・ モンタルチーノ ・ 歴史と、ブルネッロ・ワインと

今日は、エトルスクからの歴史を持つ古い町でもあり、
何よりもブルネッロ・ディ・モンタチーノDOCG のワインで名高い
モンタルチーノ・Montalcinoにご案内を。

オルチャの谷のほぼ北詰め、サン・クイリコ・ドルチャの西15K程に。  
町に近ずいて行くと、こんな風に見えて来て、エトルスクからの
歴史を持つ町の例に違わず高所にあり、海抜567m。

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左端に高く要塞が見えますが、まずあそこに上りに行きますね。



山の上の町に向かい、つづら折りの坂道を上り始めますが、
時々車を止めて写真を。
家の下の道に見えるのは、カーヴ注意の三角標識。

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もっと町に近寄ると、ものすごい傾斜のカーヴの連続になりますが、
まだこの辺りは、ははは、余裕です!



見下ろし、見遥かすオルチャの谷の眺め。

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麦刈後の、トラクターの筋の面白さ。

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最後の凄い連続カーヴり道の途中、いや、本当に凄いのですよ! 
戻り道はまさに飛び込むという感じ!ですが、
脇に見つけた駐車場に車を入れ、最後は歩いて登りましたが、
この道がまた結構長かった!
上り切り、町に入ってすぐに要塞が。
       

JAZZとWINEの催しがあった、まだその赤い大きな垂れ幕が下がり、
中世の要塞には相応しくないなぁと、写真を撮らず、
今になり、全体の写真がない! と、反省しきり、はい。

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要塞の形は5角形14世紀の建設で、
元からの古い建造物や教会も含めての、いわば新増築だった様。



上の写真で見えるように塔が5辺の角にありますが、
その一つから上に登れます。

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要塞の全体が見えるサイトを見つけましたぁ。
http://www.fortezze.it/fortezza_montalcino_it.html



城壁の上から町の入り口を。
要塞は町の南端にあり、町は北に膨らみ広がりますが、
東側は山腹になりますから、やはり坂の多い町。

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今見えるのが町の中心通りで、ヴィア・リカソーリ・via Ricasoli.
左奥に見えるのがドゥオーモ、右奥にサンタゴスティーノ教会の鐘楼。
ここは現在元の修道院が市の博物、絵画館になっていて
なかなか見ごたえがあり。
一番右の塔は、パラッツォ・デイ・プリオーリ。
 
順にご案内を。 そして、町の地図は最後に。



古い中世からの屋根の重なりの向こうに、
オルチャの谷の風景が波打ち、広がります。
       
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この町が記録に登場するのは9世紀の初め。
モンタルチーノから南に9K程に、シャルル・マーニュによって創設
されたというサンタンティモ修道院・Sant'Antimo
素晴らしい、いかにも中世の面影を宿す修道院がありますが、
そこに所属の僧がこの町に教会を建てたが、記録の最初と。

サンタンティモ修道院は修復中で、おまけに内部写真が禁止
でしたが、大変素晴らしかったので、またご紹介を。



要塞前の広場の、お土産物屋。
編んだ籠などと一緒に、帽子がたくさん見えますが、
ええ、夏の観光には必需品!

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ひしめき合う小さな屋並。 屋根瓦の複雑な色の混ざり具合。
そして、やはり時代で、衛星放送のお鍋が、あちこちに。

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はい、イタリアはつい先日より、トリノをはじめ大都市のあちこちで
デジタル放送が始まりました。
2011年までにすべての町が切り替わるとか。



要塞の南東の角にはこの城館があり、この内部見物には、
1階にあるエノテカで入場料を払い、エノテカの中から階段を上がり
見学するようになっています。

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要塞は14世紀にシエナ共和国によって造られたそうですが、
16世紀にメディチ家によりさらに強固に、との事。



内部はこんな感じで、ギシギシと細い木の階段を上がり・・、
       
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写真では明るく見えますが、実際はもっと薄暗く。



レンガのかまぼこ型天井から、こんな明かり。
中世が舞台のシーンにぴったりですよね。

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これは小さな大砲で、どこで使った大砲かわかりますか?
城壁、市壁の上で使ったものと。

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こういう小さいながら、鉄砲よりも威力のある大砲を使うようになり、
城壁を支えるアーチも重量を支えられる地面からのアーチになったと、
ヴェネトのサン・サルヴァトーレのお城見学の際、ガイドさんがね。

サン・サルヴァトーレのお城のご案内は
    
   

一番上の階。
窓の切れ込み部分から、壁の厚みをご覧下さい。

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右真ん中に大きな窓が見えますが、あそこに白い薄めの布の
カーテンが掛けられていて、
風をはらみ膨らんではそよぎ、なんとも穏やかな良い感じで・・。

モンタルチーノはシエナ共和国の下にあり、1555年にシエナが
フィレンツェに陥落後も、モンタルチーノのシエナ共和国と名乗り、
650もの貴族の家が4年間に渡り抵抗したそうで、
貨幣も鋳造したというのですから、本気の抵抗だった訳で・・。
       
こんな中世の歴史を踏まえ、シエナのパリオの時代衣装の行進では、
モンタルチーノの旗手と弓持ち4人が第1グループに含まれ、
町同士の絆を語ります。

      

1階部分のエノテカ、降りる時に見るとなかなか良い雰囲気で。
所狭しとワインの瓶が並び、ひんやりと薄暗く、美味しく飲めそう!
 
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町中のどこでも、有名なブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・
Brunello di Montalcino DOCG を筆頭として、
ワイン販売店がたくさん並びます。

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一番左のテントに見える、Degustazione・デグスタツィオーネは
味見処という意味で、店であれこれ味見をさせてくれます。

この店ではなかったですが私も1本買いこみ、20エウロ位のを、
宿でちびちびと。 ねっとりと美味しく、そしてやや甘くとは、
いつも白の辛口を飲んでいる者の感想。
     
ブルネッロになる葡萄畑を見た事がありますが、
ヴェネト辺りとはまた違う葡萄栽培で、とても興味深かったです。

トスカーナ ・ シエナ南部、ヴァル・ドルチャ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460854939.html      
       


こちらもまたワイン店。
そしてワインのみならず、モンタルチーノは蜂蜜も有名だそうで、
ペコリーノチーズ、オリーヴオイルもまた土地の名産品。

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ブルネッロは1980年にイタリアで最初にDOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)
という最上等ワインの指定を受けたのだそう。



ここはポポロ広場より南の広場ですが、町は南北に細長く、
山腹に広がるので段差があり、
正面は、サンテディージョ・Sant'Edigio教会、14世紀ロマネスク様式の
教会ですが、脇も前も大変な傾斜。

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道が光っていますが、いやぁ、この日も暑かった!



広場の端にあった建物、確かインフォメーションだったと・・。
壁にはめ込まれた紋章の数々。

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こちらも広場の端、バールのテントの下。
暑くもあり、お昼にも少し早く・・、

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広場から坂道を少し上がった所にあるサンタゴスティーノ教会・
Sant'Agostinoの正面。 14世紀のロマネスク様式で、
上の小さな可愛いバラ窓は後の改修によるものと。

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この教会に接するかっての修道院が現在、市の博物館に。
建物自体も興味深く、見ごたえあり。

写真禁止で撮れませんでしたが、アンブロージョ・ロレンツェッティ、
シモーネ・マルティーニの作品等、そして保存のよい木製彩色像
がたくさんあり、シエナ・ゴシック美術を見るのにお勧めです。

要塞の上からの写真でお分かりの様に、町の高所にドゥオーモが
ありますが、暑さで横着してパスし・・。
  

     
こちらは横道を覗いてみた時のもので、建物に鉄の握りが
渡っているのが見えます。

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かなりの傾斜ですが階段ではなく敷石なので、雨、雪の用心と
思い、ふと、冬の厳しさを想像。
       
               

こちらはポポロ広場の南端にある、プリオーリ宮・
palazzo dei Priori、現在市役所。

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13~14世紀にかけてのシエナ様式と言うのですが、
この細狭い敷地と建物に、この細高い塔!

驚くほどの高さで、写真に撮るのもかなり遠くからですが、
塔の高さは調べても見つからず・・。       
こうして見ると、シエナのマンジャの塔にも似てますね。



塔の壁の紋章の数々は、町の代々の執政官のもので、
一番上にメディチ家の6つ玉。

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奥に見えるのは、サン・フランチェスコ教会。
ここも、暑さの為・・、今になると反省。
  
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それでも少しは歩いて下った証拠を・・!
こういう町に住む方は、お元気でしょうねぇ?!

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ポポロ広場も段差があり、2層に分かれる感じですが、
プリオーリ宮の東側にこのロッジャ。
     
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奥側2つのアーチは少し尖ったゴシック様式で、手前は丸いアーチ。
柱が同じ形に摸されていますが、時代が違うのでしょうね。
右手前は赤いテントが見えますが、バール、レストランで、
ひんやりと涼しそう。



最後は古い建物の壁を。
       
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日本だったら即お店に変わりそうな場所ですが、きちんと修復され
いまだ住宅。 こうした頑固さ、健全さがまだまだ生きている、
イタリアの良い所なのでしょう。



町の地図をどうぞ。
一番南下、ロッカの手前が町の入り口。
       
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地図でお分かりのように、市壁が町を取り囲んでいて、
13世紀の物で、全体の長さが4km、13の塔、町の門は6ヶ所に。 

サン・クイリコ・ドルチャから、西にわずか15K、
バスの便も他に比べ、かなり良さそうです。
       
ワイン好きな方も、それ程でもない方も、はは、ぜひお出かけを!

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