・ シエナのパリオ ・ 8月16日 TV実況編 

今日はこの16日に行われました シエナのパリオの実況編を。

昨年も、そしてこの7月にも実況編をご覧頂きましたが、毎度の事ながら
やはり大変面白く、馬の美しさにも魅了され、またもや、アップです!
新しい話題も少し含め、お楽しみ下さいね。

競馬の行われる、シエナの街の中心、カンポ広場。
いつもは石畳と煉瓦の敷き詰められた広場ですが、この競馬の為、
周囲のコースに土が入れられ、朝、まだ薄暗いうちから、練習が行われます。

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カンポ広場は、かなりの傾斜と急カーヴにも囲まれていますが、
市外にこの状態を再現したコースがあり、いつもはそこで練習との事。 



覚えておいででしょうか? 今年7月2日のパリオは、最後ご覧の様に接戦で、
優勝者の決定が、オーカ、ニッキオ、オーカと2,3転しましたが、
結局はこの写真の通り、オーカが勝者となったのでした。

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はい、こちらが7月の勝者たち、グレイの牝馬、フェードラ・サウラと、 
騎手のジュゼッペ・ゼッデ。 彼はまだ22歳の若さ。

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Maniscalco・マニスカルコ・蹄鉄師という、新しい言葉を覚えました。
馬の歴史と共に存在しているこの仕事師、イタリアではまだまだ健在です。
彼の名は、フランチェスコ・コンジュゥ。
上の騎手の名も、彼の名も、サルデーニャ風と思うのは、違っているかな?
   
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それはともかく、蹄鉄の先がちょっと上を向いている事にご注目を。



これが、パリオの馬用の蹄鉄ですが、片方の先だけが、ちょっと曲がっています。
カンポ広場の傾斜に対応してのこの形、なのだそうです。
肝心の写真が良くなく、すんません。

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突然ですが、美人をどうぞ! この写真も少しブレ気味ですが、ご容赦、
美人である事は、明々白々。 何の関連だったんだろ? へへ。

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これより実況。 カンポ広場に面した、市庁舎の窓に各コントラーダ・地区の
旗が翻ります。 所でこの壁にも、メディチの6つ玉の紋章がある事に、
今回気が付きました。

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各コントラーダの時代衣装の行進の最後に、この真っ白で素晴らしく大きな
キアニーナ種の牛4頭に引かれた牛車が続き、その上に今回の「パリオ」が。

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パリオというのは、優勝チームに与えられる旗の事で、
毎回、絹の布にマリア像の手描きです。



パリオの掲げられる旗竿ですが、一番上にこのお皿があり、白と黒の布が。
お皿の由来も聞きましたが、例によって、右から左に通り抜け!
白と黒は、シエナの街のシンボル色。
 
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長時間にわたる、時代衣装の行進もすみ、
今は、旗振りのみが残り、最後の仕上げの旗振りを。

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珍しいアングルを、との説明付きで映った審判席。
ご覧の様に、スタート、ゴール地点に近い建物の間に渡された廊下で、
ここに審判長やら、市長やらが詰めます。

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広場は既に満員の人、人、人で、緊張が漂い始めます。



広場を囲む、建物の上からの映像。
競馬のコースのみが白く開け、今、市庁舎の前に4人の警察官が立ち、
いよいよの開始を待ちます。

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市庁舎の横、内庭の闇の中から、主役の馬と騎手達が登場。
両脇に立つ警察官より、ムチ代わりの雄牛の神経を干した物を受け取り、
スタート地点に向かいます。

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各コントラーダを代表して走る馬と騎手は、毎回籤で決まります。
左の緑と赤はドラーゴで、このグレイの馬が7月にオーカで勝ったフェードラ・サウラ。
彼女は今回も大活躍しましたが、順次ご覧下さいね。

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今回の参加は、スタート位置内側から、1.ジラッファ・キリン 
2.キオッチョラ・カタツムリ  3.レオコルノ・一角獣   4.ブルーコ・青虫
5.オンダ・波   6.イーストゥリチェ・針鼠  7.モントーネ・雄羊  
8.チヴェッタ・梟  9.ルーパ・雌狼
そして、スタートを決める最後の籤は、10.ドラーゴ・竜 



今回の特色は、例によって多少のスタート・ロープ内での騒ぎはあったものの、
一体に静かで、こんな風に見事に鎮まって、ドラーゴの駆け込みを待つ瞬間も。

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スターター、モッシコーネと言いますが、に、順に名前を呼ばれ、ロープ内に。
気の強い馬がいると、上手く並ばずもめる元なのですが、今回はかなり穏やか。



スタート・ロープ内が騒がしくなると、スターターの指図によって、一旦、ロープの
外に出て、ぐるぐると歩き回り鎮まり、また入り直します。
多い時は、2度、3度と指図されますが、今回は一回のみ。
  
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手前から、レオコルノ、ジラッファ、モントーネ、そして、キオッチョラ。

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こちらは左から、イーストゥリチェ、オンダ、ドラーゴ、背中半分は、ルーパです。

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今、ドラーゴが駆け込み、スタート! 今回はフライイングもなく綺麗にスタート!
2番目に位置していたキオッチョラが一歩先んじている様子。

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広場の上の辺は、扇の上の形のように緩やかなカーヴを描く、ほぼ直線。
赤と黄色のキオッチョラが先頭、そして、赤と白のジラッファ、
白とオレンジのレオコルノと続きます。

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1周目の最初の難関、サン・マルティーノのカーヴ。
ここでまず、一番外側を走っていたドラーゴの騎手が、曲がり切れずに落馬!

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このカーヴは下り坂の上にほぼ90度の角度があるので、こうしてマットが
張り詰められてますが、今回も、ドラーゴのほかに2頭が衝突した模様。

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そして、このカーヴが、今回の勝敗を決めました!
ここで内側に着けていたレオコルノが綺麗に抜けて、先頭に立ちました。

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そして少し見え難いですが、すぐ後に騎手無しのグレイの裸馬フェードラ・サウラ 
が続いています。 7月の勝ち馬、フェードラなのです!



これは、サン・マルティーノの反対側のカーヴ位置。 フェードラが頑張って
2位に続いています!
馬は、各地区の色印を額に着けていますから、例え無騎手でも着順は
認められます。 応援しました!!

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広場を3周する最後のカーヴまで頑張りましたが、落馬しかけた騎手が
隣の彼女の上に落ちかけるというハプニングもあり、彼女は3位に!



先頭に立ったレオコルノは強かった! 馬はブレント、騎手はスコンピーリオ。
馬のブレントは、強いという定評がありながら今まで、勝った事が無く、
不運な馬といわれていた由。 が、見事に走りました!
騎手が、ムチを入れる必要もない位、人馬一体となって、走り切りました!

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勝ったぁ!!  やったぁ !! 2位に着けているのは、ジラッファ。

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ゴールに入るかどうかのうちに、既に人々がなだれ込んで来ます! 

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嬉しくて、馬に抱きつき、キスする人々!

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勝った騎手、スコンピーリオ。 パリオの本戦には、今回初挑戦で、初勝利の
嬉しい笑顔。 彼も、若いですね。

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勝ち馬の周囲では、老いも若きもあちこちで抱き合って喜び、記念の写真を!

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シエナのパリオの特異な点の一つ、パリオに出場する馬は騎手と共に
その地区の教会で、勝ちて帰れと祝福を受け、出かけます。
教会の中に馬が入る、というのは、ヴァティカンの特別な許可の下だそうで。
      
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そして今、勝ったレオコルノの地区の人々は、ドゥオモの中に集まり、
優勝旗パリオと、勝者の馬と騎手の到着を、待っているのです。
そして一緒にマリアに捧げる歌を歌い、祝福を受けるのだそうです。
ドゥオモ内いっぱいの人々の間に、レオコルノの、オレンジと白の旗が揺れます。



祭壇のマリア像の周囲を、パリオに参加の地区の旗が取り囲んでいます。
シエナの人々にとっての、パリオの持つ意味が伝わります。

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広場から、ドゥオモを眺めています。 そう、真ん中に見える建物の隙間、
あそこに審判席の渡り廊下があり、あの下を潜り抜け坂道を少し登っていくと、
ドゥオモの横に出るのですが、

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パリオの旗は人々の歓迎の中でもみくちゃになっているのか、
なかなか到着しませんで、TV中継時間切れ、となりました!

右下手前に平たいお皿が見えますが、もう少しして日が暮れると灯が点され、
広場は、建物のこのあちこちの火と、篝火のみで、中世の夜を再現します。



あんなに人々でぎっしり詰まっていた広場も、かなり空いてきました。
これから皆で食事に出かけ、ワイワイと、また熱中する事でしょう!

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これが中継担当の3人で、もう1人年配の男性がインタヴューを担当。
真ん中は、シエナ女性でもあるスザンナちゃん。
「では、皆さん、2008年、7月2日にお会いいたしましょう!」と。

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はぁい、元気で、またお会いいたしましょう!!


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