・ レガータ・ストーリカ ・ ヴェネツィア 

毎年9月の第1日曜には、ヴェネツィアでレガータ・ストーリカ・
Regata storicaが行われます。
歴史的競艇とでもいうか、それぞれのクラスの小舟の競艇が主ですが、
それが始まる前に、飾り立てた小舟、大船、そして時代衣装の人々が
船で大運河を行きます。
  
サン・マルコ広場前から少し東に行った辺りから出発し、大運河をゆるゆると
国鉄駅前まで行き、リアルト橋の先のカ・フォスカリ迄戻ります。 
その後に小舟の各クラスの競艇が始まりますが、
観光客の目的はやはり最初にある煌びやかな船の行列ですので、
 
古い写真も混ざりますが、絵葉書と共に、ヴェネツィアにご案内!

ヴェネツィアの元首ドージェの御座船、ブチントーロ。
手前にラッパ手達が乗りこみ、時々吹き鳴らしますつつ進みます。

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御座船といっても、かっての本当のブチントーロはもっとずっと大きく煌びやか、
だったそうで、復元の話があると聞きましたが、さてその後は?!



ブチントーロの後部には大きなヴェネツィア共和国の旗、ヴェネツィアの守護神
サン・マルコのシンボルである、翼を持つライオン君が真ん中にいる旗が掲げられ、
大きな赤い布が、船の後にかかっています。
ちょうど貴婦人が裳裾を引く様に布が水に垂れ、曳かれて揺れる様は大変優雅。

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長いガウンの男性が見えますが、他のイタリアの各都市国家の男性達が
短い上着で、脚を出していたのに対し、
ヴェネツィアの男性達は長いガウン着用で、若くても年長者の趣があったと。  
さて、あなたのお好みは?



この絵葉書は、リアルト橋の近くの高所から大運河の西を写していますが、
運河をゆく舟、ふね、舟、とにかく大変な数の、いろいろな種類の船が、
飾り立てて参加します。

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運河の両脇の舟は見物人達が満載、ゴンドラを雇う人もたくさんいますが、
近年はこれ程までに、多くの見物の船は見かけない様ですね。
一番奥に屋根が白く見える張り出した物が見えますが、
あそこが競艇の舟のゴール地点であり、市長はじめ来賓用席がある場所。



この写真は数年前の様子ですが、手前の見物客達は雇ったゴンドラですが、 
上の絵葉書ほどの見物の舟が無い事が、お分かりと思います。

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観光客自体は物凄い数で、道を歩けない程ですが、経済事情から渋く・・。 
そして、こちらの船はご覧の様に、皆、立ち漕ぎです。



かなり以前になりますが、リアルト橋の東側北の席に座った事があり、
お値段はそんなに高くなかったと、覚えていますが。
あちこちにこんな席が設けられるので、写真を撮るおつもりの方は
場所を吟味して選んで下さいね。 逆光にならぬよう、前に人が来ぬ様に。

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この女の子は、前の席にいた子で、喜んで撮らせてくれましたっけ。 



ヴェネツィア元首・ドージェは御座船のブチントーロには乗っておらず、
こうしてキプロス女王のカテリーナ・コルナーロと。
      
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彼女は、ヴェネツィア共和国養女の身分で、キプロス王と結婚し、夫亡き後、
キプロスをヴェネツィアに譲り、自分はアーゾロの領主となった女性です。
 
       

一般の人々のたくさんの舟、漁師風に飾り立てた舟なども参加しますが、
やはりこうした時代衣装の人々の舟が、興味を引きますね。
 
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かっての地中海を制覇したヴェネツィア共和国らしく、ターバンの人、
はては中国風のドラゴンを舳先に、衣装も中国風、というのも。



これは何を模しているのか分りませんが、それにしても見事な飾りの船です。
先日ご覧頂いたシエナの方は、武具に凝っていましたが、
こちらヴェネツィアはやはり船、発想の豊かさ、彩の鮮やかさに驚かされます。

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これは実物の色をご覧頂けないのが誠に残念な、大変美しい藤色なのです。 
上着は少し濃い目の藤色で、船体は薄い藤色。 結構長い船で、
舳先の上には子供(天使?)が、艫にはネプチューンが銛を構えています。

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ゴンドラのグループの一団ももちろん参加で、日頃よりも美々しく、長い赤い
スカーフを巻いて格好よく。 
       
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手前も真ん中を行くゴンドラも、どちらも結婚式用の金と黒の煌びやかなもので、 
これは結婚式専用で、普通は運航していません!



観光客は煌びやかな衣装、船が目的ですが、地元の人にとっては、この後に
行われる競艇が主目的で、応援の布も掲げられます。
  ルイゼッラ、ラファエッラ、
  あんた達の船が一番綺麗 
  頑張れ、ピンク       
選手達の小舟の色がそれぞれ違うので、これは女性2人組みのクラス、
ピンク組の応援です。 

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それはそれとして、布の左端下を見て!
小舟の上、応援などそっちのけ、2人の世界に浸っているのが、見えます?



これは警察、ポリツィーアのモーターボート。
右のグレイの格子の背広は如何?

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男性の、これはサンダロという舟のクラスで、余り大きな舟のクラスではありません。
競艇の一番最後を飾るのは、もっと大きな舟の2人組みで、
ここ数年、同じチャンピオン達が連勝しています。

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一番奥に見える桟敷が貴賓席・ゴール地点で、既に最後の競艇も終った所。
       
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例年TV中継があり、録画を挟み大体最後のレースが主で、見慣れると、
そして解説を聞きながら見ると、結構面白いものです。 
 
近年連続チャンピオンになっている従兄弟同士の組の父親同士も、
かってはチャンピオンだったのだそうで、息のあったコンビです。

TVで見ていると、最後のレースが終った後、集まっている物凄い数の舟が、
いつの間にかぶつかりもせずに、すう~っと引きあげて行きます。
初秋の夕暮れも迫り、建物の中にはすでに明かりが。




サン・マルコ前の運河に、たくさんの彩り豊かな帆の舟が集まっていました。
こういった彩の柄の帆は、キオッジャに行くと良く見かけますから、
あちらから来ているのかも。船の舳先にも、様々な模様が描かれています。

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とんでもない絵葉書! ですが、何がとんでもないか、お分かりですか?!

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レガータ・ストーリカの絵葉書で、奥に見えるのはデッラ・サルーテ聖堂
ですが、なんと裏焼きの絵葉書で、
つまり聖堂が大運河の逆、西にあるようになっているのです!

厚かましくも、よくこれで売っているものですね。 さすが、ヴェニスの商人!
間違っても、皆さん買われない様に。 
記念に?!  では、お好きなように。



最後は、  逝く夏を惜しんで!!  ああ、夏も終わりです!

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