・ メーゾラの森、 そして、 ポンポーザの修道院

今日はデルタ・デル・ポー・Delta del Po と呼ばれる、ポー河がアドリア海に注ぐ
三角州にある、かってフェッラーラのエステ家の狩猟の森だったメーゾラの森と、
その近くにある、中世からの、ポンポーザ修道院のご紹介です。

まずは、地図で位置を。
一番下に見える赤い旗、ここにポンポーザ修道院・Abazzia di Pomposa、
その右(東)に、メーゾラの森・Bosco di Mesolaが広がります。

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フェッラーラ・Ferraraが左下に見えますが、ここからだと東に70Kの距離。
青い線が、我が家からの路線150K程で、ヴェネツィアから南に下るこの国道が
ロメア街道・strada Romeaと呼ばれる、以前ご紹介のコマッキオ・Comacchio
を通り、ラベンナ・Ravennaに続く道。

コマッキオのご案内

ラヴェンナのご案内 
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463253355.html       



デルタ・デル・ポーの一帯を、も少し大きくどうぞ。
赤いAの字がポンポーザ修道院で、その右、薄めの緑色、ここがメーゾラの森。

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この広さからご想像できるように、全体は1500ヘクタールを越える広大なもので、
現在は自然保護の国有林。

上方、小さく赤丸をつけましたが、一般公開されているのはこの辺りのホンの一部。
で、今日のご紹介はこのメーゾラの森と、ポンポーザ修道院で、

この辺り、エステ家が干拓の為たくさん水門を造っていますが、その中世の水門風景、
舟を並べた橋、灯台等は、また次回のご紹介で。



メーゾラの森に出かけたのは、11月1日。 雨続きで、この朝もぱらつき、
漸くに南の空が明るくなったのを見て、出かけました。 というのも、
この日を最後に、来春3月の末まで森が閉じられるのですね、それで決行です!

これが入口を入ってじきにある横道ですが、鉄柵越しの写真で、入れない部分。
入口脇に、森林警備隊の建物があり、暇そうに2人程頬ずえをついていましたが・・。
入場は無料です。 追記:6歳以上は1エウロに! 2018.12.15

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これが一般公開されている部分の、お勧めの3行程で、黄色1時間15分、
緑1時間45分、赤2時間30分、とあり、手前側は同じで、奥への広がりの長さが違う、
という訳で、まぁ、歩き始めました。

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森の中は、歩くか、自転車、または電動車、と制限されていますが、
森の前に2軒見えた貸し自転車屋は、既に休業中。       


コースが始まって、すぐのあたり。
「メーゾラの森」の森という言葉から、それもボスコーネ・大きな森と、サイトで読んで
いたので、なんとなく、もっと、うっそうとした大森林を想像していましたが、違いました。
森、というより、雑木林、と呼ぶ方が似会いそうです。

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雨続きで、黄葉した葉はすべて落ち、逆に明るくみえます。



所々の水溜りには、こんな風に、堆積した落ち葉が。

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森の道はくねりながら、ゆるゆると続き、殆ど落ち葉に埋もれ、どうやら分る程度。
他に誰も見かけず、私一人!  静寂そのもの! まぁ、空が明るいので・・・。

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白く見える樹は、白ポプラだそう。 所々に、樹木の説明があります。



一人で、せっせと歩き、時々、おっ! と写真を。
珍しくもありませんが、はい、ドングリです。

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こちらはちょっと珍しいかな、この森に住むという、鹿君のウンチ。
この近辺にウンチはたくさん見かけ、どうやら、通り道に当る様子。

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もっと、黄葉を期待していたので、すこし残念。 が、まぁ、これで・・。

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こんな倒木もたくさんあり、なんとなく手入れが行き届かない印象を受けましたが、
これは翌日、メーゾレのお城で聞いた説明により理由が分りました。

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自然保護の森、というのは手入れをするのではなく、ありのままの自然を保つ事と。
ですから、生息する動物が死んでいてもそのまま、樹が倒れてもそのままに。
で、どういう変化があるのかを、5年ごとに調査しているとの事。
       


敷き積んだ落ち葉に雨が続き、こんな茸があちらこちらにたくさん。

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奥のコースの道筋で、写真ではかなり明るく見えますが、実際は暗い舞台装置の様に、
青い空気で、その中に、こんな苔むした樹が。

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上側の部分、つまり雨に打たれる部分に苔むしている樹が多く、今のこの時期、
落葉で明るく透けて見えますが、
夏など、かなりうっそうと茂った、薄暗くヒンヤリした森なのだろう、と想像した事でした。 



落ち松葉に、新しい仲間。

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この森にある木々の種類ですが、白シデ、樫、ナラ、白ポプラ、トキワガシ、
海洋性松(日本の松とも違いすらっと高く)、園芸松(上がこんもりのイタリアでよく見る)
ビャクシン(旧約聖書にある、レダマの木)、
その他にも名札が出ていましたが、雨に打たれて消えていました。



森に着き、歩き始めた時は曇り空で、人の気配もせず、少々陰鬱でしたが、
一番奥のコースを歩く内に、陽が射して来ました!

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すると一度に森の中の印象が、一変! 落ち葉の積もった香りが立ち、
木々の隙間に見える空気が、青く。

この道は奥の広い道で、車も通った跡が見えますが、
ほとんどの道はもっと狭く、自転車の跡が、所々に見えるだけ。



黄葉した葉が雨で落ち尽くし、残っている緑の葉がなにやら早春の印象で、
森の芽吹きの季節を想像。
       
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さぞや、素敵な事でしょう! 明るい緑で覆われたこの森に、春に、もう一度?



突然、ドドッと、目の前を鹿が横切って行きました! わっ、わっ!
あっという間の事で、そう大きくもない鹿、角がなかったような・・。

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で、これが残されたつめ跡。 
近くには、結構跡が見つかりましたから、道を横切るポイントなのかも。



これは、旅行雑誌MERIDIANIから。
       
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メーゾラの森には、鹿・Cerbi, Daini、狸などが生息しているそうで、
ここの鹿は、他に類のない特有の因子を持ち、かっては狼もいたとか。

サイトや、旅行雑誌ではこういった鹿の写真が見れますが、年に何回か、
特別なガイド付きの見学があり、それだと、彼らの生息地にも近づけるのでしょう。
かって、このメーゾラの森は、ポー河の支流に挟まれた島だったそうで、
それで、こういった特有な動物が生息している様子。
現在は自然保護の国有林で、ぐるっと金網で囲まれ、森林警備隊が見回りを。
     
鳥達もたくさんいるのですが、森の中を歩いていくと、どこで見ているのか
バタバタと飛び立ち・・。


少しでも写真が見れるサイトは
https://www.aqua-deltadelpo.com/cosa-vedere/oasi-e-centri-visite/bosco-della-mesola-mesola/
       
公式サイトは Riserva Naturale Bosco della Mesola
http://www.ferraraterraeacqua.it/it/mesola/scopri-il-territorio/ambiente-e-natura/parchi-riserve-naturali/riserva-naturale-bosco-della-mesola-parco-delta-del-po
住所:44026 Mesola FE (Bosco Mesola via Frassini 24)
tel 0533.794285
開園:3月から10月 火曜 金曜、土曜 祭日 朝8時から日没1時間前まで



最後に森の入口に続く直線の道に出て、お天気も回復、森開放の最後の日でもあり、
2組ほど、こうした自転車での親子連れも。

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入口脇にあった、ヴェネツィア共和国のライオン君。

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エステ家最後の領主アルフォンソII世は、ヴェネツィア共和国との国境防備になる、
という理由で、森を買い取ったようですが、時代は移り・・。


***

ここからは、ポンポーザ修道院のご案内を

メーゾラの森から、ロメア街道を南に8Kほど、11世紀の創設になる、
ベネッデッティーノ派のポンポーザ修道院があります。

修道院の周囲は整備され、美しいすっきりとした公園になっていて、祭日でもあり、
少し向こうを通る街道筋も車が少なく、悪評高いトラック群も通らずで・・。

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どっしりと、西日に聳える鐘楼を見た時、アクイレイアのあの聖堂と鐘楼を思い出し。
見事な存在感です!

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アクイレイア ・ ローマについで栄え、そして衰退の町
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462970421.html

n.2 アクイレイア と、 アルティーノ
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462970554.html



隣接するサンタ・マリア聖堂。
 
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修道院は6世紀から7世紀に遡る歴史を持ち、ポー河の支流に挟まれたこの地で、
ラヴェンナの領主の庇護の下、11世紀頃には宗教と文化の一大中心地だった様子。

この右側に、3方を囲まれて回廊があり、(奥の建物に、礼拝堂や、多分図書館も)
南横に大食堂。 今のこの背後には裁判所・palazzo della Ragioneが。



このテラコッタの壁に、魅せられました!

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正面壁は、3つのアーチ、両脇に2つの窓、所々に石の彫刻、
後はすべて、煉瓦とテラコッタの陶板装飾。



煉瓦の色違い、陶板の飾り板。 素朴な、そして華やかな。

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素晴らしいとは聞いていましたが、実際に見て、納得!



こちらは鐘楼の一部ですが、テラコッタに埋め込まれた、この緑色!

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最初すぐには気がつきませんでしたが、なにかチラチラと光るのが、目の隅に。
それで! マヨリカ焼きの小鉢が、要所要所に埋め込まれているのです!

なんとまぁ! 気がついて感動しました。

マヨリカ焼きで有名なデルタ・Derutaの陶器製造は、8世紀に遡るとの事なので、
この聖堂、鐘楼が造られた10~11世紀には当時の最新技術、流行だったわけで、
それを取り込んだ職人のアイディア、修道院の財力に、思いが行きます。



真ん中に見えるような、動物の図柄は少なく、日本の藍の染付けを思わせる柄も。
そして、煉瓦の並べ方による柄の作り方。 円柱の上部には丸い形の煉瓦も。

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右上の円形装飾の面白さ。 そしてその中央の小鉢の柄にご注目を。
八角形に延びる星型の間に、P O M P O S I A と入って入るのが見えますか?

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この柄の色違いをかなり見かけました。 という事は、発注品なのですね。
さて、どこに?! やはり、デルタでしょうか? 色々想像し、楽しみました。



こちらは、鐘楼部分。 煉瓦の並べ方を工夫して。
黄土から、オレンジ、茶の壁に、青や、緑の小鉢の色。

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教会内部、奥から入口を。
 
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内部は3廊式ですが、側廊部は補強も兼ねてか、通り向けできる程度のくり抜きで、
区切られています。

どっしリとした典雅な美しさで、全ての壁はビザンティン様式の壁画で覆われ、
床面もかなりの色数のモザイクで、少しの動物柄を除き、ほとんどが幾何学模様で
埋め尽くされています。
アクイレイアの聖堂を小さく賑やかに、というイメージでしょうか。



上の写真位置からの、向かい側のフレスコ画で、14世紀中頃の物。
下の段の右端、最後の晩餐。 丸いテーブルで、ぐるりと取り囲んでいるのが珍しく、
写真禁止でしたが、エエイ、ままよ!

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一般に見るのは細長いテーブルで、ユダのみがこちら側にいますが、
ここでは、こちら側右から二人目が手を後ろに回し、何か握っているのが見えます。

こういった壁画は、大概は照明を暗くしていますが、ここは煌々と過ぎる位の照明で、
大丈夫かいなと心配を・・。



入口内側の壁。 最後の審判ですが、古い時代の審判図によくあるように、
地獄絵が面白く、写真が取れず残念!

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こちらは回廊部分で、真ん中に井戸が。 聖堂の壁の印象は、
グラードの聖堂に良く似て、典雅で、重々しく。

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こちらは、ラジョーネ宮と呼ばれている回廊の向かい側建物の、テラス部分。

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当時ここの僧侶達が裁判権を持っていて、裁判所だったとの事。
現在はブック・ショップ兼お土産物店で、周辺に3匹の猫ちゃん在住。またいずれ。



という事で、猫ちゃんならぬ人間様のカップルを。

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当日朝、急遽宿の予約もないままに出かけ、途中のバールで教えて貰い。
秋の陽は、つるべ落とし。 みるみる暮れて、やっとたどり着いた宿の前で。

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内心、焦っていたのでしょう、3枚とも、少しピンボケ!

という事で、次回のデルタ・デル・ポーの風景をお楽しみに!
   

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