・ n.1  夏の思い出 ・ 山の家、庶民の避暑地 

今日は夏の日の思い出、2日半ほど出かけた山の家と周辺の様子、
ドロミーティ山麓にある小さな村の様子と生活を、

VIPの避暑地で有名なコルティナ・ダンペッツォなどとは違い、
イタリアの一般庶民の避暑のご紹介にもなるかと、
これでもか! という程のたくさんの写真で、ははは、ご覧に。 
お茶など入れて、ごゆっくりどうぞ!!

昨年の秋、次男のセルジョ夫婦が山に家を買いました。
いえぇ、豪華な山荘などではなく古い小さな家を買い、長男とこの春、
床を張替え、壁を塗り、調度を入れ替えての一段落が済み、
泊まれるから見にお出で、とお誘いを受け、
8月の末に出かけて来た、という訳です。

後ほど地図をご覧頂きますが、トレンティーノ・アルト・アディジェ州の
シロール・Siror という人口1300人程の小さな村で、
ドロミーティ山脈の麓に繋がる素敵な場所です。

シロールから北に15K程には、スキー場で有名な
サン・マルティーノ・ディ・カストゥロッツァ・San Martino di Castrozza
があります。

家は、細い路地を入って行った突き当たり、今見える正面2階の
薄緑の鎧戸、玄関、その右の小さな窓がこちらから見える部分。

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家の前の半地下部分、1階のお家はここから階段を、
2階のセルジョの家、そして3階のお家には手前右に見える
少しの傾斜を行き、階段を上ります。

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上の写真の右側部分。下のお家の物置になっていますが、
昔は家畜小屋でもあったでしょう。

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階段は、最初にご覧頂いてお分かりのように木製でかなり古く、
家は空き家でしたから、セルジョの家の玄関前はかなり汚れていた様子。

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で、つい何日か前にブラシとクレンザーで磨き上げ、
ご覧のように素晴らしい木目! 疲れたぁ!と言いつつ満足の表情で。



こちらは家の裏側から。
かなり大きな家で、都合5家族か6家族が住んでいます。

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セルジョの家の部分は、左から2列目の薄緑の窓で、
ここが台所・居間部分で、右の木に半分隠れているのがトイレ・バス、
寝室は大きなのが2部屋と(窓は右側の壁に開き)
シングルの小部屋(表から見えた小さな窓)
玄関を入った入り口部がかなり広く、大きな衣装ダンスも置けます。

右の壁部分の半地下に物置があり、小さな家庭菜園用の土地も
家の右側に、そして大きな広い屋根裏部分も含まれており、

これをセルジョは、確か10万エウロ程で購入したと聞きました。
周旋家を通さず、インターネットで直接の売買だったと。



家の前の小さな広場、隣のお家の前に家庭菜園の収穫物が。

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セルジョ夫婦はこの夏の休暇に出かけたのが最初で、家庭菜園までは
してませんが、食べるのに困るほど、近所のお家から野菜が届くのだそう!

頂き物だというトマトを食べましたが、スーパーの野菜となんと味の違う!!
イタリアの野菜は美味しい、と思ってましたが、それでもなお、この味の差。



近くの家庭菜園、各家ごとの部分がしっかり利用されています。

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果樹もたわわ。

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隙間にはお花もいっぱいで、平凡な花も美しく。

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お隣のコンドミニオはまだ新しいですが、窓辺にこんなのが。
エルメッリーノ・ermellino、日本語では蝦夷イタチ、オコジョと。

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そして軒下には、この見事な角!

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シロールの南にあるフィエラ・ディ・プリミエーロ・Fiera di Primieroは
ヴェネト庶民の避暑地として有名で、2,3度彼等と来た事がありましたが、
シロールは初めてなので、すぐにセルジョが案内を。

こんな小さな村のご案内をするのも、何とも面白い、興味深い
古い造りの山の家が多く、スケッチに最適! と思う場所がいっぱいで、
大いにしっかりご覧頂きたく・・! 

納屋というか、藁や材木の貯蔵所があり、家畜小屋が下にある造りで、
人々は上の階に住んでいたのですね。

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村外れの木造のキリスト像。 屋根は新しいですが、
像自体は何世紀も経たもの。

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キリスト像の少し上に洗濯場が。
今は殆ど使われていない様ですが、お喋りがはずんだ場所でしょうねぇ。

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洗濯場から山に続く道筋に見事な家。 家畜小屋、住居部分、
そして藁置き場と、かっての山の人々の生活の様子が目に見えるよう。

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皆さんは山の家というと、山の中の一軒家とか、またドロミーティの麓というと、
傾斜した草地の農家、とか想像されませんでしたか?
残念でしたぁ! ははは。

勿論そういうお家もありますが、村となるとかなり密集して家があり、
道が狭く、軒を接していて、そう、町と同じ日常生活があるのです。
平地の村と同じに、こんな泉がしっかり残り、
ただ、少し鄙びて道が傾斜していて・・、

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そして空気が澄み、涼しく、周囲に高い山がある、という大きな違いがね!



と、こんな風に薪の確保が、必須条件!!

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修復されて綺麗なお家ですが、やはり薪が積み上げてありますね。

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セルジョの家も新しいストーブに換え、この冬はゆっくりと試すそう。
壁の中を暖房管が通るので、新しいストーブは最初から最大に燃やさず、
徐々に慣らすのだそう。
       


村の通りの様子。 こんな風に右に3階のコンドミニオ、
左は菜園、その手前に2家族用の家、
突き当たりの大きな家も改築され、2,3家族用ですね。

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上の写真の菜園の手前の家。 石造りの古い家ですが、
1階と2階の2家族用。 石壁が大変美しい。

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村の中心広場にあるホテル。こういうホテルは3食込みのペンション式、
年配庶民向けの避暑用で、1泊50エウロもしない、と聞いたような。

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可愛い造りですが、分かります? 家を縦に半分に分け、
2階と3階をそれぞれに利用するコンドミニオです。

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シロールの村の教会で、すぐ右横に小さな墓地。
いかにも北の匂いのする教会の屋根、鐘楼で・・、

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ホラ、ご覧のように屋根が木の板で葺かれているのです。
上手く見えるかな?

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内陣には、やはり北の香りを持つ木造彩色の祭壇がありました。

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教会の横を北に向かう国道が通り、向こうの谷に少し村が広がり。

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新しいコンドミニオのようですが、やはり薪の蓄えが見え、菜園、
そして納屋兼作業所。 ぽつんと離れて、ワンちゃん用!

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古い村の信仰を物語るフレスコ画があちこちに残りますが、
シロールの隣村の守護聖人でもある聖セバスティアーノが多いような。
それにしても、この壁画は素晴らしい!

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こちらは、大きなコンドミニオの壁のキリスト像。 これも古そう!

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かっては確かに、貧しい素朴な山村だったのでしょう。
今は新しい造りのコンドミニオもあり、修復されて美しくなった家もあり、
が、まだいかにも、の面影を残す家、納屋がたくさんあり、
絵心が刺激されます!

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イタリアにスケッチ旅行を! とお考えの方、
勿論有名な土地もたくさん紹介されていますが、
多分日本には名も知られていないこんな小さな村、我が家の周囲にも

たくさんある小さな村、どこにでも、素敵な珠玉の村がありま~す!
観光地化されていない、生活の匂いのする小さな素敵な村が       
まだまだ、たくさん残っていま~す!
お出かけ下さい、命の洗濯をかねて!!



村の目抜き通り沿いにある泉。 
特別な彫りもありませんが、でも、素敵でしょう?!

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泉に広がる波紋。 鉢の花が落ちて、揺れています。

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古いまま使われて。 こういう壁、描きたくなりません?!

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この石壁! 中は納屋と思うのですが、さりげない花鉢が。

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こちらも納屋、木造倉庫と思うのですが、外の石壁と木の扉が面白く。
右端に薪の貯蔵が見えますが・・、

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この角を曲がると細い路地が通り、そしてほら、突き出した家の部分、
あそこはかってのトイレ部分ですね。最近この手の話題がしばしばで・・!

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壁に穴が開けられ、ははは、
下に桶でも置いただろう切り込み部分がね、ははは。



はい、お口 お色直しに・・!

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国道筋からシロールの村に曲がっての、上り坂の角にあるこの建物。

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使われているのか、いないのか、それにこの扉のいろいろ!
興味をそそられますねぇ。



この眺めは、下の隣村から川沿いに戻って来る所。

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少し夕闇迫る中を戻りながら、セルジョが聞き込んだ同じコンドミニオの
の噂話、未亡人になったと思ったら、即、上の階の寡と住みだしたとか・・、
こういう楽しい話を延々と・・、良いですねぇ!



朝の村外れ。 曲がった道が、草原の奥まで続いて行きます。

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やはり家庭菜園が広がり、せっせと世話をする人々の姿が見え、
インゲン豆も色づき始め。

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細い小川沿いの道を、お母さんとボクが山に向かって。
この姿は村の人ではないですね。
彼らにとっても、夏の良き日の思い出に。

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平凡な、イタリアの山村の風景ですが、大変新鮮で楽しかったので、
皆さんにも普通のイタリア庶民の避暑の様子を見て頂こうと、
写真をたくさん!

翌日は長男夫婦もやって来て、近くの村をぐるっと回る散歩もしたので、
シロールの n.2 もご覧下さいね。


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