・ n.1 トナディーコ ・ 山の上の古い教会と、煙突掃除と

ドロミーティーの麓の村から昨夕戻り、今朝は洗濯機を回しつつ、ほんのちょっぴり
部屋の掃除もし、ブログのネタを考え、写真をさっと整理し、メールも何通か書き、
お昼を食べ、さて、と今おもむろに書き始めた所ですが・・、

戻っては来てもまだ頭の中には山の風景が広がっており、即の切り替えは難しく、はい、
なので今回は、散歩かたがたセルジョと出かけた隣村トナディーコの
山の上の古い小さな教会の様子と、見下ろす村の屋根の上に見つけた煙突掃除人
の姿などをご覧下さいね。

そう、煙突掃除という言葉自体が、既に辞書の中の存在みたいに思っていますよね。
所が実際にしっかり仕事があり、働いている姿を見たので皆さんにも!

写真は息子の山の家があるシロール・Sirorから、東隣のトナディーコ・Tonadico
に向かう山側の道の様子を。

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山の道をゆっくりと歩いて行くと、びっしりと実がついたリンゴの木も目に付き、

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馬たちも、まだゆっくりと朝の食事中、

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一昨年もご覧頂いた、この素晴らしい家。 でも住んでいない様で、勿体ない!

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こちらのお家の庭の端には、これから薪に割る丸太がたくさん並び、
そろそろ冬への準備が始まっているのですね。

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カボチャもかなり大きく育ち、

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目指す教会は、こんな風に山の中腹に。

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鐘楼の後ろ遥か山の上に、中世のお城跡が見えるのですが、分かりますか?
ここの見物もまた来年回しになりました。



教会への道は、下のトナディーコの村からだと車も通れる比較的緩やかな折り返しの
坂道があるのですが、村まで行かず、途中から急傾斜の近道を行く事に。
教会の名は、サン・ヴィットーレ・S.Vittore.
上の"troi de la Colombera" ってなんだろ? セルジョに訊ねるの忘れた。

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小川沿いにかなりの坂道を上って行くと、木の小さな橋が架かっていて、奥に続く
小道が見えますが、肝心の橋が通行禁止になっているのですね。
ひょっとして、と暫く本道を行きましたが、どうやら別の山越えに通じる様様子で
引き返し、半分朽ちかけたこの橋を渡ります。

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小石と丸太で一応整備された小道ですが、なんとまぁ急傾斜で!
まぁそう長くない距離で助かり、シロールの村、足元の家がこんな風に。

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トナディーコの村の屋根屋根屋根。 大小様々な煙突の並ぶ様子とその数にご注目!

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教会に近づくと、何やら大きな声でお喋りするのが聞こえ、やがて村への道を
このグループが下るのが見え、

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パシャッと撮りましたら、シニョーラが気がつき、あ、写真を撮っているよ、
チーズ!と、こちらを見上げて皆が笑顔で。



こちらがサン・ヴィットーレ教会、なにせ前が狭くすぐ坂道なので、これがやっと。
入り口右半分に屋根の形になった古い壁の部分が見えますね。

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この部分が一番最初の建設部分で、正面壁に薄く色が残っているのが見えますが、
サン・クリストーフォロ、大男が肩に子供のキリストを乗せた川渡し人の
姿で描かれる、があったのだそう。



上部をアップすると、鐘楼のぽっこりの丸い形も木の板で葺かれているのがよく分かり、
ND・1500年と石で建築年号が記されているのは、鐘楼の年号で、
教会自体は多分1200年代初期の建設と考えられているそう。
  
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扉が閉まっていたので、まず隣接の墓地を見に。 大きな家族毎のお墓で、
見つけた一番古い生年月日が1837年だったかな、比較的新しい年代。
教会の歴史が古いので、それ以前のお墓は多分全部整備されたのかも、ですね。

さてどうするか、とパノラマを眺めていると、下の村の現市役所、かってのこの村の
有力者の住居であったスコーポリ邸・Scopoliの前で、大人数のグループが
ガイドの説明を聞いている姿を見つけました。

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きっとこの教会まで上って来るに違いなく、そうなると、扉も開き中のフレスコ画が見れる、
と、はは、眼下の風景を眺めながら待つ事に。



遠くに見えるこの一帯の中心街フィエーラ・ディ・プリミエーロの、その向こうも見渡せ、

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手前に広がる草原に、薪や草の貯蔵小屋が点在。

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セルジョが、あ、スパッツァカミンだよ、と。
スパッツァカミンとは、Spazzacaminoのヴェネト訛りで煙突掃除人を指します。

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あ、ホントだ! ぐいぐいと力を込めて、押し込んでいる姿が見え、



ぐ~っと引き抜き、また押し込み、我々が気がついて見始めてからも4,5回繰り返し。

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今に玉が出るから、見ておいで、とセルジョ。
おお、やっと済んだ様で、玉、つまり鉄棒の先の金属のブラシが引き出され、

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ほらね、屋根の上端に玉を下ろし、
ひょっとして、屋根の向こう側の煙突も掃除するのかも。

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煙突に屋根を被せて、上の仕事はお終いですが、これから暖炉に落ちた
汚れの灰を掃除するのでしょう。

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なにせ、初めて煙突掃除人の存在を目にしたので驚き、
なるほどぉ、仕事があるんだねぇ! あるどころか、予約したら8ヶ月先の受付だった。
凄いですねぇ、セルジョが山の家を整備した時に頼んだそうで、8ヶ月後に来てくれたそう!
いくら払った? 50エウロだった。 2年毎に頼まないとね。 との事。

薪の山、煙突の数を見ると、そんな話がしっかり納得できますし、家の中に暖炉が、
ストーブがあり、火が燃える様子は美しく暖かく、調理もできるし、山の冬の生活には
欠かせずで、スパッツァカミンも童話の世界の話ではないのでした。

そうそう、蛇足ながら、屋根の上に見える2段の横棒ですが、これは積雪の落下防止用。
色々な形がありますが、こんな感じであちこちの屋根上に。



東の山沿いの、美しい傾斜地風景を見つめ、

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奥中央に見える石造りの小屋みたいな大きさの建物、あれは小さな礼拝堂だそうで、
帰り道に寄ろう、という事になり、

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そんなうちガイドに導かれたグループが坂道を上り到着し、教会前での説明の中、
このシロールの村の左の山手上に見える白い大きな建物、現在ホテルだそうですが、
1930年代まではビール工場だったという説明もあり、

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シロールの村の人々が「ビッレリーア」と呼ぶ意味が漸くに分かった、とセルジョ。

こうして教会の扉が開かれまして、厚かましく一緒に中に入り、更にもっと厚かましく、
途中までしっかりと説明を聞き! ははは。
       
という事で、教会内のフレスコ画の様子、あの小さな礼拝堂も次回その2でご案内を。
お楽しみに!

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