このヴェネト北部では毎年春に、白ワイン、とりわけ発泡性の辛口白ワイン・プロセッコの
催しが次々開かれますが、先週思いがけずに、日本から取材に来られた方に同行し、
そのワイナリーを3軒訪問するチャンスがあり、今日は、その様子をご案内致しますね。
催しが次々開かれますが、先週思いがけずに、日本から取材に来られた方に同行し、
そのワイナリーを3軒訪問するチャンスがあり、今日は、その様子をご案内致しますね。
ヴェネトの我がコネリアーノ・Coneglianoから北西に位置するヴァルドッビアーデネ・
Valdbbiadeneにかけては、発泡性白ワイン、プロセッコの指定産地ですが、
Valdbbiadeneにかけては、発泡性白ワイン、プロセッコの指定産地ですが、
今回訪問できたのはヴァルドッビアーデネに近い3軒で、朝8時半にコネリアーノに
お迎えを受け、まずこの葡萄畑に。

奥に見えるのは、サン・ピエトロ・ディ・バルボッツァ・San Pietro di Barbozzaで、
プロセッコの内でも、とりわけ最上の品とされるカルティッツェ・Cartizzeを産する地。
プロセッコの内でも、とりわけ最上の品とされるカルティッツェ・Cartizzeを産する地。
後ほど地図で位置をご覧いただきますが、この辺りはまさに見事な葡萄畑が広がり、
すでに緑一色で、感嘆しきり!
こちらは、カンノーネ・cannone・大砲と呼ぶ対寒害よけのガス発射機。

実際にまだ使用されているとの事で、効果はあるのかと尋ねると、我々は信じている、と
ご案内のジュスティーノさん・sig.Giustino Bisolの言葉。
今回取材に来られた坂本雄一さんについては、おいおいご紹介させて頂きますが、
彼がまずこの大砲に気がついたのですね。
まさに、その道の専門家とご一緒するのが楽しく、興味ある所以です。
彼がまずこの大砲に気がついたのですね。
まさに、その道の専門家とご一緒するのが楽しく、興味ある所以です。
すでに、こんな葡萄の赤ちゃん。

コネリアーノからヴァルドッビアーデネに続く美しい景観の広がる「白ワインの道」
または「プロセッコの道」・La strada del Proseccoは大好きで、通る事も多く、
ブログでも何度かご紹介していますが、ここまで畑の奥に入りこむチャンスはありません。
n.1 白ワインの道 Strada del Vino Bianco
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461343979.html
n.2 白ワインの道 ・ サント・ステーファノ付近
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462783931.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461343979.html
n.2 白ワインの道 ・ サント・ステーファノ付近
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462783931.html
サイトで大変よく分かる図を見つけましたので拝借し、

左下の小さい地図から、イタリア、ヴェネトでの位置がお分かりですね。
右の図の右下にコネリアーノ・Conegliano、左端にヴァルドッビアーデネ・Valdbbiadene
間に挟まれる赤い一帯が、白の辛口発泡性ワイン、プロセッコ・Prosecco DOCの生産地で、
15のコムーネ、約3500ヘクタールの土地。
緑の線が伝統的なプロセッコの道を表し、黄色い線が一般的に白ワインの道と呼ばれるもの。
そして、ヴァルドッビアーデネに近い位置に水色で示された土地、これがカルティッツェの丘、
ヴァルドビアーデネ・プロセッコの最高品とされるカルティッツェ・Prosecco di Valdobbiadene
Superiore di Cartizzeの生産地で、
最初に写真をご紹介したサン ピエトロ・ディ・バルボッツァを含む、サッコール・Saccol、
サント ステーファノ・S.Stefanoの地域です。
ヴァルドビアーデネ・プロセッコの最高品とされるカルティッツェ・Prosecco di Valdobbiadene
Superiore di Cartizzeの生産地で、
最初に写真をご紹介したサン ピエトロ・ディ・バルボッツァを含む、サッコール・Saccol、
サント ステーファノ・S.Stefanoの地域です。

案内して下さったジュスティーノ氏は、ルッジェーリの企業を継ぐのに昨年秋に戻って来られた
まだ28歳、なんとギリシャ哲学を勉強されたていたとか。 情熱を込めて説明を。
まだ28歳、なんとギリシャ哲学を勉強されたていたとか。 情熱を込めて説明を。
こちらがカルティッツェの丘。 奥に家並が続いていますが、その手前の丘で、
左端が高く真ん中が膨らみ、写真の左にも広がりますが、手前側はこの斜面の下までで、
左端が高く真ん中が膨らみ、写真の左にも広がりますが、手前側はこの斜面の下までで、

本当にハンカチみたいな大きさの約100ヘクタールの土地、ですが所有者は140人程も!
手前下に家が3軒見えますね。確か真ん中の家だったと思うのですが、
ジュスティーノ氏のご先祖の家だそうで、かって一帯の所有者のコンティ・ポーラ・
Conti Pola・ポーラ伯爵に仕えていたとか。
面白い話も出ましたが、この伯爵の名前が、今回調べていてあちこちで出会い、
興味を持って読みました。
ジュスティーノ氏のご先祖の家だそうで、かって一帯の所有者のコンティ・ポーラ・
Conti Pola・ポーラ伯爵に仕えていたとか。
面白い話も出ましたが、この伯爵の名前が、今回調べていてあちこちで出会い、
興味を持って読みました。

確か右端真ん中に見える丘の切れ目がカルティッツェの丘の最後と思いましたが・・、
自信ありませ~ん! ひょっとして、真ん中の林だったかも・・。
自信ありませ~ん! ひょっとして、真ん中の林だったかも・・。
丘の起伏に沿って広がる、見た目には大変美しい畑ですが、トラクターの入らない、
大変キツイ仕事だと。
大変キツイ仕事だと。
少し場所を移動してこの葡萄畑に。 傾斜地に広がる、この古い葡萄の木!
80年から100年もの葡萄の木です。

同じ畑に比較的新しい木も勿論あり、枯れた場合に植え変えている様ですが、この畑は
ジュスティーノ氏のお祖父さんの代からの畑だそうで、葡萄摘みの前に1本づつ様子を見て、
木に布かロープで印をつけ、その木のみを別に収穫してワインを造るのだそう。
売るのか、と聞きましたら、瓶で4800本ほどしか出来ないので、すべて予約制との事。
そういう話を、若きジュスティーノ氏が誇らかに、愛情込めて。
これ、凄い木でしょう?! 奥に見える細い木でも、多分30年程は。

彼の写真を坂本氏が頼みましたら、この幹に手をかけ、しっかりとポーズを!
2,3枚写すうちに少し照れて赤くなり、可愛かった!
上の木のアップを。 この古い木にも、こんなに葡萄の赤ちゃんが!
なんと、素晴らしいですねぇ。

そして、支えに結び付けているのは、今時のプラスティックでも針金でもなく、
やはり、つる植物の枝なのでした。
畑の見物を終え、いよいよ本社に。 なんと大変に大きなモダンなワイナリーで。

この手前にトラックの計量所があり、そこで葡萄重量を量り、右に見える横座りタンクの
手前に、葡萄を潰す回る歯車状の機械が据えられています。

あの古い葡萄の木の畑を見た後では少し驚いたほどの大規模の、最新式ワイナリー。
これは地下の貯蔵タンク群。 寒いほどの温度に保たれていて、ここも広々。
雑菌が入らぬよう、タンクの位置も高く、床はスチームで掃除しているそう。

プロセッコは殆どがクリーンな薄黄色をしていますが、液の透明度を増すための工程も
含まれている様子で、いろいろ専門的な事柄を坂本氏は尋ね、私にもあれこれ説明を。
私はワインは飲む専門で猫に小判ですが、専門的なサイトも雑誌もたくさんある事ですので、
素人が見ての感想、感慨を、ご紹介して行きますね。
素人が見ての感想、感慨を、ご紹介して行きますね。
事務所の上の、試飲を供された部屋からの工場の様子。 瓶づめ、栓、針金の締め付け
(多分、ちゃんとした言葉もある筈)、アルミのキャップ、ラベル貼り、などの工程。
(多分、ちゃんとした言葉もある筈)、アルミのキャップ、ラベル貼り、などの工程。

モダンな部屋の隅にかっての葡萄絞り機が置かれ、その奥に桶も見えますね。
その隣に見えるのが、先ほどの古い葡萄の木のスケッチをラベルにした、
「ヴェッキエ・ヴィーティ・Vecchie Viti」・古い葡萄の木、の写真。

こんなに古い葡萄の木からのワインでも、プロセッコ独特の、新鮮な果実の香りを放つ、
考えてみると、ワインは不思議ですね。
きちんと用意されていた試飲セット。ニュースや写真では見るものの、実際には初体験!
試飲とはいえ、朝の10時から飲むのも、初体験!!

こちらが、ご案内下さったジュスティーノ氏。 手にされているのが、最初に試飲した
「エクストラ・ブルットゥ・L'Extra Brut」.

この辺りに住む者としてそう高級な品ではないにしろ、結構プロセッコを飲んでいますが、
口に含んだ途端に、白い大変清楚な花がしゃきっと立つ、そんなイメージが浮かびました。
試飲させて頂いたのはこの4種で、いちばん左が「カルティッツェ」。

正直申しまして、それぞれの試飲の時にはその味、香り、印象が違うのは分かりましたが、
1週間経った今となると、単純に、美味しかったぁ!! あんなにそれぞれ味が違うのか?!
のみ!! でして・・。
他の製品については、サイトでご覧頂けますです。
次に訪問したワイナリーは、ソレッレ・ブロンカ・Sorelle Bronca・ブロンカ姉妹。

そうなのです、サイトをご覧になるとお分かりと思いますが、ブロンカ家のお祖父さんが始めた
ワイナリーを娘姉妹が引き継ぎ、その娘さんが今引き継ぎつつある、という、
造るワインも、パンフレットも一味違ったワイナリーです。
場所は上に載せた地図で、ヴァルドッビアーデネの南東、コルベルタルド・Colbertald
にワイナリーがあり、コネリアーノの北西ルーア・Ruaに「コッリ・ディ・コネリアーノ・ロッソ
DOC・Colli di Conegliano Rosso DOC」の畑を持ち、ここも見学させて貰いました。
にワイナリーがあり、コネリアーノの北西ルーア・Ruaに「コッリ・ディ・コネリアーノ・ロッソ
DOC・Colli di Conegliano Rosso DOC」の畑を持ち、ここも見学させて貰いました。
サイトはこちら、英語版もあります。
http://www.sorellebronca.com/
http://www.sorellebronca.com/
約束の時間に遅れ気味で、まずはこのタンクの前で、すぐローマに出発するという
ワイン醸造技術者(エノロゴ・enologoと呼びます)フェデリコ氏・sig.Federicoに、
ざっと説明を受け、

モスト・Mosto・葡萄を絞った汁、昨年秋に絞り、零下1,8度ほどでタンクに保たれ、
葡萄自体の甘さで自然発酵させている、そのモストを飲ませて貰いました。
なんとまぁ、すっきりと甘いこと! 驚きました。
ここの製品のモスト100%で作られるプロセッコDOC「パルティチェッラ68・Particella68」、
そして「スプマンテ・エクストラ・ドライ・Spumante Extra Dry」になるモストなのでした。
近代的なタンクに、白い壁、天井の木の梁、そんな所にも、センスの伺えるワイナリーです。
脇にずらっと、昨日瓶詰めが済んだという瓶が並んでおり、これらはなんと日本向けだそう!

低温を保つタンクからワインが瓶に移され、外側に並ぶ瓶はすでに乾いていますが、
中側の瓶はまだびっしりと汗をかいており、ゆっくりと常温に慣らすのだそう。
パルティチェッラ68、の畑を見に。

モスト100%、つまり葡萄自体の甘さで自然発酵させるため、7月の摘果作業では
ほぼ半分に減らすとか。葡萄の甘さを増すためですね。
もう一つ、フェデリコ氏も力を入れての説明で、後の試飲の際にもヴィデオを見せて頂きながら
聞いた言葉は、籠で運ぶ、という事。 つまり、手でひと房づつ摘んだ葡萄を潰れぬように
プラスティックの籠のまま、ワイナリーに運びこんで作業する、という事。
聞いた言葉は、籠で運ぶ、という事。 つまり、手でひと房づつ摘んだ葡萄を潰れぬように
プラスティックの籠のまま、ワイナリーに運びこんで作業する、という事。
普通、葡萄を摘む時、畑ではプラスティックの籠に入れますが、その後はトラックの荷台に
シートを敷き、葡萄のみをワイナリーに運ぶのですね。
それを、籠で、と強調する事は、葡萄が熟しきるまで待ち、潰れないように、を意味します。
それだけこのブロンカ姉妹のワイナリーでは、葡萄を大切に扱っている、と言えましょうか。
シートを敷き、葡萄のみをワイナリーに運ぶのですね。
それを、籠で、と強調する事は、葡萄が熟しきるまで待ち、潰れないように、を意味します。
それだけこのブロンカ姉妹のワイナリーでは、葡萄を大切に扱っている、と言えましょうか。
土地質が良く見える道脇に、次代を引き継ぐエリーザさん・sig,na Elisaに立って貰って。
彼女もまたエノロガ、パドヴァ大学出身のワイン醸造技術者なのですね。

美人でしょ? お母さんも叔母さんも美人の一家。
坂本氏は大学で地質学を学ばれたとかで、その点でも今回のこの一帯の地質の違いと、
できるワインの違いに、興味を持たれた様子です。
「パルティチェッラ68」の名前の由来ですが、この土地が、土地台帳・Catastoでは、
単に、68番の土地となっているので彼女たちが、このように名付けたのだそう。
ちなみに「パルティチェッラ・particella」は、小さな部分とか、微粒子、です。
単に、68番の土地となっているので彼女たちが、このように名付けたのだそう。
ちなみに「パルティチェッラ・particella」は、小さな部分とか、微粒子、です。

ここもまたご覧の通り小高い丘で、ご一家の古い畑だそうで、丘の中ほどの
かっての家を今修復中で、近々アグリトゥリズモに変身、との事。
この後地下の樽の貯蔵庫も見学し、試飲に。
蒸し暑い日でしたが、広々としたお部屋に白い蘭の花鉢。
大きな銅の盥には氷を浮かべ、しっかりと、冷やされていました。

面白い話を。 タンクの一つを家庭電器の業者組合(デ・ロンギとか、ecc)が、
買い取っているそうで、皆で、地下の蔵で、一日痛飲するのだそう!
その時は、この後ご紹介するレストランのシェフを招き、料理を頼み、
そのタンクのワインをプレゼントにも使うのだとか。如何にも豪快なお話でしょう?
最初に予定した1つのワイナリーに付き写真10枚では到底無理で、
下をクリック、n.2 にどうぞ!
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463526671.html
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