・ セザンヌのアトリエ ・ エクサン・プロヴァンス

今日は、エクサン・プロヴァンス・Aix en Provence
の街の高台にある、フランス印象派の巨匠として名高い
ポール・セザンヌ・Paul Cézanneのアトリエのご案内です。

1-208_GF.jpg



エクサン・プロヴァンスはどこにあるか、もう一度地図でどうぞ。

2-002_GF.jpg

かってのプロヴァンスの首都で、文化芸術も庇護され大いに繁栄した街、
15世紀末にフランス王国に併合され、大学・法院で名高いのだとか。
大変に爽やかな、緑の多い洒落た大きな街の印象が残りますが、

まずは写真が少なく! 整理しやすかった、ははは、
セザンヌのアトリエからご紹介を。 街のご紹介は、少々お待ちを!


街の地図は最後にご覧頂きますが、アトリエは街の北高台にあり、
せっせと緩やかな坂道を上ります。

現在の木々に囲まれたアトリエの様子と、
古い写真に残る、オリーヴと無花果畑の中の姿を。
 
3-257_GF.jpg

4-017.jpg

5-259_GF.jpg
     
道も現在はもっと広く舗装されていて、
ずっと街の中心に向かい家が立ち並び、ちょっとした住宅街。

アトリエの売店には、日本語版のガイドブックと、ガイドが確かある筈、
と貰ってくれたパンフレットもありましたが、
アトリエ内は写真禁止でしたので、それらの写真でご覧頂きますね。



古い写真にも様子が伺える門。 門扉に貼ってある案内には、

6-258_GF.jpg

7-209_GF.jpg

ほら、これが私のアトリエ。
私以外はだれも入れませんが、でも君は友達だから
一緒に入りましょう。

下の小さな写真はちょっとしたユーモアで、
犬は入れません、の標識をワン君が咥えているのです。



が、入ってすぐの位置に猫ちゃんが寝ており、
皆ぞろぞろ入って行くのにも、頭をもたげただけ・・!

8-210_GF.jpg



1階の入り口辺りと、庭のテラスに置かれたテーブル席と。

9-231_GF.jpg

10-240_GF.jpg

傾斜地の為、アトリエの前庭部分は細長く奥に続き、段差がついて
下の庭に繋がります。  大きく育った木々がうっそうと枝を広げ、
木漏れ日が落ち、美しいゆったりとした空間を。



入り口部分と、右に見える画架上の写真のセザンヌ。

11-233_GF.jpg

12-004_GF.jpg

彼はこの7000平方mの土地を、2000フランで1901年11月に購入。
1886年に父親が死去し、その遺産金で、と聞きましたが、
10ヶ月間をかけアトリエを建設し、
ここに彼の絵のモチーフを全部運びこみます。

63歳になる画家がこうして自分の想いをこめたアトリエを持ち、
住居から、季節も天候も意に介さずに毎朝ここに通い
朝の6時から10時半まで仕事、11時にお昼を食べに街に下り、
午後またここに戻るか、外に描きに出かけたのだそう。

夏の酷暑の時などは食事をここに運ばせ、
来客の時などは2人前を頼み、・・と。

いかにも堅実頑固で、自分の絵とのみ取り組む
既に若くない画家の姿が見える様です。
              


アトリエ1階の窓、 左の窓の内は事務所、右は売店に。

13-219_GF.jpg

14-215_GF.jpg



木漏れ日の下のベンチ。

15-241_GF.jpg



かっては葡萄や無花果畑だったという土地も、今はこんな風に
気持ちの良い、ゆったりと思索に耽り、気持ちの休まる庭に。

16-222_GF.jpg

17-226_GF.jpg

18-227_GF.jpg



アトリエの西の角から軒下の様子を。
破風が東に向かってと、この南向きと2つあり、

19-252_GF.jpg


傾斜地の下側から見た1階部分、
       
20-237_GF.jpg



建物の右横、上の傾斜地に続く石段横の井戸。

21-239_GF.jpg


この石段を上ると(写真は上から)

22-249_GF.jpg



アトリエ北側の、建物の中間の高さに出て、大きな窓が見えます。
北側の窓からは日の光が一定して入りますから、
画家のアトリエは常に北窓が大きいのですね。
 
23-246_GF.jpg
    
左奥に見える細長い切れ込みの窓は、
「大水浴」の大作が窓から搬出できず、開けたのだそう。



と、その絵の前のセザンヌ。

24-005_GF.jpg

写真は1904年撮影だそうで、後ろに見える絵の構図が
ロンドンのナショナル・ギャラリーのとも、フィラデルフィア美術館とも
違っていて、どこのか特定できませんが、
年代と下部の空きから見て、フィラデルフィアの作品中途かも。



で、いよいよアトリエ内部に。
入り口を入ってすぐの狭い階段をあがると、そこ、2階全部がアトリエ。

25-250_GF.jpg

ほぼ正方形の形に近いでしょうか、
天井も高く、広いアトリエですが、高名な画家のアトリエとしては、
意外に小さい印象を受けました。
写真撮影禁止の表示に気がつかず、(想像はしていましたが)
1枚撮った所ですかさず、ダメですよ、の声がかかりこの1枚だけ。



こちら側が東向きで、天井の高さなどもご想像できるかと。

26-003_GF.jpg

27-012_GF.jpg

イーゼルの後ろの細い切れ込み部分が、大作搬出用窓で、
上の写真にも写っているストーヴが、何とも素敵でした。



こちらは西側。
カラー写真はガイドブックにある現在の姿で、
白黒のは、セザンヌの没後15年にここを買い取った
マルセル・プロヴァンスという人の時代の写真とか。

28-1-005.jpg

28-2-018.jpg

同じ場所ですが、少し違いますね。
私が見たのもカラーの写真とはほぼ同じでも、角のイーゼルの
下辺りが少し違いました。

管理の方の話では、セザンヌ当時の雰囲気を残すように努めている、
との事で、果物などもプラスティックながら静物画のモデルと
そっくりに置かれていました。

アトリエを買い取ったマルセル・プロヴァンスという人は詩人で、
セザンヌの仕事を高く評価しており、保存の為にアトリエには手をつけず
1階部分のみで生活したそう。

が、1951年のこの彼の没後、近辺に土地業者の動きが出始めたので
保存運動が起こり買い取り、現在も市の博物館の一環として
管理されていると。

カラー写真の右端に切れて見える引き出し式の小箪笥を
ガイドが開けて見せてくれ、絵に使われた白いパイプなど、
意外に小さいパイプ、を見る事が出来ました。



真ん中にアモールの石膏像がある写真、上の棚に青いガラス瓶が
見えますね。

29-011.jpg


写真のアトリエ内に写っているモチーフ類は全てあるそうですが、
唯一、この青いガラス瓶が現在無いのです。
何年か前の建物の修復時に紛失したのだとか。 やりますねぇ!

30-001.jpg

セザンヌが晩年にこのアトリエを建て、実際にここで仕事をしたのは
わずか4年間ですが、お気に入りのモチーフを全部運び込んだ事からも、
いかにも彼の絵に掛ける気迫が伝わってくる場所で、
作品の展示もなく、常の美術館とは違いますが、
仕事場、そして場の持つ空気が十二分に感じられました。



自筆の書簡は1902年9月1日付け、姪のポール・コニル宛てで、

31-014.jpg

ちっちゃい(可愛い)マリーが
出来上がったアトリエの掃除をしてくれたので、
少しづつ引っ越しをしています。 
私にはまるで読めませんが、達筆ですよね。      
       


カタログにあった「庭師ヴァリエ」 1906年 65X54cm

32-019.jpg

私には正直言ってセザンヌの絵は分からず、実物を見た事もなく、
画集の中の作品も美しいとも思えませんが、これは好きです。

そして画集で見るセザンヌの有名作品よりも
ずっとこのアトリエが気にいりました。
自分の思う形を求め続けた格闘そのものの作品よりも、
一直線に追う姿勢を映し出すアトリエが好き、
というのは生意気なのでしょうが・・。



壁に写る2階の鎧戸の影。

33-256_GF.jpg



エクサン・プロヴァンスの街の地図をどうぞ。
ちょっとチリチリして見難く申し訳ないです。
左下にインフォメーションがあって、そこからセザンヌの足跡を辿れる様に、
>>> の印がついているのですが、まぁ、省略してご案内を。

34-015.jpg

数字の横に緑の四角をつけた場所、
1.生家ですが、1839年1月19日にポール・セザンヌは
  慈善病院で生まれ、妹はこの家で1841年に誕生
  両親が結婚したのは1844年1月29日
34.サン・ピエール墓地 1906年10月24日ここに埋葬
2.セザンヌの父親がしていた帽子店
  街のご紹介の時にこの辺りもご覧頂きますが、
  父親はその後 地図26で銀行業を
3.芸術家たちの集った キャフェ・デ・ドゥ・ギャルソン
15.ミニュ中学校 エミール・ゾラ等と知り合う。
28.セザンヌの最後のアパート 1899年から1906年10月22日夜
  に亡くなるまでここに。

10月15日にアトリエの近くで描いている時に嵐になったものの描き続け、
ずぶ濡れになって意識を失い、洗濯屋の荷車で家に運ばれる。
が、また翌朝アトリエに出かけ、死にかけて帰宅。
絵を描き続けながら死ぬ事を望んでいた彼は、
22日から23日にかけての夜に亡くなりました。

31.大変美しいサン・ソヴァール大聖堂。
     毎日曜にミサに通い、彼の葬儀もここで。

グレーの丸の付いたあの道を約800m上ると、彼のアトリエに。



売店の隅に、なぜかピカソの絵葉書が何種かあり、
男臭いこの手の顔に弱い私は、はは、買って戻りましたので、
おまけとして2枚程ご覧頂きますね。

1954~55年にかけてのピカソの顔。 既に73歳、信じられん!!

35-007.jpg

36-006.jpg

売店の若いお兄ちゃんは片言の日本語をしゃべり、
お金を払うと、「アリガトゴザ~マス」
こちらも負けずに「どういたしましてぇ~」

こんな様子のアトリエ訪問でしたが、戻って来てこれを書く際になり、
漸くに、サン・ヴィクトワール山を確かめずに戻った事に気付きました。
あ~あ、ダメだなぁ!!


*****

ブログご訪問、有難うございます!
見たよ! の応援クリックも宜しくお願い致しま~す!


*****

コメントの書き込みについてのお願い。

ブログの記事下に、「コメントを書く」が出ていない時は、
上か右の、記事タイトルをクリックして頂けると
記事の一番下に「コメントを書く」が出ますので、よろしくお願いいたします。
非公開コメントをご希望の場合は、非公開で、と書いて頂くと、  
コメント承認制ですので、保留にし、お返事だけ公開しますので、
それもご了承下さいませ。