・ n.1 サンティアゴの街 ・ 中心広場の周辺を

昨年初夏のポルトガル旅行の始まりに訪れる事が出来た
中世からの一大巡礼の街サンティアゴ・デ・コンポステーラ・
Santiago de Compostelaのご案内2回目を。

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今日は街の中心広場オブラドイロ・Praza do Obradoiroと
この広場に面するサンティアゴ大聖堂、そして現在は国営ホテルの
パラドールになっている元のオスペダーレ、
現在自治体政庁のラジョイ宮などの外からの眺めを中心にご覧を。

大聖堂の中は最終回にという事で、巡礼の道よりも一足早く
1985年に世界遺産指定を受けた旧市街の様子をほんのちょっぴり。

ちょっぴりとはいえ、やはり感じをしっかり見て頂こうと思うと
下手な説明よりもと写真が多くなり、百聞は一見に如かずで、
2回に分ける事にしまして、今日はn.1をどうぞ!

上の写真は先回にも見て頂きましたが、
サンティアゴ巡礼のシンボル、帆立て貝と瓢箪と杖。



こちらは先回飛ばした参道入り口部にあるサン・フランチェスコ修道院。
現在は聖地博物館になっているという巨大な建物の正面。

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建物の横にあった、聖フランチェスコの生涯を描いた十字の円柱。

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大概どこの街に行ってもフランチェスコ派の修道院があり、
それにいつもへぇ!と驚くのですが、ここにも。

聖フランチェスコ自身、この地に巡礼されたのみならず、
遥かジェルサレムまでも行かれたとかで、
その宗教的情熱というか熱狂的信仰心に感嘆しますが、

・・いや、そういう意味ではどの宗派でも同じですかね。
遥か極東の日本に迄もザビエルは来られたのですものね。



ガイドブックからの街の地図をどうぞ。
番号が見難いので、ご案内に必要な場所だけ打ち直しました。

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上のサン・フランチェスコ修道院が、地図上部の48で、
そこからRUA DE SAN FRANCISCO・サン・フランチェスコ通りを行くと、
大きな中心広場オブラドイロ・Praza do Obradoiro
1. サンティアゴ大聖堂・Catedral
3. 現在はパラドールで、元は巡礼の為の救護所
5. 現在自治体政庁のラジョイ宮・Palacio de Rajoy
6. コレージョ・デ・サン・ジェロニモ・Colegio de San Jerónimo
  現在はサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学学長オフィス
8. コレージョ・デ・フォンセーカ・Colegio de Fonseca
  現在は大学図書館
9. サン・マルティン・ピナーリオ修道院・Monasero de
  San Martin Pinario
11.サン・ミゲール教会・Iglesia de San Miguel
20.サン・パヨ修道院・Monasterio de San Payo

興味深いマリア像が2つある、小さなサンタ・マリーア・サロメ教会前の
ロッジャを写していて、次回ご覧頂こうと思っているのですが、
ガイドブックには説明があるものの、場所が曖昧。
次までに分かると良いのですが・・。



サン・フランチェスコ修道院前から聖堂に向かいますが、
この通りにちょっと面白い歩道がありまして、こんな感じ。

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店の並ぶ前だけ高く、所々に石段があり、道の広い部分は低く。
理由をあれこれ考え、う~ん、良く分かりませんが、 ひょっとして、
広い方を宗教行事の大行列が通り、参加者以外は
脇に寄って見るとか?
とにかく巡礼者の数も半端でなかった様なので。



この通りの並びに、土地の名物菓子店があり、試食をさせてくれ、
Feuchos、という名ですが、どう発音するのかな、
アーモンド粉に蜂蜜などを使った甘いお菓子の様で、
買うつもりが無いのに試食するのは、ちょっとねぇ。

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オブラドイロ広場に出て仰ぎ見るサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂。
余りにも高く、大きく、到底1枚には入りきらず!

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正面上部、

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その真ん中の塔、

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そしてそのまた真ん中の、聖ヤコブ・サンティアゴ像。

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はるばると遠い厳しい道を歩きとおし、漸くこの広場に到着、
仰ぎ見る感涙でいっぱいの中世の巡礼達の目には、
天国の門にも等しく映った事でしょう!

スペイン北西部のこの辺りは、大西洋からの海風と半島内部の
高山地帯の気候とがせめぎ合い、大変雨が多い地帯だそうで、
これにはポルトガル北部も含まれ、

聖堂の石にもたくさんの苔が生えているのが見えますが、
白く見える斑が苔で、一方茶色のは黴なのだとか。
聖堂の一部には修復の覆いが掛かっていましたが、
これだけの物を順次修復保存して行くのは、さぞや!



聖堂正面真ん中、入り口に上がる階段部分と、

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階段上の扉部分。

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ちょうど昨年6月に行く前、スペイン各地で政府に抗議する若者たちが、
各地でピケを張る行動に出ていましたが、この広いオブラドイロ広場の
真ん中にも、たくさんの色とりどりのテントが張られていました。
       


聖堂の左横には13世紀の古いPalacio de Gelmires・
ジェルミレス宮殿が並び、厳めしい壁がありますが、
その前を観光汽車が出発。

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こうしてご覧になると、壁の高さが良くお分かりと。



聖堂の向かい正面にある5.現自治体政庁のラジョイ宮、

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建物真ん中上には、剣を振りかざすサンティアゴ像。
下の三角タンパン部分も、戦うサンティアゴの場面でしょう。

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で、その剣が、ほらこんな波を打つ恐ろしい刀で、
馬の足元には助けを乞うイスラム教徒達(アラブ人)。

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サンティアゴ・聖ヤコブは、キリストの12使徒の1人で、
ジェルサレムで44年頃に斬首されて殉教します。が、
      
彼の遺骸が遥か後9世紀初頭となって、不思議な光に導かれて
やってきた宗教隠者によってこの地で発見。
船で流れ着いたとか、羊飼いが発見したとか、あれこれの説が
語り継がれ、墓の上に礼拝所が造られ、こうして巡礼が訪れるように。

聖堂建設は1075年に始まりますが、人民暴動による中断もあり、
聖別式が行われたのは1211年との事。

時あたかもスペインは、イベリア半島を制圧していたアラブ人・
イスラム教徒から自分達の土地を取り戻すため、
キリスト教側はレコンキスタ戦争のさなかにあり、
8世紀前半から始まったイベリア半島再征服活動は、なんと1492年
まで続きましたが、キリスト教徒の守護神となったサンティアゴが
陣を導き、多くの異教徒達を切り倒す伝説も生まれ、

サンティアゴ・マタモーロス・イスラム人殺しのサンティアゴ・
Santiago Matamorosという勇ましい像がこれ。

レコンキスタと言うと、チャールトン・ヘストンとソフィア・ローレンの
映画「エル・シド」なんぞがつい頭に浮かびますが、
彼も11世紀の人物だったのですねぇ。
あのチャールトン・ヘストンは、切なくてカッコ良かったなぁ。



オブラドイロ広場の北側を占めるのが、こちら正面
3.現在は国営ホテル・パラドールで、元は巡礼の為の救護所の
Hostal de Los Reyes Católicos.

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重厚な、由緒正しさを偲ばせる正面入り口。

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15世紀末から16世紀初頭にかけての建設装飾だそうで、
建物内部にはゴシック様式の教会もあると。



広場の南面の一部を占める、6.コレージョ・デ・サン・ジェロニモ・
Colegio de San Jerónimo。 
建物全体の写真が無く、入り口部分のみを。

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現在はサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学学長オフィスとの事ですが、
地図をご覧になるとお分かりの様に、この棟に3つの学校名が並び、
8.はコレージョ・デ・フォンセーカ・Colegio de Fonseca、
現在は大学図書館。 中庭に入り説明は聞きましたが、
修道院の回廊に似た中庭を見ただけで・・。 



これはオブラドイロ広場の中央にあった帆立て貝の碑。
これを踏むとまた戻って来れる、というので、
しっかり足踏みをして参りましたが、ははは、さて! 

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薄曇りの日でしたが、時に薄日も射す中を旧市街の通りを。

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ポルティチのアーチにも、彫り込まれた帆立て貝。

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如何にも由緒ありげな古い建物で、白い窓がレトロな印象で。

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通りの奥には、大概いつも大聖堂が望め、
フィレンツェのドゥオーモみたいな感じなのですね。

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坂道の奥に立ちはだかる壁、ご記憶を! 

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ね、白い窓枠が多いでしょう?! 

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張り出した狭いテラスというか、出窓式というか、
このサンティアゴの街でたくさん見かけた形。

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新市街で見かけた新しい建物の窓にも多く見たので、
気候風土的にこの窓がもたらす恩恵がきっとあるのでしょう。

サンティアゴ・デ・コンポステーラは、中世からの巡礼の地として栄え、
長い歴史の中で破壊もされ、南部への偏重経済から弾き出され
衰退も経験した様ですが、

16世紀になって大学がこの街に設置された事に因り、文化的にも
経済的にも再発展し、観光都市でもあり、ガリシァ州の州都である、
人口約9万人+大学生3万人という街。



さて今回の最後は、ガイドブックの写真で、この街の旨い物!

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海が近いので当然海の幸が美味しく、percebes・フジツボ 
necoras・カニ camarones・海老、勿論santaiaguiño・
帆立て貝があり、その他にも子牛肉も豚肉も。

我々のツァーはお昼は各自自由に式ですが、初日にホテル近くの
バール兼レストランで皆が頼んだハムの盛り合わせ、
これが大変美味しかったそう。

この地のホテルの夕食は大変美味しく、ビュッフェ形式で
パエリャ各種もその他も色々あり、バカラ(鱈、メルルーサ)と
ジャガイモのグラタン風も美味しく頂きましたが、
その後ポルトガルを南下しつつ、これが4回も出るという!
       
がもう既にすっかり回復。 書きながら、ああ、あれは美味しかった、
また食べたいなぁ、という、馬鹿につける薬はないですねぇ、ははは。

という所で、サンティアゴ・デ・コンポステーラの街案内、
次回もよろしくお願いいたします!


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