・ ノルチャ ・ そして、カステルッチョ

今日は豚肉製品で大変有名なノルチャ・Norciaと、ウンブリアの奥深く1452mの
高地に位置するカステルッチョ・Castelluccioのご案内を。

そして高原に広がる大平原、ピアーノ・グランデ・Piano grandeの様子、
そして、大いに魅せられた山の姿をご覧頂きますね。

アッシジからノルチャまでは105k程ですが、行程の半分程は準高速で行けます。
町の下に大きな駐車場があり、市門を潜ると即、この様な豚肉製品のお店が続き、
ノルチャの名は、イタリア人で知らぬ者が無いほど!

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豚肉だけでなく猪の製品もたくさんありそうで、大概のお店の前には猪の剥製が
飾られていて、これは、毎日のお店前の展示に便利な様にと、スケボーに!

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スポレートで最初に見た毛皮つき生ハムは、訊ねると猪だそうで、
豚よりも脂肪分が少ないとの事でした。

実は、ノルチャには少し思い入れがありました。
ノルチーノ・ノルチャ人という言葉には、豚肉製品を作る人の他に、大きくは
外科医の意味、そして18世紀までヨーロッパ中で大歓迎されていた
ボーイ・ソプラノの声を持つ「カストラート」の、手術者の意味をも含んでいるからで、
かなり大きな町でもあり、文化的に開けているとの思い入れを持って訪れました。
       
が、のっけから豚肉製品の店ばかりが目につき、通俗的な観光地という印象が強く、
少し当て外れ! ですが、やはり中心の広場は品格があり 素敵でした。

       

正面左側はパラッツォ・コムナーレ、右がドゥオモで、写真右下の像は、
この町生まれの聖べネデット像。 彼はヨーロッパで一番古い宗教団体ベネデット派
の創始者として有名です。

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広場の反対側にあるるカステッリーナ・Castellinaと呼ばれる16世紀半ばの城。
現在は市博物館で、木製の彩色像や、テラコッタなどが展示されていました。

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上の広場の写真は、この博物館内からのもの。



市博物館の展示品を幾つかを。 中世の木製彩色女性像。
手のあげ方が、何をしている所かと思うのですが、マリア像では無いと。
素敵な衣装、そして髪型です。

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壁に残るフレスコ画、女性横顔。 やはり、髪に被り物をし着飾っている様子。
ノルチャ美人ですね。

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ドゥオモに隣接した建物から、この黒づくめの頭巾人物が2人現れた時、
一瞬時が止まったかの様な、異様な感じを味わいました。

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実際は隣のこの建物で、ベネデット派の僧侶たちが作った製品、せんじ薬や
蜂蜜クリームなどを売っている販売店がちょうど店明けの時間だったのですが。
それにしても一瞬ぎょっとして、「異端審問裁判」などと言う言葉が頭をよぎり!
分ってみれば、これがベネデット派の僧服だった訳で。

店を覗いてみると、なんとシワ取りクリームまであり! ははは。 
ちょうど切れていた、ローヤルゼリー入りリップクリーム4.5エウロのみを購入。
        
       

ノルチャ特産品店の店先で、右側の製品、紐のような形の物にご注目!
何だと思われます? 腸なんですって!!

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右側に店の入口があるのですが、私など到底入れない程の匂いが充満!
表の眺めでご勘弁願います。

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色々あります。 例の、お祖父ちゃんのタマタマ、ロバの○タマ、詰め物をした子豚、
どうやら、胎児の様で、ecc ecc.  なんでも喰っちゃうのだねぇ!!

お土産に真空パックの品を買って戻りましたら、
美味しかった! 風味があった! と好評でした!!



山間の平野に開けた町ノルチャから、標高1500mの峠を越え、カステルッチョに。
ウンブリアの坂道にまだ慣れておらず、ノルチャに行くまで決心がついておらずで、
市門の前に「←CASTELLUCCIO」と出ているのを見て、当然の様に 行こう! と。

これはかなり坂道を登った所からのノルチャの眺め。
靄で見え難いですが、陰になった真ん中辺り、がそうです。

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九十九折の峠道の一番の頂上。 道脇には、まだ雪が残っていました。

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ピアーノ・グランデ・Piano Grandeの眺め、「大平原」の眺めを峠から。

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これを目にした時、「ああ、来て良かった!」とご一緒出来たランさんご一家に
心から感謝したのでした。
空気は冷たく、風もかなり。今まで見たイタリア風景とは、まるで違う世界がそこに。



この一帯、ウンブリア州からマルケ州にまたがり「国立モンティ・シビッリーニ公園」に。

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奥に入ると、様々な伝説を抱えた一種次元の違う風景が広がっているようで、
「さもありなん」と、今回それが頷けました。



平原の北に、屏風の様に山が立ちふさがり、その手前、左から張り出す低い山と
登り道が見え、道の頂上部の右にカステルッチョの村。陰になっている部分です。
南の峠からこの平原の中を真っ直ぐに続く道を行き、カステルッチョに向かいます。

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峠から村まで12k程ですから、この真っ直ぐの道は、少なくとも6~7k続くものと。



そしてこの山、2476Mのモンテ・ヴェットーレ・Vettore、この山に魅せられました!

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なんと異様な美しさを持った山。
これほど夢中になって写した山はかってありません。
上手く、あの感覚がお伝えできなくもどかしい!



このピアーノ・グランデは、春5月の末から6月にかけ、まさにお花畑になるようです。
写真でしか見ていませんが、あの広さを知ると見事さが想像出来るようです。
が、今はまだやっと雪解けが済んだところ、小さな花がちらほらと。

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これは一番、色の美しいのを見つけ。 冷たい風にひらひらと揺れ。

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雲の流れが激しく、さっと晴れさっと曇り。平原から見上げるカステルッチョの村。

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這い登るように広がるのは、レンティッキ・レンズマメの畑。
6月に黄色い花が満開になると。



村の入口に駐車場があり、その北に並ぶ家々。
私は西部劇で見る、最果ての村を想像・・。

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やはり駐車場北の、先ほどの流れで、レストランが1軒、バール兼食料品店が1軒、
駐車場のこちら側にみやげ物店が1軒、それで全て。

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それにしてもこの異様な寂れた感じ! 今でこそ観光客もあり、店もありますが、
かってを思うと、やはり最果ての地の思いが。

壁の落書きを、息子夫婦にも見せましたが、訛りがきつく全て読めませんでした。
が、悪口、からかいである事は確か。



空気が透明なせいか、陽がさすと、風景の様相が一変します。
山の襞に沿い、残る雪の線。 こんなに美しい線は見た事がありません。

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村の中。 家は並んでいますが、でも、1人の姿も見かけませんでした。
この地の冬の様子、考えるだけで怖ろしい気がします。

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村から、越えてきた峠の位置を。 左側の窪んだ所がそうで、右下にず~っと下り、
平原の中を真っ直ぐに走る道、見えますか?
手前に細長く広がるのはレンズマメの畑。
       
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もう一度山の姿を。

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村の麓の方から、遥かに羊たちの鳴き声と、カラカラと鈴の音が届きました。
まだ殆ど草も生えていないでしょうに。

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帰路に着きます。 山に、イタリアの地図が描かれているのを見つけ、再度車を止め。

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振り向くと、晴れた空の下にカステルッチョの村が。 遠くからの姿がとても美しい!
平原には、牛たちや馬達が放牧され。

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最後にもう一度、この山を振り返り。

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美しかった!  必ず、もう一度、 会いに来ます!! 


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