2回に分けてご覧頂いているボーマルツォの怪物公園のn.2で、
今日もごゆっくりのんびり、4世紀前から公園の木陰に潜み続ける、ははは、
石像の怪物たちをご覧下さいね。
今日もごゆっくりのんびり、4世紀前から公園の木陰に潜み続ける、ははは、
石像の怪物たちをご覧下さいね。
まず、口を開けて飛び出す怪魚、が狙う物は・・、

手前にしどけなく寝そべる女性の姿。

16世紀当時、所謂イタリア式庭園と呼ばれる整った庭が各地に造られ始めますが、
この庭園はまるでその趣を異にした物。
後にご覧に入れますテンピエット・小寺院、これが多分最初の造園意図で
あったろうと思われる、ヴィチーノ・オルシーニの亡くなった妻の墓所だろうといい、
それに次々に神話からのモチーフが加わり、複雑怪奇な庭園になった模様。
今回の旅で2か所、当時の有名庭園を見ました。
一つはバニャイア・Bagnaiaのヴィッラ・ランテ・Villa Lanteの庭、
これは規模も大きく素晴らしかったので、またご案内を。
一つはバニャイア・Bagnaiaのヴィッラ・ランテ・Villa Lanteの庭、
これは規模も大きく素晴らしかったので、またご案内を。
そしてファルネーゼ家の庭で、ここの邸宅も勿論ご案内しますね。
いずれも土地の高低を大きく段差を付け利用した物ですが、
この怪物公園は土地の起伏そのままに、そぞろ歩きの道の傍らに怪物たちが
潜む形に、少し開けた場所には何体もと、趣が違っています。
この怪物公園は土地の起伏そのままに、そぞろ歩きの道の傍らに怪物たちが
潜む形に、少し開けた場所には何体もと、趣が違っています。
この様な女性のしどけない姿など、神話からのモチーフとはいえ、
当時にあってはやはり新鮮な驚きと共に眺められた事でしょう。
当時にあってはやはり新鮮な驚きと共に眺められた事でしょう。
その昔フランス宮廷内でダンスが流行った時、踊る女性達がちょっと飛び上がる時に
見える足首、足首です、脚ではありませぬ、を見る為に、
男性方は床に寝そべり歓喜と恍惚に満ち・・、と読んだ事がありますが、
見える足首、足首です、脚ではありませぬ、を見る為に、
男性方は床に寝そべり歓喜と恍惚に満ち・・、と読んだ事がありますが、
まぁね、芸術家達は神話のモチーフを拝借口実に、
大いに裸体をご披露した事でしょうって!
大いに裸体をご披露した事でしょうって!
これは、ちょっとした小劇場風に設えたのかも、ですね。

そしてこちらがこの公園の看板像、とでも言うオルコ・Orco・冥界の神オルクス、
醜悪な男、人喰い鬼、とでも。 ええ、本当に大きく・・、
醜悪な男、人喰い鬼、とでも。 ええ、本当に大きく・・、

ちょうど口の中に人が立てる程!

口の中の様子はと言うと、こんな風に東屋を気取り、石のテーブルが中に、
ベンチは無いのですが、まぁ、5,6人は優に入れる広さで、
ベンチは無いのですが、まぁ、5,6人は優に入れる広さで、

この穴が目の位置。 写真では明るく見えますがとても暗いので、
外の緑の反射がこんなにハッキリと。
外の緑の反射がこんなにハッキリと。

石段の上にうずくまる犬、と思うのですが、後ろにも2つの頭を持ち・・、

オルコ像のあった辺りから下る行程になっていて、

オルシーニ家の名に由来する熊さんの像もあり、抱えているのは、
これも紋章にある薔薇の花。
これも紋章にある薔薇の花。

たくさんドングリも落ちていて、

これも、ドングリですよね?!

ぐるっと回って傾斜地の開けた場所にでて、そこにこのテンピエット・小寺院が。

庭園を作ったヴィチーノ・オルシーニの亡妻ジューリア・ファルネーゼの墓所
だったろうと言い、
だったろうと言い、
ボーマルツォのオルシーニ家最後の当主が1585年に亡くなった後、
町にあったオルシーニの館は、後にボルゲーゼ家が買い取りますが、
この庭園は放置された儘になります。
町にあったオルシーニの館は、後にボルゲーゼ家が買い取りますが、
この庭園は放置された儘になります。
樹木がうっそうと茂り、さぞや怪物たちに似つかわしかったかもですが、
20世紀後半に修復、現在は毎日朝の8時から日没まで有料公開中。
20世紀後半に修復、現在は毎日朝の8時から日没まで有料公開中。
テンピエットの天井の彫り。 四角の真ん中にオルシーニ家の薔薇があり、
その周囲の4つの百合の花に似た形はファルネーゼ家の紋。

開けた傾斜地の上に上って行くと、谷の向こうにボーマルツォの町が見え、

アップで順に、東から西へ。 如何にも中世が残る一郭と、

オルシーニの館。 ここはガイド付きで見学出来るそうで、上の塊部分が全てで、
現在は市役所が入っているそうで、最後に表側をご覧頂きますね。
現在は市役所が入っているそうで、最後に表側をご覧頂きますね。

町外れに当たる所に見える岩山。 寄り添って家が建てられたり、
かって住んでいたらしい穴も見えますね。
かって住んでいたらしい穴も見えますね。

庭園の丘の上の門。

再度道を辿りますが、これは可愛い女性像。

プロテーオ・グラウコ・Proteo Glaucoとあり、プロテーオはホライモリの意とあり、
洞井守とも書き、全長約25cm アドリア海北岸に分布する石灰岩の
地下水に住む両生類ですと。 目は見えず、紅色の外ヒラを持つイモリの一種と。
洞井守とも書き、全長約25cm アドリア海北岸に分布する石灰岩の
地下水に住む両生類ですと。 目は見えず、紅色の外ヒラを持つイモリの一種と。

グラウコは多分名前でしょうから、何かどこかに登場している偉いイモリかも!
頭に球体を乗せていますが、

その一番上には城、オルシーニ家の城。
像に少し色が残っているのを見て、オリジナルは着色されていたのだろうと
思っていましたが、買って戻った古い小さな写真集のこの球体の縞の凹部分に、
しっかり金色が残っておりました。
思っていましたが、買って戻った古い小さな写真集のこの球体の縞の凹部分に、
しっかり金色が残っておりました。
ご想像を! かってこれらの怪物像には色があった事を!!
・・夜は絶対歩きたくないですねぇ!
・・夜は絶対歩きたくないですねぇ!
という事で見物を終え、町の方には行かず、行けず、バスに乗り
ヴィテルボ方面に出発。
ヴィテルボ方面に出発。
元の道に戻った所で、来る時に見えた村の姿がくっきり!
ボーマルツォに含まれるムニャーノ・Mugnanoの村。
ボーマルツォに含まれるムニャーノ・Mugnanoの村。

見える塔はやはりオルシーニ家の城のもので、現在はどうやらホテルというか
各種催し物会場になっている様子。結婚式もでき、レストランもとサイトに。
海抜160m 住人118人。 描けそうな村ですねぇ!
各種催し物会場になっている様子。結婚式もでき、レストランもとサイトに。
海抜160m 住人118人。 描けそうな村ですねぇ!
そして、これを見てやっておくんなせえ!
手前はムニャーノの村、遥か山の上には、来た時に見えたお隣ウンブリアの町
ジョーヴェ・Giove 海抜292m。
手前はムニャーノの村、遥か山の上には、来た時に見えたお隣ウンブリアの町
ジョーヴェ・Giove 海抜292m。

そそられます、と書きましたが、shinkaiの勘は的中、
イタリアの美しい村々に選ばれておりました、はい。
イタリアの美しい村々に選ばれておりました、はい。
ローマ期から栄えた町で、ジョーヴェという町の名の由来は、ゼウスに捧げられた
神殿があったからなのだそう。
戦略的に絶好の位置で、中世初期からオルヴィエート、トーディ、アメーリア等に
狙われる変遷を重ね、16世紀になりファルネーゼ家の下に。
神殿があったからなのだそう。
戦略的に絶好の位置で、中世初期からオルヴィエート、トーディ、アメーリア等に
狙われる変遷を重ね、16世紀になりファルネーゼ家の下に。
このファルネーゼ家の下で町は栄え美化され、いま遠目にも見える素晴らしい城や
宮殿が出来た様子。 で、この平和を破ったのは1796年のナポレオン軍。
まったくねぇ、この男と彼の軍隊がねぇ、イタリアのあちこちをねぇ!
宮殿が出来た様子。 で、この平和を破ったのは1796年のナポレオン軍。
まったくねぇ、この男と彼の軍隊がねぇ、イタリアのあちこちをねぇ!
町の美味は、茸類、タルトゥーフォ、アスパラ、そして猪肉、鳩の詰め物煮込み。
訪問は秋が良さそうですねぇ!
訪問は秋が良さそうですねぇ!
我らのバスは町の裏から県道に戻り、町中の細い道を通り抜けたのですが、
まず、こんな風に高台に古い館が見え、これはもう由緒ある屋敷に違いないと
思いましたら、はい、これがオルシーニ邸でありました。
思いましたら、はい、これがオルシーニ邸でありました。

狭い細い道を曲りくねりながら上り、こんな高さで見えるまで!
フレスコ画で飾られた広間もあるそうで、中も一度見たい物ですねぇ!
フレスコ画で飾られた広間もあるそうで、中も一度見たい物ですねぇ!

古い作りの家がすぐ迫る細い道を抜け、

庭園からみた岩山の裏側でしょう、こんな感じに古い家々が寄り添って建ち、

古い古い屋根瓦の小さな教会も見え、

最後に見えた、正面に聳えたつ町の古い部分。
町の海抜263m 町の住人1900人足らず、
怪物公園だけ見て済ますなんて、本当に勿体ない事でしたぁ。
怪物公園だけ見て済ますなんて、本当に勿体ない事でしたぁ。

凄い坂道、カーヴだらけの道でしたが、町には、再訪できる事を願います!

最後の写真は、サイトで見つけた町の全景。
まさに軍艦の様に厳しく聳えたち、オルシーニ家の名に相応しい姿。
まさに軍艦の様に厳しく聳えたち、オルシーニ家の名に相応しい姿。

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