・ イタリアで一番素晴らしい 植木の迷路・ラビリントを

今日のご案内は、ほら、タイトルと上の写真でもうお分かりですね。
はい、イタリアに現在残る3つ、または4つという声も、の植木の迷路の内でも、
一番大きく素晴らしい、
ブレンタ川沿いのヴィッラ・ピサーニ・Villa Pisaniの庭園にある迷路にご案内を。

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「イタリアで一番XX」というタイトルは好きではないのですけど、
本日の内容で他に言葉が出て来ずで、・・むむ。
上のガイドブックの写真でお分かりのように、九重の輪を形作り、真ん中に塔があり、
頂きにミネルヴァ像があり、円形の4隅に張り出し部があり、全体は少し歪な四角形。
       
植木の迷路なんて、と少々侮っておりましたが、ははは、
なんとなんと、大いに楽しく迷い、行ったり来たり!
ええ、今日は皆さんもどうぞお迷い下さいね。



ヴィッラ・ピサーニ、現在は国の博物館なのですが、
地図のパドヴァ・Padovaの東に見えるストゥラ・Straにあります。

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ピサーニ家は、13世紀頃より既に大変裕福なヴェネツィア貴族の家系で、
幾つかに枝分かれし、ヴェネツィアはもとよりヴェネトのあちこちに屋敷を構えていて、
それぞれがヴィッラ・ピサーニ・XX と呼ばれ、ここはヴィッラ・ピサーニ・ストゥラで、
       
ヴェネツィアのサン・ポーロ地区にも大運河に面したパラッツォ・ピサーニ・モレッタ・
Morettaがあります。
       


先回の予告編でもちらっとお見せしましたが、こちらが正面の真ん中部分、
見事な正面の威容は到底ズームの18mmにも収まらず!

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走っていた車の前方、突然に目の前に現れた時の印象の強さと驚きは、
あ、あ、あれ何?! と子供みたいに訊ねた程で、ははは。

ヴィッラ・ピサーニにつきましては、また改めてご案内をと考えておりますので、
今日は庭園をほんの少しどうぞ。



こちらが入り口。 人間の大きさから、像の高さ、はたまた建物の大きさのご想像を!
入り口にたむろしているのはドイツ人の団体さんで、他にフランス語も聞こえたり・・。

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入り口から真っ直ぐに主館部分を通り抜けると、細長い池があり、
向こうに見えるのが厩舎、はい、お馬小屋!

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まぁ当時のお馬ちゃん達は現在の車と同等ですから、素晴らしいお高い車を
何台も納めるガレージ、ではありますが・・、
サイトであれこれ写真を見ていた頃は、池の奥にあるこれが母屋かと想像したりで!

ちなみにヴィッラの建設は1720年、以前のヴィッラを完全に建て直したものだそうで、
この池は当時はなく、造られたのは1911年、パドヴァ大学の水理学研究の為に。

そうなのですね、ヴェネツィア共和国の崩壊が1797年ですから、
この屋敷はヴェネツィア貴族、栄華の最後のあだ花とでもいうのか、
後にヴェネツィア共和国を倒したナポレオンに購入されたり、
北イタリアを治めたオーストリアのハプスブルゴ家の物にもなり、
1866年イタリア王国にヴェネトが併合されたのを機に、国の持ち物となって残っていて、
が、また改めてご案内を。
      


こちらは、コーヒー・ハウス・Coffee Houseと呼ばれ、かっては旅人たちが休憩
出来る場所で、当時は建物の窓枠がなく、ここの地下にある氷室からの
涼しい空気が床の穴を通って吹き出す、暑い季節に大変心地良い場所だったそう。

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小山の周囲を取り囲む池の、蓮の葉からポチャッと蛙が飛び込み、
まさに、古池や、かわず飛び込む・・、なのでした。



訪れた午後は、初夏を思わせる暑い日でしたが、
広大な緑の庭園内は、爽やかな風が吹き抜ける天国で、

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あちこちに置かれた彫像類も目に愉しく・・。



こちらが敷地内の様子、本当に広いでしょう?!
打たれた番号は、現在開催中の彫刻家の作品展示場所を示しますが、
ついでにこの番号を拝借して言うと、3.が今日ご案内の迷宮・ラビリント・labirinto.

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と言う事で、ここが植木の迷宮の入り口、両脇に右に見える様な彫像があり、

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その脇にある注意事項には、
禁煙、走らない、動物入園禁止、
植木に潜ったり乗り越えない、
ゴミ捨て禁止、乳母車は禁止、
入園は 9:00~13:45  14:15~19:30



ツゲの植木の高さですが、中程にちょこっと頭の先が覗くのが見えますか?

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これは少し高い場所から写したのでこう見えますが、内に入るとすっぽり隠れる高さ、
密度で、声はすれども姿は見えず、ほんにお前はXの様な・・、あれ?
という様子でございます、はい。



入り口脇に管理の方がいて、子供連れがやって来ると、「手を離さないように、
中はとても難しいですから」と注意し、グループなどは最高30名までが一時に入れ、
代表はメンバーの名前を記したリストを提出しないとなりません。

そうなのですね、元々は貴族のお遊び、気晴らし用に造られた迷路なのですが、
なんと全長5Kほどにもなる長さだそうで、
イザ入り込むと、その高さと密度から見通しが利かず、軽~く方向感覚を失い、
人生の変遷にも例えられる迷路、という言葉が納得できる気がしました。

ここからは、漸くに辿り着いた中央の塔の上からの眺めを。
まず入り口付近、

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その上角部、

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その左、

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中央の搭の上には、辿り着いた人々が上り、後から来る仲間に、
そこを右、左、とか大声で・・!

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下の段に見える女性はここの管理の人で、とりわけ難しい北側辺りで
迷った人間が顔を上げると、そこを左に、とか教えてくれるのですね。



入り口から塔まで届く正しい道は唯一で、
そう、この辺りから西にかけて難しい位置がありましたね。

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ツゲの木で出来た迷路、と書きましたが、元々はシデの木だったそうで、
1929年の寒波でやられたのを、今のツゲに植え替えたのだそう。

殆どの木がきちんと整えられているのですが、ご覧のようにこの辺り、少しまばらに
崩れているでしょう?
パオロの話によると、乗り越えたり潜ったりする輩のために植木が型崩れし、
整えるために何年か閉鎖された事もあったとか!
で、内側に金網が張られているのが見えました。


この辺りだったか、行ったり戻ったりで、向こうからの人が、行き止まり!と
教えてくれたり、ね。

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一旦は塔に近づき、そしてまた離れる行程で、遂に塔の入り口が見えた時は、
いぇ~い!

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やっと辿り着いた子供達が、嬉しい大声で仲間や親に指図して。

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いやぁ、塔の上に着くとやったぁ~!という気持ちになるのは皆同じの様で、
隣の男ども2人が仲間に教えつつ、両腕を広げ、
ドンネェ~、インフェデーリィ・不信心者の女たちぃ~、と
教えた通りに動かない仲間に叫んだり、ね、ははは。

かってはこの塔に若い女が、迷路を先に通り抜けた者への賞、がいたのだとか・・、
優雅なお遊びですねぇ。


こちらは塔の上にあるミネルヴァ像、理性の女神で、芸術の守護神だそう。

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イタリアに現在3つ残っている植木の迷路ですが、
他にヴェローナのパラッツォ・ジュスティ・Palazzo Giusti、街の東北部の
テアトロ・ロマーノに近い場所にあるそうですが、ここのは背が低く1m程の高さの
ツゲの植木、つまり隠れ場所にはならない迷路だそう。

そしてトリノ近郊カラヴィーノ・Caravinoという所にあるカステッロ・ディ・マジーノ・
Castello di Masinoの庭園にあり、シデの木で再建された1kの長さの迷路と。

という訳で、このヴィッラ・ピサーニの迷路がイタリアで一番素晴らしいという事で、
ガブリエーレ・ダヌンツィオ・Gabriele D'Annunzioがこの迷路から
インスピレーションを得、「炎・Il Fuoco」を書いたとか。
ミーハーしていると言いつつ、読んだ事が無く、読んでもねぇ、分かるかなぁ・・。

塔の上から、通り抜けた道をしっかり復習したにもかかわらず、帰り道には、
塔の上の女性に一度教えを仰いだり・・。

ひょこっと顔を出した子供がダメだった、と言うので、そこをもひとつ左だよ、と言いつつ
通りすぎると、追いかけて来て、あんたたちは出るの?入るの?って、確かに、ははは。
   


最後におまけ。
迷路の図をサイトで見つけましたので、皆さんもお試しを! 赤点が入り口。

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庭園のメルロ・Merlò・クロウタドリが申します。
辿り着けた? 実地に試しに来てねぇ!

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ヴィッラの入場料は、大人8,5エウロ(2011年当時)、庭園の奥にはカフェがあり、
飲み物やパニーノもあり、博物館、庭園を一日楽しめますです。


◆*◆

お天気の良い日が続いていまして、
プールの体操も、どうやら来週からは外のプールになりそうで、
陽射しが少しでも水を温めておいてくれるよう祈るばかり!

はい、こちらの外のプールというのは、何にも覆いのない、まさに屋外プールで、
自慢ではありませんが、一日で真っ黒になりますです!
       
イタリア語では、ブロンズ色になる、と言いますが、
私の場合は青銅色ではなく、赤銅色!
あと何年かしての、シミ、ソバカスの大いなる養殖中で、
今はまだ潜伏期間(・・はかない願望)で、
そろそろ効果が目に見えてくるのではないかと、はい、内心恐れ・・、

まぁ、ここまできたら諦めの心境で・・、
よぉし、今年も真っ黒に、赤銅色に焼けてやるぞぉ!!


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