・ チゾンの村に、春をさがしに 

今日は我が町コネリアーノから北西に車で20分ほど、チゾン・Cison di Valmarino
の村に先日出かけて来た様子をご案内です。 

つい最近写真グループに加えて貰い、この日が最初のお出かけで、あいにくの曇り空
でしたが、久し振りにせっせと写真を撮りまくり、楽しんで来ました。

雪割り草、ブーカネーヴェ。 名前は知っていても、初めて見た気がします。
スズランをも少し清楚にした感じ、とでも。 空き地、一面に咲いていたのですよ。

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小川が流れ、その向こうの柵の中にお馬さんたちが何頭か。
       
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この村は、チソンの手前のレーゼラという村近辺で、一度、春、桜の季節をご紹介。
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461744769.html
      

この辺りは、ヴィットリオ・ヴェネトから西に続く道、「白ワインの道」にも合流する、
湖あり、中世の修道院あり、段々畑の葡萄畑あり、の素敵な道筋で、
脇にそれて小さな古い村に入り込んで行くと、どこもが絵になる、写真が撮れる、という場所。

枯れ色の風景、そして蒼 ・ 冬の湖
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461343626.html

レーヴィネ・ラーゴの聖所      
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462784153.html
      
フォッリーナ ・ 中世の修道院と町
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461744969.html 



山腹にちいさな納屋が見え、道具類収めと。 その下に葡萄畑が広がりますが、
山は、木々は、まだまだ冬の色。

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県道が東西に走り、その北側に山並みが続き、ちょっとした屏風の役割を果たし、
この山並みのお陰でこちら側は暖かですが、山向こうのベッルーノ・Bellunoは大変寒いと!


ベッルーノ再訪 ・ アルプス兵と、古いボルゴと
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463457241.html



北の山並みとコネリアーノの間に、もう一筋丘の流れがあり、その間に湖があり、
平野が広がる、というこの変化が、風景を美しくしています。     

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今回写真グループの先生が、この建物を教会と呼び、見るとまさに小さな十字架が!
初めて気がついたというか、知ったというか・・、きっと由来や謂れがあるのでしょうね。



チゾンの村の山上にお城があります。 この写真ではそう高くも見えませんが、
近くからは遥かに見上げる高さの、ローマ期からの歴史を持つ、由緒ある
カステル・ブランドのお城です。

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2年前の夏、訪れたカステル・ブランドのお城
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462784366.html     



我らの背後に大きな農家があり、空き家の様で、脇に、この農具が。

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分ります? 草を刈った後、ムラなく干すためのかき混ぜの爪、とでも云うのか、
トラクターの後ろに付けて使います。



畑の脇の木の蕾が、膨らみかけていました。 この寒い冬も、そろそろ終わり、かも。
      
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名前が出ません! どなたか、お教えを!!



差しかけ風の屋根の下に何か動くものが。 覗きに行くと、やはり羊の親子が。
反対側に回り身を乗り出すと、子供の羊は好奇心が強く、出て来てくれました。

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古い村の古い家並には、必ずどこかに廃屋が残り、住んでいた持ち主が亡くなったり、
その息子たちは町に住んだりだと、少し悲惨な廃屋になりますが、
この納屋の扉と窓にはクリスマスの飾りがまだ残っていて、暖かさを感じ、ほっと・・。

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長めの建物の中ほど2軒が廃屋になっていて、その両脇の家は修復され、住んでいます。
こうして見ると、1階部分は納屋とか家畜小屋で、2階に、居住部分があったようですね。

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以前、こうした古い家の中を見た事がありますが、家の中にトイレがありませんでした。
そういった時代の廃屋です。



こちらは、きちんと修復された家の門を出た所にあった、石造りの水槽で、家畜の水飲みや、
ちょっとした作業に使ったのでしょう。 左上の蛇口部分が、今は塞がれています。

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石造りの建物がきちんと修復されると、それは見事な、重厚な風格となります。



ここからの写真は、チソン・ディ・ヴァルマリーノ・Cison di Valmarinoの村です。

この村は県道から少し入り込、こんな田舎に、と思うほどの重厚な雰囲気がありますが、
上でご紹介のお城、カステル・ブランドから見下ろすお膝元の村が、ここになります。
北の山から流れ出る川が村の真ん中を深くえぐって流れ、きちんと整備されていて、

小さな礼拝堂ともいえるサン・ヴィトー教会。

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後ろに見える鐘楼は、司祭長教会のもの。後ほどご案内いたしますね。



村は山裾に沿ってゆっくりと傾斜し、ルージョ川・Rujoをはさみ両側に広がります。
が、家並みが切れた所にはすぐ背後の山が迫ります。

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なんとも可愛い雰囲気の野菜果物屋さんですが、パンも牛乳も新鮮なサラーミもね。

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川沿いの坂道をちょっと左に入り込むと、かなり広い広場が広がりますが、
これは、その角の建物の窓。
手作りレースの窓覆いがあり、蔦の葉の茂る季節にはさぞや美しい窓でしょう。

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17世紀建設の司祭長教会前に、矩形のかなり広い中心広場が広がり、周囲を
大きな建物が取り囲こみ、単なる田舎の村とはちがう重厚さが漂います。

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広場の北側の眺め。 背後の山は1358mのコル・デ・モイ・Col de Moiと。

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チゾンよりも少し東に、あの山を越えベッルーノ方面のピアーヴェ川の谷に抜ける、
サン・ボルド峠706mがあります。 春になったら、一度通ってみたいもの。

サン・ボルド峠越えは



広場のこちら側の建物の壁と窓。 壁の色も褪せ、窓の周囲の飾りも消えかけ、
広い屋根庇の下にのみ、向日葵が残っています。
ベランダの手すりの形も優しく、どんな人の屋敷だったのかと想像します。

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村の真ん中を川が流れている、と書きましたが、背後の山から流れ出るこの川水を利用し、
かっては、村の奥に行くに従い、一連の水車小屋が続いていた様子です。

今、その川沿いの水車用に造られた水の流れに従って、ちょっとしたハイキングコースが
整備されていて、その道を辿ると、こういった木彫像が随所に置かれ、なかなかです。

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何年か前にもこの村に来た事がありますが、その時は村もこれほど整備されておらず、
が今、家々の窓にはちょっとした余裕も感じられます。

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いつもは町や村のご紹介をするのに、なるべく雰囲気がつかめ易いようにと
全体の様子の写真を多くしますが、今回は参加したグループの性格もあり、
せっせと、部分の面白さも撮りました。
       
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ですが、田舎の山懐に広がる村に、こういったセンスも見つかるという事ですね。
       


水車用の細いかなりの急傾斜の水路を辿り、少し上った所に、完全に石壁のみになった
廃屋があり、苔むした木が伐採され、陽が差し込む草地になっていました。

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これも、かなり上の家の軒先。 一体いつごろの物なのか、私には分りませんが、
最近の物でない事は確かと。 それに、今も使われていますね。

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余り奥まで行きませんでしたが、一つ、水車の残っているのを見ました。
手前に流れ落ちる水が見えますが、この細い流れが次々と水車を回していた様子。

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ガイドブックによると、かってこの土地は食料用の水車で有名だった、とあります。
という事は粉挽きでしょうか。 案内の標識には、チーズの製造小屋もあった様子。



このお家はなかなか洒落ているでしょう? 窓の板戸の濃い緑が余りよく見えず、残念。
下に伏せられているステンレスの容器は、乳搾りの乳入れ。

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川の向かい側に大きな建物があり、綺麗に修復され、サン・マルコのライオン君が!
この一帯も勿論ヴェネツィア共和国でしたが、この家は確か元、宿とレストランだったと。

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この冬は本当に寒く、雪も雨も多く、未だこの山村には春の兆しはイマイチでしたが、
それでも最後は、この可愛いピンクの蕾で。

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春よ、来い!
はぁやく、来い!!

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