今日は、月一ゲストのグロリオーザさんの写真とコメントで、
南イタリア、バジリカータ州の世界遺産指定の特異な町
マテーラ・Materaのご紹介です。 では、どうぞ。
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南イタリア、バジリカータ州の世界遺産指定の特異な町
マテーラ・Materaのご紹介です。 では、どうぞ。
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今回は、南イタリアの世界遺産・マテーラを歩きましょう。
この町はイタリア半島を長靴に例えると、ほぼかかとのあたりに位置し、
私はバーリから、アップロ・ルカーネ線という私鉄に乗って行きました。
2両編成で約1時間20分でした。
この町はイタリア半島を長靴に例えると、ほぼかかとのあたりに位置し、
私はバーリから、アップロ・ルカーネ線という私鉄に乗って行きました。
2両編成で約1時間20分でした。
駅を降りても、駅前付近は普通の街並みですが、10数分歩くと、
サン・フランチェスコ・ダッシジ教会のあるサン・フランチェスコ広場に
着き、ここからが旧市街になります。
サン・フランチェスコ・ダッシジ教会のあるサン・フランチェスコ広場に
着き、ここからが旧市街になります。

教会左側の階段を下りていくと・・・

このようなサッシの奇観が、突然目の前に広がります。
圧倒的な光景に、立ちすくんでしまいました。
圧倒的な光景に、立ちすくんでしまいました。

サッシとは、イタリア語で石、岩を意味するsassoの複数形で、
岩場に作られた居住地です。
岩場に作られた居住地です。
サッソ・カヴェオーソ地区の洞窟教会、サンタ・マリア・デ・イドリス教会
を目指します。 自然の岩をくりぬいて作られた、異色の教会です。
を目指します。 自然の岩をくりぬいて作られた、異色の教会です。

2,5ユーロの入場料で中へ。 内部にはフレスコ画がありました。

この地区の岩は柔らかく多孔質の石灰岩で、加工しやすいことから、
洞窟式の住居が作られたもののようです。
このすぐ下にある、サン・ピエトロ・カヴェオーソ教会に向かいます。

サン・ピエトロ・カヴェオーソ教会。

教会左の展望台で、野性的な?カップルが、愛をささやいていました。

対岸は、こんな光景が広がります。

教会の裏は、深い谷になっています。

東側対岸の、ムルジャ地区の洞窟住居が見えます。

この辺りは、6世紀までは洞窟生活をしていましたが、いつしか都市の
発展とともに、次第に豊かな住民から、順に新市街地に移転を。
そして経済格差が広がり、サッシの住民は差別される対象になっていきます。
大家族と豚やロバが一緒に住む、非衛生的な洞窟内の住民は
極貧の生活に追いやられました。
大家族と豚やロバが一緒に住む、非衛生的な洞窟内の住民は
極貧の生活に追いやられました。
上方には、ドゥオモの鐘楼が見えます

サッソ・バリサーノ地区が近づいてきました。
こちらの方がより密集して、自然の地形に近い形です。
こちらの方がより密集して、自然の地形に近い形です。

なぜか、日本の国旗がはためいていました。

イタリアの作家カルロ・レーヴィが、反ファシズムの政治犯として、
この地に流刑になったのは1935年のこと。
彼はこの地の惨状を見て、
「こんな悲惨な貧困の状況は見たことがない」と驚き、
「キリストはエボリに留まりぬ」という本を書きました。
エボリとはナポリから70キロほどの所にある町で、キリストでさえも、
ここまでは慈悲を及ぼしてくれなかったという比喩の表現でしょう。
この写真は、打ち捨てられた洞窟住居の内部です。

さらに奥に、もう一つの部屋があります。
こんな狭い場所に、人と家畜が同居していたわけです。
こんな狭い場所に、人と家畜が同居していたわけです。

カルロの本がきっかけとなって、国はサッシ対策に立ち上がります。
しかしその政策はサッシ地区の住民1万5千人の「総立ち退き」でした。
「国の恥」という刻印が押され、1960年代に、住民はすべて
立ち退きを強いられました。
この地区は廃墟と化し、10数年は無人の地域となりました。
Sassoという言葉は、墓石という意味にも使われるそうです。
しかしその政策はサッシ地区の住民1万5千人の「総立ち退き」でした。
「国の恥」という刻印が押され、1960年代に、住民はすべて
立ち退きを強いられました。
この地区は廃墟と化し、10数年は無人の地域となりました。
Sassoという言葉は、墓石という意味にも使われるそうです。
1986年、約20年前から、漸くサッシの本格的修復が始まりました。
サッシからの遠景です。
サッシからの遠景です。

そして最近になって、サッシの歴史的意味が見直され、
住民も戻ってくるようになりました。
住民も戻ってくるようになりました。
1993年に世界遺産に登録され、今では生活の息吹が戻り、
洗濯物を干す光景にも出会いました。
洗濯物を干す光景にも出会いました。

高台から見た旧市街です。

帰り道、振り返ると、ムルジャ地区の高台に、
さわやかな風が吹きすぎて行きました。
さわやかな風が吹きすぎて行きました。

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