今日は、バーニョ・ヴィニョーニ・Bagno Vignoniのご案内を。
オルチャの谷の北の交通要所である、サン クイリコ・ドルチャの
コムーネに含まれ、南に6K程の距離に。
オルチャの谷の北の交通要所である、サン クイリコ・ドルチャの
コムーネに含まれ、南に6K程の距離に。
古くエトルスク、ローマ期からの温泉で有名な土地ですが、
メディチ家が設備を整え、ご愛用したのでも有名です。
まずは町の駐車場から、オルチャの谷の眺めを。
麦刈りの風景が広がりますが、
この辺りは同じオルチャの谷でも、広々と、緩やかに波打ち。

幹線道路はもちろん舗装されていますが、少し入り込むと
地道が広がり、私の車もかなりの埃まみれでしたが、
駐車場の中にまさに真っ白になった車!
地道が広がり、私の車もかなりの埃まみれでしたが、
駐車場の中にまさに真っ白になった車!
ワイパーの届く範囲だけ視界の開いた車を見かけ、
よほど写真を撮ろうとうずうずしましたが、
すぐ脇に持ち主がおられ・・、むむ、残念!
よほど写真を撮ろうとうずうずしましたが、
すぐ脇に持ち主がおられ・・、むむ、残念!
町に到着すると広い駐車場が幾つもあり、何やら開けた感じで、
あちこちにホテルが見えるものの、さて、町の中心はどこ?
標識も見つからずで、何となく人の流れるほうに歩き、
それで正解。 こんな道の奥に、温泉池!がありました。

毎回ブログにアップする写真は30枚を超えないようにと、
いつも最大努力ですが、今回は全部で25枚!
いつも最大努力ですが、今回は全部で25枚!
それも、プールみたいな温泉池をしつこく、これでもか!
とご覧頂く事にして、25枚!
とご覧頂く事にして、25枚!
まぁ、つまり見所はこれだけ! みたいな・・、ははは。
という事で、1枚目は大浴槽の南側から、左手、西側を。

これは、大浴槽の奥、北側。
左角に小さな囲いが突出しているのが、お分かりでしょうか?
あそこは、薬草園のようで、
あそこは、薬草園のようで、
アップしますと・・、

これがそうですが、実は薬草園を写したのではなく、
手前側にポコポコ湧き出している温泉を撮ったのでした。
手前側にポコポコ湧き出している温泉を撮ったのでした。

地下千m以上の深さから、52度の温泉が湧き出すのを集め、
ここに湧き出すように設備したので、
このプールみたいな大浴槽なのだそう。
ここに湧き出すように設備したので、
このプールみたいな大浴槽なのだそう。
1枚目の浴槽の写真の手前側に、エルボリステリーア・
薬草専門店がありました。

エルボリステリーア・オルトゥス・ミラービリス、
ERBORISTERIA ”HORTUS MIRABILIS”
こんな名前の入った薬草袋を手にしたら、
それだけで効き目がありそうな気しそうでしょう?
ERBORISTERIA ”HORTUS MIRABILIS”
こんな名前の入った薬草袋を手にしたら、
それだけで効き目がありそうな気しそうでしょう?
こちらも北側。 薬草園もよくご覧いただけますね。
蛇足ですが、このバーニョ・ヴィニョーニという名前、
直訳すると、ヴィニョーニの浴場、バーニョはイタリア語でお風呂、
トイレに当たり、ヴィニョーニはこの地の名前。
直訳すると、ヴィニョーニの浴場、バーニョはイタリア語でお風呂、
トイレに当たり、ヴィニョーニはこの地の名前。

北東側を。 大浴槽の周囲を建物が取り囲みます。

日本人の温泉感覚からすると、この感じはぴったり来ませんよね。
どうやってこの浴槽に浸かったのだろう?
まさか裸で手ぬぐいを頭に、とまでは思いませんが、
うむ、この青空の下では、泳ぐ方がぴったりしそう。
周囲を囲む建物はいずれもかなり古く、こちらは北東部分。

上の建物の入り口階段部分。
ペチュニアの濃いピンクと、水色のベンチが鮮やか。
古い壁がなんとも良い味ですねぇ。
ペチュニアの濃いピンクと、水色のベンチが鮮やか。
古い壁がなんとも良い味ですねぇ。

南と西を眺めて。
四角い大浴槽のイメージが、お伝えできたでしょうか?
どういう風にご案内したら良いのか、私自身とりとめなく・・。
四角い大浴槽のイメージが、お伝えできたでしょうか?
どういう風にご案内したら良いのか、私自身とりとめなく・・。

イタリアのどんな小さな町村に行かれても、必ず中心広場があり、
その周囲を行政関係のお役所等が取り囲み、
そして教会と鐘楼があります。
が、このローマ期から温泉で有名なバーニョ・ビニョーニでは、
その広場の代わりに大浴場が町の活動の中心位置にあり、
ついでに、まぁ、浴槽の隣に教会があると・・。
その広場の代わりに大浴場が町の活動の中心位置にあり、
ついでに、まぁ、浴槽の隣に教会があると・・。
はい、西側に見える小さい四角い鐘楼が屋根の上に突出した、
そっけない正面壁の建物が、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会。
そっけない正面壁の建物が、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会。
北側から見た南部分、ロッジャ。
現在この大浴場は使われておらず、温泉利用は各ホテル内で。
現在この大浴場は使われておらず、温泉利用は各ホテル内で。

で、なぜこの町にフラフラと行ったかと言いますと、
以前TVのCMで冬の夜の雪景色の中、この浴槽からもうもうと
湯煙が立っているシーンがあり、
何となし日本の露天温泉を想像し、一度見たくて・・。
まぁ、ロマン溢れる冬の雪の夜ならぬ、夏の青空の下では
健康すぎて、趣味ではない、というか・・、ははは。
健康すぎて、趣味ではない、というか・・、ははは。
上の写真の屋根つき廊下の様な部分は、
ロッジャート・ディ・サンタ・カテリーナと呼びます。

このロッジャの脇から、浴槽の温泉水が小川のように流れ出し、
町の中を流れつつ、施設や、温泉利用の製品工場に。
かっては水車を回し、灌漑作業にも利用されていたようですが、
現在は公園として整備された様子。
町の中を流れつつ、施設や、温泉利用の製品工場に。
かっては水車を回し、灌漑作業にも利用されていたようですが、
現在は公園として整備された様子。
少し写真が小さいですが、 ガイドブックより
こちらが上のロッジャに名を冠されたシエナ生まれの聖女、
イタリア、そしてヨーロッパの守護聖女サンタ・カテリーナ。
イタリア、そしてヨーロッパの守護聖女サンタ・カテリーナ。

1347年シエナ生まれ、33歳の若さでローマで死去。
が、単に宗教生活に籠るのではなく、対外的にも政治的にも、
大変積極的に働いた方のよう。
シエナの染物業者の娘に生まれた彼女は、ここに何度か療養に
来ていたそうで、一説には、修道女になりたいという希望を捨てるように
望んだ両親が、連れて来たとかで、
15世紀になってこのロッジャが作られ、彼女に奉納されたと。
来ていたそうで、一説には、修道女になりたいという希望を捨てるように
望んだ両親が、連れて来たとかで、
15世紀になってこのロッジャが作られ、彼女に奉納されたと。
シエナの彼女の生家跡には現在聖堂がたてられ見学できますが、
すぐ隣が地区コントラーダのオーカ(家鴨)の集会所で、
夏行きましたら、パリオの衣装の若者がぞろぞろで、
うふっ、と笑いが込み上げましたっけ。
すぐ隣が地区コントラーダのオーカ(家鴨)の集会所で、
夏行きましたら、パリオの衣装の若者がぞろぞろで、
うふっ、と笑いが込み上げましたっけ。
聖女カテリーナの生家近くの様子は
ロッジャの柱にもたれ、休憩中の若い女性2人。

この温泉に通った有名人物としては、サンタ・カテリーナの他に、
ロレンツォ・デ・メディチ、イル・マニーフィコと呼ばれたルネッサンスの
大文化人、メディチ家の大人物ですね、
そして自分の生まれた村をルネッサンスの町、ピエンツァに
造り変えた教皇ピオ2世 など。
造り変えた教皇ピオ2世 など。
いずれにしても聖地ローマと、北の国をつなぐ中世からの巡礼道、
ヴィア・フランチェージナがすぐ傍を通っていたのですから、
旅人にとってはさぞや生き返る思いの温泉でしたでしょう。
ヴィア・フランチェージナがすぐ傍を通っていたのですから、
旅人にとってはさぞや生き返る思いの温泉でしたでしょう。
この温泉が記録に登場するのは995年ですが、
それ以前にローマの詩人たちの言葉があります。
それ以前にローマの詩人たちの言葉があります。
他にはこのような場所は知らない
浴槽と温泉、柱廊の影の下の読書、散歩と好ましい会話・・、
そして、もひとつ、
適温の水に、ロバの乳とビアーダ(穀類の一種のようですが)
を混ぜて使う、と。
食べたのでしょうか?
Marziale、Ovidioの名が分からず検索をかけましたら、
いずれもローマ期の有名なラテン語詩人と出ました!
ええねん、イタリア人だって額田王や、山上憶良なんて
知っちゃいないよねぇ?!
ロッジャートを東から見た所。
真ん中左のレンガ部分は礼拝所ですが、聖カテリーナに由来と。
真ん中左のレンガ部分は礼拝所ですが、聖カテリーナに由来と。

この温泉は、重炭酸塩、硫酸塩、カルシウム、炭素を含み、
リューマチ、関節炎、神経痛、炎症に効果があるそう。
駐車場脇から大浴場にかけ、広々とした公園が広がります。
で、町の中を小川のように温泉が流れているそうで、
そこでは誰もが足をつけれるそうでが、気がつきませんでしたぁ。
そこでは誰もが足をつけれるそうでが、気がつきませんでしたぁ。

何軒かのお土産物屋のひとつ。
並んで掛けられている陶器の図柄が、なかなか良いのですが、
日本の陶器の技を見慣れた目には・・ウム。
並んで掛けられている陶器の図柄が、なかなか良いのですが、
日本の陶器の技を見慣れた目には・・ウム。

バールやレストランも大浴場の周囲に何軒か。
いずれも、田舎にしては洒落ているようでもあり、
逆にいかにも古い湯治場のようでもあり・・。
いずれも、田舎にしては洒落ているようでもあり、
逆にいかにも古い湯治場のようでもあり・・。

濃いピンクのブーゲンビリアと、赤いゼラニウム。
陽射しが強いので、目に沁みます。
手前の石のベンチが、いかにも古げで良い感じ。
陽射しが強いので、目に沁みます。
手前の石のベンチが、いかにも古げで良い感じ。

古い井戸がありました。

道脇のバールのテラス席、飲み物を運ぶ女性の白いパンタロン姿。
写真で見るよりも、ずっとはっきり見えたのですよ。
何が? って、目を凝らして見て下さいな。
何が? って、目を凝らして見て下さいな。

広場の脇のシナの木の花が済み、小さな実が膨らみかけ。
風に揺れ、少しピンアマで失礼。

見上げた丘の上。
反対側の山の上には古いお城跡もある様子。

最後にまた、駐車場からのオルチャの谷の眺めを。
糸杉の並びが、風情をそそります。
糸杉の並びが、風情をそそります。

この糸杉の並ぶ道は
http://italiashinkai.seesaa.net/archives/20180616-1.html
バーニョ・ヴィニョーニの新しいご案内は
http://www.italiashiho.site/archives/20180611-1.html
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