・ n.3 アッシジ ・ 春のお祭り カレンディマッジョ 2008

アッシジの春のお祭りカレンディマッジョ、今日は3日目、5月10日の様子を。
この日は夜の部もありましたが、競演の最終日で双方が大変に盛り上がり、
素晴らしかったです!

となると、どの写真を省略するか大変に悩み、最低限に抑えたたものの、
それでも私のブログの最高不倒記録になるであろう、48枚となりましたぁ!!  
これは本日全部で248枚からの48枚ですので、
我慢してお付き合いの程、お楽しみくださいませませ!


お祭りの行事は午後4時頃から始まるので、午前中は近くの町を訪れたり、
町中を散策しての4日間で、こちらは町の東端にあるサンタ・キアーラ教会。

西端にあるサン・フランチェスコ聖堂と共に、町を抱きはさむかの様に位置します。

1-286_GF.jpg



今回のお祭りで何度も聞いた中世の歌。 買って戻ったCDに歌詞があったので、
イタリア語の先生に教えて貰いつつ訳しました。 
このお祭りにとても相応しいので、どうぞ。

Echo la primavera        
che ‘l cor fa rallegrare,
tenmp’ e` d’annamorare
e star con lieta cera.
No’ vegiam l’aria e ‘l tempo
che pur chiam’ allegreza.
In questo vago tempo
ogni cosa a` vagheza.
L’erbe con gran frescheza
e fior’ coprono i prati,
e gli albori adornati
sono in simil manera.

ほら、春だよ。
心を浮き浮きさせ、恋をする時、
幸せな気持を味わう、春だよ。
空気も、季節も、浮き浮きさせる。
この軽やかな時、憂いごともなく、
すべての事が、軽やかで、落ち着いて。
草は新鮮で、花は野原を覆い、
飾られた木々も、同じ様子だよ。
       
secco la primavera.jpg

実際の響きを聞いて頂きたく、Youtube からどうぞ。



さて、お祭り3日目はやはり下町地区から始まり、まずはこうして布が運び込まれ、
敷き詰められます。 後に見える大道具にも、ご注目を!
       
2-355_GF.jpg



アッシジの町のかっての繁栄振り。 たくさんの異邦人も行き来して。
舞台上にも見物人がいて、左の椅子に座った女性が筋運びを語ります。

3-362_GF.jpg



教皇様も! 如何にもイタリアのお手の物の感じですが、ひょっとして、
今の教皇様より・・、ムニャムニャ。

4-368_GF.jpg



明るい敷物が持ち去られ、一転して黒い衣装の女性達、
暗黒の世界を呼び込むような・・。

5-377_GF.jpg



騎乗の暗黒の騎士4人が通り過ぎて行きます。 本物の、お馬ちゃん達!

6-383_GF.jpg



この辺り、語りが耳に残っていません! この女性たちの冠に気を取られて。
光を通す形が大変興味深く。

7-386_GF.jpg



いつの間にか、布の敷物が黒に! 女性たちは、交互に布を上下に。

8-392_GF.jpg



語りの女性が叫びます。 「飢饉、そして、戦争!」

9-399_GF.jpg

戦車が登場!



広場の反対側からも戦車が登場。 兵士達が吐き出され、

10-401_GF.jpg



戦闘!

11-406_GF.jpg



死んだ兵士の上を水色の布が覆い、運び去ります。

12-409_GF.jpg



そして、ペストの襲来! 中世の禍々しさ。
シエナのパリオにも登場する、見事な白い牛も死の車を運び・・。

13-412_GF.jpg



お清め、そして、ペスト終焉の感謝を込めて。

14-414_GF.jpg



舞台上の語りの女性の熱演と聴衆役。

15-416_GF.jpg

後の5人の少女は、下町地区の春の乙女たち。




パッチワークの緑の布が運び込まれ、巡り来る春の訪れ。

16-423_GF.jpg



時代衣装の町の人びとが登場し、それぞれカップル毎に、後にしつらえられた
椅子に座っていきます。 このお2人はそれぞれ別のお相手とでしたが、
こうして見ると、美男美女のカップルでしょう?

17-432_GF.jpg

急ごしらえとは言え、下町地区のシンボルの塔が付き、芸の細かさを見せます!



そしていよいよクライマックス。 こんな輪が運び込まれ、吊るされました。

18-434_GF.jpg



こんな風に! これは本当に見事でしたよ!!
山からの強い風に吹かれ、はためき翻り、その下で女性たちの踊りが始まります。

19-441_GF.jpg



布のかもしだす雰囲気というのは、まったく見事ですね。
場所をひとつに纏め、大きな樹の下の様にもイメージさせます。

20-442_GF.jpg



中央舞台にも大きな太陽が。 細い吹流しのような、小旗を持った町の人々が
たくさん走りこんで来て踊りが終り、皆、いっせいに大拍手!

21-457_GF.jpg



やった! やったぁ! と大はしゃぎの踊りの女性たち。 この熱気!

22-464_GF.jpg



さて一斉に下町地区の舞台構成、大道具等が、片付けられて行きますが、
この高い梯子に乗り、のぼり旗を降ろしているのは、女性!

23-465_GF.jpg



一方、上町地区の大道具も据えられて行き、アッと言う間に井戸が!

24-479_GF.jpg

公演時間は其々40分から45分位で、こういった間の準備待ちなどに30分位。
ですから、午後の公演は大体2時間から2時間半、といった所。



舞台上で始まりを待つ、上町地区の演奏家たち。

25-480_GF.jpg

手前一番右の女性、その後の演奏家達は、アンサンブル・ミクロロゴス、という
グループで、買って戻ったCDの解説には日本でも公演した事、
映画「地中海」の音楽は彼らの作品である事、などが。



まずは人々の登場ですが、ここには本物の鷹や、鳩が。

26-483_GF.jpg



物売りの馬車がやって来ますが、どうも、妖しい薬、愛の妙薬、といったものを
調合している様で・・。 後には、たくさんの薬剤師らしき男たちが続いています。

27-493_GF.jpg



そしてこの金持ちがどうやら娘をいい男と結婚させたいらしい。

28-502_GF.jpg

金持ち男の帽子が、笑いを誘います。 大きな建物、家、塔がいっぱいついて!
帽子に巻いた証書を挟んだ公証人たちが、後をつけまわします。



たくさんの候補者達が、粉をまいて追い払われ・・、ははは。
そこに、こんな村からの山車がやって来ます。
     
29-504_GF.jpg 

先頭を行くシニョーレの靴を。 中世の戯画に出てくるように、くるんと巻いて!
車を曳く8人の男たちの、なんとも楽しい笑顔!!

山車を波打たせながら練り歩き、その度に、山車の上の梯子にいる若者は、
ブルンブルンと振り回されながら、手に持つ棒で、後に続く百姓達を指揮。



後に続く百姓達、そして子供たちも、如何にもコミック風に練り歩き・・

30-508_GF.jpg



次々登場の女性達は花や緑を運び込み、百姓達は土地を耕し、生垣を増やし、

31-519_GF.jpg



登場する町の人々も次々と花の鉢を運び込み、あっという間に緑の道に一変!


32-525_GF.jpg

こうして持ち込まれる花々、抱えている花などすべて生花で、
そして本物の、赤ちゃん、たくさんの動物たち。 こんな細部にちょっと感激。



娘は、山車の若者に恋をしたのです。 探して探して、待って待って・・。

33-536_GF.jpg



良い季節ばかりではありません。 害虫鳥類による農作物の被害も。

34-544_GF.jpg



そして漸くに訪れる、再びの春。

35-546_GF.jpg

先頭を行くお百姓役の、若者達の足どりをご覧下さい。
彼ら自身、大いに楽しんでいるのが良く分りますね。



長~い緑の布。 舞台にも花の布がさがり、建物の壁にも緑を現す布がたくさん、
大きな樹、飾り付けられた樹の大きな旗も。

36-552_GF.jpg

中世のケルト民族の風習に、春のお祭りには、木を植えて飾り付け、
その下で歌って踊る風習があったそうで、
4月30日から5月1日の夜にかけ、若者のグループが森に行き木を持ち帰り、
村の中心の広場に植えて花やリボンで飾りつけ、一方木の枝は、愛する少女の
家の扉の前や窓の下に、愛の告白のしるしに置かれたのだそう。

5月の樹は、命の樹。



おお、やっと愛する人が、再び、ゆさゆさと揺られながら!

37-558_GF.jpg

ほら、春だよ。 心を浮き浮きさせ、恋をする時、
幸せな気持を味わう、春だよ。



再会の2人。 そして熱き抱擁。(写真略)
彼は、山車の上で揺すられていた青年でした。

38-562_GF.jpg

バックに見える人々の、羨ましげな表情を!
この後彼女がブランコに乗り彼に揺られる場面になると、子供達の顔が
一層羨ましそうに!! あはは。



そして、女性たちの踊りが始まります。

39-569_GF.jpg



上の写真で女性達が手に持っていた白い巻き物。 こんな風に花咲き。

40-573_GF.jpg



あちこちに花が咲き、その間を縫って、緑の布を持った人々が練り歩きます。
       
41-582_GF.jpg



音楽のクライマックスの後、踊りが終わり、一斉に叫ぶ人々!
達成感がはじけます!!

42-587_GF.jpg



暫くするとこうして、舞台を囲むように出演者達がしゃがみ込みました。
こちらは上町地区の人々で、反対側には下町の人々が同じスタイルで。

43-591_GF.jpg

道の上のほうに見える赤や黄色の散らかりは、上町の人々が撒いた花びら。



これは、山車に乗った下町地区の応援団長というか、なんというか、
で上町地区の悪口の言い放題。
座り込んだ下町地区の人々が大喝采しているのが、分りますか?

44-594_GF.jpg



と突然、桟敷席から立ち上がったこの黄色の男性が大文句を。下町に抗議
するのかと思ったら、なんと逆に下町地区の応援団で、結局舞台に上がって、
もっと、悪口を!  見上げて喜ぶ下町地区の人々。

45-597_GF.jpg



勿論、上町地区も黙って引き下がる筈がなく、決然とした足どりで男性が舞台に。

46-603_GF.jpg



なんと、上町地区は歌で反撃です。 語呂合わせ、言い回し、そんなのが
ふんだんに入っているようで、到底私にはついて行けませんが、
下町地区の悪口である事は、明確! 左の女性の身振りと、顔つきを。

47-604_GF.jpg



大変にリズミカルな歌で、上町地区は大喜び、大喝采。
相対する下町地区の人々も、音楽に合わせて踊り出すほど!

48-609_GF.jpg

夜の部の前の腹ごしらえを目指し、まだ大騒ぎの人々を横目に私はひとまず退散。
いよいよ、お祭りの最終、夜の部です。 次回のアップを、お楽しみに!


***

我が町コネリアーノで、13,14日の夜、「ダーマ・カステッラーナ」という、
中世の故事にのっとった公演が催されます。
まだ実際に見た事がありませんので、こちらも切符を手に入れ楽しんで来ます。

お祭りづいた、shinkai! 同じアホなら、見なけりゃ、損、損。
行ってきま~す。 こちらも、お楽しみに!
       
*****

ブログご訪問、有難うございます!
見たよ! の応援クリックも宜しくお願い致しま~す!


*****

コメントの書き込みについてのお願い。

ブログの記事下に、「コメントを書く」が出ていない時は、
上か右の、記事タイトルをクリックして頂けると
記事の一番下に「コメントを書く」が出ますので、よろしくお願いいたします。
非公開コメントをご希望の場合は、非公開で、と書いて頂くと、  
コメント承認制ですので、保留にし、お返事だけ公開しますので、
それもご了承下さいませ。

この記事へのコメント