・ 夏の夜、広場でオペラを ・ オデルツォ 

いよいよ夏本番の暑い日が続いていますが、昨夜オデルツォの町の広場で
上演されたプッチーニのオペラ「蝶々夫人・Madama Butterfly」の
舞台の様子をどうぞ暑気払いにご覧下さい!

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オデルツォ・Oderzo の町は、我がコネリアーノ・Coneglianoから約20k
南西に位置する、ローマ期以前からの交通要所として歴史ある町ですが、
町の広場で既に20年程も前から開催される夏の音楽祭、
オペラ・イン・ピアッツァ・Opera in Piazzaでも名高いのですね。 
サイトはこちらに。 http://www.operainpiazza.it/       

戦後のテノール歌手として有名なジュゼッペ・ディ・ステーファノ・
Giuseppe Di Stefano の名を冠された音楽祭ですが、
彼は、ルチャーノ・パヴァロッティが憧れた程の声と成功をなし、
かの最高のソプラノと言われる、マリーア・カラスとの共演、彼女との
私生活での噂も絶えないテノール歌手だったそうですが、

彼の最後の公演の場となったのがこのオデルツォであるからなのか、
・・その後アフリカで強盗に襲われ重傷を負い、復帰出来ないまま3年前に
亡くなり・・、奥さんのソプラノ歌手モニカの縁によるものなのかどうか
分かりませんでしたが、彼女は来場しておりました。

今回、「蝶々さん」を歌ったソプラノが素晴らしい声と出来で、
大いに満足して戻り、写真もなんとかお見せできる様子ですので、
プッチーニの旋律をあれこれ思い出しながら、ご覧下さいね!

上の切符に見える広場が会場のグランデ広場、

オデルツォの町については、こちらにご案内を。
       
博物館や町に残る素晴らしいモザイク画も載せておりますので、どうぞご覧を!



さて9時開催という事で、8時過ぎにコネリアーノを三々五々車に分乗して出発。
土曜の夜でもあり、広場から少し離れた場所では夜祭りも開催、  
オペラ共に大変な人出と車で、やっと駐車でき会場に。

グループの切符を一括で取ってくれているので、ポルトガル旅行以来の
仲間との顔合わせ、いつもの連中とも挨拶を。
我々だけでなく、ちょっとした夏の夜の庶民社交会の顔合わせ、と言った様相で。


広場の舞台設定はこんな感じ。
おお、日本の金屏風を使っている!
始まると、真ん中の4つの四角い部分が左右に開き、障子を模した舞台設定。
    
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ご覧の通り、既にほとんど席が埋まっていますが、我々は階段状の上の方でして、
とりわけ私は端の席が当たり、写真も撮りやすく・・。

さて、第一幕の始まり、長崎に赴任して来たピンカートンが、港を見はらす
高台に小さな家を買い、ついでに斡旋人のゴローのつてで、
100円で結婚相手の蝶々さんも・・、

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時は1890年頃の日本の長崎という設定ですが、日本であるという事に拘ると、
それはもう衣装から住まい風習まで、まるでちぐはぐですから、
その辺りはもう、舞台のお話、として見る事に。



蝶々さんの登場、結婚式が始まる、わけですが・・、

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私、15歳、

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めでたく一応の結婚式が済み、

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所へ、叔父のボンゾが、蝶々さんが改宗した事に文句を言いに、
蝶々さんは、あくまでも正式の結婚と思い込んでいる訳ですね。

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少しピン甘ですが、後ろのボンゾの護衛、ゴロツキどもの肉体美をご覧に、
というおまけでござるります、ははは、ホンマにコーラスなの?!



皆が引き上げた後の、一時の愛の語らい。 女中のスズキが見張っていて・・、

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一旦引き揚げた蝶々さんが着替えて現れ、

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これがまぁあ~た、ネグリジェというかなんというか薄物でして、おまけに
このスタイル、ちょっとしたストXXXと・・、
う~~ん、イタリア式悩殺チョチョさん。 はぁ、チョチョさん、という発音です。



二重唱「可愛がってね」

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おおぅチョチョさん、おまえは可愛いねぇ。 うんにゃぁ~ん。



という様子で、万月に向かい出立のお二人。

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幕間に見る、広場脇の鐘楼で~す。

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さて、第2幕第一場。
3年が過ぎ、アメリカに帰ったピンカートンは戻らず、手持ちのお金も少なくなり・・、
結婚を斡旋したゴローも悪口を触れまわっているらしく、

でも蝶々さんはピンカートンを信じていて、有名なアーリア
「ある晴れた日に」が歌われますが、これが素晴らしゅうございましたぁ!!

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ある晴れた日、遠い海のかなたに一筋の煙が見え
そして船が姿を現す
やがて白い船は港に入り、礼砲を打つ
・・・
見える? あの人が来たのよ
でも私は迎えに行かない 行かないの

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切ない切ない、可愛い可愛い女心。

ジャコモ・プッチーニのオペラは、正直言って全編通して聴くのは
少々退屈するのですが、ファンの皆さま、ごめんなさい、
ですが「ボエーム」にも、「トスカ」にも素晴らしいアーリアが散りばめられ、
ヴェルディの強い旋律とは違うセンティメンタルさが、なんとも素敵ですねぇ。



結婚申し込みのヤマドリ氏も現れますが、断られ・・、

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ピンカートンの手紙を持ってくる領事のシャープレス。
が、蝶々さんの純真さに、ピンカートンが結婚した事を告げられず、
逆に2人の間の子を見て動揺、

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と、港から聞こえる礼砲。
望遠鏡で覗くと、船の名は「アブラハム・リンカーン」!

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一夜、眠らずに彼を待つ蝶々さん。奥からのコーラスが静かに響く良い場面。

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ピンカートンとシャープレスが子供の引き取りに、結婚したケイトと共に現れ、
激怒するスズキ。

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声を聞きつけ、大喜びで出て来た蝶々さんの見たものは・・、

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今はこれまで、と自刃しようとする場にかけ寄る子供、
「おお、愛しの我が子よ」が歌われ、

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そっと子供に目隠しをし、蝶々さんは自刃を遂げ・・、終幕。

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膝を縛る仕草がやはり目に付いたと見え、帰りの車の中で仲間から理由を
尋ねられ、見苦しくないようにというのが、ちょっと感銘を与えた様子。



一旦閉った屏風が開くと、こうして母子が座っておりましたが、
この場面がなんとも良かった! 美しい終幕でした。

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登場人物が順々に舞台に上がり観客に応えますが、やはり蝶々さんを
演じたグラツィア・リー・Grazia Leeが大歓声を受けました。

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美しい声と、素晴らしい出来栄えでしたもの、
出ずっぱりの蝶々さん役が、彼女で成功でした!



ブロンドの髪の子供を演じたステーファノだったかな、
この子は、「蝶々さん」のお話に何度も泣いたのですって!

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抱えているのは、プレゼントに貰ったトラクター!



蝶々さんのグラツィア・リー、

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韓国生まれ、ソウルで、ミラノで、そしてトリノで勉強してデヴュー。
蝶々さん役を何度かしている様子。


9時10分ごろより始まり、幕間休憩15分ほど、
済んで駐車場に向かいながら時計を見ましたら、12時半!
わぁ~、長かったねぇ、と驚きましたが、
道の奥では、まだまだ夜祭りが賑やかでして・・!

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満足して家に帰りつきましたのは、午前1時15分でした。


       
皆さま、暑中お見舞い、申し上げます!
体調にお気をつけてどうぞ!

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