・ n.1 マントヴァ・Mantova と、サンベネデット・ポー・San Benedetto Po

今日は少し長くなりますが、と先にお断りして置きまして、天正4少年使節の
ご縁で訪れました、マントヴァと、サン・ベネデット・ポーのご案内です。

マントヴァは遥か昔の訪問以来3度目ですが、
サン・ベネデット・ポー・San Benedetto Poは、初めての土地。 
大変貴重な資料も見せていただき、暖かいおもてなしを受けました。 
ゆるゆると、ご覧下さい!

後ほど地図をご覧頂きますが、マントヴァに行くにはヴェネトからだと、高速の
ヴェローナ南を過ぎ、モーデナ・Modena方向、南に向かって40k足らず。

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北からマントヴァの街に入る際の、素晴らしい眺め!
ガルダ湖からのミンチョ川・Mincioが、マントヴァの街の北で上の湖、下の湖と
呼ばれるほどの水量をたたえます。

マントヴァには昨年の初夏に立ち寄り、今回は8月末と10月と2度訪問。
8月に出かけた時、上の風景を、おお!と見ながら街に入り、先にドゥカーレ宮を観、
お昼を食べて戻りましたら、ああ、逆光になっていました!
ですからこれは10月に再挑戦の写真で、



橋を渡る前にこんな公園があり、そこからの眺め。

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上の写真の、ドゥカーレ宮の左半分。
真ん中の大きな丸屋根はサンタンドレア聖堂・Sant’Andrea、
その右手前は、城内の教会サンタ・バールバラ・Santa Barbaraの鐘楼。

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こちらは8月の末。 水辺に咲いていた河骨。

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岸辺に、遊覧船の発着場が2箇所あり、ガイドブックによると、大変素晴らしそう。
月夜の、特別なクルーズもあるようです。

あ、魚釣りしている、と小さなボートを写しましたら、なんともう一人、乗っておられ!

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湖を渡り街に入って行くと、すぐにドゥカーレ宮の前のソルデッロ広場・Sordelloで、
この細長い広場の半分が駐車場になっています。
初回は大変運よく駐車でき、すぐ前のドゥカーレ宮・Palazzo Ducaleの見学を。
 
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昔見た時よりもずっと整備され、見学できる範囲も広くなっていました。

但しこの広場側から見える建物は、正式にはカピターノ宮・Capitanoだそうで、
ゴンザーガ家・Gonzaga以前の街の統治者であったボーナコルシ家・Bonacolsi 
の12~13世紀の建物との事。        



広場に沿って、ドゥカーレ宮の柱廊が長く続きます。
このドゥカーレ宮内部は次々の増築により大きくなった様子で、大変複雑。

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ドゥカーレ宮内部に湖に面した側のお城、14世紀の末から15世紀にかけ建設の、
サン・ジョルジョ・San Giorgioの城があり、
そこに、マンテーニャ・Manntegnaの壁画で有名な夫婦の間・
Camera degli Sposiがあります。

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この写真がその一部ですが、よく分るサイトを見つけましたので、ご覧下さい。
http://www.cameradeglisposi.it/storia.asp

Video、photogalleryの項目で、かなり詳細に分ります。
今回、椅子の下のワン君の名前が、Rubino・ルビーノと分り、笑えました!

ドゥカーレ宮全体のサイトは、
http://www.mantovaducale.beniculturali.it/HomePage 

上のメニューからPercorsiをクリック、その下に出るVideotour dei percordi
をクリックされると、あれこれと城内見学が楽しめます。

ルネッサンスの歴史で有名なイザベッラ・デステが、ゴンザーガ家にお輿入れし、
住んだ城でもあり、500以上もの部屋があるという宮殿、ごゆっくり!



長い建物の中途の門で、庭に通る事が出来ます。

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古い建築物の壁に、よくこの様に赤と白で単純な柄、縞、格子、ジグザグとか
描かれていますが、これが意外と大きな効果を発揮していて、好きです。



門の内側には、こんなフレスコ画の名残が。
単なる紋章だけもあり、デザイン性に飛んでいる部分もあり・・。

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8月末の庭園の模様。
       
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お城の中には中庭に当たる部分、実は2階の高さに庭園を造り、
それを眺めつつ大宴会をする、という大変贅沢で、優雅なお部屋も。



ソルデッロ広場では各種催し物が行われる様で、8月には年代物の車が、
番号をつけて、所狭しと並んでおり、

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で、10月に行った時は、


       
諸国旨い物物産展、開催中!

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年代物の車の時よりも人出が多く、駐車場は満員でぐるっと回ってきて、やっと。
私の横のちょうど空いた隙間に一台滑り込んで来て、運転していた男性が、
ぱっ、ぱっと感謝の十字を切るのが見え、うぷっ、と吹き出すのを、ぐっとこらえ・・!

秋晴れの快晴の空の下、美味しい物を試食し買い込む人々で、大賑わい。
真ん中に見える黒い牛の像は、記念撮影に一役買い、
右に見える紅葉の木は、菰巻きで運び込まれた物。
広場の北側を占める荘厳なバロック様式は、マントヴァのドゥオモ。



これは、シチリアの手押し車で、極彩色の絵が描かれ、飾りたてられた物。

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でも、余り皆さん見惚れないのです。先程の黒い牛とか、もっと先の広場にあった
たくさんの豚ちゃんの像には興味を示して、記念撮影するのに、ね。
やはり、食い物かな、イタリア人には?!


とにかく、あるとあらゆる旨い物、ハム、ソーセージ類、チーズ、蜂蜜、タルトゥフォ、
オリーヴ油、ワイン、オイル漬け食品、お菓子、トルタ類・・。

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イタリア各地の地名が見えます。ソルデッロ広場に繋がる、他の2つの広場でも
開催中で、会場が広い分、美味しい物だらけ!

夕方、この広場に一時解放された!九州からのグループの方々も、
もの凄く嬉しそうにあちこち巡っておられました。 そう、これが旅の大きな楽しみね。



ソルデッロ広場は、一旦こうして終わり、
このアーチの手前側は、ブロレット広場・Broletto。

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ブロレット広場は、上の写真のアーチと、こちらの塔・Torre della Oreに
挟まれた部分で、ソルデッロ広場の半分の広さもありませんが、

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レストランの椅子席が並び、庶民の生活の場が始まる広場、でしょうか。



ブロレット広場の隅のレストランで、ちょっと庶民的なイメージの店。

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shinkaiは、も一つ先のエルベ広場で2度お昼を食べましたが、どちらの店も
美味しかった! どうやら、マントヴァは食道楽の街、の感あり。



これは、ブロレット広場に続くエルベ広場・Erbeの、一番南端の美しい時計塔と、
円形の、ロトンダと呼ばれる、サン・ロレンツォ聖堂。
この背後には、広場いっぱいにラジョーネ宮・Ragioneが長く続きます。

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この写真は昨年初夏の物で、広場の足元が工事中か何かで写したくなく、
狭苦しい印象ですみません。



時計塔のアップ。 15世紀の作で、当時としては大変な精密な時計で、
外側の針が時を示し、中の針が星座を示しています。

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そして月歴、太陽暦も、中の青と金色で現しているのだそうです。
塔の設計は、どうやらレオン・バッティスタ・アルベルティであろうと。



エルベ広場の南西角に、このサンタンドレア聖堂・Sant Andreaがあります。
レオン・バッティスタ・アルベルティ設計で、中にアンドレア・マンテーニャのお墓が。

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マントヴァに、マンテーニャの有名な作品があるのは勿論知っていましたが、
アルベルティの大きな作品もあるのは、今回まで気がつきませんでした。

フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の正面壁のデザイン、ルチェライ宮の
設計でも有名な、あのL・B・アルベルティです。
出かける前にガイドブックで知り、彼の設計した別の教会も見に行きました。 
後ほどご紹介しますね。



こちらは、サンタンドレア聖堂のクーポラ。

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湖越しの街の遠景ではよく見え、その大きさも比較できるのですが、
この辺りは街の一番の中心地で広場が狭く、正面からはこのクーポラが見えずで、
これはエルベ広場でお昼を食べた時の物。



エルベ広場の南側角を占めるこの建物。 「商人の家・Casa del Mercante」
と呼ばれますが、ちょっと面白いでしょう? 今回調べていて、大変興味深い事が。
     
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ご覧の通り15世紀半ばのゴシック建築ですが、ミラノからこの街に来た羊毛商人
ジョヴァンニ・ボーニフォルテ・Giovanni Boniforteの家だったと。

この街で成功し、ゴンザーガ家とも縁戚になった商人で、
今は、窓も単に渦巻きの形が残るだけですが、当時は、薄いラメの板を張り、
朱色で模様が描かれていたとか!
雲の晴れ間から太陽が覗く時、人々の目を驚かせ、間口は狭いものの、
中の装飾もお金が掛かっている様子。

当時にあって、商人がどれ程の力を持っていたかを、どういう商人になりたかったのか、
を示している家と。 3階の向かって右の窓は少し形が違いますが、
ここだけルネッサンス様式が入り込んでいるのだそう。


      
エルベ広場の裏通り、サン・ロレンツォ聖堂のロトンダ、11世紀にこの一帯を
治めていたマティルデ・ディ・カノッサ・Matilde di Canossaにより建設された
マントヴァで一番古い教会との事。 1m半ほど地面を掘り下げての建設。
       
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その向こうに、時計塔の後姿、そしてラジョーネ宮。
かってはこのコンコルディア広場から、ラジョーネ宮の裏通り、そして突き当たり一帯が、
ユダヤ人のゲットーでした。
こちら手前側にも興味深い建物がありましたが、今回は割愛を。



ところで8月末の訪問時、L.B.アルベルティの手になるというもう一つの教会 
サン・セバスティアーノ・San Sebastianoを見に行きました。
 
大変に暑い日で、車を遠くに止めて訪ね歩き、皆さんが教えてくれるピッツェリアが
お休みで探しあぐね、通り過ぎ、最後に偶然尋ねた方が設計家で、
自分の車で連れて行ってくれ、説明までいうおまけ付きの、訪問だったのです。
で、こちらがそうです。

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設計家の説明によると、この前面両脇の階段は20世紀初頭につけられた物で、
本当は、左側に見える柱廊の階段から、上がる様になっていたのだそうで、
当時としては、大変均整の取れた斬新なデザインだった、という事で。
           
      

この教会のすぐ右手に、サン・セバスティアーノ宮と呼ばれる、ゴンザーガ家の持ち物
であった邸宅があり、この教会は15世紀にルドヴィーコ2世の依頼により、
礼拝所として建設され、L.B.アルベルティは、パンテオンを念頭に設計したそう。

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現在は、戦没者のための礼拝堂に用いられている様子。



大変興味深かったのは、教会内部に、アルベルティの設計した建物の
木の模型が幾つもあったのですね。
何年か前に、アルベルティの展覧会が開かれた際の展示物のようですが、

このサンタンドレア聖堂の模型の様に、実際には正面壁しか見れないものが、
周囲の建物群の中でどうなのかが、よく分ります。

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こちらは、大変有名なフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の正面デザイン。
この置かれている場所が余り良くなく、残念です。

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こういった精密な模型を作る人、について興味を持った事も否めません!
調べている内に、このマントヴァに、L.B.アルベルティの財団もある事を知りましたし、
このすぐ近くに、マンテーニャの家もあります。
そちらは見れませんでいたが、当時の大人物2人の接点が感じられた事でした。
             
       
        
マントヴァの街の地図をどうぞ。

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ヴェローナからの高速を降りると、右上に突き出した橋、最初の写真で
ご覧頂いた橋に出ます。
緑色をつけた所がご紹介してきた場所で、街の北東部に固まり、
次回にご案内のテ宮殿・Palazzo Teは一番下、南になります。
   

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