・ カフェ博物館 ・ Museo del Caffè の見学

皆さん、今コーヒーをお飲みになりながら、見て下さってますか?
コーヒーがお好きな方は多いと思うのですが、
今日のご案内は、我が町コネリアーノに最近オープンしたカフェ博物館のご案内を。

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これは写真でお分かりのように、コネリアーノに本拠を置くデルスット・DERSUT 
というメーカーの私設博物館。 
     
製造風景も見れるかと漠然と考えておりましたが、
コーヒーの木からカップまで、コーヒーの歴史の旅 ・ 
dalla pianta alla tazzina, viaggio nelle storia del caffè というコンセプトで、

コーヒーの木、豆の焙煎機、豆挽き器、コーヒー点て器 の展示が主で、
興味深く楽しく見れるものでした。
       
イタリア特有のエスプレッソ・カフェが好き、という方も多いと思いますが、
では、あのコクのある濃い味を思い出しながらご覧下さいね。
       
       
       
カフェ博物館のある場所は、コネリアーノ・Coneglianoの町の中心からほんの少し
北に入り込んだ場所で、建物は多分、以前工場として使われていたのでしょう。

入り口を入ると左手にバール兼売店があり、訪問客に好みのカフェを振舞ってくれ、
私はいつものカフェ・マッキアート、ミルクを少し入れたものを。

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ここへの見物は十数人のグループで行きましたが、
ガイドが説明しながら1階から2階までの展示案内をしてくれます。

これがコーヒーの木。 円筒形の内部温度が22度、湿度が70%に調節された中に。

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パネル展示の一部。
一番左はコーヒー栽培園、ブラジルのエスピリト・サント州の風景で、
ここはイタリア人入植者が一番多く、住民の75%がイタリア系とか。
何か日本からのブラジル移住をも思い出させますね。

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花は白く、ジャスミンの香りに似ているそうで、
果実はこんな風に、花が次々と咲き、実って行くのだそう。
メリル・ストゥリープとロバート・レッド・フォードの映画「私のアフリカ」を思い出し。



目から鱗! のパネル。
コーヒー栽培に適した土地は、北回帰線と南回帰線に挟まれた地域、
サイトにも確かにこう書いてあるのですが、まさにまさに。

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と、地図上の我が国に紀伊半島、四国、九州がないのですが・・!

コーヒーの歴史を書きだすと、到底収まりがつかなくなりそうなので、
エチオピア、またはヨルダンで発見されたコーヒーが、16世紀には既にイタリアで
かなりの評判を持つ飲み物となり、

1720年開店のヴェネツィアはサン・マルコ広場のカフェ・フロリアーンが
イタリアで一番古いカフェテリア、
ローマのカフェ・グレーコは1760年開店、という事のみで、ご容赦を。
       


展示されていたコーヒー豆と、豆の寄り分け機。

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コーヒーの木から採集された豆は、水につけられて種を採り出し、乾燥され、
こういった麻の袋に入れられ輸出される訳です。
水につける期間とか乾燥度とか色々読みましたが、数字はパス、聞いて下さるな!

かっての時代は、輸入先がそれぞれの豆の大きさを選抜し、これは焙煎する温度、
時間に関係する大きな問題で、その為に寄り分け機も使ったのですが、
現在は、生産国で既に豆の大きさを揃えて輸出しているそう。
で、カフェインレス・コーヒーにするには、生の豆の時にカフェインを抜くのだそうで。



焙煎機。 これは1950年代に実際にDERSUTで使われていた物で、
薪と炭が動力源で、一度に120Kの豆を、1時間に3度ロースト出来たのだそう。

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これより博物館展示の、各種の興味深い楽しいコーヒー・グッズですが、
その前に・・、

これは博物館入り口に掲示されたDERSUTのマークですが、
後ろ立ちの馬の姿、そして鷲、王冠とあり、1478年。

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これが興味を引きあれこれ調べましたら、DERSUTという少し変わったメーカー名は、
社主の姓ではなく、最初の共同企業者2人の姓の上の部分を取ったものと。

現社主は、カバリッリーニ・ディ・サッソフェッラート・Caballini di Sassoferrato
これが全部姓で、貴族の家系なのだそう。
サイトでは年号が何を意味するのかわからず、メールで訊ねました。

一番最初の写真の手前に写っている女性、大変背の高い素晴らしい美人ですが、
この方が現在の社主の長女で次代社長になられる方、弁護士の肩書をお持ち。
今回はブログ掲載予定の写真を送って見て貰い、掲載OKを頂くという
手順を踏みましたが、質問に快く答えて頂きました。

それによると、一族は元々マルケ州アンコーナ県出身の伯爵家。
トリエステにお住まいでフィアットにお勤めだった先代のヴィンチェンツォ氏・
il conte Vincenzo Caballiniが1949年に、  
その2年前に代理人2人、工員1人で起業したばかりのdersutを買い取り
そのまま名を残し、コネリアーノに引っ越して来たのが始まりだそう。
   
でこの時の工員は、現在の製造担当部責任者(これは傘下企業かも)の
父親にあたるという、会社創業期は日本の企業でも同じ様なお話。

戦中時の代用コーヒーからの脱皮を目指した、企業精神旺盛な良き目の
付け所だったのでしょう、
現在DERSUTは、イタリアのコーヒー・チェーン店のトップだそうで、直営店が77店、
とりわけこの北イタリア一帯では、デルスットのマークを掲げたバールを
数多く見かけますから、大変な普及率でしょう。

で1487の年号は、伯爵家の先祖がこの年に目覚ましい事をした記念、
との事で、コーヒー企業には関係がありませんでしたが、
あれこれ知る事ができ大変興味深かったです。



これより歴史的コーヒー・グッズの展示なのですが、まずは焙煎機2つ。
薪、いや多分石炭でしょうね、を入れる焚口が分かりますか?

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生の豆と焙煎後の豆の違い。大変にプックリと膨れており、見とれるほど。

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イタリアのカフェ・コーヒー豆は、イタリア人のコーヒー好きを反映してか、
有名メーカーがたくさんあり、各家庭でモカ・Moca と呼ぶエスプレッソ器でコーヒーを
入れますので、既に極細に引いた豆が袋入りでスーパーにたくさん並び、
好みのメーカーの好きな銘柄を選ぶ、という状態で、
つまり既にメーカー独特の味、固有のミックス豆、という訳です。

ですから豆の種類でも、ブルマンとかキリマンジャロと云った日本の様な名で
私はまだ見かけた事がなく、そしてインスタント・コーヒーは少ないのです。
が近年、パック型を入れる家庭用のコーヒー・メーカーが流行ってきており、
またカプチーノとかのインスタントは若い人には流行っているのかも。

念の為に申し上げますと、イタリアでカフェ・Caffèというとエスプレッソを指し、
日本流のコーヒーが欲しい方は、カフェ・ルンゴ、またはカフェ・アメリカーノと
言いませんと、こちらのバールでは通じません。
       

       
楽しいカフェ・グッズ、家庭用、いや、お一人様用の焙煎機!

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でもこの写真を見ながら、何をこの小さな焚口で燃やしたのだろうと?!



2階には、歴代のエスプレッソ・マシーンがずらっと展示。
イタリアに旅行されると、バールで必ず見かけるお馴染のものですが、
年代によりあれこれ工夫されたのが、たくさん並びます。

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「エスプレッソ」という言葉は、エキスプレス、つまり特急の意味で、
実際バールで見ていると、上からのハンドルを手前に引き下ろすと、
カフェが小さなカップに抽出されますね。
で、これはお湯ではなく蒸気を通している訳で、かっての古いマシーンだと、
大変な腕力が必要だったと。
       


これはお馴染のコーヒーの豆挽き。 静物画を描いていた当時のモチーフでもあり、
楽しくて、あれこれ覗きこんで眺めました。

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一連のコーヒー沸かし。 理科の実験用具みたいなのから、
大食堂用の大きなものまで!  このまま、モランディの絵になりそうでしょ。

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これは19世紀末にヨーロッパ全土に広がった、いわば最初のエスプレッソ・マシーン。

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真ん中のタンクに入れられたお湯が、炭かベンゾガス・benzo-gas・ってなに?
で温められて上のタンクに上がり、ハンドル操作により下り、粉の入った両脇の
ガラス容器に入り、混じり、コーヒーを煎じたという物。
これはお茶にも使えたという事で、真鍮製でニッケルメッキ、5Lタンク。  



このエレガントなマシーンは、1920年トリノのコンドル・Condorというメーカー製。
中央の円柱部内の仕組みは同じですが、こちらは電気かガスに対応で、     
コーヒー抽出の仕組みは完全に調節され、美味で香りのよいコーヒーだったそう。

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このメーカーが立ち行かなくなったのは、第2次大戦による経済的困難が原因で、
これもやはり真鍮、ニッケルメッキ。



最後にご覧頂く、この威圧的で馬鹿でかいエスプレッソ・マシーンは、
南米アルゼンチンはブエノスアイレスのオメガ・インドゥストゥリアル製。

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1930年製で、この時代に南アメリカにおいてのエスプレッソ・カフェの大普及を
示すものだそうで、技術も進歩し、電気かガス使用で、4つの抽出口、
上の段にはカップが置かれて暖められる仕組みで、最上の状態でエスプレッソが飲めた、
という次第。


このカフェ博物館のサイトは  http://www.dersut.it
下に出るカテゴリ、Museo からご覧いただけます。
右上に、言語選択がありますのでどうぞ。

住所は Via Tiziano Veccellio 6 Conegliano TV  で、
現在はグループ、団体の申し込みにのみ、ガイド付き無料で開館との事で、
申し込みメールは  museodelcaffe@dersut.it に。

単純な気持ちで博物館見物に行ったのですが、既に日常に欠かせぬ飲み物の
コーヒーの歴史をかいま見、如何に美味しく飲むかという工夫が窺われる
大変興味深いものでした。

昨年春やはりコネリアーノの企業、ワイン樽製造のガルベロットを訪問しましたが、
世界一の大変専門的な企業で興味深かったです。 こちらで是非ご覧下さい。
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463849891.html      

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