・ ソラーノ ・ Sorano の町散歩をどうぞ!

今日のご案内はトスカーナの南東の端近くにあるソラーノの町。
エトルスク以前からの歴史を持つ古い町ですが、中世の古い町並みが残り、
急傾斜に階段状に広がる素敵な眺めを見せてくれます。

訪問したのは2010年の秋で、漸くに写真が陽の目を、ははは。

町に入る前の街道筋からの眺めで、右上に高く聳えるのはオルシーニ家の城で、
左奥中央に高く固まりが見えるのがマッソ・レオポルディーノ・Masso Leopoldino
と呼ばれる古くからの要塞。

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この二つが町を挟む形で防御し、睥睨していて、手前に見える左の木々が
町入り口の駐車場。 ではごゆっくりどうぞ!



ソラーノの町はどこにあるか、地図をどうぞ。
グレーの波線がトスカーナの南東端を示し、その南はラツィオ州、右はウンブリア州に。

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ソラーノの西に見えるソヴァーナ・Sovanaの町、現在は要塞と教会が残る程の
本当に小さな町なのですが、中世にはソヴァーナの方が中心だった様子で、
南に位置するピティリアーノ・Pitiglianoと共に、ソラーノからは10k弱の距離で、
オルシーニ家の大きな城もピティリアーノにあります。

という様子で、この辺りに行くのは車だと問題ありませんが、列車バスの乗り継ぎだと
結構面倒なのですね。 ローマからだと西海岸のグロセットに出て、そこからバスの
乗り継ぎで、何人かのグループならオルヴィエートからタクシー相乗りという手も
時間稼ぎには良いかもです。



駐車場から町に入り込みますと、この細長い広場があり、左の壁中央に泉があり、
その横に開けられたアーチから絶景が!

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はい、海抜が379mもある、谷に囲まれた町なのです。
右奥に大きなアーチが見えますが、



これは町にある古い2つの門の一つで、上の門・Porta di Sopraと呼ばれ、
ここをくぐると古い町の中心に。

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この門の左に見える建物が、町の城壁に繋がる建物で、写真は省略しましたが、
この手前左に見える建物、現在はインフォメーション、との間に切れめがあり、
町の北側の谷底が覗けるという・・。

町のもう一つの門は、メルリの門・Porta dei Merli、又は下の門と呼ばれ、
後ほどご覧頂くマッソ・レオポルディーノの東下にある様ですが、見ておりません。



旧市街の中心の通りはこんな様子、切り石積みの入り口が重々しいでしょう?

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布や陶器の店が並びますが、扉が面白く、この町独特の文化というか、
木彫の素晴らしい扉を持つ店、家を何軒も見かけました。

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そうなのです、猫ちゃんも多い町で、車が入って来ないのでのんびり町歩きをね。



北に下る小路は、こんな急な暗い坂道。

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左手に下る道と分かれそのまま進むと教会広場で、右手前にサン・ニコロ教会・
Collegiata di San Niccolòがあり、

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その左手に切り石積み風の入り口が見えますね。
あの奥の建物が、要塞に移る前に住んでいたと言われる旧オルシーニ家住居。

その左には、


Raku と書かれた楽焼の店があり、猫ちゃんがお留守番。
楽焼の店というのは、イタリアでも時々見るのですが、
ヴォルテッラで以前見た店では、瀬戸で習った、という話を。

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教会と旧オルシーニ家の住居の間を小路が通りぬけ、
細い迷路の様な小路があちこちに曲がり、建物の下をくぐり・・、

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町の南側に出て、小路が上がったり下がったりするのを楽しみつつ、
下を覗くと、川の流れが見え、小さな橋も。

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マッソ・レオポルディーノ・砦は→という標識を見つけ、坂道、石段をはぁはぁと。

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下の写真の上中央に広場が見えますが、あそこが町の門から入ってきた教会前広場。



現在残るオルシーニの巨大な要塞・城が出来る前に、町の北東の守備の為
造られたという中世の要塞跡ですが、上にはこんな風に時計塔があり、テラス風。

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正面に見えるのが、オルシーニの城・要塞と呼ばれている物。



テラスの上から身を乗り出すと、素晴らしい家並!

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この家並に魅せられた我が友人mkちゃんは、翌年一人でこの町を再訪。
何泊かし、せっせとスケッチに励んだ訳ですが、その時のホテルが後ほどお見せする
オルシーニのお城にあるのですね。
えっ、あそこに泊まったのぉ?! という驚きの原因も後ほどに、ははは。



町を囲む崖には、こんな風にあちこちに穴が見え、

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この一帯から北ラツィオに掛けては凝灰岩、茶色のざらざらとした岩の地帯で、
古くには洞窟風に穴を掘って住まいとしていた、とのみ思っていたのですが、
それだけではなく、どうやら各種の作業場として使っていた様子。

エトルスクの代表的な町として知られるオルヴィエートにも地下の町があり、
倉庫にも作業場にも使っていたのだそうですが、それと同じなのですね。

そしてこのソラーノの特徴として、それらを行政庁が管理し貸与していたらしい、
というのも読みましたが、現在は其々所有者がおり、
町の北側下端にはレストランとなっているのもあると。



さて、この日お昼を食べたのは、町のインフォメーションで聞いた、
最初の町の門を通り少し先に行った所のロカンダ・デッラルコ・
Locanda dell’Arco.

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内部はこんな風に元厩舎だったのを改装したという蒲鉾天井の大きな部屋で、
田舎風の素朴な飾り付け、壁にはかってのイタリア国王ご夫妻の写真など。

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出てきた料理も素朴な物で、それが売り物の店の様子。
これは確かメルルッツォ・鱈のマリネに、小さなカナッペ。  美味しかった!

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なんとかの一つ覚え、例によってshinkaiは、お好みの茸のタリアテッレ。

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お昼の後はまたmkちゃんと別れ、一人歩きを楽しみます。

この場所、陽の当たった部分の色が飛んでいますが、
こうして改めて見ると、素敵な壁、・・・うん、描けそうではないですかぁ!

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坂道を上ったり下ったり、奥に入ってみたり・・、

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最後にオルシーニの城に行く事に。 最初の町の駐車場辺りまで引き返し、
そこから坂道をはぁはぁと。 そう、下から見るとこんな感じに聳えているのです!!
斜めに上がって見える窓の中の道も後ほどお見せいたしますぞ!

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まずはぐるっと坂道を、しつこいほど繰り返しますが本当に坂道!
左に回り込んでの入り口まで坂道、そこからまた坂道の石段をね・・。

見える大きな紋はオルシーニ家の物ではなく、ほら、6つ玉が見えますね。
この城は、最初はアルドブランデスキ家・Aldbrandeschiの要塞だったのが、
分家した後オルシーニ家の物となり、後シエナに下り、シエナはフィレンツェにで、
17世紀初頭トスカーナ大公国に吸収という事情から、メディチ家の紋になっている物と。



では、せっせと上がって頂きましょうか。
マッソ・レオポルディーノの要塞、テラスがこんな風に見える高さ!

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そして、下から見上げた斜めのアーチの窓の中はこんな石段で、

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上がり切ると、またまた石段!!  え~っ、まだあるのぉ?!

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という所で、写真略ですが、上に見える建物がホテルになっておりますです。

で、我が友人は毎日、この坂道と石段をせっせと上り下りしたという話で、ははは、
従業員は通いで、夜は他の泊まり客何人かのみ。
出立の朝早く、遂に従業員が来ずに朝食なしという話も聞きましたっけ!



ホテルの前庭を通り過ぎて奥に進むとこの円形の塔があり、写真は塔を通り過ぎ、
堀に渡した橋を渡って写しておりますが、
この塔の部分が、12世紀のアルドブランデスキ家の要塞だそう。

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オルシーニ家が移ってくる前には、大掛かりな改装、大増築をしており、
こんな風に地下に続く部分も見え、

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城の秘密の地下巡り、なんぞというポスターも見つけ勇んで訊ねましたら、
何日か前に申し込まないとダメ、とすげなく・・。



建物の裏から見るとこんな風に凝灰岩独特の建物の壁なのですが、
大きな建物は改修され、現在博物館になっている様子。

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というソラーノの町の一日散歩でしたが、
最後はウィキのサイトで見つけた、素晴らしい町のパノラマをどうぞ!

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近くには有名なエトルスクの遺跡があるのですが、入り込む道が見つけられず
2度ほど行ったり来たりしたのですが、見ておりませんし、

最初に書いた様に、ソヴァーナには素晴らしい古寺もあり、
ピティリアーノの町のご紹介もまだですので、ぼちぼちと、はい。


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