・ フィレンツェの眺め ・ クーポラの上から 

今回はフィレンツェは花の大聖堂の最後、
クーポラの上からの街の眺めをお楽しみ下さいね。

朝早めに上った時は、写真のように肌寒い曇り日で、
すぐ北に見えるサン・ロレンツォ聖堂のクーポラもこんな眺めで、

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東南にあるサンタ・クローチェ聖堂もこんな感じ。 

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ジョットの鐘楼のてっぺん部ですが、はるか西の方の街は
明るく陽が射しているでしょう?

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クーポラの頂上部は、こんな感じになっていて、
   
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飛び出し部と、

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ランテルナ・灯台部。 聖堂内への明り取り兼王冠部分でもあるわけで、
明り取りの部分が高さ8mだそう。

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そしてこの部分に下からも見えるステンド・グラスがあり、 



こんな風に外から見えます。

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このランテルナ部の内側にちょっと仕掛けがあるのを今回知ったので、後程。



上がった時は曇っていたのが、上に暫くいる内に、太陽が顔を出し!
       
そう、そうなるとまるで街の見えようが違うのです。
最初のメディチ家礼拝堂の丸屋根もこんな風にくっきりと、
手前側にサン・ロレンツォ聖堂の正面、そして回廊部も見えます。

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東側、太陽光線で街が起き上がったみたいでしょう?!
右側真っ直ぐ通る道がヴィア・デイ・セルヴィ・Via dei Servi
左に延びるのがヴィア・リカソーリ・Via Ricasoliで、

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ヴィア・リカソーリの奥に見えるのが、サン・マルコ教会。
美しく静謐なフラ・アンジェリコの壁画がありますが、15世紀のフィレンツェの
街に一大宗教改革を起こし、最後はシニョリーア広場で火刑にされた
サヴォナローラがいた教会でもあり・・。

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この通りの斜め向かい辺りに、ミケランジェロの作品で有名な
アッカデミア美術館があったはず。



ドゥオーモのすぐ足元。 大きな建物も見えますが、
小さな家々の並びが陽の射しこみで、なんともくっきりと面白く、

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街を取り囲む北側の山々。 雲が湧き、流れます。

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聖堂の正面側と鐘楼。 
修復中で覆われた洗礼堂の天辺だけが飛び出して見えます。

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鐘楼にも今しっかり陽が当り、

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鐘楼の足元。

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そして、南側の家並み。
なんとまぁ、思い思いに自由な出っ張りのある屋根、屋根で、
中世の名残の小さな塔の家がたくさん見えるのも楽しい!

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n.1 ルネッサンスの都に、中世を探して
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463022763.html

n.2 ルネッサンスの都に、中世を探して
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463022941.html



こんな屋根の上で、お仕事中。

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南西に見える共和国広場・Piazza della Repubblica.

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街に落ちるクーポラの影。
左に白いクレーンが見えますが、鐘楼の壁の修理でした。

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西に見える大きなサンタ・マリーア・ノベッラ聖堂・S.M.Novella
と、右にちょっぴり見えるフィレンツェの中央駅。

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南の、ヴェッキオ宮・Palazzo Vecchioと塔、そしてロッジャ。
狭い奥にウフィッツィ美術館もちょっぴり見え、

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n.1 フィレンツェ ・ ヴェッキオ宮
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461595223.html

n.2 フィレンツェ ・ ヴェッキオ宮
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461595718.html



南の奥に大きく広がるピッティ宮・Palazzo Pitti.
背後に大きな公園もあるのですが、まだ見た事なし。

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そして、写真左下に見える通りが、ヴェッキオ橋の上で、



ほらね、橋の中央の開いた所に陽が射し込んでいます。

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橋の真ん中辺りから、確かにクーポラの頂上部が見えるのを確かめましたから
間違いありません。

手前の大きな高い建物は、オルサンミケーレ教会・Orsanmichele.
オルサンミケーレ教会、というには教会らしからぬ建物ですが、
周囲には著名な彫像類、内部にも素晴らしい祭壇がありますので、
またご案内いたしますね。

ヴェッキオ橋 ・ フィレンツェ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/464157105.html

オルサンミケーレ教会 ・ フィレンツェ
http://www.italiashiho.site/archives/20171007-1.html



そんなこんなで1時間半ほども上で粘って楽しみ、クーポラを下ります。
道中略で、はい、クーポラ内側の壁画が見える位置に。

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全体が見える写真はウィキぺーディアから拝借したもので、
この壁画に取り掛かったのは、クーポラが閉じられランテルナも出来、
頂上の球と十字架も据えられた1461年から100年以上経った1572年。

当初は偉大なクーポラには素晴らしい内部装飾を、という事でモザイク画が
検討されたそうですがクーポラ自体の重みが25000トンもあり!
モザイク画となるとそれに大変な重さが加わる事、経費も莫大になる事、
そして既にモザイク画装飾が主流を過ぎていた事等などで、フレスコ画装飾となり、
   
ジョルジョ・ヴァザーリ・Giorgio Vasari(1511-1574)に仕事が依頼され
開始されたものの、その2年後にヴァザーリは亡くなり、
後継はフェデリコ・ズッカリ・Federico Zuccari(1539-1609)に。
       
ズッカリは殆ど助手も使わず5年ほどの短い期間で、世界で最大の面積のうちの
一つのクーポラ内部、マニエリズモ絵画の代表作でもある作品を1579年に仕上げます。

ウィキのイタリア版説明にズッカリはテンペラで仕上げたとあり、
これがちょっと気になりますので、アンテナを立て調べて見るつもりです。

ズッカリの長兄のタッデオ・Taddeoも歴史に名の残る画家で、
彼が手がけた一連のフレスコ画は、カプラローラのファルネーゼ邸にも。
      


この壁画のテーマは「最後の審判」で、正面に審判を行うキリストがいて、
絵の中で彼の周囲を取り巻く人々は、良き行いにより永遠の生を授けられた人々で、

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その下一周部には、地獄に落とされ苦しむ人々の姿が描かれ、
そう、通廊を歩く我らのすぐ頭の上に、めちゃめちゃ悪魔達にやられる人々の姿、
それも巨大に描かれた苦しむ人々の姿が!

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所々に見える穴は、壁画を描く為の足場の梁を通す穴で、後々の修理の為にも
そのままにされている物で、両方から小鬼やら天使が支える姿を描きこんでいて、
どこかユーモラスというか、芸が細かいというか、ははは。



こんな三つ頭の怪物も、骸骨もすぐ傍に!

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ちょうど悪魔の股間にいるような構図も一枚あったのですが、良質美的を目的の
我がブログには相応しくないので、ひひひ、泣く泣く省略を。
   
透明プラスティックの板が通路を囲んでいて、先回肩位の高さと書きましたが、
こうして再度写真を見ながら考えると、どうも軽く頭を越す高さまでだったっけ、
と思い出しました。
そうですよね、真下の内陣部分に上からひょっこり覗いたりするのがいては、
失敬ですものね。



こちらが上のランテルナの部分を見上げた所。
上で見た、羊と十字架の付いた杖、洗礼者ヨハネのシンボル、が左に見えます。

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所でランテルナの内側に、こんな聖堂の穴の開いたのが付いていて、

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この説明図のように、穴を通った光が内陣の定められた位置に届くのだそう!

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6月の6,13,21,25日の12時半から13時半、内陣部分左にある
クローチェ礼拝堂内に届く光。

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この小穴の名はニョモーネ・gnomone・日時計の指示針というのだそうで、
90mの高さから届く世界で一番大きな物で、
フィレンツェ人数学者トスカネッリ・Toscanelli氏が1475年に付けた物なんだそう。

当日は無料で、カノーニチの扉・Porta dei Canoniciから入場できるそうですが、
予約した方が良いそうです。 Telは055-2302885、ご興味のある方どうぞ!



ロジェッタ・通廊部分にある丸窓のステンドグラス、キリスト誕生と、十字架降下。

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さてまた下りますと、クーポラの建設に使ったという工具類、当時の物のままと、
その後の修復に当って再現した、という道具類が展示されていましたが、
大変暗い場所でして・・。

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という事で降りて参りました聖堂内部。 片道463段の往復分を頑張ったのです!

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上り口は北側でしたが、降りて来て出るのは聖堂参観の人々と同じ南側の出口で、
考えて見ると、上り下りの道で逆行きの人には出会っておりませんので、
内と外の壁の中の道は少なくとも2方向から続いている訳ですね。

ちょうどオルヴィエートのサン・パトリーツィオの井戸の様に、
上り下りが別々の螺旋状の道みたいなものかな、と考えつつ、

ブルネレッスキは凄かったんだねぇ!と改めて感嘆、
偉大な物を残してくれたルネッサンス人に感謝!!



最後は、出口から近いバールに座り、ご苦労様のジェラートを!

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こちらにお尻を向けて彼女を撮っているカップル、どうやら中国人らしく、
可笑しく厚かましいあれこれ見せてくれ、暫し楽しませて頂きましたっけ、ははは。
       
3度に渡り「フィレンツェの花の大聖堂」にお付き合い頂き、有難うございました!!
楽しんでいただけましたように!
   
    
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