・ シエナのパリオ ・ Il Palio di Siena

フィレンツェの南、急行バスで1時間の距離にあるシエナの街。
ここはフィレンツェを京都に例えると、奈良に当る感じの古都ですが、
今日は、毎夏行われる「パリオ」と呼ばれる競馬のご紹介です。

パリオ
毎年7月2日と8月16日に、シエナで「パリオの競馬」が行われる。
この日、街は熱狂と情熱のなか、中世の色彩と精神におおわれる。
パリオはカンポ広場で行われ、まず時代衣装の行進から始まるが、
街の17の地区の、民衆の地区長、指揮者、侍者、旗手、など、
これは、まさに言葉で表現出来ないほどの色の幻覚でもある。
そして競馬が始まるが、これは鞍なしの馬である。
籤で決められた騎手たちは、10の地区のそれぞれの「色」をつけ、
マリアの描かれた絹の旗「パリオ」を得るために、争う。

シエナのカンポ広場

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シエナの街の中心にこの広場があり、塔は「マンジャの塔」で、その足元にある
建物が市役所で、市の博物・美術館でもあるコムーネ宮。
広場はちょうど貝殻の形で広がり、この周囲で競馬が行われ、
内側は人で埋まります。
       
この競馬が難しいのは、広場は平坦でなく、広場に放射線状に広がる線が
見えますが、ちょうど扇の要に当たる部分が一番低く、反対側の高い部分に
向かって、左右とも傾斜しているからなのです。
  
特にマンジャの塔の下の小さな礼拝堂にちなみ、「サン・マルティーノのカーヴ」
と呼ばれる、写真の一番左側に当るカーヴ、ここと、反対側右上のカーヴが
一番の難所で、騎手の落馬、馬の転倒が頻繁です。



街の17地区の紋章
現在シエナの街に残る「コントラーダ・地区」と呼ばれるのは17ですが、
かっては23あったようです。
で、この17地区が予選をし、10地区が決戦に出場します。

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上の左から右へ、
1・アクイラ・鷲  2・キオッチョラ・カタツムリ 3・チヴェッタ・梟  4・オンダ・波  
5・パンテーラ・豹  6・セルヴァ・(犀)・林  7・レオコルノ・一角獣 
8・タルトゥーカ・亀  9・ニッキオ・貝  10・トッレ・塔  11・ルーパ・雌狼 

12・ブルーコ・青虫  13・ドゥラーゴ・龍  14・ジラッファ・キリン  
15・イストゥリチェ・針鼠  16・オーカ・家鴨  17・ヴァルディモントーネ・カモシカ

殆どが動物の名を名乗っているのが面白く、そして名前が速さを現すわけではなく、
ブルーコ・青虫 も、オーカ・家鴨 も優勝した事があります!



ズバンディエラータ。
まず時代衣装の行進から始まりますが、これは街を一周した後、カンポ広場に。  

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「旗振り競技・ズバンディエラータ」は、各地区の色と、紋章の柄とを
デザインした、衣装と旗で行われます。
地区ごとにゆるゆると行進しながら、旗を振り、それが17地区分!!  
中世のスピードで、何事も進みます!!



パリオの入場 
これが時代衣装の行進の最後に進む、白い雄牛に惹かれた牛車の上に掲げられた
「パリオ」です。 毎回、図柄は違う画家が描きます。

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この白い雄牛は本当に美しく見事で、日本でも平安の昔にあった牛車とは、
このような物だったかと、想像させられます。



スタート。
競馬の馬、そして騎手は籤で決められ、その地区の馬、騎手ではありません。
そしてスタート位置の場所順も籤で、
こちらは、いよいよ馬と騎手が登場してから決まり、場内に放送されます。  
これで、半ば運が決まるようなものですから、一番内側のコースから、どこそこ、と
放送される毎に、喜びと、嘆きの声があがります!

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ロープ(カーナパと呼ばれます)が2本張られ、その内側に順に馬が入ります。
そして最後の馬が駆け込むと同時に、前のロープが落とされ、走り出します!
馬は鞍無しの裸馬で、ムチに替わる雄牛の神経を干した物、が使われます。



スタート直後の転倒落馬。
9頭の馬が順に名を呼ばれてロープの内に入りますが、この時すでに様々な
駆け引きが始まり、馬が苛立ち、コースの順番が守られなくなり、一旦外に出て
再度スタート地点に入りなおす、等は何時も、何度も繰り返されます!

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10番目の馬が走り込まないとスタートできませんから、何度も繰り返される内、
騎手同士の言い争い、また馬が汗をかきすぎると、拭き取るのに騎手が
降りなくてはならずで、こうしてスタートも、中世のスピードで!!



広場の上側、長辺部分。
この辺りが一番高い場所で、もう2つ先に一番の難所サン・マルティーノのカーヴ。

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広場内も人で埋まり、周囲を囲んでの桟敷もいっぱいの人、人、人!
建物の窓にはお祭りの飾り布がかかり、人々の大熱狂の中でパリオが行われます。



サン・マルティーノのカーヴ。
このカーヴは、下り坂で走って来たうえに、ほぼ90度のカーヴ!
白いクッションマットが一面に張られているのが見えますが、曲がりきれずに
激突し、騎手の落馬が一番多い地点です。

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馬は、それぞれの地区の色のリボンを額につけていますから、騎手が落ちても
走って行き、着順はそのまま認められます。
私は実際に広場内で2度見た事がありますが、
'89の夏7月2日は、1位2位とも無騎手の馬でした!!



競馬はこのカンポ広場を3周します。
この地点は、マンジャの塔から見て広場の左下の角で、このすぐ上が
スタート地点であり、終着地点です。

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広場は煉瓦と石敷きですが、この競馬の為に土が入れられています。



勝った!!  うれし泣き!
パリオの行われる前夜は、各地区で長いテーブルが用意され、
人々が一杯やりながら、騎手を囲み景気づけをします!
そして当日は、特別にヴァティカンの許可で、教会の中に馬が連れられて入リ、
勝ちて帰れ! と祝福を受け送られるのですね。

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で、勝った地区の人々は、その興奮と熱狂のままドゥオモに向かい、
感謝の祈りを捧げるのです!!
パリオの夜は、カンポ広場のあちこちに篝火がたかれ、
遅くまで、パリオの熱狂と、シエナの中世の夜が続きます。

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イタリアのお祭りはたくさんあり、そのどれもがその土地の歴史と熱狂、郷土愛に
溢れていますが、シエナのパリオは、まさにその熱狂度において、
そしてそのスピード感と、盛り上がりにおいて群を抜いています!
  
RAIのTV中継が毎年必ず行われるのは、シエナのパリオと、ヴェネツィアの
レガータ・ストリカのみで、盛り上がりにおいて、このパリオに勝る物はありません!!

こうして書いても、果たしてその面白さがお伝え出来たかどうか、
チャンスがありましたら、是非ご覧頂きたいと思います。
桟敷席は、日本からでも予約出来ると思いますし、カンポ広場内は、無料です!!

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