この水曜にパドヴァに展覧会を見に出かけてきましたので、
日本では余り有名でないと思われる、がこちらではイタリア印象派の第一人者と
見なされる画家の作品と、お昼、カフェ・ペドロッキでのカフェ休憩をご覧下さいね。
日本では余り有名でないと思われる、がこちらではイタリア印象派の第一人者と
見なされる画家の作品と、お昼、カフェ・ペドロッキでのカフェ休憩をご覧下さいね。
当日は友人のルイーザと2人。 というのも他の友人達はガルダ湖のシルミオーネと、
ガブリエーレ・ダヌンツィオのヴィットリアーレ見学にグループで出かけていて、
3月末までのこの展覧会がどうしても見たい彼女と、天気予報を睨みつつ
出かけたというわけでした。
ガブリエーレ・ダヌンツィオのヴィットリアーレ見学にグループで出かけていて、
3月末までのこの展覧会がどうしても見たい彼女と、天気予報を睨みつつ
出かけたというわけでした。
上は、パドヴァ駅に到着後、駅のバールでエネルギー補充の、カフェとドーナッツ。
勿論朝食は済ませて出かけていましたが、ははは。
上の齧りかけのクロワッサンは、ルイーザの物。
勿論朝食は済ませて出かけていましたが、ははは。
上の齧りかけのクロワッサンは、ルイーザの物。

展覧会は、ジョヴァンニ・ファットーリ・Giovanni Fattori
(Livorno 1825 - Firenze 1908) という画家で、19世紀後半のイタリアで、
フランス印象派の先駆けとも言えるマッキアイオーリ・Macchiaioli(色斑派とでも)と
呼ばれる運動の第一人者と見なされている画家の展覧会。
この自画像は1854年、画家が29歳の物。

会場となったパラッツォ・ザバレッラ・Palazzo Zabarella

会場のザバレッラ邸の正面は、以前の写真で。
この正面は道に面しているのではなく、狭い小路から塀をくぐった内庭にあるもの。
この正面は道に面しているのではなく、狭い小路から塀をくぐった内庭にあるもの。
パドヴァの街の、ちょっぴりお散歩
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330622.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330622.html
n.3 パドヴァ ・ 黄金の世紀 の 2
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330356.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330356.html
n.2 パドヴァ ・ 黄金の世紀 の 1
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330115.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462330115.html
n.1 パードヴァ、 でございます!
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462329871.html
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入り口ホール。 柱に上手く、展覧会の呼び物である絵が展示されているでしょう?

ホール左手のブック・ショップ。

会場内は写真禁止で、これは画家の初期作品の展示があった1階から、2階会場に
上がる階段周りの様子。 なかなか豪華な、かっての邸宅でしょう?
上がる階段周りの様子。 なかなか豪華な、かっての邸宅でしょう?

画家に付いては経歴よりも絵を見ていただくのが一番と、ははは、
サイトから展覧会で見た絵と同じ作品を探し出し、実物に近いと思われた色、
そしてshinkaiが良いと思った物に絞り、ご覧頂きますね。
サイトから展覧会で見た絵と同じ作品を探し出し、実物に近いと思われた色、
そしてshinkaiが良いと思った物に絞り、ご覧頂きますね。
初期の、小さな板に描かれた物、 1859年 フランス兵

会場での説明を読んでのルイーザの話に寄ると、従軍画家として働いた時期があったと。
こちらはかなり大きく、当時のイタリア統一戦争時の戦闘を描いた物。
マジェンタの戦い、1861-62 232x384cm

でもご覧くださいね、馬たちはまだ止まった姿。
初期の肖像画の素晴らしい物から、これは従姉妹さんだったかな、
写真自体がピン甘で、目にピッとハイライトが入っているのも見えず・・!

大体40歳位の作品に、今のshinkaiが良いなぁ、と思うものがあり、
色は大体写真に近いのですが、全体の雰囲気は実物にはとても不足で残念!!
色は大体写真に近いのですが、全体の雰囲気は実物にはとても不足で残念!!


草を集める女性達の大作で、1866年
この中の一番左の後ろ向きの女性、彼はこの姿が気に入りだったのでしょう、
何枚かにこの姿が登場します。

ここに走る馬が登場し、 逃げる馬

これが「白い壁」とか「哨兵」と呼ばれる彼の代表作といえるもので、
1872年 板に油彩 37x56cm
1872年 板に油彩 37x56cm

一番色が実物と近いものを探しましたが、
100点ほどの展示の中で、やはりこれが一番良いと思ったです!
100点ほどの展示の中で、やはりこれが一番良いと思ったです!
白い広い壁に、色としてはどんより加減の空、そして軍服の色、
真昼の空気がぐ~んと広がり、なんとも素晴らしいもの!!
真昼の空気がぐ~んと広がり、なんとも素晴らしいもの!!
手前の馬の脚などに、ちょっと濃茶のアウトラインが入っているのですが、
それもここではまるで気にならずですが、
それもここではまるで気にならずですが、
後年の作品になると、めったやたらにこの色のアウトラインが目に付き、
こんな広い空間がなくなり、群像のうるささが目に付く感じで・・。失礼。
こんな広い空間がなくなり、群像のうるささが目に付く感じで・・。失礼。
マッキアイオーリ派という言葉を上記しましたが、1859年ごろフィレンツェの
カフェ・ミケランジェロに通う画家や芸術家達の間に起こったもので、
フランス・印象派の先駆けであるバルビゾン派、1830年頃よりのコローやミレーの、
戸外の風景を描いた物に影響を受け、ただし彼らは屋内で描いたのに対し、
マッキアイオーリ派は、直接に戸外で描いたのですね。
戸外の風景を描いた物に影響を受け、ただし彼らは屋内で描いたのに対し、
マッキアイオーリ派は、直接に戸外で描いたのですね。
マッキアイオーリ、色斑派という言葉は、勿論それまで画家達が古代の逸話などに
エピソードを求めて屋内で、アカデミックに塗りをすべらかに、色の調子を整え
描いたものに対して、
戸外で、色を直接に、濃淡、光りと影で置いて行く画法を皮肉って名付けたものですが、
これが1870年頃からのフランス印象派の先駆けとなりました。
エピソードを求めて屋内で、アカデミックに塗りをすべらかに、色の調子を整え
描いたものに対して、
戸外で、色を直接に、濃淡、光りと影で置いて行く画法を皮肉って名付けたものですが、
これが1870年頃からのフランス印象派の先駆けとなりました。
ただし、印象派は色が先に見え、時に描かれる姿が朧になりますが、イタリアの
マッキアイオーリは、そこまでは行かなかった、というのが、今回あれこれ見ての感想で。
マッキアイオーリは、そこまでは行かなかった、というのが、今回あれこれ見ての感想で。
午睡。 明るい戸外の空、草の色などなど、1870~73 キャンヴァス 72,5x35

農民達が木陰でお昼寝の最中、牛達は繋がれたまま陽を浴び、荷車を守らされ・・、
というのが、正直な所、最初に絵の出来よりshinkaiの頭に浮かんだ感想・・!
というのが、正直な所、最初に絵の出来よりshinkaiの頭に浮かんだ感想・・!
白い大きな牛、キアニーナ種と思うのですが、何枚もの彼の絵に、様々に登場します。
牛の白さがアクセントにもなり、農民達の働く姿、戸外の空気が良く伝わって来ますが、
一枚素敵だと思ったのは、サイトでは見つかりませんでした。
牛の白さがアクセントにもなり、農民達の働く姿、戸外の空気が良く伝わって来ますが、
一枚素敵だと思ったのは、サイトでは見つかりませんでした。
ラ・ロトンダ・デイ・バーニ・パルミエーリ 1866年 板に油彩 12x35cm
いかにも印象派的でしょう?

こちらも板の小品。 戸外に座る婦人像。

女学生。 1893年 板に油彩 25x17cm
少し力が弱いかなと思ってみたのでしたが、晩年の作品でした。
少し力が弱いかなと思ってみたのでしたが、晩年の作品でした。

ちょいちょい生まれ故郷のリボルノに戻ってはいたようですが、
長年住んでいた割りには、フィレンツェ街中の作品が少ない様で、
ヴェッキオ橋 1870年頃 板に油彩 20,5x32,5cm
ヴェッキオ橋 1870年頃 板に油彩 20,5x32,5cm

赤い頬 1880年 40x29cm

後年の作品に、初期の戦争画とは違って、もっと荒々しい迫力が加わったのが
何枚も登場します。
何枚も登場します。
突撃 1877年頃

若者達が夢見たイタリア国家統一運動がなったものの、社会的規律の改善には
至らずの苦さを噛みしめ、晩年の経済的な生活困難など、
そんな鬱屈した思いが吹き出したかの様な厳しい物が見え、この辺り、
単なるマッキアイオーリではなく、イタリア現実主義者とも見なされるのでしょうが、
鐙を踏み外し落馬し、荒々しく馬に引きずられる絶望的な兵の姿などもありました。
フィレンツェの美術学校アッカデミアでの、晩年の姿。 ここで学び、教えた彼の
アトリエでの様子ですが、

左背後に見える大作、トスカーナの湿地帯マレンマでの馬や牛と牧童達の、晩年の
作品が何枚か来ておりましたが、このように素晴らしいと思えるのが無く、パスです。
作品が何枚か来ておりましたが、このように素晴らしいと思えるのが無く、パスです。
1888年から90年ごろの作品に版画があり、何枚かありましたが、その中で気にいった、
積み藁と牛。

会期の終盤に近く、余り見学者も多くないので、ルイーザと2人でゆっくり見ながら
一周し、再度気に入ったのを見にもう一度。
絵のすぐ傍に寄れ、?と思ったのは絵に顔を近づけ見る事も出来るので、
イタリアでこうして展覧会を見れるのは、気に入っていますし、
中の1枚か2枚でも、気に入った絵が見つかるのは大きな刺激で、勉強になります。
イタリアでこうして展覧会を見れるのは、気に入っていますし、
中の1枚か2枚でも、気に入った絵が見つかるのは大きな刺激で、勉強になります。
天気予報ではこの日は終日曇りで、朝も冷え込んでいたのですが、
朝電車でヴェネツィアに行く間に青空が見え始め、暖かい良いお天気の一日に。
会場から出て来ての、中庭の向こう。

会場近くにも、お昼を食べるのに良さそうなのを見つけましたが、今回はもう一度
中心に戻ってセルフ・サーヴィスの店ブレック・Brekに。
こちらは裏通りに面した広い側面、入り口。

右奥にサラダ・バーや、ピッツァ部門、左手にグリルやパスタ部があり、

セルフでお皿に取り、会計で支払いを、

2人とも魚介のリゾットに、野菜類、生ビールの小で、12,2エウロ!

野菜はほうれん草に、ジャガイモのグリル、ヴェルザの煮物で、全部は到底食べ切れず。
1時少し過ぎで、特別満員でもなくやれやれ。2階も広く、テーブルがたくさんあり。

お昼の後は、腹ごなしにデパート・リナシェンテに行き、家庭用品部門で
ぶらぶらと品定めをし、ルイーザは孫達への小さなぬいぐるみを、
shinkaiは藍の柄が入ったレンゲを見つけ一つ、3,9エウロなり!
shinkaiは藍の柄が入ったレンゲを見つけ一つ、3,9エウロなり!
その後にカフェ・ペドロッキ・Caffè Pedrocchiに行きまして、

かねてより念願の、ははは、おのぼりさんのカフェ・タイムをね。
というのも、何度も前を通りながら未だにカフェをした事が無く、ジュリアーナと
というのも、何度も前を通りながら未だにカフェをした事が無く、ジュリアーナと
一緒だと、彼女はこういうのにはOKを出さないので、ははは、
今回は行きの電車の中でルイーザに交渉、快くOKを取りまして・・!
今回は行きの電車の中でルイーザに交渉、快くOKを取りまして・・!
はい、こちらがカフェ・ペドロッキの、カフェ・ペドロッキ!
手前のピンボケがshinkaiの、はは、デカフェイーナので、カフェの上に生クリームとミント、
そしてその上にチョコレートの粉と思うのが振りかけてあり、これで5エウロ! ははは。

お砂糖も何も入れずにこのままで、と言われまして、
これが生クリームで熱いカフェではなかったですが、美味しかったぁ!!
ミントもほんのりで、甘さもちょうどで誠にクリーミー!
ミントもほんのりで、甘さもちょうどで誠にクリーミー!
付いて来たクッキーも美味しかったし、
向こうの隅のテーブルで、一皿盛りの料理を食べているのを眺めつつ、

何を食べている? 幾らする? とルイーザとひそひそ話し、お昼の一皿料理位なら、
そんなに高くは無い筈よね、次回にはお昼を試してみようね、という事に、ははは。
若いウェイターの後ろ髪、ははは。
一番上だけ残しそれを後ろで結んでいるのが、ちょん髷みたいでね、はは。

こうして予定をこなし、早めに戻ります。

スクロヴェーニ礼拝堂の横を流れる川。

パドヴァには見所が多く、知らない場所もたくさんなのですが、我が町コネリアーノ
からだと、ヴェネツィア・メストレで乗換え、おまけに各駅停車だった朝は
1時間半以上かかりましたが、戻りは大変スムースに1時間ほど。
次回はこういうのにも気をつけ、も少し気軽に出かけようと、話した事でした。
最後は戻りの電車の中、斜め向かいで少し居眠りしていた女性。
ショワショワの髪が素敵な美人!

という、パドヴァにお出かけの一日でした。
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