昨年初夏ポルトガル旅行の初っ端に訪れ、幾らかでも雰囲気なりとも
味わえた、中世からのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼行と、
巡礼達の目指したサンティアゴの街と大聖堂。
巡礼達の目指したサンティアゴの街と大聖堂。

スペイン北西部からポルトガルへ、一路南下する日の午前中に
再度訪れた大聖堂内部の様子後半と、
お昼のミサの最後に行われた圧巻ボータフメイロ。
今日はそれらをご覧下さいね。
再度訪れた大聖堂内部の様子後半と、
お昼のミサの最後に行われた圧巻ボータフメイロ。
今日はそれらをご覧下さいね。
上は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂正面の、
高さ70mにも及ぶという荘厳な塔。
高さ70mにも及ぶという荘厳な塔。
街の地図のある、旧市街と大聖堂の外からの眺めは
n.1 サンティアゴの街 ・ 中心広場の周辺を
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/474114344.html
n.1 サンティアゴの街 ・ 中心広場の周辺を
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/474114344.html
大聖堂内部の見学で、ここは回廊部、
中央に大きな泉水盤がありましたが、天水利用かな?


というのも、上がってまた降りての見学で、写真と平面図を睨みつつ、
例に寄り、薄らぎ混乱した記憶を辿りながら、自分の見てきた物が
何かを確かめていますが、平面図では見えない事は、
確かにここは土地の高低を利用した2階部分でした。
例に寄り、薄らぎ混乱した記憶を辿りながら、自分の見てきた物が
何かを確かめていますが、平面図では見えない事は、
確かにここは土地の高低を利用した2階部分でした。
スペイン2日目、そしてポルトガル初日でもあるこの日は、
生憎の曇り空が遂に小雨となり、南下してポルトガルに入る頃は
かなりの雨となりましたが、
この広い階上の回廊部分、雨模様のせいだけではない
少し厳しく厳めしい回廊の雰囲気。
生憎の曇り空が遂に小雨となり、南下してポルトガルに入る頃は
かなりの雨となりましたが、
この広い階上の回廊部分、雨模様のせいだけではない
少し厳しく厳めしい回廊の雰囲気。
イタリアの修道院でいつも見る、花の咲き乱れる回廊、
緑滴る様子とはかなり違いました。
緑滴る様子とはかなり違いました。
なので、この回廊中央の由緒ありげな泉水盤も、
2階ですし、単純に天水を受けていたのかも。
2階ですし、単純に天水を受けていたのかも。
回廊の外側テラス部分から見る街の家並と通り。



正面のオブラドイロ広場側に回って来て、

見下ろす広場と、周囲を囲む市庁舎と元巡礼用病院の現ホテル、
そして聖堂入り口の階段部分。
そして聖堂入り口の階段部分。

聖堂正面の階段前に、こんな服装の男性2人。
聖堂所縁の何か係の人、の様子でしたが、さて。
聖堂所縁の何か係の人、の様子でしたが、さて。

聖堂の中には博物館もありあれこれ見物しましたが、撮影禁止。
こちらは管理の方の見張り付きで厳しく、到底無理。
で、こうして聖堂内見物の後一旦解散となり、
12時半頃にはボータフメイロがあるので戻る様にと。
大香炉が頭上で振られるボータフメイロ・Botafumeiroは、
お昼のミサの最後に行われるというのですが、毎日ではなく
どうやら特別な日以外は、お布施を払って申し込む様で、
この朝ガイドから「今日は行われます」と知らされておりました。
近くのバールで一服の後12時過ぎに聖堂に戻ると、
聖堂内はもう満員の人々。 運良く同じグループの男性の1人が
いるのを見つけた、一段高い洗礼盤の横隅が空いていて、
日本人用に取って置いたと! ははは。
という訳で、こんなに明るく照明された中央が見えたという訳。

各国からの巡礼達が、ミサに参加して聖書の一部を朗読、
その後に、各国出身の司祭たちがまた違う言語で朗読、
とミサが続きます。
吊るされているのが大香炉、青銅に銀メッキ 高さ約1.6m
重さ70Kgというのですが、これに炭や香、約13kgが加えられ、
炭10k、香3kだそう、つまり83kgの重さの香炉が、
聖堂内の巡礼達の頭上で振られる訳ですね。
重さ70Kgというのですが、これに炭や香、約13kgが加えられ、
炭10k、香3kだそう、つまり83kgの重さの香炉が、
聖堂内の巡礼達の頭上で振られる訳ですね。
先回、この香炉が世界で一番大きい、と書きましたが、
2003年からイタリアはカンパーニャ州カーヴァ・デ・ティッレーニ・
Cava de' Tirreniの街のフランチェスコ派の聖所教会の香炉が
世界一の大きさとなったそうで、
教会関係でもこういう競争をするのか、と少し味気ない想い。
2003年からイタリアはカンパーニャ州カーヴァ・デ・ティッレーニ・
Cava de' Tirreniの街のフランチェスコ派の聖所教会の香炉が
世界一の大きさとなったそうで、
教会関係でもこういう競争をするのか、と少し味気ない想い。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が始まった遠い遥かから、
香炉の存在はあった訳ですが、巡礼達の頭上で振られる大香炉、
ボータフメイロの確かな記録は、
16世紀のフランス王ルイ11世の贈り物として登場。
ですが、これはどうやら銀の大鍋の形、だったようで、
現在の物は1851年に鋳造されたと。
香炉の存在はあった訳ですが、巡礼達の頭上で振られる大香炉、
ボータフメイロの確かな記録は、
16世紀のフランス王ルイ11世の贈り物として登場。
ですが、これはどうやら銀の大鍋の形、だったようで、
現在の物は1851年に鋳造されたと。
先回見て頂いた様に、天井にある滑車を使って振られる仕掛けですが、
この大きさ、重さ、長い歴史の中では何度か外れて落下した事もあり!
大きな事故は1499年、そして未来のアラゴン国妃カテリーナが
王女の時に臨席していた1622年に起きたそう。
この大きさ、重さ、長い歴史の中では何度か外れて落下した事もあり!
大きな事故は1499年、そして未来のアラゴン国妃カテリーナが
王女の時に臨席していた1622年に起きたそう。
こうしてミサの終わりを待っていた訳ですが、これが長びいた!
12時半頃、というのが1時位までミサが続き・・、
12時半頃、というのが1時位までミサが続き・・、
写真は、とんぼの本「スペイン巡礼の道」から拝借で、
大香炉が右の何人もの男性によってロープが引かれ振られる様子。
さすが重さ大きさもあり、7人程の男性がロープを曳いていますね。
大香炉が右の何人もの男性によってロープが引かれ振られる様子。
さすが重さ大きさもあり、7人程の男性がロープを曳いていますね。

所で、この大香炉の振り方について、
ophthalmosさんから疑問のコメントを頂き、
ついでに良く分かる図解のサイトまで探して教えて下さいました。
こちらです。
http://www.sciences.univ-nantes.fr/sites/genevieve_tulloue/Meca/Oscillateurs/botafumeiro.html
フランス語のサイトですが、図解ですので一目瞭然!
ophthalmosさんから疑問のコメントを頂き、
ついでに良く分かる図解のサイトまで探して教えて下さいました。
こちらです。
http://www.sciences.univ-nantes.fr/sites/genevieve_tulloue/Meca/Oscillateurs/botafumeiro.html
フランス語のサイトですが、図解ですので一目瞭然!
ophthalmosさん、感謝です! さすが!!
「ですが、この図では地上の輪になっているのですが、
聖堂内にはこの輪はありませんので、つまりロープを曳く8人の男性が、
輪の代わりに回っているのだ、と知りました。
聖堂内にはこの輪はありませんので、つまりロープを曳く8人の男性が、
輪の代わりに回っているのだ、と知りました。
また、イタリア語のサイトでは、10人がかりで独特な操作をする、
とも書いてあり、ガイドブックの写真には、
香炉の上のロープの間に長めの棒が射しこまれているのもあるので、
最初に、香炉自体の操作もあるのかも、というのは、可能でしょうか?」
と追記した所で、再度ophthalmosさんからコメントを頂き、
「・・直線的に引っ張ったり緩めたりでも同じです。
要は、滑車から香炉までの振り子の長さが、
振り子の振動に合わせて伸縮すればよいのです。」との事。
という事は、やはり天井の滑車に既に巻きついているのが見えた
余分のロープが、滑車が回る事によって働いている、という事ですね?
飲み込みの悪い鈍い生徒で申し訳ないです! きゃはは。
とも書いてあり、ガイドブックの写真には、
香炉の上のロープの間に長めの棒が射しこまれているのもあるので、
最初に、香炉自体の操作もあるのかも、というのは、可能でしょうか?」
と追記した所で、再度ophthalmosさんからコメントを頂き、
「・・直線的に引っ張ったり緩めたりでも同じです。
要は、滑車から香炉までの振り子の長さが、
振り子の振動に合わせて伸縮すればよいのです。」との事。
という事は、やはり天井の滑車に既に巻きついているのが見えた
余分のロープが、滑車が回る事によって働いている、という事ですね?
飲み込みの悪い鈍い生徒で申し訳ないです! きゃはは。
私の位置からは人混みでまるで見えなかったのですが、
そうなのか!と知る事ができ、疑問を持って書いてくださった事にも、
ophthalmosさん、感謝です!
そうなのか!と知る事ができ、疑問を持って書いてくださった事にも、
ophthalmosさん、感謝です!
さて漸くに(失礼!)ミサが終わり、するすると大香炉が降ろされ、
司祭たちが取り囲んでいる様子が見え、

もうもうと煙が立ち上り、この時は、聖堂内から期せずして、
おお!という声が上がり、
おお!という声が上がり、

ほらね、如何に写真禁止か、良くお分かりでしょう?! ははは。
するすると上がる香炉。 おお! おお!

じわっと振られ始め、

いやぁ、私は一段高い所におれて、本当に幸いでした!
ミサの終わる頃には、もう動きが取れないほどの大満員。
そしてもひとつ幸運な事に翼廊側にいたので、
香炉が翼廊の右、左と往き来するのが良く見れたのでした。
仲間の1人が、以前身廊から見たのだけど、
通りすぎの一瞬だけしか見えなかった、と。
香炉が往ったり来たりしながら徐々に高く上がり、
ふわっと、古典的な香りが届きます。
巡礼達の疲れきって辿り着いた体にも心にも、
届いたであろう、古くからの香り。

ふわっと、古典的な香りが届きます。
巡礼達の疲れきって辿り着いた体にも心にも、
届いたであろう、古くからの香り。



どんどん振りが大きくなり、香炉はグンと強く高く上がり、



これが最高に高い位置に上がった時の香炉。
殆ど天井に届かんばかり、22m位まで上がるそう!
殆ど天井に届かんばかり、22m位まで上がるそう!

香の煙が薄くなりつつ、徐々に下がり、



数えてせんでしたが、全部で10回程も振られたでしょうか?
着地。

心地良さに浸る間もなく、せかされて大急ぎで駐車場に!
こうして我々はスペインを後にポルトガルに向かった訳ですが、
こうして我々はスペインを後にポルトガルに向かった訳ですが、

こちらはガイドブックからで、
往時の巡礼達は、サンティアゴ大聖堂への巡礼を済ませた後、
国に戻る前に、街から更に西に進み海辺に。
国に戻る前に、街から更に西に進み海辺に。

未だ新大陸が発見されぬ中世に於いて、大西洋に向かう
この浜辺が、この世の果てだったのですね。
土地の名も、まさにFinisterre・地の終わり。
ここで着て来た衣類、靴なども全て燃やし、新しい衣類を身につけ、
生まれ変わった心と体で国に戻って行ったのだそう。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道の道脇には、
巡礼達が書いたという数々の詩があるそうですが、
Nájeraの司祭 Eugeno Garibay Boñosが書いたという韻詩を。
巡礼達が書いたという数々の詩があるそうですが、
Nájeraの司祭 Eugeno Garibay Boñosが書いたという韻詩を。
土埃、泥、太陽、そして雨が
サンティアゴへの道。
何千人もの巡礼達が
千年以上に渡って続く。
サンティアゴへの道。
何千人もの巡礼達が
千年以上に渡って続く。
巡礼よ、誰がお前を呼ぶのか?
隠されたどんな力がお前を引き寄せるのか?
星降る野・サンティアゴの街でも、大聖堂でもない。
ナヴァッラ・Navarraの勇気でも、
Riojaのワインでも、
Galiziaの魚介でも、
Castigliaの原でもない。
隠されたどんな力がお前を引き寄せるのか?
星降る野・サンティアゴの街でも、大聖堂でもない。
ナヴァッラ・Navarraの勇気でも、
Riojaのワインでも、
Galiziaの魚介でも、
Castigliaの原でもない。
巡礼よ、誰がお前を呼ぶのか?
隠されたどんな力がお前を引き寄せるのか?
巡礼道の人々でもなく、
田舎の伝統のお祭りでもない。
歴史と文化でもなく、
Calzadaの鶏でも、
Gaudiの邸宅でも、
Ponferradaの城でもない。
隠されたどんな力がお前を引き寄せるのか?
巡礼道の人々でもなく、
田舎の伝統のお祭りでもない。
歴史と文化でもなく、
Calzadaの鶏でも、
Gaudiの邸宅でも、
Ponferradaの城でもない。
私(巡礼)が通り過ぎながら見る物は美しい。
が、私を呼ぶ声はもっと深くから。
私を押し、引き寄せる力、
それは自分でも説明できない力。
唯一、彼、空の彼のみが知っている。
が、私を呼ぶ声はもっと深くから。
私を押し、引き寄せる力、
それは自分でも説明できない力。
唯一、彼、空の彼のみが知っている。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/474113993.html
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/474113993.html
毎年7月25日がサンティアゴの祭日で、
その日は広場に各国からの信者も集い、大きなお祭りがある様子。

そして夜には、こんな花火大会も。 このお祭りに居合わせた
巡礼達は、辿り着いた達成感に心が弾けたでしょうね。
長々とサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道、
旧市街、大聖堂の様子とご案内して来ましたが、
お楽しみいただけました様に!
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