・ 聖女フィーナと、収穫のお祭り ・ サン・ジミニャーノ

中世の塔の町、世界遺産にも指定のサン・ジミニャーノですが、

サイトで、「サンタ・フィーナの騎士団・I Cavalieri di Santa Fina」
という協会がある事を知り、それに関連し中世風お祭りの写真もたくさん
見つかりましたので、今日はそれを皆さんにお楽しみ頂こうと・・!

まずはこの町の聖女、サンタ・フィーナのご紹介を。

彼女の生家はチステルナ広場から東にじきの小路を右に。 小路の入り口に
標識も出ていますし、写真のように、建物の間を抜けるアーチの道。

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突き当りを左に折れるとこんな感じで、この家がサンタ・フィーナの生家と。

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入り口扉の横に陶板が見えますが、



サンタ・フィーナの家
1238年生まれ  1253年3月12日没
そうなのです、僅か15歳の人生でした。

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彼女の足元に、何か板のような物を抱えた天使がいるのにご留意を。



こちらが町の北端にあるサン・タゴスティーノ教会・Sant'Agostinoにある、
見てませんが、サンタ・フィーナの肖像と。
作者はベノッツォ・ゴッツォーリ・Benozzo Gozzori.

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聖女、サンタ・フィーナとご紹介しておりますが、本当は聖女に叙されておらず、
福者「サン・ジミニャーノのフィーナ」が正しい様ですが、
この町では町の守護聖人サン・ジミニャーノに並ぶ扱いでして・・。

彼女の短い人生がなぜこんなに語られるかと言いますと、
貧しい貴族の家に生まれた彼女は、10歳の時に骨髄炎かの重病にかかり、
大変な痛みに耐える闘病生活に。
それを彼女は粗末なベッドさえも拒否し、樫の木の硬い板に横たわり、
腐敗した肉は木にこびりつき、鼠と蛆虫に食われる有様!

父親についで母親もなくなり、唯一その苦しみを和らげるのは
神への信仰と感謝と天国に迎えられる希望のみ。
はい、聖人、聖女のお考えは我ら凡人とは違いますよって・・!

なぜこんな厳しい道を彼女が選んだかと言いますと、
まだ病気にかかる前、一人の兵士に出会い、彼が愛の印にオレンジを贈り、
彼女が受け取ったのを親が咎めたからで、
その贖罪の為に硬い木の板に横たわったのかも、とか・・、
この辺りはよう分りませんですね、まだほんの少女の心理は・・。



こちらも聖フィーナの逸話を語るもので、苦しい闘病5年後、彼女の元に
大聖グレゴーリオ・San Gregorio Magnoが現れ、8日後の死を予言し、
その通り1253年3月12日に。

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大聖グレゴーリオという方は、第64代のローマ教皇(在位590-604)
グレゴーリオ1世の事で、教会改革を進めた中世初期を代表する教皇様だそうで、
彼の亡くなった日も3月12日なのだそう。


現在の我々にも大変親しい「グレゴリオ聖歌」に名を残す方として知られますが、
この歌詞を彼が書いたかどうかは確かではないと。

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聖フィーナが亡くなった後、その遺骸を樫の板から外すと、紫の花で覆われ、
部屋の中は新鮮な花の香りで満ち、町の城壁にも紫の花が咲き、
これは現在もで、町の人々は「サンタ・フィーナのヴィオラ」と呼ぶのだそう。

そして彼女の墓や名の下に寄進されたお金や財産を使い、彼女の名を冠した
病院が運営され、貧しい人、老いた人、病める人、巡礼者達の救護に当たり、
つい近年までずっと続いていたのだそうで、これは素晴らしい事ですよね。



という様な、本日の前置きが長くなりましたが、
彼女の名に敬意を表した騎士団協会から芋ずる式に、ははは、
イタリアの中世回顧祭りともいう
サン・ジミニャーノの収穫のお祭り・Ferie delle Messiをどうぞ!

まずはこんなお祭りには付き物の、時代衣装の行進。
ここのは何と500人程も参加するそう!

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白い大きな牛、シエナのパリオでもお馴染みのキアニーナ種と思われますが、
それに引かせた牛車もね。

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牛車には「花の女神・フローラ」が乗ったのもあるそうですが、
ここでは可愛い少女達が乗り込み、麦わらを投げつける様子を、はは。

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お祭りはフェーリエ・デッレ・メッシ・Ferie delle Messiといい、
(小麦の)収穫後のお休み、という様な意味になりますが、
毎年6月の第3週末3日間に渡り繰り広げられ、今年でどうやら20回め。



プログラムを見て分ったのは、すべての行事に町の人々が参加して、というのは、
人口7600人ほどの町では無理ですし、

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他の町から、中世の様々な仕事を実演したり、広場で市を開くグループ、
鷹狩りの実演、中世風ダンス・これはドイツの姉妹提携している町から、
旗振り競技はラクイラ・L'Aquila、アブルッツォ州の町からの参加、
多分中世音楽のグループと、夜の町で火を噴いたりする公演のグループが招かれ、

町の人々が実際に参加して競技が行われるのは、
4区域に分けられての、男性の綱引き、ははは、これが面白いのですよ!
女性達は、布の三つ編み競争、そして一番の呼び物、騎馬による棒の競技!!



ゆるゆると様子を見ていただきますが、

こんなロバを連れた男性の写真もあり、チュキーノ・ciuchinoとタイトル。
小さなロバ、という意味のようですが、まぁ、その通り受け止めて・・。

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太鼓隊の隊長は、かっこいい女性ですねぇ!
       
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指を4本立てているでしょう? あれはですね、こちらの音楽始めの合図は
1、2、3、4、で始まり。 日本だと、いち、にぃ~の、さん、で始まりますよね、
まぁ、結果同じ間隔になるとはいえ、
初めて聞いた時は、へぇ!とささやかながら大きな驚きでしたぁ!



兵士に扮した、若き美男もサーヴィス、ははは。

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ドゥオーモ広場の石段前に勢ぞろいの、ダンスのメンバー。

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こんな風に踊りをご披露。

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迫力あるドラム隊が、合図の太鼓を打ち鳴らし、

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手に唾つけて、準備万端整え、

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始まりますは、そう、昔ながらの綱引き競技!
イタリア語では綱がフーネ・funeで、ティーロ・アッラ・フーネと。

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これが大変面白いのです、見ていると! 単純な競技ほど熱中しますよね、
熱中するとつい舌が出るのは、洋の東西変わらずかな・・。ははは。

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アッシジの坂の広場での綱引きは、回転する鉄の筒に綱を回し、
同じ向きから並んで引くのを見ましたっけ!

アッシジ 春のお祭り、カレンディマッジョ ・ その前夜
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461552319.html

n.1 アッシジ ・ 春のお祭り カレンディマッジョ 2008
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462444730.html

n.2 アッシジ ・ 春のお祭り カレンディマッジョ 2008
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462444914.html

n.3 アッシジ ・ 春のお祭り カレンディマッジョ 2008
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462445362.html

n.4 アッシジ ・ 春のお祭り カレンディマッジョ 2008
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462445553.html



こちらは町の女子勢の競技、布の三つ編み!
必死になって、潜って走り回るのでしょうねぇ、ははは。

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旗振り競技、 どの写真のがラクイラからのチームか分りませんが、
全国大会もある様子なので、毎年参加チームが変わるのでしょう。

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我が町 コネリアーノ ・ ダーマ・カステッラーナのお祭り
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463527210.html

古い写真ですが、 アスコリ・ピチェーノ ・ 夏の祭り
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461029151.html

みんな、広場へ ・ ウンブリア紀行 3
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462901061.html
     


この弓競技も面白そうですが、修練が必要でしょうね。

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そして、男性陣が大好きなチャンバラごっこ!
手前のシニョーレ、腰が引けてるよぉ!

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ははは、やられて、死んどる!



剣。 これが重いのです! 
ウィキで見ましたら、両手持ちの剣で平均1,5k程とかですが、
昔お祭りに出かけて持たせて貰ったら、ずっしり・・!

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さてお祭りの最後を締める、騎馬による棒の競技の始まり!
ドゥオーモ前で、町の4つの区域の騎士と馬が紹介され、お清めがあり、

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競技の行われる要塞に向いますが、町の通りをずっと行進する様。

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棒の競技・Giostra dei Bastoniとはどんなかと思いましたら、
ははは、本当に棒を持っているでしょう?

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で、真ん中に見える棒の上に乗った兜をね、



走ってきた勢いを持って、叩くのですね。

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で、どうやって勝負が決まるかというと、あちらこちらの写真を見てのshinkaiの
推察結論はです、兜が乗っている棒のすぐ下が折れる様になっていますね。
で、強く叩き、相手側に兜を落とした方が勝ち、つまり腕力勝負! ははは。

追記: いや、下のヴィデオを見て分かったのは、腕力勝負ではなく、はは、
    兜の横から騎馬で2人が逆回りに出発し、折り返しの早い方が
    兜を打って、という勝負でした。
    どちらも空振り、というのもあり、はは、この時はもう半周回って、ね。



勝者の騎士とお馬ちゃんの名も、勿論勝者の地区の名も、ドゥオーモ広場で
表彰され、夜は皆での大食事会!
たてがみが、可愛く編まれているでしょう? ははは。

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屋台の食べ物屋の主人も、中世風に装っていて、

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楽しいお祭りの様子ですね。 食べ物の写真が見つからずで残念ですが、
また次回のお祭りの時にでも!

こちらにお祭りのヴィデオ、音が聞こえますので、お暇な方どうぞ!
https://youtu.be/xEmCXXgeCWU?t=523



さて最後は、サン・ジミニャーノの有名なサフランを。

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中世には染料、薬、香辛料としても大変貴重なサフランで、町はその栽培で
大いに儲けたので有名したが、この軽い軽い雌蕊を手作業で抜きとり、
乾燥させる、その貴重で高価な事から「赤い金」とも呼ばれたそう。

という、そんなこんなの歴史あるサン・ジミニャーノのご紹介でした。


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