新開志保 ・ 水彩小品展 n.1 に続き、古い現場スケッチによる
イタリア風景をご覧下さい。
鉛筆と不透明水彩(グワッシュ)使用です。
◆ サン・ジミニャーノ・San Gimignano 博物館中庭 (22x31)
イタリア風景をご覧下さい。
鉛筆と不透明水彩(グワッシュ)使用です。
◆ サン・ジミニャーノ・San Gimignano 博物館中庭 (22x31)

町全体に中世の面影が偲ばれるサン・ジミニャーノ。
何本もの塔が今も尚立ち並び、一番大きな高い塔に昇る事が出来る。
かなりな階段数にあえぎながら、同時に登ったイタリア人の女の子が、
「アンコーラ?! アンコーラ?!」(まだ?! まだ?!)
と、息を切らしつつ叫び、そして笑う。
確かに、登るのが大変なだけ、眺めは素晴らしかった!
何本もの塔が今も尚立ち並び、一番大きな高い塔に昇る事が出来る。
かなりな階段数にあえぎながら、同時に登ったイタリア人の女の子が、
「アンコーラ?! アンコーラ?!」(まだ?! まだ?!)
と、息を切らしつつ叫び、そして笑う。
確かに、登るのが大変なだけ、眺めは素晴らしかった!
傍らの薄暗いドゥオモの中、壁のフレスコ画を見るのに、
誰かがお金を入れて、明かりの点くのを、皆が待っていて、
明かりが点くと、ちょっとした安堵の声が上がる。
誰かがお金を入れて、明かりの点くのを、皆が待っていて、
明かりが点くと、ちょっとした安堵の声が上がる。
こうして見たシモーネ・マルティーニは、やはり素晴らしかった!
◆ ヴォルテッラ・Volterra ・ 洗礼堂 (22x27)

ヴォルテッラの町は、他のエトルスク文化の栄えた町と同様、
高所にあり、しかも一種異様な雰囲気に囲まれた町。
何故かはいまだに分らないけど、妖気漂う、とさえ言えそうな町、
そして町に至る風景も。
エトルスク博物館は素晴らしく、ジャコメッティの長身の人物像を
髣髴とさせる像もある。
髣髴とさせる像もある。
一方、美術館の見物者は私一人!
イコンが、すぐ手の届きそうな所にある。 ムム。
この素敵な洗礼堂の周囲は、他の町と同様に駐車場と化していて、
建物の足元は、傍に行って確かめるしかなかった。
建物の足元は、傍に行って確かめるしかなかった。
◆ アンギアーリ・Anghiali・ 塔の見える坂道(21x31,5)

サン・セポルクロの町からバスで2,3日通った、中世の残る
丘の上の小さな町。
中心広場の端の建物の下のアーチをくぐり抜けると、
市壁に近いこの場所に出てくる。
市壁に近いこの場所に出てくる。
アーチの下の暗い暗い坂道は、中程でカーヴをしていて、尚暗く、
最初は、本当に恐るおそる通ったもの。
これを描いていた時、少女が声をかけてきて、自分を描いてくれ、と。
いいよ、と描いている内に、彼女の家族が集まって来た。
多分、ドイツに移住したイタリア人家族。
いいよ、と描いている内に、彼女の家族が集まって来た。
多分、ドイツに移住したイタリア人家族。
描き終えた後、お金はいらないと言うと、
母親は住所を書き「いつでも寄ってくれ」と、渡してくれた。
母親は住所を書き「いつでも寄ってくれ」と、渡してくれた。
◆ オルヴィエート・Orvieto ・ アーチ (22x30)

「ウンブリアで一番美しい」と有名な、オルヴィエートのドゥオモ。
余りにも絢爛豪華で私には・・。
で、その正面辺りから入って来た所がこの場所。
向かい合った建物を結ぶように、支えあうように、
潜り抜けるいくつものアーチがそれぞれの形で繋がっている。
潜り抜けるいくつものアーチがそれぞれの形で繋がっている。
光が差し込まない壁は、苔むしている。
此処にも中世の匂いが、漂う。
此処にも中世の匂いが、漂う。
◆ アッシジ・Assisi ・ サン・フランチェスコ教会 (31x23)

中世の町がそのまま残っているので有名な、アッシジ。
訪れた方も、たくさんおいででしょう。
町の中心は、やはりこのサン・フランチェスコ聖堂。
12世紀に生きた聖フランチェスコも有名ながら、
いまなお時を越え、私たちを惹きつける何か、がこの町にはある。
いまなお時を越え、私たちを惹きつける何か、がこの町にはある。
スケッチをしていた夏の暑い日、何人もが覗きに来、
私が草の上にペタッと蛙座りをしているのに気がつき、大いに笑った!
何時間も、行儀良くは座れませんてば。
私が草の上にペタッと蛙座りをしているのに気がつき、大いに笑った!
何時間も、行儀良くは座れませんてば。
◆ アッシジ ・ サンタ・クローチェ通り (30x22,5)

アッシジの町は山腹に広がり、道は坂を登り下りして続く。
建物の石はピンク色で、白い石との取り合わせがとても美しく、
それもこの町の魅力の一つ。
半開きのドアの家はどうやら尼僧の家のようで、
お掃除をし、出入りするのが見える。
お掃除をし、出入りするのが見える。
通りかかった小父さんが絵を覗き、おもむろにバジリコの一枝を
差し出した。 グラーツィエ!
差し出した。 グラーツィエ!
◆ アッシジ ・ サンタ・キアーラ広場から (31x22)

美しい薔薇窓を持ち、ピンクと白い石の縞模様の壁、
聖女キアーラにふさわしい、清楚な感じの聖堂前に広場がある。
巡礼のおのぼりさんや観光客が、引きも切らず行き来する広場の、
その端っこで、終日お絵かき。
その端っこで、終日お絵かき。
何もかも忘れ、没頭できる幸せ!
スケッチしていた日々は、いつもお天気の記憶がある。
でも写真を見ると勿論曇り空の日もあり、記憶の違いに少し驚き。
が、私の中の記憶が正しいと確信している。
◆ アッシジ ・ マルチェッラの泉 (29x23)

アッシジでスケッチの日々は、朝起きると、一杯のカッフェと
クロワッサンの朝食をすまし、
即、スケッチブックの入ったバッグを肩に、出かけたもの。
前日に都合よく、スケッチの場所を決めてあったらそこへ、
そうでない時は、朝日を浴びながらあちらこちら。
そうでない時は、朝日を浴びながらあちらこちら。
通りがかりのシニョーレが、「盾の泉」だと、教えてくれ、
泉には、朝のうちたくさんの鳩がやって来て、
身じまいする様子を楽しませてくれた。
身じまいする様子を楽しませてくれた。
◆ アッシジ ・ サンタンドレア少路 (22x30)

サン・フランチェスコ聖堂から、左手へ少し登った所の少路。
壁から見守り続けるマリア様、
すり減った石畳、刻み込まれた歳月。
スケッチしていた時、猫が遊びに来て楽しませて貰ったが、
後日、この場所の絵葉書を見つけて買った所、
おお、なんと、この猫が写っていた!
すり減った石畳、刻み込まれた歳月。
スケッチしていた時、猫が遊びに来て楽しませて貰ったが、
後日、この場所の絵葉書を見つけて買った所、
おお、なんと、この猫が写っていた!
*このアーチを抜けすぐ右に折れると、
今回のスケッチ展案内状の、水飲み場があります。
今回のスケッチ展案内状の、水飲み場があります。
◆ ヴェネツィア・Venezia・ サンタ・マダレ-ナ広場(29x23)

ヴェネツィア国鉄駅前を東に、ワーグナーがここで亡くなったと言う
今はカジノの「ヴェンドゥラミン・カレルジ宮」の近く。
通り道からはちょっと入り込んでいて、地元の人々が一休みに。
駅近くの安ホテルに泊まりこみ、毎朝せっせとこの道を歩いた。
古い、軒の低い建物が寄り添い、梁も見え、屋根もかしいでいる。
ヴェネツィア独特の丸い煙突。
ヴェネツィア独特の丸い煙突。
そして広場に必ずある井戸。 今は塞がれ、時に猫の居場所。
朝日が教会の影を落す。
あの窓の内の住人も、もう起き出しているはず。
ヴェネツィア
◆ ヴェネツィア ・ カ・ドーロ (26x22)

説明を要しないほど有名な、ヴェネツィアの館。
かって正面の壁には、金が塗られていたと言う。
南西に向かっているので、一日中光り輝く位置にあり、
冬の日の霧の中でも、素敵だったろう。
まさにヴェネツィアの繁栄を現している。
ヴェネツィア・ゴシック様式は、ゴシック本来の尖った古めかしい
感じは無く、いかにも優雅で、繊細なイメージのみを伝える。
我が愛するヴェネツィア!
***
ここからのスケッチは、撮った写真から描き起こしたものです。
◆ ヴェネツィア・ サン・ジャコモ・デッレ・オーリオ広場近く(26x23)

ヴェネツィアの街の面白さは、運河に沿って建物があり、道がある事と。
つまり、運河の流れが先なのだ。
干潟を埋め、地盤の固い場所に建物を作った、という歴史からも
それは肯ける。
それは肯ける。
曲がりくねった運河、沿った建物、建物の下を潜り抜け、続くアーチ。
そして、小さな広場、井戸。
それらに陽が射すとき、
面白いイメージが浮かび出る。
◆ヴェネツィア ・ サン・ジョルジョ・マッジョーレ (21,5x14)

陰鬱な空が広がる、冬のヴェネツィア。
サン・マルコの岸も高潮に洗われ、
ゴンドラのお客もなく、席は覆われたまま。
明るい灯のともったバールが恋しい、冬のヴェネツィア。
◆ ヴェネツィア ・ リアルト橋 (22x14,5)

リアルト橋はかって木の橋だった、カルパッチョ描くところの絵が
アッカデミア美術館にある。
ゴンドラも今の様に黒一色ではなく、思いのままの色だったそう。
想像してご覧あれ、当時のヴェネツィアを。
東洋との接点であり、人種も様々、当時から国際都市。
殆どそのままの姿で、今も存在し続ける。
アッカデミア美術館にある。
ゴンドラも今の様に黒一色ではなく、思いのままの色だったそう。
想像してご覧あれ、当時のヴェネツィアを。
東洋との接点であり、人種も様々、当時から国際都市。
殆どそのままの姿で、今も存在し続ける。
そんなヴェネツィアが大好き。
永遠なれ、ヴェネツィアよ!
永遠なれ、ヴェネツィアよ!
◆ ヴェネツィア ・ 赤い壁の家 (21x14,5)

ヴェネツィア全体の絵葉書の種類が、一体何種類あるかは知らない。
が、かなりの枚数を持っていて、
描いた場所でなくとも、どこの場所かは分る位になっている。
が、この赤い壁の絵葉書を見た時は分らなかった。
知りたかったが、場所は書いてなく、
素敵な場所と感じた分、尚の事知りたかった。
知りたかったが、場所は書いてなく、
素敵な場所と感じた分、尚の事知りたかった。
数年後、ジョヴァンニ・エ・パオロ広場のコッレオーニ将軍騎馬像
の前から振り向くと、この赤い壁があった。
の前から振り向くと、この赤い壁があった。
壁は、絵葉書と変わっておらず、杭の色と緑の扉が新しくなっていた。
◆ ヴェネツィア・ サンタ・マリア・デッラ・サルーテ(15,5x21)

アッカデミア橋から見るデッラ・サルーテの聖堂。
大きな丸屋根、張り出した渦巻き、聖人たち。
ペストの終焉を感謝し、建設された聖堂にふさわしく、
11月の祭日には参拝客用の仮の橋がかかり、終日大賑わいとなる。
冬の霧の深い日、前を通る水上バスの中からも
すっぽりと見えなくなる事も、経験した。
すっぽりと見えなくなる事も、経験した。
今、夏の日、うだるような暑さの中、
けだるげに、ゆらゆらと揺れて見える。
◆ ベッルーノ・Belluno ・ 集落 (21,5x15)

わが町コネリアーノ・Coneglianoから、汽車で北へ1時間。
距離は50キロ程で、ゆっくりと山間の谷間道を曲がりながら行く。
かっての「アレマンの道」と呼ばれる、
ドイツやスイスに通じる、山岳民族の道である。
山と山との間をすり抜け、古い小さな村を眺めながら峠を越し、
ポンテ・ネッリ・アルピに着く。
北へ行く道と(コルティナ・ダンペッツォやオーストリアへ)、
西に、ピアーヴェ河に沿って下る道との分岐点で、
ベッルーノは、ここから西へ7キロの地点。
ポンテ・ネッリ・アルピに着く。
北へ行く道と(コルティナ・ダンペッツォやオーストリアへ)、
西に、ピアーヴェ河に沿って下る道との分岐点で、
ベッルーノは、ここから西へ7キロの地点。
ベッルーノの司教殿は、強大な勢力を持っていたようで、
コネリアーノが歴史に登場する10世紀は、司教の勢力範囲として。
コネリアーノが歴史に登場する10世紀は、司教の勢力範囲として。
その歴史どおり、町の中心は中世の匂いに満ち、
その後のヴェネツィア共和国の下の建物群と。
このスケッチの場所は、町の東外れの道から見下ろした集落。
緑に埋もれるようにして、小さく固まって見えた。
緑に埋もれるようにして、小さく固まって見えた。
山の小さなヴェネツィア ・ ベッルーノ・Belluno
◆ 蕾と花と (17x28)

透明水彩絵の具を使い始め、やはりスケッチの仕方が少し変わったと。
果物、花、猫など、いろいろ描いて発色の具合を見、
紙も、グワッシュを使っていた時のコットン紙から、
厚手のケント紙に。 鉛筆は、0,3mmのシャーペンを。
絵の具もトゥレヴィーゾの画材店で、ウインザー&ニュートン、
絵の具もトゥレヴィーゾの画材店で、ウインザー&ニュートン、
そしてシューミッケを、画材店主のお勧めで。
色はお好みを32色えらび、筆はコリンスキーのシリーズで。
色はお好みを32色えらび、筆はコリンスキーのシリーズで。
思うように描けず、じたばたするうちに
ケント紙もこすれ、絵の具の発色も鈍くなり・・。
ケント紙もこすれ、絵の具の発色も鈍くなり・・。
でも、描いている時間は、やはり至福のとき。
日常の思い悩む事もひととき忘れ、
好きな音楽を聴きながら、没頭します。
何もかもが愛おしく、心に滲みいる様になっている自分に
気がつきました。
日常の思い悩む事もひととき忘れ、
好きな音楽を聴きながら、没頭します。
何もかもが愛おしく、心に滲みいる様になっている自分に
気がつきました。
いつまで、こうして暮らしていけるのか、悩みますまい!
今こうして、生きる事を味わえる生活に、感謝するのみ!
今こうして、生きる事を味わえる生活に、感謝するのみ!
新開志保 水彩小品展
*尾道 孔雀荘 11月1日(木)~15日(木) 火曜定休 9時~18時
尾道市西土堂町4-8 Tel 0848-25-2109
*広島 無垢画廊 11月19日(月)~24日(土) 10時~18時
広島市中町5-19 Tel 082-246-0690 (広島TV向かい)
*尾道 孔雀荘 11月1日(木)~15日(木) 火曜定休 9時~18時
尾道市西土堂町4-8 Tel 0848-25-2109
*広島 無垢画廊 11月19日(月)~24日(土) 10時~18時
広島市中町5-19 Tel 082-246-0690 (広島TV向かい)
会期中、会場でお喋りできます事、楽しみに!
という事で、向こう1ヶ月間、日本にまいりますので、
ブログはお休みさせて頂きます。 イェイ!
よろしくお願いいたしま~す。
ブログはお休みさせて頂きます。 イェイ!
よろしくお願いいたしま~す。
では、12月に。 お元気でどうぞ!!
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見たよ! の応援クリックも宜しくお願い致しま~す!
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それもご了承下さいませ。
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