・ ヴェローナ ・ 夏の夜の 野外オペラ 

今日はグロリオーザさんご提供の写真で、ヴェローナの円形劇場・
アレーナでの野外オペラを、ご覧に入れます。 
コメントも、彼に書いて頂きました。  ではどうぞ。
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ヴェローナはイタリア北部地方、ヴェネツィアとミラノのほぼ中間に位置していて、
この東西の交通に加えて、北ヨーロッパからイタリアへ入る南北の道路も
この街につながっており、古くから交通の要衝として栄えてきました。

イタリアの北部には、アルプスの3000m級の山々がそびえていますが、
唯一ブレンナー峠だけは1374mと、比較的低い峠なので、
1769年にはモーツアルトが、1786年にはゲーテが、
いずれもこの峠からヴェローナに入ってきました。

この街で、日本人に最も有名なものはシェークスピアの戯曲
「ロミオとジュリエット」の舞台としてですね。  
実際はシェークスピアはヴェローナに来たことはありませんし、ヒントとなる物語は
ヴィチェンツァで起きた様ですが、ヴェローナではちゃっかり、ジュリエットの家や、
あのバルコニーまで作ってしまって、世界各地から観光客を集めています。


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街の中心部・ブラ広場の巨大な円形闘技場、ローマのコロッセオは有名ですが、
保存状態はこちらのほうがずっとよいようです。 紀元30年完成のこの闘技場で、
毎夏6月から9月にかけて野外オペラが上演されます。
       
外からだとそれほど高くないように見えますが、2000年の間に堆積した土が
約4mもある為で、中に入るとアリーナ席から最上段はそびえる程の高さです。



ブラ広場の様子。 私が行ったのは8月でした。 
広場には、夜は舞台上に置かれる大道具類が並べられ、ポスターも貼られ
華やいだ雰囲気があふれています。 人形も間近で見ると大きいですよ。

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システムは予約券を持って会場に行き、当日入場券と交換するのですが、
この日は交換開始予定時間から、20分経っても窓口が開きません。
ドイツ人の団体が(英語で)「何でいつまでも開かないんだ。ドイツじゃあ
こんなことは絶対ないぞ」などと窓口で抗議していました。

その時中から「ペルケ イターリア」というつぶやきが聞こえてきました。
翻訳すると「だって、(ここは)イタリアなんだも~ん」という意味です。
みんなで一斉に笑ってしまいました。



会場への入口。 絨毯が敷かれ、ドレスアップした紳士淑女たちが
ここから一等席に入っていきます。 我々は二等席だったので、
もう少し質素な別の入口から入りました。

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アレーナ内部。 会場内を下から見上げるとこんな感じです。  
一番上の席などは自由席で、確か1000円程度だったでしょうか。

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午後8時半くらいの時刻でもまだ明るいのは、サマータイム制を採っているのと、
この地域は日本でいえば、札幌くらいの高緯度にあるせいです。



いよいよ開演。 開演は午後9時。 
ドラが鳴らされ、場内のライトが消されると、階段席の聴衆は一斉に
ろうそくの灯をともし、一体となって雰囲気を盛り上げます。

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この日の演目は「アイーダ」。 舞台正面にあるピラミッドの装置は、
高さ10m位はあるでしょうか。大きな舞台で、雄大な劇が展開されていきます。

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少し経つとライティングが変わって、ブルーの幻想的な色彩が舞台を覆いました。

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午後9時45分、左奥に後方から月が顔を出しました。 野外というロケーションを
活用し、舞台の奥に出る月まで計算に入れた設定が、憎いほどの演出ですね。

実は、予約をする時に、満月の日を選ぼうと思ったのですが、
アイーダは週に2日しかやらないので、満月に一番近い日を選びました。
この日は十三夜の月です。



10時を過ぎると、月もちょうど舞台の中央上空に昇り、オペラも、クライマックスに。  

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アイーダ役を演じたフィオレンツァ・チェドリンスの透き通るようなソプラノは、
ため息が出るくらい魅惑的でした。



オペラが終わったのは、午前0時45分。 
ブラ広場入口にある時計が、その時間を指していました。

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ちなみに野外オペラの敵は雨。 開演前に雨になった場合は払い戻しになりますが、
ある程度まで行った所で、雨天中止になれば払い戻しはないそうです。  
微妙ですよね。



オペラの後は、観客はそのまま家や宿に帰るのではなく、バールやリストランテに入って
余韻を楽しみながら語り明かし、ヴェローナの夏は不夜城と化します。
ああ、もう一度行きたいなあ。

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