今日は1週間前に訪問したアントーニオ・カノーヴァ塑像博物館の様子と、
彼の墓所テンピオ・Tempioのご案内ですが、
この日は本当に美しい夕暮れの日でしたので、それも一緒にご覧下さい。
彼の墓所テンピオ・Tempioのご案内ですが、
この日は本当に美しい夕暮れの日でしたので、それも一緒にご覧下さい。
ヴェネト平野の北西に位置するアーゾロ・Asoloにほど近いポッサーニョ・
Possagnoという小さな町、
ここに18~19世紀にかけてのイタリアの偉大な古典派彫刻家である
アントーニオ・カノーヴァ・Antonio Canovaが生まれましたが、
彼の生家博物館に併設して、塑像博物館・ジプソテーカ・Gipsotecaと
丘の上にテンピオがあります。
Possagnoという小さな町、
ここに18~19世紀にかけてのイタリアの偉大な古典派彫刻家である
アントーニオ・カノーヴァ・Antonio Canovaが生まれましたが、
彼の生家博物館に併設して、塑像博物館・ジプソテーカ・Gipsotecaと
丘の上にテンピオがあります。
大理石彫刻を実際に彫るには、デッサンから始まり、小さなテラコッタの像、石膏像
という各段階がある訳ですが、最終的に実物大の石膏像が作られ、
彫る為の基準とする小さな釘が打たれますが、これが塑像と呼ばれる物で、
世界各地に散らばった、カノーヴァの有名作品の石膏原形が このジプソテーカに。
という各段階がある訳ですが、最終的に実物大の石膏像が作られ、
彫る為の基準とする小さな釘が打たれますが、これが塑像と呼ばれる物で、
世界各地に散らばった、カノーヴァの有名作品の石膏原形が このジプソテーカに。

塑像博物館、生家については既にご案内しておりますので、詳細、地図はこちらを。
アントニオ・カノーヴァ ・ 塑像博物館、テンピオ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463694164.html
この日は午前中に近くの町の活字印刷博物館を訪問、ここが大変興味深く、
整理が出来ましたらご案内を。
整理が出来ましたらご案内を。
で、お昼を食べた後ポッサーニョの町に向かい、


お天気の悪い日が続く中、この日は嘘の様な快晴となり、穏やかな美しいヴェネト平野を
満腹満足の一団が行きます。
はは、本当に安い、美味しい、量たっぷりのお昼で、写真は次のチャンスに是非!
ほどなく見える、丘の上のテンピオ。
前回行った時はアーゾロからの山越えで、これが見れませんでした。
まさに舞台装置満点!
まさに舞台装置満点!

生家博物館、そしてジプソテーカ正面。
写真がなるべく前回と重ならぬよう、ご覧頂きますね。

本当は、生家も博物館も写真禁止の札がしっかり出ており、
監視カメラも備わっているのですが・・、
今回は数枚なら良いだろうとガイドが言ってるとの言葉にすがり、はかない抵抗を試み!
皆と一緒で怖くない、というやつです、ははは。
この2枚は、内部の奥側。


この内部空間が大変な緊張感と、素晴らしい迫力に満ちたもので、
先回の1枚の絵葉書では不足不満足で、撮らずにおれないという・・。
上の写真の、一番奥の像の大きさをと、手前の人物と比較してご想像下さいね。
それぞれの像がとにかく大きく、それにも圧倒されます。
先回の1枚の絵葉書では不足不満足で、撮らずにおれないという・・。
上の写真の、一番奥の像の大きさをと、手前の人物と比較してご想像下さいね。
それぞれの像がとにかく大きく、それにも圧倒されます。
こちらは入り口側。
右端に見える少年と老人の像、イカロスとXX像(カタログ見つからず・・)
という名が付いているのですが、
右端に見える少年と老人の像、イカロスとXX像(カタログ見つからず・・)
という名が付いているのですが、

カノーヴァは生後幼くして父を亡くし、母親は再婚し、彼は石工の父方の祖父に
育てられ成長したのですが、その2人を現した姿であろう、との事。
育てられ成長したのですが、その2人を現した姿であろう、との事。
骨折した腕に添木をつけた少年と、いたわる老人、
確かに老人の足もとには、槌が置かれ職業を現わしていて、
少年時代の想い出に繋がる情景なのでしょう。
悔悛のマグダレーナ。

塑像はほぼ大理石像と同じ形ですが、細部が違っているのも多く、
例えばこの像も、大理石像に見られる足元の頭蓋骨がなく。
例えばこの像も、大理石像に見られる足元の頭蓋骨がなく。
塑像に打たれた小さな釘を基準に、かなりの所までは12人いたといわれる助手が彫り、
最終的な仕上げは部屋に運び込み彼自身がしたそうで、その時に違いが生まれていると。
最終的な仕上げは部屋に運び込み彼自身がしたそうで、その時に違いが生まれていると。
三美神像。 こちらは隣接した、カルロ・スカルパ設計の建物内。

おおっぴらには写せず、真ん中の顔が見えないのは乞うご容赦。
こちらの館には、ローマ兵士の装束でのジョージ・ワシントンの石膏像があり、
こういう意匠でと依頼があるからなのか、と以前にも疑問に思っていた事を訊ねると、
全てカノーヴァが決めた事だそう。
こういう意匠でと依頼があるからなのか、と以前にも疑問に思っていた事を訊ねると、
全てカノーヴァが決めた事だそう。
実際、本館には裸体のナポレオン像もあるのですが、大理石像が届いた時、
裸体である事がナポレオンには気にいらず、布をかけてしまわれていたとか。
裸体である事がナポレオンには気にいらず、布をかけてしまわれていたとか。
生家博物館の2階の窓より。
夕暮れ近い光が斜めに差し込み、大変に美しい光景で。 2本の松はローマから
運ばせたそうで、実際北イタリアではこの種の松は余り見かけません。
運ばせたそうで、実際北イタリアではこの種の松は余り見かけません。

見上げる犬。

本館横の小さな庭に、かっての納屋かと思われる建物があり、覗いて見ると、
黒く塗られた馬の像と、見上げる犬の像。
建物内が狭く、薄暗くなる時間で馬は撮りませんでしたが、この犬がなんとも愛らしく。
先回ご紹介でも、まどろむ主人をじっと見守る、ひたむきな目の犬の像がありましたが、
カノーヴァは犬が好きだったのかもですね。
カノーヴァは犬が好きだったのかもですね。
テンピオの眺め。

一段低い位置の生家博物館から前を通る道に上がると、真正面の丘の上に
この様にテンピオが望め、
一斉に皆が声を上げた、冬の夕暮れの素晴らしい眺め!
この様にテンピオが望め、
一斉に皆が声を上げた、冬の夕暮れの素晴らしい眺め!
緩やかな、そしてかなりの坂道を上ると、こんな開けた場所に出てテンピオが。

坂道を歩くうちに大きな赤い夕日が沈み、尾を引く三筋の飛行機雲。

東の高い山の尾根を最後に染め上げ、

麓の村々は、すでに夕暮れの靄に沈み、

小さく月も。

テンピオの内部。


ローマに工房を構えていたカノーヴァですが、自分の墓所にパンテオンのスタイルを
与えたのですね。 多分、最初はこの天井も開いたままだったのでしょう。
与えたのですね。 多分、最初はこの天井も開いたままだったのでしょう。
母親が再婚しての異父弟は司教となり、彼が死して後も工事を引き継ぎ、
このパンテオンとジプソーテカも完成させたのでした。
このパンテオンとジプソーテカも完成させたのでした。
アントーニオ・カノーヴァの棺。

天井が開いていた際の、降り込む雨水の処理用と思われる、
ちょうど真下に開く排水用の穴。

カノーヴァが亡くなったのは65歳、今回生家のアトリエ内でデスマスクを見ました。
ガイドの説明によると、死因に繋がったと思われるのは、仕事に欠かせないドリルだそう。
というのも当然電気ドリルなど無い時代で、ノミに木製の筒をつけ、それに紐を巻き付け、
両方から交互に助手が引いてノミを回す仕掛けの物で、説明分かります?
両方から交互に助手が引いてノミを回す仕掛けの物で、説明分かります?
左の腰の辺りに当てて使っていたのが、余りにも体に食い込み、肋骨の間に入り込み、
それが内臓にも悪影響を及ぼし、食事が取れない、スープ類の様なものだけ、となり、
結局それが死亡原因にも繋がるほどとなったのだとか。
それが内臓にも悪影響を及ぼし、食事が取れない、スープ類の様なものだけ、となり、
結局それが死亡原因にも繋がるほどとなったのだとか。
一時婚約した事もあったそうですが、結局結婚せず、仕事のみに捧げた彼の一生で。
暗いテンピオの内部から出て来ましたら、外はうっすらの夕暮れとなっていて、

坂の下の真正面が、テンピオと向き合う生家。

余りにも夕暮れが美しく皆が陶然となり、寒さも忘れ、立ち去りがたい想い。

この後、坂下のカフェで皆思い思いに温かい飲み物を取り、
朝同様に霧が深くなった道を、家路についたのでした。
◆*◆
これを書いている土曜は大変良いお天気で、村の奥に野生のクリスマス・ローズの
開花状況を見に行きたくなるのを我慢、明日回しにして・・。
開花状況を見に行きたくなるのを我慢、明日回しにして・・。
所で今仲間内で好評なのが、新しく発売され始めた英会話シリーズ。
ラ・レプッブリカの新聞についていて、イギリス人教師がイタリア人向けに作ったメソド、
が売り物の、SPEAK NOW! と言います。はは。
ラ・レプッブリカの新聞についていて、イギリス人教師がイタリア人向けに作ったメソド、
が売り物の、SPEAK NOW! と言います。はは。
薄い教則本とDVDで、中の寸劇が笑えます。
いわく、 夜一人暮らしの老婦人にかかる電話。
「キル・ユー!」
いわく、 夜一人暮らしの老婦人にかかる電話。
「キル・ユー!」
「ちょっと待って、キル・ユーは現在形だから、アィム・ゴーイング・トゥー・
キル・ユー、と言わなければ! オー、ノー! なぜ?」
「OK! アィム・ゴーイング・トゥー・キル・ユー、ディス・ナイト」
「ウェン?とは聞いていません、ホワイ?と聞いたのよ。
それからディス・ナイトとは言わずに、トゥナイトというの」
キル・ユー、と言わなければ! オー、ノー! なぜ?」
「OK! アィム・ゴーイング・トゥー・キル・ユー、ディス・ナイト」
「ウェン?とは聞いていません、ホワイ?と聞いたのよ。
それからディス・ナイトとは言わずに、トゥナイトというの」
とか、レストランで注文する発音をウェイターが正したり!・・てな調子。
ええ、まぁ、この程度で即喋れるようになるとは思いませんが、
とっつきやすい事は確かで、こちらの外人向けのイタリア語教則本にしろ、
とにかく面白く読ませ興味を持たせる、がかなり徹底していて、
その辺りが真面目一方の日本の本とは違うなぁ、という感触。
とっつきやすい事は確かで、こちらの外人向けのイタリア語教則本にしろ、
とにかく面白く読ませ興味を持たせる、がかなり徹底していて、
その辺りが真面目一方の日本の本とは違うなぁ、という感触。
SPEAK NOW! となりますかどうか、取って置いて貰えるよう注文を!
3ヶ月後が勝負です、ははは。
3ヶ月後が勝負です、ははは。
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