厚い壁!

如何でしたか、サン・ロメーディオの聖所は?
行く前に、素晴らしいと聞いて出かけたのですが、サン・ロメーディオ修道院、
と聞いていたのとはかなり違った姿、印象の聖所でした。
行く前に、素晴らしいと聞いて出かけたのですが、サン・ロメーディオ修道院、
と聞いていたのとはかなり違った姿、印象の聖所でした。

民間信仰の親しみやすい姿、北の匂いのする姿でもあり、今はかなり観光地化した
様子もあり、一方、かっては辿り着くにも大変な場所であったろうとも思い、
と共に素晴らしい眺望もあり、
いつもの素晴らしい芸術美術作品のある教会とは違う、ふ~ん、そうなのかぁ、
という想いで丸石舗装の道を下ったのでした。
という想いで丸石舗装の道を下ったのでした。
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