・ n.1 セナンク修道院 ・ 南フランス、プロヴァンス

ラヴェンダーの花咲き誇る畑の向こうに、中世の修道院。
こんな写真をご覧になった方はたくさんおいでと思いますが、
今日は南仏プロヴァンスにある、このセナンク修道院・
Abbaye de Sénanqueにご案内を。

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ですが、ラヴェンダー咲き誇るこの写真はガイドブックからで、
昨年初夏に訪問した時は、残念、ここまで咲いておりませんでした。



セナンク修道院はどこにあるか、地図をどうぞ!
南仏プロヴァンスのご案内も、こうして地図につけた印を見ると、
とぎれとぎれながらかなり消化致しましたね、エライエライ! 
はい、時には自分で景気をつけませんと、はは。

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ちょうど真ん中の上にゴルド・Gordesが見えますが、Avignoneの東に、
その上に赤い■に赤字で「Senanque」と入れた所、山の中に。
ゴルドの町も素晴らしく、絵になる珠玉の町で、
近日中にご案内をと考えていますので、お楽しみに!



ゴルド手前から山道を辿ってどんどん上り、岩だらけの山を見晴らし、

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石造りの家を眺めつつ、

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漸くに、「セナンク修道院 こっち」という矢印を見つけ、
なに、グループ旅行のバスの運転手君が坂道を辿ってくれるのですが、

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ちょっと下り坂になり、こんな奥にも素敵な家が見え、

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わぁ、谷底に修道院が見えました! 建物の構成がしっかり分かり、

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谷の奥に、ラヴェンダー畑が広がるのも見え、

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ゆるゆると坂道を下り、大きな駐車場に。 定時の時間より早めにつき、
近くで暫し時間をつぶします。 周囲には林が広がり、

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来る道でもたくさん咲いていた黄色い清楚な花も見え、
名前を教えて貰ったんだけどなぁ、

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なんという雑木なのか、露が宿ってとても美しい細い細いピンクなど、

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境の石塀が邪魔ですが、精一杯背伸びして。

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入り口に向かいながら見るラヴェンダー畑。
ほんのささやかに、薄い藤色がもやう程度。

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昨春は春が寒く、この修道院の有名なラヴェンダーは満開に3週間程
早いと到着前に聞かされ、グループの皆さんはがっかりでしたが、
余り予習期待なしのShinkai は、あ、そうなの?! ははは。



古い石造りの重厚な修道院の建物。 四角い鐘楼の下の丸い屋根2つ。
ここは教会の身廊が向こう側に、後陣のふくらみがこちら、
そして左右に翼が延びる中心部は、塔の屋根の形は八角形に。

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屋根は石の板瓦葺で、年代を経た様子が良く見えますが、
何の固定剤も使われていないと。

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入り口に向かいながら。
谷底の細長い平地に、この修道院がある事が良く分かりますね。

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手前側に延びる、新しく19世紀に建設された部分と、



入り口。

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ここでちょっぴり修道院の歴史を。
分かっている様な、そのくせ実際には良く知らない修道院の実態ですが、
理解しやすく書かれたのを見つけましたので、それを要約しますね。

イタリア、ウンブリアはノルチャ出身のサン・ベネデット・S.Benedettoが
5~6世紀にかけ、西洋における最初の実践的な修道院活動を、
ローマの南にあるスビーアコ・Sbiacoで行い始め、
「ora e lavoro 祈りと労働」すなわち自給自足を基本とし
次第に大きな広がりを持ちます。

修道院制の起こりは、それ以前に既にエジプトや中近東に於いて
行われていた様ですが、西洋においてはこの聖ベネデットが
会則を定め、初めて実践し始めたと言われます。

で、その会則の主なものはと言いますと、
・最初に入った修道院に定住する
・修道院長、長上への心からの服従
・厳格且つ過酷でない生活の保障・1日2回の食事(2皿)と寝具
・更正のための戒規
・全員肉体労働従事と労働の公平
・規則的な祈り・朝課、賛課、一時課、三時課、六時課、九時課、終課
 これらの聖務日課(時祷)では詩篇の朗唱と聖書の朗読
 
という事で、自給自足の生活のゆえに、農業、土木大工仕事、
薬草、医療にも通じ、聖書の理解、書物の書写を始め学問に励み、
最初はとりわけ奨励した訳ではないものの、
修道院が次第に教育学問の中心地となり、

また、土地の開墾、寄進にもよる所有農地が広大なものとなり、
そこからの豊かな収入により、次第に最初の厳しい会則も無視され、
聖職界における地位争奪にも加わるようになって行きます。

一方909年にフランス、ブルゴーニュのクリュニー・Culunyに
やはりベネデット会派の会則に従う修道院ができ、
優れた院長の指導の元、約2世紀間に渡り大きな発展を遂げ、
最盛期には管轄下の修道院が1200、修道士も2万人という繫盛ぶり。
となると、厳しい元の会則に従っていた改革も変化します。

土地財産の寄進も増え、修道院は莫大な富を持ち、
礼拝堂は美々しく飾りつけられ、宗教儀式も壮麗となり、
もはや修道士たちは自給する為の労働も必要が無くなり、
ベネデットの会則はあってなきがごとし、に様変わり。

こうしたクリュニー派自体の中から、1098年に改革を目指す派が
出ますが、これがシトー派で、この会派が大きく発展したのは
1115年にクレルヴォー修道院長となったベルナールの働きに寄り、
ヨーロッパ全体に大きな影響力を持つまでになったと言います。

こうした修道院制を持ったのは、他にもドメニコ派、フランチェスコ派、
イエズス派とありますが、
この修道院制が覆ったのがフランスの場合フランス革命であり、
またナポレオンがイタリアの修道院も破壊解放したのですね。

それが19世紀後半になり、再び各地の修道院が再建され始め、
現在に至っている、という経過です。

聖ベネデットがスビーアコに創設した修道院について、
修道士たちの生活状態についても cucciolaさんがこちらに詳しく。
http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/archives/764907.html



これがセナンク修道院発展の様子。
この修道院が建設されたのは1148年で、
マザン修道院、フランスのどこと地名も書いてあるのですが、
見当がつかずにこれのみでお許しを、
マザンから来た12名程の修道士たちが建設に当たったと。

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1番左の図が13世紀の様子で、約1世紀を経て
ここまで大きくなったのが分かります。
真ん中赤の部分は17世紀に改修され大きくなった部分、
右の黄色の建物が19世紀に新設された物。

生活に欠く事のできない水流が、建物内に取りいれられているのが
見えますが、左側に、このセナンクの地は、森に囲まれ孤立した土地で、
修道院建設にうってつけの石材があり、
石灰も、鉄を作る鉱石も豊富な土地でもあったと。

勿論、近くのカヴァイヨン・Cavaillonの司教、ゴルド・Gordesの
領主シミアーヌ・Simianeの後押しもあり、
書類には残っていない物の、シトー派を盛りたてた
ベルナールの影響も見られるとの事。
       


現在の修道院内の様子。 これはガイドブックから。

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上記したように、シトー派自体の繁栄衰退の歴史、フランス革命の
破壊という変遷を経て、現在再び「祈りと労働」という修道院生活が
850年以上に渡り続けられている訳ですが、
       
写真の様な場面は、どの修道院でも見学者には解放されておらず、
建物内部の幾らかと、彼らの労働の産物である薬草入りの品々、
クリーム類から飲み物までや、印刷物、スーヴェニール類等が
売店で買える、という様子です。



内部に入り、まず修道院の歴史について説明を受け、その後、教会内部や
幾つかの部屋を見学しましたが、これはその部屋からの眺め、

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案内を受けた部屋にあった彫像。

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シトー派は豪華絢爛のクリュニー派から分かれた質素を旨とし、
彫刻や美術による教示に反対、との事でしたが、
その意味からか、フランス革命時の破壊によるものなのか、
他の彫像類は教会内でも見なかった気がします。

部屋の隅にあった図に示される、各修道院の繋がり、
統率関係の偉大なピラミッド図に、一同感嘆の声!
とりわけ一番下方に、我がコネリアーノ近くのシトー派修道院の
ファッリーナのサンタ・マリーア修道院の名を見つけた時はね!!

フォッリーナ ・ 中世の修道院と町
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462217673.html

という所で内部の見学に移り、n,2にお進み願います。
      
地味な内容ですが、物が溢れ最新技術が先行する現代では、
逆にこうした単純素朴な修道院生活に憧れる向きがあるのだとか。
その意味でも、ちょっと内部も覗いて見て下さいね。
    
          
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