・ n.4 セヴィリアから、サンティアーゴ・デ・コンポステーラに 

南スペインはセヴィリアから一路北上、スペインの最北西に位置する
一大巡礼地サンティアーゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼道、
ヴィア・デ・ラ・プラータの行程を、
友人ジャコモの写真を拝借してご覧頂いてますが、

今回がいよいよ最後、35日目にして聖地に辿り着きます。
まずは先回見て頂いたサラマンカから続く山道の、
寒村の宿の様子からどうぞ。

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大きな街のきちんと整備された宿は少なく、写真の様に、
殆どは外から眺めただけでは普通の民家と変わらない宿の様子。



内部もこんな様子。 どこかの家に似てごたごたしていて、ははは、
古そうな質素なテーブルに、家庭的な赤白チェックのテーブルかけ、
そして、冷蔵庫が輝きます!

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それにしても、石段のすり減っているのに驚き。

要塞とか鐘楼ではすり減った石段を見かけますが、
普通の家の中に石段、そしてこんなにすり減っている!



これはバールでしょうが、巡礼の印のホタテの貝殻に名前を書くと、
店内に吊るしてくれるのだそう。
古い貝、新しい貝、そしてこの夥しい数!

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曇り空の下、通り抜ける道脇に見えるこれ、穀物倉だそう。

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ほら、日本でもネズミ返しと言いましたっけ、進入を防ぐ知恵、
あれがやはり、ここにも見えます。
ジャコモの写真には、これ1つだけでなく何枚も。



そしてまたの山道。 細く細く続く道の先に平地が見え。

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またもや美しい中世の橋を渡り、大きな街に到着。

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この写真は多分、街の外れと思いますが、
ここはオレンセ・Orense、またはオウレンセの街。

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巡礼道の地図をどうぞ。 オウレンセの街は、通常35日間の
巡礼日程で29日目。 はい、あともう少し! の位置。

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上で見て頂いた美しい橋はミーニョ河・Miñoに架かり、
人口11万人程のこの街は、この辺りの交通要所。

周辺一帯は大変肥沃な地で、近代的農業、豚の飼育も盛んで、
温泉地としても有名なのだそう。
オウレンセという街の名も、町が造られたローマ期のアウリエンセ・
Auriense・金の町から来ているそうで、
ミーニョ河の砂金に由来するのだそう!



美しい塔と鐘楼が見えますが、これは11~12世紀の物で、
17世紀前半までこの街は司教の支配下にあったのだそう。

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旧市街の狭い小路の先に、美しい塔が見え、

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この一帯で一番美しい聖堂の1つ、というオウレンセの聖堂正面。

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聖堂内にある天国の門。 ここのは色鮮やかな彩色ですが、
巡礼達の目指すコンポステーラの聖堂にもやはり、天国の門があり。

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外からの眺めで大きな美しい塔と思ったのが、実は内陣部分で、
明かり取りを兼ねた2連の窓が2層になり、アーチの重なりで
丸天井になっていて、外側のレース飾りは美的見地からですね。

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マイヨール広場。 お天気で良かった!

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さて、オウレンセの街を出発、再びの巡礼道を辿ります。
ロバ君の向こうに、無言の矢印、背後の緑の並み板にも矢印。
道が付きあたりの曲がり角かも。

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再びの山道ですが、舗装され、少し幅広く。
漸くに花咲き始める早春。

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通りかかりの村はずれ、共同洗濯場でのお洗濯。
そう、まだ現役の洗濯場があるのですねぇ。
      
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他所者達が村を通り過ぎるのに慣れたワンちゃんは、
朝の陽射しの中でカメラに収まるにも、座ったまま。

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遂にやって来ました! サンティアーゴまで、あと20キロ!!

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で、ジャコモ達は巡礼行最後の夜をここで泊まったそう。
宿の写真を見るとまだ明るい内で、きっと、明日最後の20kを、
という事だったのでしょうね。
大きな施設で、きっと国営の宿泊所ですね。

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最後の1日。 
聖ヤコブ・サンティアーゴが祝福を与える像の見える泉もあり、

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遂に遂に、大聖堂の尖塔が家並の向こうに!!

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到着! 聖堂前広場で、へたりこむ2人。

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ここでは笑顔が見えますが、アーチの柱に寄りかかる写真の
ジャコモの顔は、憔悴しきった表情で。
きっと知らず知らずの内に、急ぎ足になっていたのかも。
     
   

一息ついて、内部参拝に。

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こんな風に記念撮影もして。
ええ我々も、この石段の所で写真を撮りましたっけ。 

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聖堂前広場北側のかっての巡礼宿兼病院、現在は高級ホテル。

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広場で出会ったらしい、こんな子犬連れの巡礼者。
チビちゃんはカンガルーの赤ちゃんみたいに、
首から下げた袋に入れて貰い、まぶしそうな目で外の世界を。

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さて街を一回り、旧市街のどこか懐かしい町並みも愉しみ、

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こんな若者達のバンドの行進も。
先頭の太鼓とシンバルの若者は、お腹で車を押していて、はは。

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夕陽の陰が長く延びる聖堂前広場。

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写真が無く残念ですが、夜は照明されてとても綺麗だったよ、と。

ついに35日間の巡礼行を終え、疲れ果てながらも、
心軽く迎えるコンポステーラの夕暮れ。

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ジャコモ、ご苦労様でした! そして、写真有難う!!
お陰さまで、数枚の写真では分からない巡礼行の凄さを
多少なりとも窺い知る事が出来ました。

サンティアーゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道(フランスから)が
1993年にユネスコの人類遺産に指定されて以来、
それまでは年間2千人程の巡礼者数だったのがどんどんと増え、
1999年以降は2万人を越え、2004年には4万人以上、
そして2010年には8万4千人を超える程に!

歩くだけでなく、自転車でバイクで、という若者達もおり、
聞いた所では、宿が荷物を運んでくれる所もあるとか!
ちょっとしたスポーツ感覚で挑戦する人達も多いと思いますが、

それでもやはり1カ月間を歩き通す、多人数のグループでは無く、
小さなグループ、または単独で、
そんな人達がやり遂げる事に、大きな意義がある様に思います。
       
きっと、机の前に座っていては分からない何か、
自分の脚を使って歩く事が、何かに繋がるのでしょうね。

皆さま、4回もの長い間お付き合い下さり、有難うございました!
楽しんで下さった様に願います。

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