・ 日本の花・桜 と、フィオレンツァの華・ボッティチェッリのヴィーナス

3月に日本に帰った時、桜には少し早くてと書きましたら、
以前、ヴェネツィア、サン・マルコの時計塔の覆いの写真、
素晴らしい美女の写真を送って下さり、皆さんにもご紹介した、
グロリオーザさんが早速に桜の写真を送って下さいました。
で、そのうちの一枚、ちょっと趣向を凝らした写真をご覧に。

◆日本の染井吉野と、フィレンツェのヴィーナス

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グロリオーザさんの説明によると、これは昨年上野美術館での
「ベルリン至宝展」の際、表のポスター横の染井吉野が
咲き誇り、差し掛かって咲いていたのを、写されたものと。
ブログに使っていいですよ、との事で、勿論早速頂きました!

ボッティチェッリのヴィーナスと、日本の桜、
何とまぁ素晴らしいですね。
春爛漫、 まさにこの言葉がぴったりです。 
       
ヴィーナスの美しい事!
ボッティチェッリの優美な線と、余り生の肉感を感じさせない
量感が、外の太陽光線の下でも、涼やかに見る者を魅了します。

バックの黒い色については、実際実物がこの色だったのか、
それともポスターでヴィーナスのみ、という事で黒いのかを、
グロリオーザさんに尋ねましたが、覚えておられませんでした!
余程、ヴィーナスに見とれたものと見えます!  
資料も紛れて見つからないとの事。

この展覧会をご覧になり、覚えておられる方、
御知らせ頂けませんか。



◆フィレンツェ・ウッフィツィ美術館のヴィーナス

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こちらがかの有名な「ヴィーナス誕生」です。

春の西風ゼッフィロの一吹きで髪の毛を乱しつつ、今誕生したばかり。

写真は雑誌からスキャンし、少し、色を明るくしてみましたが、

この絵は、下に金箔を敷き詰めた上に描いた、と言われていますし、 
そして、テンペラ画の色の特徴、絵の感じからして、
実際この位「晴れやかな絵」ではなかったでしょうか?

想像してご覧あれ! 
 
現在よりも薄暗い部屋の中で、
この光り輝くヴィーナスに、魅了される人々を。
灯火煌き影揺れる時、ヴィーナスが動くかの様だったでしょうね。

我々は、余りにも見えすぎる中にいて、
逆に何かを失っているのかも知れません。


こうして絵の写真を2枚続けて並べてみると、違いが良く分りますね。  
上の写真の背景の、黒のインパクトが如何に強いかが。

上のヴィーナスの肌の色の方が大変綺麗に見え、透明感さえ受け、
そして、腰を少し強くくねらせています。
制作年代が分りませんが、私の感じでは
「ベルリン」の方が後の様に感じます。 


実は「黒いバックの裸婦」という事で、
最初はこれに続けてクラナッハの「イヴ」の写真を載せようかと、
準備したのですが止めました。
というのも、ボッティチェッリとは違うエロスが強いので。

女性像、特に裸婦像は、描く人の個性が一層強く出る様です。
ボッティチェッリの裸婦が涼やかで、太陽光線の下でもいやらし
く感じないのは、
彼自身が、女性美に魅かれて描いたというよりも、
単に、形の美しさを追求して描いたのではないでしょうか?
どうもそんな気がします。

ダ・ヴィンチの「モナリザ」も美しいですが、余り女性美は感じませんね。
あれと同じ理由ではないかと、考えます。

注:ダ・ヴィンチも、ボッティチェリもホモだったという説もありますから、
  案外それが、女性像、裸体を描いてもエロスに直接結びつかないのかも、
  というのは、これを書いた当時は書き控えた事の一つでした。2018.8.21
 
   
今回は、グロリオーザさんに写真を提供して頂いて、
思いもかけず、ボッティチェッリの「春の寓意」についでの
「ヴィーナスの誕生」がアップ出来ました。
好きな画家、好きな絵で、感謝しています。

★★ 追記です

グロリオーザさんよりメールを頂き、「ベルリン」のヴィーナスは、
やはりバックは黒で、他には何も描かれていないそうです。
「ボーデ博物館」(ベルリンの博物館島にあるとの事)の所蔵品だそうで、
この博物館島には「ベルガモン博物館」というのもあるそう。
グロリオーザさんは、この「ベルガモン」の方だけご覧になっていて、
上野でこのヴィーナスを見られた時は、驚かれたとの事でした。


如何ですか、いろいろ推測の余地が出てくる感じがしませんか?
なぜ、イタリアの作品では余り例のない、黒いバックに描いたか?
習作ではないと思います。  ではなぜ、ヴィーナスだけ?
黒いバックは、北方の匂いがしますから、  
北からのお客人の誰かが「ヴィーナス誕生」を見て執着し、注文した?
さて、真実は?! 


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