・ 久し振りのお天気に誘われ、 スコミーゴ村を一回り 

先週の土曜は漸くに久し振りの快清となり、いそいそとカメラを持って村の巡察に。

お天気に誘われて外に出て来たのは、何もshinkaiだけでなく、ははは、
村のワン君、猫ちゃんもたくさんおり、葡萄畑で働く人、林の手入れを
する人も見かけ、それに、小さな春の花が咲きかけておりました。

そしてそして、スコミーゴ村についてのちょっぴりの歴史、
白ワイン、プロセッコについての新しい知識も仕入れましたので、
何度も見て頂いているスコミーゴ村ですが、
お喋りと共に、村内巡回にお付き合いくださいませませ!

写真は、北の眺め、北との境ともなるビゼンティン・Visentinの山。

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手前の山の麓にヴォットーリオ・ヴェネトの町があり、二つの山の隙間を
北国への道が通り抜けて行きます。
       


東隣の村、コッレ・ウンベルト・Colle Umberto.
スコミーゴとの間の平地に、少し靄がかかっていましたね。

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この日はいつもの様に家から畑道にすぐ向かわずに、村の幹線坂道を、ははは。

じきにシェパードのレオ君の家があり、いつも寝ているのが、
おお、猫ちゃんと庭で遊んでいる!

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車に乗るようになり、お付き合いが無くなりましたが、昔はとても仲良しで、
名前を呼ぶと振り返り、暫く見つめてから私と分かり、
ビッコを引きひきやって来て、触らせてくれました。

関節炎になったか、ビッコを引くレオを見るのは哀しい!
昔は道に添い、何度も行ったり来たり走りまわっていたのですもの。
でも、猫ちゃんのお友達がいるのは、良かった・・。 



こちらで仲良くしていると、後ろで吠えまくる子がいて・・!
手前の家にレオとshinkaiと三角関係だったオットーがいたのだけどなぁ・・。

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高速を渡る陸橋の手前で右折し、谷の道を辿ります。
日陰はまっ白に霜が降りたままで、
道横の低地には長雨でかなりの水溜まりができていて、

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それでも陽射しに溶けかけた霜の中から、春の小花も、ね。

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また少し東への道を辿り、半分廃屋の大きな農家の横。
大きな素晴らしい井戸と、納屋の張り出しが光と陰で面白く、狙いつつ、
あれ、猫ちゃんがいる・・!

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少し戻り、チャ~オと声をかけつつ。 お家の半分には人が住んでいるのかも・・。

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ここの葡萄畑の畝の眺めが大好きで、

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手前の平地の畑。

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横に見える高速はここで大きくカーヴを切り、南、ヴェネツィア方面に。

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お家が並ぶ所には、庭木のボケもほころびかけ、

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日当たりの良い庭のレンギョウはすでに満開。

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水仙の咲いているお家もあり、春もすぐそこ、という嬉しさが来ますね。

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後ろから自転車のグループが大声で喋りながら追い越し、谷の道をオリアーノに。
そう、春を待ち兼ねてトレーニングが始まっています。

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いつものオリアーノ村の鐘楼と教会。 ええ、ここの鐘楼も少し斜塔なのです。

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坂道脇のお家のワンちゃんは吠えもせず、何か不思議そうにこちらを眺め・・!

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ここの黒ちゃんも日向ぼっこで庭にお出まし。

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そしてこの子は、大喜びで塀の向こうで飛び上がり、そんなに喜んで貰えると、
手が臭くなるんだけどなぁ、とは思いつつも、おうおう、良い子だねぇ!と
あちこちをさすりつつ、チャオ、チャオ、またね、とこちらは塀のこちらを進みますが、

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彼は何度も向こう側で飛び上がり、またまたおさすり。
で、3度目の時には口に青いボールを咥えていて、遊ぼうって! ははは。



何軒か先の家の茶のチビ君も飛び上がり・・! 点になった目が見えます?!

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ビゼンティンの山を背景に、我がコンドミーニオが見える所まで引き返し、

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ええと、奥の階段状の棟の、右から2段目の1階に我が家です。



で、ここから左に緩やかな起伏の葡萄畑に入り込みます。
中を通る道の、こちらが左手の畑。

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道と言っても、草原を勝手に通るのですが、野草の花畑みたいになっている
この草原が楽しみなのですね。
これは、野カンゾウですっけ? まだ蕾がほころびかけた所。

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デイジーの小さな蕾も開きかけで、

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花を探して地面を見つめていると、どこかからちらっと紫っぽい色が目に届くものの、
大イヌフグリはまだまだ蕾のままで、やっと見つけた、これが一番に開いた姿。

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午後のお天気の中では、グンと開くのかも、ですが。



トウダイ草も少し育った形。

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数年前からの右手の葡萄畑では、ちょうど剪定が始まっていて、

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こちらの畑の人とは2年前に一度話した事があるのですね。
・・林の奥でうろついている私に、何を探しているのか、というので、
クリスマス・ローズの写真を見せて説明した事があったのですが、

ちょうど良い!と思い、働いている姿を撮らして貰って宜しいか、と。
余分な枝を切り、こんな風にたわめ、

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支え柱に渡した針金に取り付けた輪の中に差し込み、止めます。

ついでにちょっとお喋りをしたのですが、その内容をブログに書くのに
頭の中で整理しつつ、疑問点をサイトで探し、アンナリーザにも訊ね・・。
その過程の中から、とても興味深い事が分かったので皆さんにも。

このシニョーレ、ジャンピエトロ氏と言われましたが、私がここの畑もプロセッコか、
と聞きましたら、プロセッコだけど普通のとは違い、ディオーチェジなんだと。

ディオーチェジ・diocesi、つまりカトリック司教区とか教区という意味なので、
変わった名前と思いつつ、普通のとは違う、と言うので、
プロセッコの中の品種かと思ったのですね。 でまぁ、サイトで調べようと・・!

ジャンピエトロ氏は、これは自分の仕事ではなく趣味なんだと言い、外で、
お天気の良い日に働くのが好きだし、本当はメカ―ニコ・車の整備というので、
まぁ、家の葡萄畑をしつつのメカ―ニコかと思い、良いご趣味で、と、ははは。

ディオーチェジというのは高い品種かと思い訊ねると、
この畑で、かなり広いのですよ、8万から10万エウロと思う、と。
う~ん、今の相場でまぁ1千万円位ですかね。勿論葡萄の木だけの話で。



で上の写真にある様に、枝を交差して留めているのですが、彼の言うには、
昨年は交差させず半円形で留めたのだけど、
今年はこうして長めにして交差させているんだ、と。

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そんなこんなのお喋りをして別れたのですが、サイトを探しても、プロセッコの
ディオーチェジなんてぇのは見つからず、ははは、それよりももっと興味深い事がね。
       
つまりです、北隣のヴィットーリオ・ヴェネトの町はかって2つの町で、
南のチェーネダ・Cenedaと、北のセッラヴァッレ・Serravalleが1899年に
合併してできた町なのですね。

南のチェーネダは、それ以前は司教領主の下にあり、
最後の司教領主はロレンツォ・ダ・ポンテ・Lorenzo da Ponte.

そうです、かのモーツァルトの3大の、オペラ、ドン・ジョヴァンニ、フィガロの結婚、
コシ・ファン・トゥッテの台本作者が同じ名前ですが、
彼はこの司教のもとで改宗したユダヤ人一家の長男のエマヌエーレ・コネリアーノ・
Emanuele Coneglianoが司教の名と姓を貰い受けた、という由来です。

で、チェーネダの教区には僧侶を育てる神学校がありますが、その経費を
捻出援助する為に、農企業チェネターエ・l'azienda agricola Cenetae
を1985年に設立。

活用する土地は司教区の持ち土地で! 現在葡萄畑が80ヘクタールで、
トレヴィーゾからヴェネツィア県にまで広がるのだそう。

ここヴァルドッビアーデネからコネリアーノのプロセッコの土地で生まれるDOCGが、
マーゾ・ディ・ロンケ・Maso di Roncheという名、20万本!だそう。
サイトはこちらに。 http://www.cenetae.it/
       
長い説明になりましたが、お分かり頂けたでしょうか?
働いておられたあのジャンピエトロ氏は、やはり本職のメカ―ニコで、
ここの畑はヴィットーリオ・ヴェーネト教区の持ち物で、収益は神学校の経費の
賄いに回され、彼は多分パートで働いているのか、または奉仕なのですね。

でなぜこのスコミーゴ村の畑が、と言いますと、ついでに調べた村の歴史で、
村の教会がダ・ポンテ司教の時代にチェーネダの教区に組み込まれた事も分かり、
その後はまたオリアーノ村の下なのですが、
多分当時から、いやもっとず~~っと以前から、チェーネダの司教領地として
残っている部分なのでしょう。

改めて、カトリック教会の持つ力の大きさと強さ、してその浸透力の凄さに直面、
という感じですが、
       
いやぁ、こんな事が芋づる式にひっかかって来て、ははは、
本当に驚きましたし、愉快でしたぁ!

グラッパ酒の蒸留所見学 ・ アンドレーア・ダ・ポンテ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/467230336.html
ロレンツォ・ダ・ポンテについては、上の記事からリンクしています。

ヴィットリオ・ヴェネト ・ 町と四季と
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463847585.html



ではまた!とジャンピエトロ氏に挨拶し、林の方にクリスマス・ローズを探しに。

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こちらは3日前かに見つけていたもので、開ききり、

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まだ蕾が膨らみかけたばかりの、若い茎。 これは葉が茶色の種。

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なにせ丈が低いうえに、花も下向きが多いので、写すのに、しゃがみ込んでも
難しいのもあり・・!  これは花弁が厚めの種。

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まだまだ花が咲いているのが少なく、おまけに小さめ。 かと思うと虫喰いだらけに
なったのもあり、 ・・それに陽射しが強すぎ、気をつけても色が飛び加減。

花の写真は難しい・・! 他のは楽だというのかや?!



手前の林は以前はもっと広かったのですが、葡萄畑が進出するのにつれ、
どんどん刈り取られ、上でご覧の様にほんの一列位になってしまっていますが、

その向こう脇には湧水が流れ、奥の空き地に繋がります。

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以前は大き目の石が渡り道用に置いてあったのですが、いつの間にか除かれ・・、
向こうの空地にもかなりのクリスマス・ローズがあったのですが、
さて、どうやって探しに行きましょうか?  



湧水は本当に透明で、音を立てて流れる程の水量。 

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という様子で葡萄畑の傾斜地を後にしますが、
も一つあれこれ調べて分かった「プロセッコ」についても聞いてやって下さいませませ。

アンナリーザとサイトを調べながら話していて、彼女が「グレーラ・glera」という
言葉を使いました。 プロセッコではあるけど、彼女の住む町はコネリアーノから
30分程南で、プロセッコの土地範囲ではないので、「グレーラ」と夫が言う、と。

今迄ずっとそう聞き思い込んでも来た事ですが、そんなこんなで話し、調べた結果、
2009年より「プロセッコ」なる白の辛口発泡性ワインと、葡萄の木を混同しないよう、
白ワイン「プロセッコ」を構成する主たる葡萄の木を、同義語として「グレーラ」と呼び、
少なくとも85%から100%を占める事、と決まったのだそう。

そうですよね、同じプロセッコでもメーカーによって呼び名が違いますし、味もね。
という様な、新しい定義も学んだという訳です。
      


家への道を辿りつつ、金網越しのこのワンちゃん。

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既に何年越しか、古い家が改修されつつあるのですが、そこの管理犬さんで、
大体いつも普段は1人でお留守番。



そのお隣の廃屋の庭に、あ、猫ちゃんがいる、と見て止まると、
向こうもこちらを見て座り直し・・、

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お、行けるか、と思い近寄る途端さっとダッシュして、この扉の穴に潜り込み・・!

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塀の向こうから伸び上がり吠えるワン君。 なんやねんな、またお前かぁ?!と
カメラを向けると、途端に黙りこみ、引っ込んで隙間からね、ははは。

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前にも一度、黙り込んだ所を撮ったの、覚えているかぃ?!
shinkaiの魅力には勝てんのだぜぇ!! てな調子で威張り、犬にはね、ははは、
家に戻ります。


       
見上げる青空に、飛行機雲。

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*****      
 
春の様な陽射しに誘われ、一巡りした我が村の様子でしたが、
暖かい日が来るのには、まだもう少しかかりそう。

ですが、雨降りになる、いや雪かも、と脅されたこの水曜29日の、グループでの
ヴェローナ行きは快晴に恵まれ、ヴィチェツァ西のヴィッラも、
ヴェローナの「モネ展」も、サン・ゼーノ教会もしっかり見て、愉しんで戻りました。

ティエポロの大フレスコ画の見事さ、モネ展での、モネの水や光の色の鮮烈さ、
ターナーの単純な深さ、・・素晴らしい物との出会いには、こちらも鼓舞されますが、

ヴェローナの素敵さのご案内を殆どしておりませんね。
頑張って纏める事に致しましょう!

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