今日はイタリアの数あるチーズの中でも「チーズの王」と呼ばれる
パルミジャーノ・レッジャーノ・Parmigiano reggianoのお話を。
パルミジャーノ・レッジャーノ・Parmigiano reggianoのお話を。

手近な所では、削ってスパゲッティやミネストローネに振り掛けたり、
詰め物パスタの中身に混ぜたり、薄く削ってサラダやカルパッチョの上に、
またはそのまま割っておつまみにしたりと、
詰め物パスタの中身に混ぜたり、薄く削ってサラダやカルパッチョの上に、
またはそのまま割っておつまみにしたりと、
皆さんも良くご存知の、イタリア料理には欠かせない芳醇な香りと濃厚な味。
まさにチーズの王の名に恥じない美味しいチーズですが、
まさにチーズの王の名に恥じない美味しいチーズですが、
先日出かけたパルマ・Parmaはこのチーズの生産地。
城を見に行ったソラーニャ・Soragnaにちょうど
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの博物館があり、
城を見に行ったソラーニャ・Soragnaにちょうど
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの博物館があり、

こんな風に町の脇道を入っていった奥に、

かっての城の領主メーリ・ルーピ・Meli-lupiの所有していた一廓、
農家の横に、
農家の横に、

チーズ製造所・カゼイフィーチョ・caseificioがあり、
1848年に建設された円形の建物で、1977年まで実際に使われていたのを、
現在博物館としているのだそう。

ちょうどお昼にお腹を空かせて訪問した我々を迎えてくれたのが、
この博物館のこちら手前にある建物、お味見所で、
こんな生ハムとパルミジャーノ・チーズ、パンとワインが供されたのですが・・、

生ハムもパルマ産は有名で美味しいので有名ですが、
私は生ハムは食べず、皆がお腹を空かせたハイエナみたいに、ははは、
パルミジャーノを割ってくれるのを待ちきれずに大勢が手を出し、
写真は到底撮れず!
おまけに、生ハムもチーズもワインも、皆冷たい食べ物ですよね?!
チーズをかじり、パンをかじり、寒いのでワインをたっぷり!
とどうなるか、へへへ、お腹の調子がね・・!
チーズをかじり、パンをかじり、寒いのでワインをたっぷり!
とどうなるか、へへへ、お腹の調子がね・・!
まったくねぇ、旅行代理店と博物館のご好意ではあったのですが、
寒い時期には、一皿のスープの方が有難いですよねぇ!
寒い時期には、一皿のスープの方が有難いですよねぇ!
お腹が落ち着き、少し頬っぺがポッとなった所で、漸く博物館の見学に。
まずは絞った牛乳を運んでくる容器、いずれも20世紀になっての物。


これが牛乳をいれ、暖め、チーズを作る銅の鍋、
後の時代の物のようで、ハンドルが付いているのが見えますが、

こちらが古い、鐘を逆さにした形の鍋で、下から火を焚きつけたのですね。

当時の働く姿の絵。

後ほどヴィデオで、現在のチーズ製造を見ていただく事にし、
まずは一連の道具類などをどうぞ。
鍋の中をかき回す道具類。 温度計に木製と金属の器具。

出来上がったチーズを形作る型と重石。

となりの地下にあった水槽。 ここで塩水に浸け、その後に
長い熟成期間を置く事になります。

こちらは牛乳の表面に溜まる脂肪分からバターを作る、
ザンゴラ・zangolaと呼ぶ攪拌器。

バターの形作りの容器。

大きな秤もあり、

かってのパルミジャーノ・チーズの販売人。
今と同じような形で売られていたのですねぇ!

と、ざっとパルミジャーノ・レッジャーノの博物館をご紹介しましたが、
12世紀頃からの長い歴史を持ち、チーズの王とも呼ばれる
パルミジャーノ・レッジャーノはDOP・denominazione di origine protetta・
原産地呼称保護指定を受けており、
エミーリア・ロマーニャ州の特定地域生産のみが、この名を使えます。
パルミジャーノ・レッジャーノはDOP・denominazione di origine protetta・
原産地呼称保護指定を受けており、
エミーリア・ロマーニャ州の特定地域生産のみが、この名を使えます。

つまり、パルマ県、レッジョ・エミーリア県、モデナ県、そしてボローニャの
レーノ河左地域(北)からマントヴァのポー河の右地域(南)の範囲です。
レーノ河左地域(北)からマントヴァのポー河の右地域(南)の範囲です。
指定されている土地というのは、どうやら肥沃な牧草地があり、
湧き水が豊富、そして上等な塩・塩田がある事、
パルマの西に現在はテルメ・温泉地で有名なサルソマッジョーレ・テールメ・
Salsomaggiore Termeがありますが、ここに塩田があったのだそう。
さてこの名高いパルミジャーノ・チーズの製造法ですが、
公式サイトからの説明で。http://www.parmigiano-reggiano.it/
公式サイトからの説明で。http://www.parmigiano-reggiano.it/
乳牛は朝と夕方の2回搾乳されますが、夕方搾乳し運ばれてきた
牛乳は大きな容器で一晩寝かされ、
朝方表面に浮かんだ脂肪分を取り除け、これはバター製造に、
そして翌朝の搾乳で運ばれた乳と一緒に、あの独特の形の銅の鍋に
一緒に入れられます。
牛乳は大きな容器で一晩寝かされ、
朝方表面に浮かんだ脂肪分を取り除け、これはバター製造に、
そして翌朝の搾乳で運ばれた乳と一緒に、あの独特の形の銅の鍋に
一緒に入れられます。
そしてここに凝乳酵素(子牛の第4胃から抽出されたレンニン)、乳清、
前日の仕事から得られる発酵乳が加えられると、10分ほどの内に
凝結が始まり、ここで古くから使われている「茨・とげ」と呼ばれる道具により、
小さな粒状の凝結物になります。
前日の仕事から得られる発酵乳が加えられると、10分ほどの内に
凝結が始まり、ここで古くから使われている「茨・とげ」と呼ばれる道具により、
小さな粒状の凝結物になります。
こうなって釜に火が入れられ、55度を保ちながら混ぜ合わせ、
最後に鍋の底に大きな一塊のチーズ質の物が出来上がり、
約50分ほどの後この塊が取り上げられ、布の中に収まり、
2つに分けられ、それぞれの型に入れられます。
最後に鍋の底に大きな一塊のチーズ質の物が出来上がり、
約50分ほどの後この塊が取り上げられ、布の中に収まり、
2つに分けられ、それぞれの型に入れられます。
この時に一つの型ごとに、身分証明と同様に年月日と製造所の
固有番号が打たれた帯が巻かれます。
固有番号が打たれた帯が巻かれます。
そして数日後に塩水の水槽に沈められ、これは約1ヶ月間で、
この後に長い熟成期間を置かれるという訳ですね。
という事で、製造法のヴィデオをどうぞ。
長年の経験から来る熟練の職人の手さばきが見事です!
ヴィデオは、一旦途切れてもすぐに次が始まりますので、そのままで。
http://www.parmigianoreggiano.it/come/parmigiano_reggiano/default.aspx
この後に長い熟成期間を置かれるという訳ですね。
という事で、製造法のヴィデオをどうぞ。
長年の経験から来る熟練の職人の手さばきが見事です!
ヴィデオは、一旦途切れてもすぐに次が始まりますので、そのままで。
http://www.parmigianoreggiano.it/come/parmigiano_reggiano/default.aspx
Come si fa il Parmigiano reggiano・どうやって作るか、
というこのヴィデオは、語りがイタリア語で自動的に項目が変わりますので、
どの部分か分かるよう、タイトルの横に日本語訳を付けますので、ご参考に。
IL RE DEI FORMAGGI・チーズの王様の由来
TERRITORIO・生産地
LAVORAZIONE・製造法
STAGIONATURA ED ESPERTIZZAZIONE・熟成期間と熟練者の検査
MARCHIATURA・検印
BOLLINI DI STAGIONATURA・熟成期間の色印
BUONO E SANO・美味と健康食
AMATO E TUTELATO・愛され保護され
TERRITORIO・生産地
LAVORAZIONE・製造法
STAGIONATURA ED ESPERTIZZAZIONE・熟成期間と熟練者の検査
MARCHIATURA・検印
BOLLINI DI STAGIONATURA・熟成期間の色印
BUONO E SANO・美味と健康食
AMATO E TUTELATO・愛され保護され

こうして出来上がったパルミッジャーノ・レッジャーノ、
丸い太鼓型というのか、側面一面にPARMIGIANO-REGGIANOと
文字が見え、様々な身分証明の番号があり、焼印が打たれていますが、
番号はこんな風に。

1.製造所の登録番号
2.ヨーロッパ議会の登録番号
3.選別は1年後に行われ、OKとなった焼印
4.製造年と月
5.最初に付けられるチーズの名
熟成される年により、付けられる印の色が違いまして、
海老の赤色、18ヶ月以上 銀色 22ヶ月以上 金色 30ヶ月以上
海老の赤色、18ヶ月以上 銀色 22ヶ月以上 金色 30ヶ月以上
なんだそうで、
単に美味しいだけでなく、高タンパク質、ビタミン、カルシウム、
鉱物性塩分を含み、溶けやすく砕けやすく消化性も良く、
どの年代にも適したエネルギー源なのだと。
どの年代にも適したエネルギー源なのだと。
こんな風な丸い太鼓型をしていて、まず横半分に割り、
それを3角形に切り分けて売られています。

この一つを作る為に約600Lの牛乳が必要で、
一つの重さは平均して38,5kgなんだそう。
一つの重さは平均して38,5kgなんだそう。
外側は自然に乾燥の硬い皮ですが、写真に見える小型ナイフで、
かち割って食べるか、またはおろし金で削ります。
かち割って食べるか、またはおろし金で削ります。
お値段はサイトで見た所では、15~18ヶ月の物で、Kに付き14エウロ
24ヶ月以上 K-15エウロ 30ヶ月以上 K-16エウロ と。
24ヶ月以上 K-15エウロ 30ヶ月以上 K-16エウロ と。
肝心の乳牛ですが、大体は白黒ブチのホルスタイン種ですが、
この地域は伝統的に茶色の乳牛、乳だけでなく、畑仕事もし、
肉牛にもなる赤茶色の牛の乳を使っていたのだそうで、
乳の量はホルスタインの半分とちょっとなのだそうですが、質としては
ずっと良いのだそうで、こちらを使っているという表示の品があり、
やはり少しお高めの様子です。
ずっと良いのだそうで、こちらを使っているという表示の品があり、
やはり少しお高めの様子です。
生存が3000頭という赤茶牛ですが、最近その質が改めて見直されていて、
お乳の出を良くする為か、早足で歩かされているシーンも、ははは。
お乳の出を良くする為か、早足で歩かされているシーンも、ははは。
料理の上からかける、中に混ぜると様々ですが、どの様に使っても
必ず一味引き立てる優れもので、何があるかと並べてみますと、
リゾット、これはサフランのリゾット

スパゲッティのアマトゥリチャーナ風

トルテッリーニのスープも美味しいし、
詰め物の中にもパルミジャーノが入り、上からもかけ、

トマト・ソースでも実に美味しくなりますよねぇ!

そうそう、カルパッチョの上にも欠かせませんねぇ。

こんな風に割って、ワインのお供にも、果物と一緒にも!

いつも当たり前みたいに食べているパルミジャーノですが、
今回改めて調べてみるとその奥深い事!
如何に有益に、美味しく食べれるようにという、
古代からの人類の知恵と自然の不思議がしっかりと詰まった食品!!
パルマで文句を言いつつ味わった、ははは、でもとても美味しかった
パルミジャーノ・レッジャーノ。
次回からはも少し感謝を込めて頂く事に致しま~す!
パルミジャーノ・レッジャーノ。
次回からはも少し感謝を込めて頂く事に致しま~す!
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