・ n. 2 大聖堂の煌めきを ・ アマルフィ

かってのイタリアの4大海運国の中で、一番古い歴史を持つアマルフィの町の
素晴らしい大聖堂の今日はそのご案内2回目。

天国の回廊・Chiostro del Paradizo、 磔刑教会・Cappella del
Crocifisso、 地下礼拝堂・Cripta、そして聖堂内部をご覧頂きますね。

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写真はガイドブックからの物で、上空から眺めると、聖堂前の階段の長さ高さ、
聖堂の奥行きも良く分かりますが、鐘楼の左奥に四角な回廊が広がり、
聖堂との間にかなり大きな磔刑教会、という配置。



では、聖堂の正面階段を上がり、ロッジャ部を左に、その隅の扉から回廊にどうぞ。

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今迄に見慣れている回廊は花壇があり、または緑の植え込みが模様を描く回廊ですが、
ここには椰子の木があり、はは、アラブ風のアーチ飾りで、やはり南国のイメージ。

天国の回廊と呼ばれる由来は、アマルフィの有力市民の為の墓地として1266~68年に
建設された事に因るそうで、17世紀には殆ど放置された儘になっていたのを、
20世紀初頭に修復、公開されたのだそう。



現在も回廊には7つの礼拝堂が残り、描かれたフレスコ画は14世紀のものと。

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上の真ん中の写真にも見えましたが、ローマ時代の石棺が5つあり、
これなどまさに素晴らしい浮彫が施された物ですが、
あのですね、・・これらも中世に再利用されたのだそうで、ははは。

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回廊の壁面に展示された物の中で、大変気に入ったのは、
このコズマ式モザイク装飾のあれこれ。 左下は床細工、その他は細工の一部。

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細部アップはこんな感じ。
角の小鳥と花以外の抽象的な模様が、今回この一帯でたくさん見かけたもの。

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どこかの柱頭なのでしょうけど、ちょっと笑えません?
ライオンに腰をかけ、頭にゲンコツなのか、タテガミを掴んでいるのか、ははは。

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コズマ式モザイク・コズマーティというのは、12~14世紀にかけて主に教会の床、
祭壇、説教壇などに各種の硬い色石や大理石、ガラス質の金モザイク片などを利用し、
ビザンティン美術の流れを汲む抽象柄の装飾を施したスタイルで、
ローマのコズマ・Cosma家一族が得意としたもので、4代に渡る7名の名、
ロレンツォを初めとする彼らの名が残ります。

彼らの作品の残る有名なローマとその周辺の教会は、
サンタ・マリーア・マッジョーレ聖堂・Basilica di Santa Maria Maggiore、
サンタ・マリーア・イン・コスメディン教会Santa Maria in Cosmedin、
そしてスビーアコ・SubiacoのSacro Specoの扉 ここは確か聖ベネデット修道院。
チヴィタ・カステッラーナ・Civita Castellana、ヴィテルボ近く、ドゥオーモの正面壁。    

皆さんも、教会の床がびっしりと各種の色大理石の模様で埋め尽くされているのは、
こちらで良くご覧になっていると思いますが、
コズマ式、という言葉に出会ったのはヴェネツィアのカ・ドーロの修復について
読んだ時で、そういえば、とサン・マルコ聖堂の床模様を想い浮かべたのですが、
それでもまだイマイチ、柄だけ頭に残らなかったのですね。 
多分面積が広すぎて、凄いなぁ!とだけで、ははは。


所が今回出会ったのは、こんな様子の小ぶりの抽象柄、というのか、
白色の余白が小気味よく斬新、と目に映りました。

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こんな柄が教会内の高く設えられた説教壇にあったりで、白色との取り合わせが
如何にもアラブ風が良く映える南イタリアのイメージですよね。

アマルフィから出かけたサレルノのドゥオーモでその美しさに目が引かれ、
初めてピンと来たのです。 はい、いつも遅めのshinkai!
サレルノのドゥオーモもまたご覧頂きますね。

n.1 カ・ドーロ ・ ヴェネツィアの館
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463740863.html

n.2 ヴェネツィアの館 ・ カ・ドーロ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463741340.html



さてこちらは回廊とドゥオーモの間にある、磔刑教会・Cappella di Crocifisso.
礼拝堂・Capellaという呼び方はガイドブックに、サイトにはバジリカ・聖堂ともある、
大教会の天井の高さと広さ。

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それも道理、元は中世初期に建設された物で、アマルフィの最初のドゥオーモで、
3廊式で、上部に張り出したかっての婦人用の歩廊も。
      


壁にはフレスコ画もたくさん残り、

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ここは最後の修復がつい1996年だそうで、現在は博物館になってて、



こんな浮彫の聖母子像や、

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木彫彩色の聖母子像も。

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マリーア様は媚がなくて良いなぁ、と思うのですが、ボクの方はどこか、
とっちゃん坊やのイメージで・・、失礼をば! ははは。



修復に因り、かっての古い礼拝堂も現れたそうですが、

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展示品には、こんなお輿もあり、18世紀の中国製、黒の漆に金彩色。
元々は世俗で用いていたのが聖堂に贈られ、大司教様がお出ましに用いられたそう。
       
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下部に見える四角い金具の張り出しに棒を通し、前後4人で持つ、という形ですが、
・・籠の様に肩に担ぐのと、腕に下げるのと、どちらが重く感じるのだろ?



こちらは、聖堂の地下礼拝堂・Cripta、大変豪華な造りで、

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元は13世紀に造られ、町の守護聖人の聖アンドレアの聖遺物を祀る為だったのが、
1600~12年にスペイン王フェリペ3世の個人的な意思に因り、この様に修復されたと。

聖アンドレアは、キリストの12使徒の一人で、コスタンティノーポリの正教会の
初代総主教様だそうで、・・これ以上は知らず、書けませんが、
 
1206年に町の守護聖人となり篤く祀られたのが、その後いつともなく紛れ、
1304年に巡礼の一人が、その聖遺物から滲み出る液に因り新たに発見したそうで、
これをマンナ・ディ・サンタンドレアと言い、
聖人の祭日11月30日には、未だにその現象が起こるのだそうで!

こういった聖人の奇跡というか、科学的には説明できない現象がイタリアの国には
あちこちにあり、その代表的なものが、ナポリのサン・ジェンナーロで、
聖遺物、聖人の血液が毎年2度液化するのですぞ!



最後は、アマルフィの大聖堂内部。 ご覧の様に、絢爛豪華なロココ様式の物で、

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主祭壇、

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天井。

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どうもこういうのは苦手で、写真も3枚だけ。



表に出て、ほっと一息。 正面階段上からの眺め、目線が高いでしょう?!

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やはり、この正面が一番美しいですね!! もう一度ご覧頂き、

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最後は、アマルフィの海の色をどうぞ! 

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