今日のご案内はフランスはアルザス地方の、中世・ルネッサンス期の
家がしっかり残った、可愛いロマンティックな町、として有名な、
コルマール・Colmarです。
と言っても私が行ったのでなく、kazuさんに写真提供をお願いし、
かねてより一度行ってみたいもの、と念願している町のご案内を。
写真はコルマールの有名な観光名所、
プティ・ヴェニスと呼ばれる運河沿いの一郭。
例によってご親切に、たくさんの案内や想い出を書いて頂いたので、
それは嘘で~す! と、またバラしてやりましたぞ、ははは、
shinkaiが及ばずながら少しばかり調べた事を添えて纏めますが、
もし違っていたら、お教え下さるようお願いいたします。
いつかは行くぞ!と思っていますので、同様の方は是非参考に。
コルマールはどこにあるか、ですが、
フランスの北東域、ドイツ、スイス国境に近く、赤い印のパリからだと、
ストラスブールで乗り換え、約70k南に位置し、5時間前後で到着。
街の中心地図をどうぞ。
人口は6万5千人を越えるかなりの市街ですが、
ここではほんの中心の旧市街のみのご案内を。
少し見難い地図で申し訳ないですが、これより北に
国鉄駅やバス駅があり、赤い四角印がインフォメーション、
その向かいにウンターリンデン博術館・Musee Unterlinden
右下にサン・マルタン聖堂・Collégiale St-Martin
そしてマルシャン通り・Rue des Marchendes
この辺りに有名な木組み剥きだしの家が並ぶようで、
そこから南に行くと、運河沿いのプティ・ヴェニスとなる様子。
地図での歩き順とは異なりますが、まずは木組みの家々の眺めを。
色もさまざま、窓には花が色を添えます。


コルマールの中心に中世からの旧市街がそのまま残ったのは、
まさに第二次大戦の激戦の戦禍を逃れた幸運からなのだそう。
そして中世において、1階の床面積の広さから税金が定められたので、
上の階が飛び出す形になっているのだとか。
プフィスタの家・Maison Pfister
16世紀建設の家で、名前の付いているプフィスタは
後の所有者の名前、現在1階は酒屋さんに。
木組みの張り出しや出窓も美しいですが、装飾画まで!
木組みの家の壁の部分。 こうして見ると、木の部分から
壁の地がかなりはみ出ているのが分かりますね。
仕立て屋の家。 角の看板の人物像が面白いですが、
手に持っているのは物差しでしょうか?
右下の壁には、1419とあるそうで、窓枠部分や
円柱の形の木に彫られた飾りが素晴らしい!
こちらも木組み、3階部分が張り出しの家。
狭い旧市街を行く観光バス。 これはイタリアでなぜか汽車ポッポの
形が多く、 ・・行けた暁には、勿論乗るぞ!
タイルの屋根が可愛い、旧税関の家。
小塔の下の窓が斜めに切られているのに、目の錯覚かと眺め、
暫く考えて納得、塔の中はらせん階段ですね、きっと。
「税関」があるのは、中世から自由都市だった由来と思うのですが、
運河を使い、物資の運搬も船に依っていたのでしょう。
旧市街のマルシャン通りから来て、大通り・Grand'rueを渡り
この旧税関の建物をくぐると、運河沿いに出る、
と書いてあるのも見つけました。
と、こうしてあちこち読みかじりながら、行った事のない町、
また実際に行っていても地理が飲み込めていない町が、
そう、ガイドに連れられて歩く町の地理は覚えてませんものね、
徐々に頭の中に組み立てられて行きます。
これがちょっぴり面倒ではあってもとても楽しく、
なんとかブログを続けて行く理由の一つかも、です。
なのでぇ、自分の足で歩ける位の大きさの町が、
シンプルな頭の持ち主には、分かりやすくて好きなのかも!
では、いよいよ運河沿いの眺めをどうぞ。
プティ・ヴェニス地区・プティット・ヴニーズ・Petitte Venice
と呼ばれる地域です。
小舟による周遊もあるようで、
最初の写真、眺めの美しい場所からをもう一度どうぞ。
仕立て屋の家と同様に、美しい窓枠の飾りがあり、
でも何やら恐ろしい事に、はは、家が傾いていません?!
真ん中に見える緑の壁は、どうやらホテル。
小さいヴェニス と呼ばれるそうですが、運河は1本。
その支流が中心地区を通りますが、かなりの部分が暗渠。
ヴェネツィアのイメージというよりも、もっと別物で、
中世からの木組みの建物が数多く残る、しっとりとしたドイツ風趣の
素敵な町、と言った方が良いと思いますがぁ。
さて、こちらはコルマールの魅力の1つ、ウンターリンデン博術館。
かってのドメニコ会派の修道院が美術館になっているそうで、
こちらが中庭。
ウンターリンデン、と響きのよい名の意は、リンデンの樹の下で。
ではリンデンの木はと調べましたら、シナノキの種で、
これは春に香りのよい小さな花がたくさん開く木。
素敵な名前の博術館なのでした。
中世からルネッサンスにかけての絵画や彫刻工芸品を主に、
マティスやピカソも収蔵していますが、中でも有名なのが、
マティアス・グリューネヴァルト・Mathias Grunewaldの
イーゼンハイムの祭壇画。
かっては、コルマールの南20k程にあるイーゼンハイム・Issenheimの
修道院の礼拝堂にあった、観音開き、全11画面による祭壇画。
サイトから拝借の写真で、
かって平日に祭壇画を閉じた時、常に見えていた筈の、
なんとも凄惨な キリスト磔刑図。
身も指もよじれる悲しみ、苦しみ。 宗教画の最高傑作の1枚と。
マティアス・グリューネヴァルト、と知られるこの画家の本名は、
マティス・ゴートハルト・ナイトハルト・Mathis Gothart Neithart
というそうで、本名が証明されたのも20世紀に入ってからだそう。
1470年から75年頃生まれ、マインツ大司教の宮廷画家の時代もあり、
この祭壇画は1511年から15年にかけて制作されたもの、
が、のちのドイツ農民戦争時にルター派に加担した事から解職。
以後は筆を執ることなく1528年にペストの為死亡。
長い間忘れさられた画家の名が再評価されたのは、19世紀末になって。
時代的には、ドイツ・ルネッサンスの巨匠とされるA.デューラーと
同じですが、作風はゴシック末期のもの。
と、多分美術館の南東側すぐ近くと思うのですが、
ドメニコ教会・Eglise des Dominicainsの祭壇画
ショーンガウアー・Schongauer「薔薇の茂みの聖母」も、是非1度!
さてこちらは、旧税関前にあるレストランの看板で、
ミシュランの1つ星だそう!
で、上のレストランではないと思うのですが、お昼の一皿。
シュークルートと、白ワインで煮込んだ豚肉マスタード添えで、
ジャガイモがごろん。
イタリアに劣らず田舎風で、でも美味しそうですねぇ!
そうそう、肝心な事を書き忘れる所。
ここコルマールは「アルザスワイン街道」の中途に位置する
美味しいワインでも有名な土地。これも是非ご賞味を!
料理に限らず、如何にもドイツ色が濃いと思われるこの街は、
地理的に国境に近いというだけでなく、
元々はドイツ圏であったコルマールの街とアルザス地方が、
17世紀後半にフランスに割譲、 19世紀の普仏戦争に
敗北の後ドイツに、 20世紀初頭に再びフランス領に、
第二次大戦の初めにフランスがドイツに降伏後はドイツに、
漸くに1945年にフランスに、と
何度も2ヶ国間を行ったり来たりの変遷を辿りました。
アルフォンス・ドーデーの「最後の授業」に描かれた場面は、
19世紀の普仏戦争の敗北による、
明日からはドイツ語しか教えてはいけない事になった、という、
島国で育った昔の純な心には、重たく響いたお話でしたが、
まさにそうして2国間の狭間で生きて来た街なのでした。
最後は、新しいマーケットの様子を。
プリッツェルでしたっけ、この形のパンというかお菓子は。
オーヴン・トースターに火が入っている所を見ると、
どうやら温めて食べさせて貰えるようですが、
はは、ケチャップの入れ物も計算機も見えますねぇ!
全体にドイツ風のイメージが強い気がしますが、
とはいえ、そこは食に拘るおふら~んす、
さすがチーズの種類はたくさんあって美味しそう!!
豆類と思いますが、右の1番手前は岩塩ではないかな?!
私には目の毒の、お寿司のパックも市場に!
街郊外には多数の日本企業が進出していて、日本人住民もかなり、
との事で、いやぁ、このお寿司はイタリアのスーパーより美味しそう!
それにしてもオリーヴの隣、というのがねぇ、ははは。
という事で、フランス特集、はは、をこれでひとまずお終いに。
kazuさん、有難うございました!
◆*◆
夏の様な暑さの日が続いていましたが、一転し、
すっかり平常の春の肌寒さに戻り、
PCの前に座る時には、この寒がりは膝かけを。
それでも木々の緑はいっぺんに膨らみ、隙間が殆ど
見えなくなり、柔らかな、美味しそうな薄緑で、
葡萄畑の畝にも、明るい緑がぼわっと続きます。
やはり良い季節! 新しい芽吹きが蘇るこの季節です。
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