今日は月一ゲストのグロリオーザさんの写真とコメントで、ビザンチン・モザイク
で名高い、ラヴェンナ・Ravennaのご案内です。 お楽しみ下さい。
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今回はイタリア中部・ラヴェンナのモザイクを紹介します。
この街は今では内陸の小都市ですが、5世紀から6世紀にかけては西ローマ帝国の
首都として、あるいは東ローマ帝国の直轄領として栄えた歴史を持っています。
当時はポー川河口の潟に築かれた運河の町でした。
この街は今では内陸の小都市ですが、5世紀から6世紀にかけては西ローマ帝国の
首都として、あるいは東ローマ帝国の直轄領として栄えた歴史を持っています。
当時はポー川河口の潟に築かれた運河の町でした。
中でも有名なのは、このサン・ヴィターレ・San Vitale聖堂。

6世紀、東ローマ帝国の首都はコンスタンティノープルでしたが、その皇帝
ユスティニアヌスが建てた聖堂で、外観はなんと言うこともない建物ですが、
中に入ると素晴らしいモザイクで埋め尽くされ、
ビザンチン美術の奏でる光の交響詩 と称えられています。
ユスティニアヌスが建てた聖堂で、外観はなんと言うこともない建物ですが、
中に入ると素晴らしいモザイクで埋め尽くされ、
ビザンチン美術の奏でる光の交響詩 と称えられています。
さあ、中に入りましょう。
ちょっと暗い聖堂内部ですが、モザイクの輝きに見入ってしまいます。
ちょっと暗い聖堂内部ですが、モザイクの輝きに見入ってしまいます。

中央祭壇をアップしてみましょう。 半円蓋に若々しい、ひげのないキリストが
描かれ、ヴェネツィア・サンマルコ大聖堂などに比べて緑が多いモザイクです。

天井には神の子羊=キリストの円光を、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの
4人の福音書記が支えています。

後陣北側には、ユスティニアヌス帝のモザイク。 王冠をかぶり、ざるのような物を持ち、
その右側2人目の人物はラヴェンナ司教。

南側には、皇妃テオドーラが、夫の皇帝と向かい合うように描かれています。
手に聖杯を持ち、皇妃の象徴である紫のローブをまとい、首の回りの宝石も見えます。

テオドーラは踊り子だったといわれますが、見初められ皇帝40歳の時に23歳で結婚、
その美貌はこのモザイクでも十分に推し量れます。
現存するテオドラの肖像はこれ1点のみ。 貴重なモザイクです。
その他にも、旧約聖書の物語が華麗に描かれています。

次にすぐ近くにある、ガッラ・プラチディア・Galla Placidia廟に移ります。

ガッラは、ローマ帝国皇帝テオドシウス1世の娘。 皇帝の死後、帝国は東西に
分裂する中で波乱の人生を送った悲劇の皇女ですが、詳しい物語は省きます。
これも小さな建物です。
入って奥に見えるのが、ローマで火あぶりになった聖ラウレンティウスの殉教場面。
明り採りの小さな窓の下に、燃えさかる炎が見えます。
明り採りの小さな窓の下に、燃えさかる炎が見えます。

ここの美しさのハイライトは、天井の模様です。
花で彩られた満天の星座のような天井は、息を呑む美しさです。

入口を振り向くと、善き羊飼いとして描かれたキリスト像が半円に収められています。

建物を出て、近くのサンフランチェスコ聖堂の横に行くと、こんな祠がありますが、
これはダンテの墓です。

ダンテはフィレンツェを追われて、アレッツォ、ヴェローナなど15年にわたる放浪の果てに
1317年、ラヴェンナにたどり着きます。
あの「神曲」はここで書き上げ、56歳で死去しました。
1317年、ラヴェンナにたどり着きます。
あの「神曲」はここで書き上げ、56歳で死去しました。
少し足を伸ばして、サンタッポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂へ。 500年頃の建物で、
聖人たちの行列が見事です。 ここは規模が大きい分、雄大なイメージがあります。

女性たちの列も、華麗に描かれています。

その中央には、聖母とキリストが鎮座しています。

ここにはモザイクだけでなく、彫像もありました。

ヌオーヴォ聖堂の正面。
この日は雨でしたが、午後にはすっきりと青空が広がってくれました。

帰りに写したラヴェンナ駅のプラットホーム。 田舎の駅といった風情です。

しかし、ビザンチンの首都だったコンスタンティノープル(現イスタンブール)には
その後の歴史の中で、モザイクは破壊されて殆ど残っておらず、
5~6世紀のモザイクの精華には、今やこの街でしか出会うことが出来ません。
機会があればぜひ訪れてみてください。
その後の歴史の中で、モザイクは破壊されて殆ど残っておらず、
5~6世紀のモザイクの精華には、今やこの街でしか出会うことが出来ません。
機会があればぜひ訪れてみてください。
グロリオーザさんのブログ、「新イタリアの誘惑」は、こちらです。
https://blog.goo.ne.jp/gloriosa-jun
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先日、6月17日の夕方のニュースで、ヴェネト、アジアーゴに住む作家、
マーリオ・リゴーニ・ステルン・Mario Rigoni Stern 86歳
の逝去が伝えられました。
マーリオ・リゴーニ・ステルン・Mario Rigoni Stern 86歳
の逝去が伝えられました。
暫く前に脳腫瘍である事が発見され、最後の見納めに山に運ばせ、
市長と会った後は誰にも会わず、
本人の希望により、親族のみのお葬式が済んでの、報道でした。
市長と会った後は誰にも会わず、
本人の希望により、親族のみのお葬式が済んでの、報道でした。
大変骨太の、素晴らしい作品であり、作家と思います。 ご冥福を祈ります。
彼の人となり、作品については、こちらにご紹介を。
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463097952.html
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