・ チステルニーノ ・ サン・クイリコのお祭り

今日は、月一ゲストのグロリオーザさんのご紹介で、
南イタリアのプーリア州、バーリとブリンディシの中ほどに位置する、
チステルニーノ・Cisternino という町にご案内を。コメントも彼です。
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今回は南イタリア、チステルニーノという小さな町の祭りの紹介です。
町はプーリア州イトリアの谷を見下ろす高台にあり、人口約1万人。
イタリア半島の長靴の形で考えれば、殆どかかとのへんにあります。

ローマからユーロスターで5時間ほどかかってバーリという都市に行き、
鈍行に乗り換えてファッサーノで降り、バスでさらに1時間程で到着です。
バーリから、スッドエスト線という私鉄でも行けますが、
私鉄の駅は谷底のあたりにあるため、町にたどり着くには、
山登りに近い“苦行”をしいられますので、バスがお薦めです。
町にはタクシーが一台しかなく、捕まえるのはほとんど不可能です。
 
イトリアの谷の全景です。 アドリア海まで15キロ、
海抜400mの場所にある町からは、アルベロベッロで有名になった、
トゥルッリというとんがり屋根の家も見られます。

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谷の向こうに見える町は、バロックの装飾があふれる
マルティナ・フランカです。

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チステルニーノは、旧市街地区が白い家で埋め尽くされたラビリンス
ですが、ここは、旧市街のなかでは開けた広場になっています。

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法政大学の陣内教授の本を読んでいて、この町の素朴で、素敵な
祭りをぜひ見てみたいと思ったのが、この町に来るきっかけでした。
そして思い通りの、素晴らしく温かい祭りに、出会うことが出来ました。



さあ、祭りの始まりです。
この祭りは「サン・クイリコの祭り」と呼ばれ、町を襲ったペストの終焉を、
守護聖人のサン・クイリコに祈願したのが始まりといわれます。
起源は、ヴェネツィアならレデントーレや、サルーテの祭りに似ていますね。

ブラスバンドが、祭りの開始を告げて町を行進します。

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旧市街入口にある、マトリーチェ教会では午後7時からミサが始まります。
この写真は、ミサの前の教会内部です。

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少女たちが主体の鼓笛隊が、教会前でスタンバイしています。

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ミサが終わり、普段は主祭壇の右横に安置されている木製の
聖母子像が、司祭たちによって教会から外に担ぎ出されます。
これは年に1度だけの事で、町民から大きな拍手が沸きました。

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バンド、僧、町の有力者たちが列を作って行進が始まりました。

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街路に設置されたイルミネーションに、光が灯りました。
華やかなムードがあふれます。

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広場の奥のイルミネーションは、塔の形をしたちょっと変わった形でした。

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広場の地面には、地元のアーチストがマリアの絵を描いています。

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広場と通りには露店が並び、日本の夏祭りの雰囲気もありました。

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旧市街の中にある広場には、舞台ができ、音楽の演奏もありました。

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通りのイルミネーション。

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こんな形は、東京の人なら見た事があると思います。
そう、丸の内仲通りで2000年頃に行われたミレナリオの
イルミネーションと、そっくりの形です。
あれもイタリア人がデザインしましたが、その原点はこちらだと思います。



行進では、サン・クイリコを讃える言葉を皆で歌うように繰り返しながら、
旧市街を取り囲む周回道路を、一周します。

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最初はせいぜい20mほどの長さでしたが、次々に町民が列に加わり、
教会前に戻ったころには100m近くの長い列になっていました。
みんな、町最大の祭りに参加する事に、誇りを持っている様でした。



聖母子像が、教会前に戻ってきました。

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町中の人が、像と行列を取り囲んでいます。

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広場で市長が、町の安全と町民の健康、幸せを祈る言葉を、
語りかけています。

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すべての行事が無事終わり、聖母子像が教会に戻ります。
この時、上空では、小さな花火が夜空を彩っていました。

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聖母子像は、マリアが慈しみの目で、幼いイエスを見つめています。
とても優しく、それでいて強い意志を心に秘めた表情です。
その愛に包まれて、絶対の信頼とともに聖母を見上げる、
イエスのあどけなさも愛らしく、
理想的な母子の姿を、象徴しているようでした。

この祭りは、8月の第一日曜日に行われます。
私にとっては、忘れえぬ祭りの一つになりました。
またそれ以上に、この町の人たちの優しさ、数々の親切などに、
本当に感謝の気持ちで一杯です。
日本では、あまり知られていない場所ですが、一押しの町でした。


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