今日は我が家からも近く、ヴェネト平野の北の守りとも言うべき位置にあり、
2000年に近い歴史を持つカステル・ブランド・ブランド城のご紹介を。
2000年に近い歴史を持つカステル・ブランド・ブランド城のご紹介を。
ここは現在4つ星ホテルとして、音楽会、講演会も開かれる大会場も持ち、
内部に4つの博物館、リラックス施設もある、見事に蘇った山の上の中世のお城で、
先月の末、ガイドに連れられ見物して来た様子をどうぞ。
これがそうですが、手前左側白い四角い部分は、18世紀の建て増し部分で、
右側が15世紀の古いお城部分。
内部に4つの博物館、リラックス施設もある、見事に蘇った山の上の中世のお城で、
先月の末、ガイドに連れられ見物して来た様子をどうぞ。
これがそうですが、手前左側白い四角い部分は、18世紀の建て増し部分で、
右側が15世紀の古いお城部分。

この写真では分りませんが、すぐ下を県道が走り、そこから見えるお城の高さ、
見事さにはいつも見惚れます。
地図をどうぞ。
お城のある村は、チゾン・ディ・ヴァルマリーノ・Cison di Valmarinoで、
ヴィットリオ・ヴェネト・Vittorio Venetoから西に15キロほど。
お城のある村は、チゾン・ディ・ヴァルマリーノ・Cison di Valmarinoで、
ヴィットリオ・ヴェネト・Vittorio Venetoから西に15キロほど。

お城の図。 この城の築かれている山頂は平らではなく、北側、向かって右が高く、
左の南側にかけて傾斜しており、同じ高さに南の増設部分を築く為の競り上げ部が。
1.下の村の駐車場から、ケーブルカーがお城まで、運んでくれ
2.ここがケーブルカーのお城の駅。400Mの高さ

3.2つある塔、そして外の城壁、内側の城壁ともに11世紀から13世紀にかけての物で、
当時は、ヴィットリオ・ヴェネト、セラヴァッレのダ・カミーノ一族の領有でした
10.南の建物のこの位置に、ガイド付き案内の申込所があります。
土曜、日耀の、10時、12時、14時で、1間以上の、しっかりの見物時間!
土曜、日耀の、10時、12時、14時で、1間以上の、しっかりの見物時間!
9.ホテルの入口。 ガイド付き見学者は一段下の外壁部分に下りて、
6.の古い馬車などを見ながら、
7.城の古い部分、7~8世紀の基礎部の塔の中の階段を上がり、9の入口内に出ます。
6.の古い馬車などを見ながら、
7.城の古い部分、7~8世紀の基礎部の塔の中の階段を上がり、9の入口内に出ます。
下の駐車場からケーブルカーを。 今、真ん中辺りに、箱型の車両が見えます。

城の外庭から、下のチゾン・ディ・ヴァルマリーノの村を見下ろします。
なにせ400Mの高さからですから、絶景と言うか、箱庭風の眺めと言うか!
なにせ400Mの高さからですから、絶景と言うか、箱庭風の眺めと言うか!

何も知らなかった昔、この村を通りつつ、どこか違う、と感じた物でしたが、
違う筈で、この村は何世紀にもわたり、ブランドリーノ伯爵家のお膝元だった訳で。
上の写真の、南側に伸びた村の部分で、

ここよりもっと外側に広がる部分は、きちんと道が四角く通り、同じ大きさの
区画に整備された住宅地で、綺麗ですが、味がなく、こんな方が魅力的です。
村の南側を東西に県道が走りぬける、その南の眺め。
田畑が広がり、なだらかな丘陵が続きます。
田畑が広がり、なだらかな丘陵が続きます。

夜は、城全体が照明されますが、お祭り時には、篝火も焚かれる様で。

15世紀の城館部ですが、内部は残念な事に19世紀の火事で多くが消滅と。
が、現在は大広間として使用されています。

お城の地図3の、奥の塔の部分。 ガイア・ダ・カミーノの塔と名付けられた
11~12世紀の物
11~12世紀の物

ガイア・ダ・カミーノ・Gaia da Caminoは、ダンテの神曲にも登場する女性で、
ポルト・ブッフォレのご紹介の際、嫁ぎ先の町の、住居跡をご紹介しました。
ポルト・ブッフォレのご案内は
ガイド付きの案内で、現在ホテルになっている城館内も見物できます。
城館部分、脇の塔から入ると、7世紀から9世紀の、こんな石組みの部分があり、
兵士たちの見張り所 兼、駐屯所だった場所。

狭い塔内部の、螺旋階段を上り、上階の現在のホテル入口に出て、
左がフロント部分になっていますが、このロビーはかってここは馬車置き場であり、
直接に客人の馬車が入り、右の階段前に止まったのだそう。

この階段の壁には武器が飾られ、広い大階段が70段ほど真っ直ぐに上に続きます。
重要な客人は、城主の伯爵が下まで迎え、そうでない場合は、上で待っていたのだそう!
我々も上がりましたが、もし上で待たれていたら、ものすごい重圧感でしたろう。
それをも計算に入れた階段というか、いやはや。
そしてこの階段を上まで上がると、古い城館の広間に続き、そのままの高さで、
部屋が南側の新しい部分に繋がるのです。 設計者の素晴らしい頭脳と言うか!
部屋が南側の新しい部分に繋がるのです。 設計者の素晴らしい頭脳と言うか!
ロビーの階段奥の壁に、交差する槍の間に入り口の窪みがありますが、分りますか、
あの入口から城の地下部分の、現在の武器博物館を見学できます。
あの入口から城の地下部分の、現在の武器博物館を見学できます。
これはこのチゾンの村のお祭りの写真ですが、城の武器博物館にも、この様な
かっての鎧、兜などの複製品があり、ここに見える細かい網目の防具もあり、
ガイドの女性が触らせてくれましたが、その重い事、重い事!

が、こんな防具も石弓、鉄砲の発明の前にはまるで役に立たなく、着用しなくなり、
美々しい武具も、単なる祭事の為、威勢の誇示用となったのだそう。
美々しい武具も、単なる祭事の為、威勢の誇示用となったのだそう。
これは古い城館の大広間ですが、多分、中世風の大宴会の際には、
こんな衣装の女性が、花を添えてくれるのでしょう。

左は、古い城館内にあった牢獄部分。 ヨーロッパの他の城の牢獄よりも、
遅い時代の物なので、かなり人間的であると、これはガイドの女性の言葉。

ついでに付け加えますと、この城は15世紀にヴェネツィア共和国の元に入り、
ブランドリーニ伯爵に与えられた物ですが、
ヴェネツィア共和国の方針として、なるべくは強制労働の罪にし、ガレー船を
漕がす方向に持っていったのだそう。
死罪となった場合、身分ある人間は斬首、そうでない者は絞首刑で、
その違いは斬首の方が苦しみが少ない、と言う理由からとの由。
その違いは斬首の方が苦しみが少ない、と言う理由からとの由。
右の写真は、裁判博物館の物と思いますが見学せずでした。
先ほどの大階段の脇にあった、城主の鎧。
見事な物で、浅浮き彫りの模様が施され、黒い色が鋳れ込まれていました。
見事な物で、浅浮き彫りの模様が施され、黒い色が鋳れ込まれていました。

元々のお城はローマ期に街道の見張り所として出来、中世に至り城館となりましたが、
こういった床細工は、いつの物か、古い物が残っています。

城は、大変数奇な運命を辿り、第2次大戦時には病院として使用され、
解放後に、城の子孫が修復にかかったものの資金が続かずに断念、宗教関係の
施設となったりで、
この地方の起業家が買い取り修復、ホテルとして、文化事業のセンターとしては、
ついこの5年ほど前からなのだそう。
ついこの5年ほど前からなのだそう。
古い城館大広間の、暖炉のタイル。 オリジナルだそうで、絵柄がヴェネツィア風景。

古い城館大広間の壁、上部にずらりと並ぶ紋章で、一族の縁組による各貴族の紋章。
確か左半分が、花婿の家柄で、右が花嫁の家の紋章だったと。

上に赤い3つ輪のリボン、下半分が赤白の斜め縞は、ここブランドリーニ伯爵家の紋で、
赤いリボンはかのガッタメラータ将軍の紋で、なぜなら彼は、初代のブランドリーニと
同じ傭兵の同僚として働き、2人で城と領土を受けたものの、後にガッタメラータが
相続を遺棄し、ブランドリーニ家がこの城の唯一の持ち主となったのだそう。
パドヴァの、サン・タントーニオ教会の前にあるドナテッロの
ガッタメラータ将軍騎馬像の、彼の印が、こんな所にも!
ガッタメラータ将軍騎馬像のあるパドヴァは、グロリオーザさんのご案内で。
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462329045.html
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462329045.html
傾斜地を利用して作られた、天然の要害でもあるこのお城ですが、
中庭も、こんな傾斜で成り立っています。
中庭も、こんな傾斜で成り立っています。

この方がガイドをしてくれました。 少しまろやかに、色白の美人。
そして何にも増して、素晴らしく見事なガイドだったのですね。
留まることなく、きちんと説明してくれ、大変な勉強振りが偲ばれました。

長い薄物に銀色のサンダル。あなたはとても美しい、撮っても良いですか、
と尋ねると、ぽっと照れてOKをくれたのですが、残念、素敵な目が写らず。
ちょうど今頃のようですが、村全体で、かってを偲ぶ古い仕事や、
古い農作業を再現してみせるお祭りが行われる様子。

そして、こんな風にお城の歴史の再現も。
こういうのは、完全にご本人が楽しんでいるのでしょうねぇ?!
こういうのは、完全にご本人が楽しんでいるのでしょうねぇ?!

現在の4つ星ホテルの、部屋の模様。 http://www.castelbrando.it

満月と古城と。

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