・ n.3 シエナのパリオ ・ 2008.7.2

お待たせ致しましたぁ!  いよいよシエナのパリオ当日の時代行進も大詰め、
優勝旗パリオの登場。 ここに2008.7.2シエナのパリオ、競馬結果のご報告を!

4頭の素晴らしい白いキアニーナ種の牛に引かれカロッチョ・荷馬車が登場。
上に今年7月2日の勝者へのパリオが翻ります。
この旗は毎都度、画家が描く、そのパリオ1度限りの物。

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パリオ・Palio、 シエナのパリオと言うとすでにもうカンポ広場での競馬、と
定説になっていますが、元々パリオというのは優勝者に与えられる絹の旗の事で、
「**のパリオ」と名乗るお祭りは、たくさんあります。
先月ご案内のアッシジのカレンディマッジョでも、勝った地区にはパリオが。



4頭の牛にそれぞれの牛追いが就いていますが、先頭の牛追い2人の
対照が良く、なぜか、お爺ちゃんと孫の関係のような・・!

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カロッチョ・Carroccioの上には、パリオと4人の行政官、6人のラッパ手、
そして鐘を鳴らす小姓1人が乗っていますが、
鐘の音が大変に澄んだ音で、カンポ広場のこの大雑踏の内でもリン、リンと響き、
鳴らし方は半鐘、つまり戦争を知らせる打ち方、と。

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カロッチョというのは、中世の都市国家で用いた牛に引かせた戦車の事で、
都市の旗印、祭壇、鐘を載せ、兵士が護ったそうです。
さしずめ日本の御本陣、旗艦、といった所でしょうか。



カロッチョの周囲は、2つ鎌の槍を持った8人の歩兵が護衛していますが、
こちらはその後に従う、騎乗の騎士たち。

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全体の様子はこういう感じで、

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最後をローレルの綱をかけた少年達が守り、時代行進が終ります。


 
行進はまだ広場の向こうを行きますが、こちらは、いよいよ競馬の準備の始まり。
馬達の出発地を区切るロープ・カーナペ2本と前のロープを素早く落とす為の重し。
これは、見るからに力持ちの男性が運んでいます。

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カンポ広場の向こう難所サン・マルティーノのカーヴを、今、カロッチョが曲がる所。
長い夏の日もほぼ夕暮れにかかり、広場の中は影に沈んでいますが、
このカーヴだけが、まだ暑い夏の陽のなか!

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カロッチョがプッブリコ宮に到着し、時代行進が終了。
パリオのみが下ろされ、こうして護られつつ、発着地点に近い、
建物の高い位置に掲げられます。

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プッブリコ宮の前、全てのコントラーダの旗振りが一列になり、最後の旗振りで
納めますが、一番最後に、投げ上げる旗の高さを競うのだそう。

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後には、行進に参加したコントラーダの男達が桟敷を埋めます。
広場の中は、既に約5万人の人々で満杯!
      


プッブリコ宮の中庭で待機していた馬達、いよいよの出番。
ご存知のように裸馬で、ムチは雄牛の神経を干した物。

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こうして、まず桟敷席に居並ぶ各コントラーダの男達から、熱狂的な、熱い熱い
声援を受け、ムチをあげて応えます。
右が パンテーラ・豹、 左が ジラッファ・キリン。

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男達の表情を、ご覧下さい。 こんなにも熱くなれる、この可愛らしさ!!
騎手は、右から、ブルーコ・青虫、イーストゥリチェ・針鼠、 
ヴァルディモントーネ・雄羊 (サーモンピンク) トッレ・塔 (濃いボルドー)
ジラッファ・キリン

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いよいよ、出発点に向かう騎手たち。

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全部で17あるコントラーダのうち、レースには10のコントラーダが出場。
残りの7つは来年出場権利を持ち、
10枠の内の残り3つの出場が籤決定なのです。
       
7月2日のこのパリオ、そして8月16日のパリオはそれぞれ別系統として、
枠順が決まるとの事。



2本のロープが張られた間がゲートで、そこに順番に入りますが、
その順番も当日レース直前に届く、籤の結果によります。
籤結果を待つ間、馬と騎手はこうして歩き回りながらあれこれと話し合ったりも。

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そして一瞬、皆が「シーッ!」と言い合い、広場中が静まりかえり、
籤がスターターの手に届き、ゲートに入る順を呼び上げます。

今回のゲートに入る順番は、内側から(写真右から)

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1.レオコルノ・一角獣  2.セルヴァ・林  3.ジラッファ・キリン  
4.トッレ・塔  5.イーストゥリチェ・針鼠  6.ニッキオ・貝
7.ヴァルモントーネ・雄羊  8.パンテーラ・豹  9.ブルーコ・青虫
そして最後に駆け込み、スタートを決める10.が、アクイラ・鷲。

例により、なかなか素直に順に納まらず、ジラッファの様に後を向いているのも。



これは何とか順に納まりそうな・・、アクイラがロープに近づいた所。

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2番目に納まるはずのセルヴァがはみ出し、イーストゥリチェも見えません。

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今回は1度スタートのフライイングが。
が、イーストゥリチェは冷静で、彼だけが走りだしていません。

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そのまま、何頭かが広場を一周。 このニッキオの馬は時代行進の際
大変神経質になり、行進に加われなかった程の馬でしたが。

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そしてこれが、本当のスタートの一瞬。 ブレてしまったぁ!
整備の人たちは即ロープの片付けに走り・・。

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スタート直後。 既にイーストゥリチェが先頭に!
続いて、レオコルノ、セルヴァ、トッレ、ジラッファ、・・

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難所のサン・マルティーノのカーヴ1周目。
イーストゥリチェ、トッレ、レオコルノ、ジラッッファ、
そしてカーヴの内側からアクイラが。

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2周目に入ります。 イーストゥリチェ、トッレ、アクイラ、レオコルノ、
セルヴァ、パンテーラ、ジラッファ の順。

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2周目のサン・マルティーノのカーヴ。 イーストゥリチェ、トッレ、アクイラ、
レオコルノ、パンテーラ、セルヴァ、ジラッファ。

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ヴァルモントーネ、ブルーコ、ニッキオが見えません。
1周目の終わりの写真に、既に馬のみで走っているのがありますから、
落馬したものと。



3周目。 イーストゥリチェ、トッレ、アクイラ、パンテーラ、 レオコルノ、
セルヴァ、ジラッファ。

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馬たちが走りすぎたすぐ後、このとき既に、コース上には何人か
熱狂した人々が、走り出しているのが見えました!



最終のサン・マルティーノのカーヴを過ぎ、イーストゥリチェ、トッレ、アクイラ、
パンテーラ、そして、セルヴァ が行きます。
先頭を走る3頭は変わらずですが・・、

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最後のカザートのカーヴ。 2番目のトッレが角を曲がりきれず、ぶつかった様。

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ドカン、と発煙筒がたかれ、レース終了!

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写真が小さく、イーストゥリチェが見えにくいのが残念ですが、彼が優勝!
最初から最後までぶっちぎりの勝負で、優秀な騎手と、素晴らしい馬の勝利でした。
   
彼らを籤で引き当てた、イーストゥリチェの男達の熱中振り、 
ブログ、パリオ・その前日でもご紹介しましたが、彼らは半ば確信していたのでしょう。

2着目のアクイラの後に、裸馬が2頭続いていますが、トッレと、パンテーラの騎手が、
最後のカーヴで落馬したもの、と見えます。
既に、コース上は駆け込んでくる人々で半ば埋まっています。



今、両手を広げて駆け寄る人々、青いシャツが多く見えますが、
彼らがイーストゥリチェの男たち!

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続いて、各コントラーダの旗振り達がワーッと走って行くのが見え、
パリオが掲げられている下で、一斉に旗を振り始めるのが見えました。
パリオの無事終了を祝う、寿ぎ、なのですね。

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この写真のどこかに馬が写っている筈、と人、人、人で埋まった中から、
遂に見つけ大きくしました。  中程に首筋が、分りますか?

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画面の右端近く、黒いタンクトップ、縞のズボンの騎手が肩車されています。




パリオが下ろされ優勝の地区に手渡され、周囲で全コントラーダの旗が揺れ、
2008年7月2日のパリオ 終了。

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今回のパリオが済んだのは、午後8時をかなり過ぎていました。
5時過ぎから始まったカラビニエーリの騎馬行進、そして延々と続く時代行進。
実際の、競馬で走る時間は2分にも満たない、大体1分半ほどとの事!

それにしても、この満足感! 面白かった!!
欲しかったもの、全部貰った感じ!!
       
プッブリコ宮の上に篝火がたかれ、レース状の壁飾りの上には小さな火が
灯され、2階の壁中央にはイーストゥリチェの旗が出されているのですが、
写真が小さく残念。

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早速元通りにバールが店を開き、テーブルを並べます。
熱気覚めやらず、広場の石畳に座り込む人々。

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カンポ広場で食事を済ませ、10時頃宿に戻るのにタクシー広場に。
すると偶然にも、イーストゥリチェの人々が太鼓を鳴らし旗を振りながら、
街を練り歩くのに出会いました。

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たくさんの人々が次々と続きます。 小さな女の子もお父さんと。

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自分よりも大きな旗を振りながら、皆に続くボク。
既にしっかり、シエナの、イーストゥリチェの男!

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大勢の人に護られたパリオが近づきます。
傍の男性が、そっと、後ろに下がるようにと合図。 なるほど!

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シエナの人々にとってのパリオの意味、熱狂が、よく見え、感じられた、
今回のシエナ訪問、パリオ観戦でした。 大変に興味深く、面白かった!!

今年2月早々に桟敷席の手配を頼み、その値段の高さに、400エウロ!
驚きましたが、今は納得、満足です!
       
皆さんにも、この面白さが充分にご紹介できましたように!
     
シエナのパリオについてTV中継写真などでもご案内しています。 どうぞ!      
シエナのパリオ ・ 8月16日 TV実況編
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462677907.html
       
シエナのパリオ ・ 7月2日 TV実況編
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462677656.html

シエナのパリオ ・ TV実況編
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462677498.html

シエナのパリオ ・ Il Palio di Siena
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462677150.html
  
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・ n.2 シエナのパリオ ・ 2008.7.2

引き続きのお付き合い、有難うございます!
これだけもの写真を見れば、皆さんもシエナのパリオについて、
コントラーダの色についても、専門家はだしになる事請合います!!
ごゆっくり、どうぞ!
      
イーストゥリチェ・針鼠
イーストルリチェの太鼓手。 このコントラーダの柄は他と違っていて、
私好みなのです。 はい、このお髭も。

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騎手の乗ったお馬さんの脚をご覧下さいね。
太くて、ふさふさと毛が生えて、体もがっしりと大きなお馬。

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これがイーストゥリチェのお馬。 世話係共々、「パリオ前日」のブログに
一度登場していますが、正装して、再度。
ピンク、白、青、黒。 よくご覧になっておいて、下さいね!

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トッレ・塔
トッレの太鼓手と旗振り。 濃いボルドー色に、白、青。

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美しい甲冑。 日本の鎧兜、陣羽織もそうですが、
戦支度というものは、まさに男の美学のようで!

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馬丁の衣装は、ビロードの服の上から、縁どりリボンのついた皮の上着。
あの暑い日を思い出すと、・・・!
太い脚のお馬ちゃんの馬具も、其々凝っていますね。

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トッレの、レースの馬。

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かってパリオのレース出場の馬は皆サラブレッドでしたが、難コースで、
特にサン・マルティーノのカーヴでの事故怪我が多く、
動物愛護協会等からの問題提起で、2000年からだったか、血統ミックスの馬に。
確かに事故怪我は減ったようですが、残念ながらやはり脚は遅いのが分かります。



アクイラ・鷲  
アクイラの衣装は、黄色が地色で青と黒。
最初の太鼓手からして、大変に凝った柄布とデザインなのですが、
いかんせん、モデルが皆少しむさく、失礼!  この大旗手をどうぞ。

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アクイラの馬と、世話係。 こちらも当ブログ、パリオ前日に登場

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このアクイラの馬も神経質になっていて、彼が一生懸命なだめています。
これは鼻づらにキスしてあげている所。

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馬も騎手も、パリオ毎の籤で各コントラーダに当るので、
実際に世話をしている彼のみが、馬にとっては親身なわけで、
こんなシーンからも、その間柄がうかがえます。



ヴァルディモントーネ・雄羊
ヴァルディモントーネを雄羊と書きつつ、ひょっとして他の呼び名があるかもと、
調べましたら、ヴァルディモントーネで検索出来たのは、
このシエナのコントラーダのみですから、大丈夫、雄羊ですね。

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このコントラーダの面白いのは、ご覧の様に赤、黄色、白がシンボルカラーで、
馬の額にもその色ですが、レースの騎手の服は、サーモン・ピンクなのですね。



ブルーコ・青虫
各コントラーダの名前は其々特徴があり、大いに笑えるのはオーカ・家鴨とか、
針鼠とかありますが、このブルーコ・青虫も、一体どこから来たのでしょうね?!

でも、この太鼓手の目は青虫らしくなく、ははは、なかなか良いでしょう?

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青虫の、旗振り2人。 

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手前の桟敷席で、どなたか青虫のスカーフを振って。
こんな風に其々のコントラーダの人たちは、自分たちの地区の登場になると、
一斉にスカーフを振り、応援します。



騎馬騎士の後姿。 大体この役は、中年のどっしり目の男性が勤め、
それがまた良く似合うのですが、今回のブルーコは細めの若い男性。
が、色どり鮮やかな衣装とデザイン、そして馬具も美しく。

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ブルーコの色は緑、青、そして黄色。 馬にかけられた布にはしっかり青虫。

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ニッキオ・貝  
ニッキオの旗振り。 素晴らしい衣装の美しい若者。

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ニッキオの大旗手の見事な衣装。 胸元には、珊瑚らしきペンダントまで!
それにしても、暖かそう・・!!

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後姿から、衣装の手仕事の見事さをご堪能下さいね。
お馬さんの、お尻の馬具もちょっと凝っていて。

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ニッキオのお馬は気の毒に大変神経質になり、広場の行進に参加せず、
直接休憩所に。 シンボルカラーは紺の地に、赤と黄色の波線。

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以上で、10のコントラーダ、2008年7月2日のパリオのレースに参加の
コントラーダの時代行進が終わりです。

この、首にローリエの綱をかけた、白と赤の衣装の少年たちの登場がそれを告げ、
引き続き、籤に漏れた7つのコントラーダの登場。
 
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キオッチョラ・カタツムリ

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カタツムリと青虫と、どちらが速いか?! こういう名を選ぶシエナ風ユーモア精神、
尊敬に値しません?!
ちなみに、メールアドレスの@を、イタリアでは「キオッチョラ」と呼びます。
     
  
      
チヴェッタ・フクロウ
これも、鮮やかな彩りの旗。 そして、旗振り2人の衣装のデザインが、
この写真では見え難いですが、赤と黒、逆に使ってありました。

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暑さと人込みで、広場で見物の中から時々気分が悪くなる人が出て、
担架が走って行きます。

ちょうど私の前の、この女性がフラッとなるのが見え、救急隊も来ましたが、
何とか持ち直し、そのままの場所に。

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で、となりのブルーのシニョーレが、水で顔を洗うように勧めているのです。
美しい人でしたぁ。



オーカ・家鴨
イタリア国旗と同じ色の3色。 なんとも華やか、賑やか、すっきり!

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首にリボンを巻いた家鴨の絵柄がなんともユーモラスですが、
オーカというとイタリアでは馬鹿の代名詞で、その名を選ぶユーモアのセンス!



ドラーゴ・竜
このコントラーダも大旗手の、手の込んだ衣装をどうぞ!

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籤に漏れ、レースに出場しない地区の行進の構成は、
太鼓手 - 2人の旗振り - 2人の武装した従者と隊長 - 2人の旗手と
大旗手で、9人、馬なし、と小編成。



タルトゥーカ・亀 
亀もいます!  名前からの印象と違い、衣装が華やか。

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隊長のこの鎖帷子の煌びやかさ! 武具というよりもレースの様。

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そしてこの、大旗手の大衣装。 後に従う並みの旗手とはダンチの差!

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ルーパ・牝狼
昔、最初にカンポ広場の中で見たレースで、旗手が落馬し、馬のみ走って
優勝という思い出もある、白、黒、オレンジ。

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なんとも渋く、そして華やか!
 
コントラーダの旗や衣装のデザインは、シンボル色は変わらずに新調されていて、
昔の写真を見ると、少しづつ変わっているのが分ります。



オンダ・波
いかにも夏向きの色、水色と白。 が衣装はビロード布で、色が深く鮮やかに。

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甲冑は少し陳腐な感じ、無きにしも非ずですが・・、失礼!



かって存在した・・、今は無くなった、6つのコントラーダの登場で、騎士と馬丁。
左が、オルソ・熊、 右が、レオーネ・ライオン。
この写真の一番右端に、ガッロ・鶏 がいたのですが・・。

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奥から、クエルチャ・樫、 スパーダフォルテ・強剣、ヴィーペラ・マムシ。

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昔存在したという名前のほうが、いかにも強そうですが、
強いだけでは生き残れない?!



お馬さん達も、いかにも頑健そうな太い脚で、
お尻まで覆う布の柄が、これまたマムシや強剣で・・!

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時代行進、コントラーダの行進が、このローレルの綱の少年少女でお終いに。

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この後いよいよ、優勝旗パリオの登場、そして、レースとなりますが、
それは、次回のお楽しみに、どうぞ!
お疲れ様でしたぁ!!
       

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・ n.1 シエナのパリオ ・ 2008.7.2

さて、困りました!  
最初の計画では、シエナのパリオのブログ・アップは3回、
つまり先週の「パリオ前日」と当日分を2回に分けて、と考えていました。 
が、写真が多く、とてもではないですが3回に納まりません!

となると、もう無理にでも見ていただくしかなく、ははは
時代衣装の行進を2回に分け、最後に競馬と、計3回をアップする事に。
皆さ~ん、気分を楽にして、お付き合い願いま~す!!

シエナのパリオ 2008.7.2 ・ その前日
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462678205.html

まずは、パリオのポスターを。
       
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これを見かけた時は大変懐かしかった、つまり、20年前に見たのと同じ、
いや、最初に見てからだと、20数年前と同じポスター、という事になります!



ラ・プローヴァ・La prova・試走
      
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2日の朝、ちょっとカンポ広場を覗きましたら、また試走があるようで、
お馬ちゃん達が準備中。 その地区の人々が後を取り囲み、
お守りしているのも昨日と同じ。

ちょっと、広場の周囲を散策している内に、広場が閉じられ、隙間から試走が
チラッと見えました。 良く見える場所の人が、「アクイラが来た!」と情報を。
     


写真は午後3時半過ぎのドゥオモ広場横。 午前中、シエナ北部の
古い小さい村に出かけ、午後街に戻って来た所でした。

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時代衣装の行進は、カンポ広場にやってくる前に街中を行進しますが、
その出発がここから始まるのですね。
今、見えている赤と白の衣装は、ジラッファ・麒麟のコントラーダ・地区。



カンポ広場の西をかすめて、北のバス駅からのバンキ・ディ・ソプラ通りが、
チッタ通りに繋がり、これがいわば目抜き通りです。
      
ドゥオモ広場から早めに引き上げ、カンポ広場の桟敷席に座って待とうと、
この通りに来たのでしたが、

この通りの中で、オーカ・家鴨(手前側)と、オンダ・波(向こう側)とが、
旗振りは旗を振りつつ、行進しているのです。
一般通行人は、勿論その間を縫って歩きます!

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カンポ広場、プッブリコ宮。 マンジャの塔の一本針の時計が4時過ぎを
指しているのが見えますね。

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既にコースの柵にそって人々が席を取っていますが、こういう場所は朝のうちに
埋まって行きます。 広場の中での見物は無料ですが、
時代行進が済んだ時点で、完全に閉じ込めになりますし、暑い時に日向で、
座る場所もなくなるので大変。 トイレの問題もありますよね。
       
自分の席を確かめ、まだ殆ど誰もいませんでしたが、一旦座ってみました。
桟敷席の一番上の列、大変急な傾斜でよじ登る感じ!
まさに、最初の時は手を支えてもらい上りました。

丸い鉄製の一人用の椅子が、木の渡し板に其々埋め込まれていますが、
大変小さく、私のお尻でちょうど良い位ですから、太目の方、特に男性などは
大変で、次々と穴から引っこ抜いては下の係りに返却。
すると、椅子の両脇の隙間分だけ座る面積が増えて、という計算。
       


広場の中は、まだまだ直射日光に晒され、まるで浜辺の状況!

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一旦座ってみたものの、飲み物の手持ちがない事に気がつき、
競馬の終わる8時頃までは到底無理、と近くのバールに行きジュースを飲み、
水のボトルも買い、戻りました。



ぼちぼちと、準備が始まっています。 土を積んだ軽トラックがやって来て、
隙間のある部分に土を置いていきますが、笑える事件発生。

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トラック荷台の向こう、赤いタンクトップのシニョーレ、一見してかなりのお年ですが、
土くれを握っているのですね。 で、こちらの背番号2の若者、
これとなにやら冗談半分のやり取りとなり、この土くれを本当に投げつけたのですよ。
ストライク! 周りが、どっと笑いましたね。



カンポ広場は扇を広げた形で、要の部分にプッブリコ宮があり、
この建物を基準に考えて反対側、対面部分が高くなっていて、其々要に向かい、
傾斜しています。

プッブリコ宮に向かって左手にあるカーヴ、「サン・マルティーノのカーヴ」と呼ばれる
部分が、上辺の高い位置から下って来てほぼ直角に曲がる難所で、
右手が上り坂の直角カーヴ、カザートのカーヴ。

時代衣装の行進は、このカザートのカーヴに接する通りから入ってきて
広場を一周しますが、今、その通りになにやら白い、大きな物がヌゥ~ッと。

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私の位置からは道の角が邪魔していますが、人々が集まっているのが見え、
時代行進でパリオの載った荷車を曳く、白い、4頭の牛さん、と分りましたが、
なんとまぁ大きく、道をどっしりと塞いでいます。

一人紺の背広を来た良い男さんが見えますが、この方は警察官。キャリア組かも。



発走、ゴール地点の横にこの発炎筒があり、今、ドカンと一発!
そろそろ、警官達がコース内の観光客を追い立て始めます。

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コース内から人々が立ち退き、清掃が始まります。

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爆弾発見係のワン君登場。 前日見た黒いラブ君も、お仕事。

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カラビニエーリ・Carabinieri
前日も会場を沸かせた、騎馬警官隊の登場。サン・マルティーノのカーヴの
向こうの通りから入ってきて、広場を2周し、ここから退場して行きます。

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今、サンマルティーニの礼拝堂の前を。 やはり、カッコイイ!

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ユルユルと一周し、2周目、プッブリコ宮の半ばを過ぎた辺りで、
「カリカー!・突撃!」の声が聞こえました。

ド、ド、ド、ドッと、抜き身の剣を突き出し、全速力で走り出し、
あっという間に通り過ぎ、何とか撮れた、お尻からの1枚。

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それでも退場するまで追いかけている写真を確かめると、隊長のすぐ後に
続いているのは、2人のみで、少し遅れて1人。
馬の脚力の違いか、さすが隊長、というべきか?! どう思われます?



時代衣装の行進・コルテオ・ストーリコが、いよいよ始まり!

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ブルーの衣装にLIBERTAS・自由 と書かれているのが見えますが、
この言葉はシエナのあちこちで見かけます。

ずっと昔、最初にこれを見た時、自由の意識が中世から、と驚いた事を、
今も覚えていますが、由来の古いパリオが一層盛んになったのも、
自由都市であったシエナがその自由を失った後、市民達のはけ口であったため、
という事を、今回買って戻ったDVDで知りました。
       
先頭を行く白と黒の衣装は、行進の進行係。



まず、太鼓隊。

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大体どの街の時代行進でも女性達も参加し、煌びやかな衣装を見せてくれますが、
このシエナのパリオは、本当に男達だけ! 裏方で色々活躍し、
応援も激しい女性達ですが、時代行進に女性の姿は無いのです。

が、今回、見つけました!
男性の衣装ですが、太鼓隊に7人。 前列は、5人とも女性で、後にも2人。
太鼓隊に続くラッパ隊にも、1人見つけましたよ。



太鼓隊の1人。 若さの香り立つような、美人!

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太鼓隊の後にラッパ隊が続き、こちらは市民隊長と呼ばれる方達のよう。
インフォメーションにあった、2008年7月2日のパリオのカタログには、
写真と共に歴史、そしてこの行進の構成を1~14のグループに分けて
説明していますが、それによるとこれは第2のグループ。

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上の市民隊長に続いていた騎馬騎士で、手前の騎士が観客のカメラに応え、
余りにもにこやかな笑顔を見せ・・!

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この後第3グループの、学業部門の教授、学生たちの行進があり、

こちらは其々のコントラーダが、その地区毎の特徴ある職業を示す旗を掲げての
行列で、斜め縞のイーストゥリチェ・針鼠は、鍛冶屋を示していますが、
       
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他に、一角獣・貴金属細工、 林・織物、 豹・薬草、薬味、
キリン・画家、 塔・羊毛うち、 鷲・公証人、 雄羊・絹商人、
青虫・絹織物、 貝・陶器職、 カタツムリ・皮商人、皮屋、
フクロウ・靴屋、 家鴨・染物、 竜・銀行家、 亀・石職人の親方、
雌狼・パン屋、 波・大工、

となっていますが、実際中世において、地区の特徴がこの職業だったのか、
興味深い所です。
       


折角ですので、17あるコントラーダを全て見ていただこうと!
実際この行進が大変長いので、現場で見るより楽にご覧頂けますです、はい。

レオコルノ・一角獣  
こちらは、レオコルノ・一角獣の旗振り。
     
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パンフレットによると、各コントラーダの構成は、太鼓手 - 2人の旗振り - 
2人の武装した小姓を従えた隊長 - 2人の旗手を従えた、コントラーダの旗を
持つ大旗手 - 馬丁とパレード用の馬、騎士 - 競走馬とその世話係
となっていて、全部で12名と、2頭の馬が登場です。



一角獣の、馬丁付き、パレード用の馬と騎手。

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とにかく衣装が凄い! この暑さにも拘らず、毛皮の飾りつきビロードの衣装、
皮のブーツ、タイツ、手袋、そして中世風長髪のカツラ!
色は、各コントラーダのシンボルの色に統一された大変に凝った物で、
今回間近によくよく見て、お金がかかっているなぁ! と感嘆しきり。



こちらが、レオコルノのレース参加の馬。
額に、各コントラーダの色の印をつけていて、例え騎手が落馬しても、
馬の着順が認められる仕組み。 ここの色は、オレンジ、白、そしてブルー。

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額の印の丸い部分の真ん中に、鏡がはめ込んであるのが見えますか?
きっと、魔よけ、でしょうね。



カンポ広場に登場の各コントラーダは、入ってきた時、そしてこの最初のカーヴ、
ガイアの泉あたり、そして次のカーヴで、立ち止まっては、旗振り演技を。
延々と、ゆるゆると、・・続きます。

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セルヴァ・林
2番めに登場の、セルヴァ・林 の太鼓手。 ここのシンボルカラーは、
オレンジ、白、そして緑。

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パレード用馬、騎手、馬丁。 そして今日の主役セルヴァの馬と、その世話係。
レース参加の馬の背中には、コントラーダを現す布がかけられますが、
このセルヴァのは大変美しい布。

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美男の騎手をアップで。
白いガウンの、柄の地織りが見えますか? ピアスをしているのも?

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パンテーラ・豹
パンテーラの小太鼓手と、旗振り2人。 ご覧のように、赤、白、青。
色鮮やかな旗が振られ、翻る時、大変綺麗。

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各コントラーダの隊長は甲冑姿で、皆、鎖帷子をつけています。
これは大変重たく、長さにもよりますが、何十キロにも、なるそうで、
この役を務めるには、訓練が欠かせないそう。

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ですが、如何にも美々しい、背中の美学。



2人の旗持ちを従えた大旗手。 大旗手の衣装と持つ旗は、一際豪華です。

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パンテーラの、お馬さん。 レース用の馬は各コントラーダの一番最後にいて、
そのすぐ後には次のコントラーダの太鼓手が続いていますし、
カンポ広場の大喧騒と、太鼓の音で、どの馬もかなり神経質に。

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桟敷席の並びにこの青年。
なんとなしに、映画「ヴェニスに死す」のタッジュウを、連想しましたが・・、
忙中、閑あり。

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ジラッファ・キリン
ジラッファの大旗手。
赤と白で、旗の真ん中に、キリンの口輪と盾を持つ黒人の姿!
 
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単純に赤と白なのですが、この衣装の凝り様をご覧ください。

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以前、これらの衣装は全てフランスに注文するのだ、と聞いた事があります。
実際今もそうなのか、いずれにしても、大変なイマジネーションと手仕事の凝り様。



ジラッファの、お馬。
パレード用の貴公子が乗った馬は大体脚の太い、特殊な馬が多いですが、
レース参加の馬は、やはり大変スマートで美しい姿をしています。

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上記した様に、レース参加の馬の後に、次のコントラーダの太鼓手が来ます。
会場の大観衆、どよめき、太鼓の音。
馬達は気の毒なくらい神経質になり、ぐるぐると回ったり、走り出しそうになったりで、
世話係は、さすったり、首筋を撫でたり、必死になだめます。

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という所で、n.1 を終ります。
引き続き、n.2 をご覧下さるよう、お願い致しま~す。


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・ シエナのパリオ 2008.7.2 ・ その前日 

シエナのパリオを、見て来ました!

シエナに出かけたのは20年ぶり、が、TV中継でパリオはいつも見ているので
久し振りの気がせず、試走も見、人々の熱気も十分に味わい、堪能しました。
やはり実際に、カンポ広場で見るパリオは大変に素晴らしく、
今回は桟敷席からでしたので、写真もたくさん撮れました。

今日はまず、7月1日のシエナの街、パリオ前日の様子をどうぞ。

久し振りのシエナの街並みを楽しみつつ、カンポ広場に向かいます。
そう、シエナの街も牝狼がシンボル。
パリオを迎える地区の旗が、窓の飾り布が、ひらめきます。
  
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シエナには、前日の夕方到着。 アペニン山脈越えで、大停滞!
5Kを通り過ぎるのに1時間かかり、高速出口フィレンツェ・チェルトーザに
たどり着くのに、またカタツムリ並み! 暑かったぁ!!


ロッジャ・ディ・メルカンツィーアが、見えて来ました。
カンポ広場に近く、お馬の像があり、待ち合わせに最適の場所ですが、
そのまま、うっかり通り過ぎそうになり、おっと!と、かっての勘が蘇り、
建物の下のアーチを潜り、カンポ広場に到着。

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ピアッツァ・カンポ、カンポ広場に到着してまず見たのがこの光景。
前夕、宿に到着した時、「今日大雨があって、予定されていた馬の選考が
明日朝に延期された」と聞きましたが、ちょうど、その選考が終わった所だったのです。
       
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馬が世話係と共に先を行き、その後から、そのコントラーダ・地区の人々が
ぞろぞろと従って行きます。 これは「アクイラ・鷲」地区のお馬君。



こちらは「イーストゥリチェ・針鼠」のお馬。

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世話係がかぶっている白い帽子の後には、馬の額についている地区の印と、
同じ色のリボンが付いているのですよ。
そしてパリオ当日の時代衣装の行進の際は、この世話係がやはり時代衣装で、
馬に付き添っています。 今回そんな事にも、気が付きました。



イーストゥリチェの馬についていく、地区の人々。
真ん中の、ピンク、白、青、黒の縞柄が、今年のこの地区の騎手。
彼は、既に何度か勝った経験を持つ、優秀な騎手と!

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のっけから、シエナの街の人々の、パリオにかける熱気に圧倒され、
人々が立ち去った後、やっとこのシエナのシンボルとも言える
マンジャの塔と、パラッツォ・プッブリコに対面。

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今日も暑くなりそうです。 雲ひとつ、ありません。



カンポ広場は、ご存知の通り石畳が敷き詰められていますが、
年2回、パリオの時に、広場の周囲、競馬コース部分に土が入れられます。

馬の選考が行われた後なので、ヒズメの跡がいっぱい見えますが、
これは坂道部分。 パラッツォ・プッブリコから、カザートのカーヴに至る上り坂に
残ったヒズメ跡で、やはり深く残っています。

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コースに入れられた土の整備に、盛大に水を撒くシニョーレ。
水しぶきが気持ちよく。

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プッブリコ宮は現在の市役所部分と、市博物館があり、久し振りに
シモーネ・マルティーニや、アンブロージョ・ロレンツェッティの壁画をじっくり眺め。

そして、まだ上った事のないマンジャの塔にも、上れる内にと挑戦。
これは、塔上り口のあるプッブリコ宮の中庭ですが、
パリオに参加の馬たちの休憩所でもあります。

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ご覧のように、狭い急な階段をせっせと上ります。 階段数は考えたくないっす!!
そして、こんなに明るくも無いのですよ。 これは写真の魔術です。

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はるかに、シエナの平野が広がります。

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街並みの写真はまた別にアップするかも、で、今回はパスです。



塔のアーチ部分に見える鐘の階。 最上階には、まだもう少し・・!

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上から見下ろすカンポ広場。 お昼近くの暑さのため、広場の中は人もまばら。
塔の影の内に人が集まっているのが、見えますか?

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こちらがアップ。 あはは、やけくそで、日向に座っている人も!

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塔を下り、また広場に戻ります。 円光にも似た、陽の光。

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暑い、暑い広場の中に、テント張りのスーヴェニール店が2軒。
パリオのコントラーダ・地区の旗が、ひらめきます。

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広場の高い部分、プッブリコ宮の対面に、大きく四角な素晴らしいガイアの泉が。
泉の彫刻の写真もありますが、今回は、泉に水を飲みにきた鳩ちゃんを。
あの日の暑さ、広場の暑さを、ご想像下さい!

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ドゥオモ広場に向かいます。 これはピッコローミニ宮だったと思いますが、
建物の壁に並ぶ各コントラーダの旗。
色鮮やかで柄がはっきりなので、何度か見るうちしっかり覚えました。

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これは車体部分が自然素材で作られた、大変素敵な自転車だったですが、
その前でパニーノを食べているシニョーレ。

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ちょうど店が食料品店で、ガラスケース内に美味しそうなものが、いっぱい!
鰻屋の前で、匂いを肴にご飯を食べる落語を思い出し、可笑しかったです。
で、私も、お昼を食べに。
バイキング式に色々並んでいるあれこれをお皿に取り、白ワインの冷えたのと。



ドゥオモ広場の横、牝狼の円柱が何本かありますが、
言い寄るは、雄狼、ははは。
       
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ドゥオモの、丸屋根部分が修復のためすっぽりと覆われ、残念ながら
クレーンも写真の中に。

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でも正面は修復済みで、もの凄く、美しく、真っ白に!!

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聖人諸君たちが様々な様子、表情を見せてくれて楽しく、嬉しくなる程!
       


動物達は、かなり苦しい姿勢を強いられつつ、身を乗り出しています!

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若く、清楚、美しく!

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切符売り場に並んでいると、何時の間にやら宗教関係の一団が。
口をあけ、ドゥオモに見とれて。

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ドゥオモ内には、たくさん見るべき物もあり、撮りましたが、大幅にカット。
こちらは、内陣奥のステンドグラス。

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実際に見えるよりも、天井の蒼が、明るく、美しく撮れました。
夜空の、美しい広がりのよう。

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内部は大変薄暗く、そしてこの広さにも拘らず、全体に汗の匂いが!
シエナの暑さをご想像下さい!



ドゥオモの、洗礼堂前からの眺め。 これ、分りますか?
パリオの前夜、明日の健闘を願い、各地区で地区の人々が寄り集い、
食事を一緒にするのですね。

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その準備が始まっているのですが、びっしりと並んだ簡素なテーブルと椅子。
如何にもイタリア、という感じがします。 ここは確か、セルヴァ・林の地区と。



こちらは、また別の地区のテーブル準備。 建物に並ぶ旗からも、アクイラ・鷲
の地区と分りますが、道のカーヴに添って並ぶテーブルの長さ!!
       
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こうやって各地区で騎手を囲み、明日の健闘を願い、皆の結束を固める、
やはり、凄いなぁ!!



時間があるので、美術館に。 が、なんと、太鼓の音が響くのが聞こえます!
美術館のすぐ近くの地区が気勢を挙げているのが、聞こえてくるのです!
係りの女性と目が会い、両方で笑ってしまい、「ホラ、お祭りが始まった!」
       
子太鼓の音を聴きながら、美術鑑賞なんぞ出来たものではありませんね。
大体見て、出てきましたら・・、

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なんと、またパリオ出場の馬を先頭に、男達が大声で歌いながら、
従ってくるのが見えます。どうやらアクイラ・鷲のようですが、おお、何かある!
喜んで私もついて行きますと、やはりカンポ広場に。

彼らはそのままぐるっと広場の外を回り、向こう端の入り口から入りますが、
私は近くの、警察官がずらっと並んで荷物改めをしている所から。
       


小さな女の子が真剣な眼をして、ドラーゴ・竜の旗を振っています。

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広場では、ラ・プローヴァと呼ばれる、試走が行われるのですね。
試走といっても本番そのままの手順で、広場に店を広げていたバールも、
時間になるとパッパッと片付け、警官達がずらっと2列に横並びで、
物も言わずにコース内を歩き始めます。
つまり、コース内の観光客達を追い払うのですね。
      
私は広場内の、発走、ゴールに近い所に入り込み、なんとか場所を確保。
広場内でパリオを2度見た経験があり、どの場所、どうすればが、大体分ります。
       


広場のコースから人々が立ち退くと、警察官に連れられた黒いワン君が
爆発物の検査にやって来ました。 ご苦労さんで~す。

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今夕のプローヴァでは、桟敷席は各地区に開放されているのか、
地区毎に纏まって人々が入っている様子。
ちょうど私の前がイーストゥリチェ・針鼠で、大変な盛り上がり!
皆が大声で歌っている様子を、ご覧下さい。

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向こうに対抗相手がいる様子で、あちらが歌い終わると、こちらが、という具合で、
これだけの老いも若きもの男達の中で、歌っていないのは、ほんの2,3人!!
この盛り上がりよう!!



真ん中、にこやかに笑っているのが、シエナの市長殿。 名前は?

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本番でも大人気の、騎馬警官隊の行進。
1周目はトロットで、2周目の半ばから突撃態勢で疾走します。 こちらが隊長。

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後に続く12人。 既に抜き身の剣ですが、
突撃態勢に入ると、剣を前に突き出し、全速力で疾走します。
大変な迫力で鳥肌ものですが、余りに近い位置で、突撃写真は一枚も!!

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発走、ゴール写真が撮れる、最高の位置を占めるプロの皆さん達。
小砲並みの、レンズを構え!

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こちらが、今年のスターターの方。 声が小さく、余り良く聞き取れずで。

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ロープが2本張られた中に9頭の馬が入り、最後の10頭めが駆け込んで、
スタートが切られます。
が、この並び順も、本番はまた別の籤順となります。

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騎手同士の駆け引き、籤運、度胸、そういった全てがかかっている様子で、
この試走では、いざスタートとなると、本気には走りませんでしたね。



最後の馬の駆け込みの様子を伺い、ロープ内の騎手達は後を見ます。

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軽く流して様子を見る、と言う感触で、こんなに近くてもお尻から撮れた一枚。
それでも、地区毎の盛り上がりは凄い!

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翌朝、つまりパリオ当日にも試走がありましたが、傍にいたシニョーラが
いみじくも言いました。 「試走は、試走。 肝心なのは、本番!」と。
       
という事で、パリオ当日のご案内をお楽しみに!!            
       

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・ 陶器、マヨリカ焼の町 ・ デルタ

今日のご案内は、陶器、とりわけマヨリカ焼きで有名なデルタ・Derutaを。
町はペルージャの南20k程、アッシジからでも35kほどの行程にあり、
見学してきたウンブリア州立陶器博物館の様子をご覧下さいね。

幹線道路を出てすぐ東に新しい町が開け、陶器店も並んでいますが、
古い町は丘の上にあり、新石器時代からの歴史を持つそう。
      
こんな坂道を、ウンブリアの町は皆こうなんだから! と諦めて、ハァハァと。

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町の北端近くの元フランチェスコ会派修道院に、ウンブリア州陶器博物館が。

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町に着き一番に行くと、開館時間にまだ30分ほどあり、
大丈夫、開くのかいな?と、イタリア式に少し不安を感じながらも、
時間潰しに近くの陶器店を覗きに。



この博物館のポスター。

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ウンブリアは、オリーヴ油、ワイン、豚肉加工製品などの有名産物の他に、大変に
手仕事が盛んな州で、陶器、織物など、各地に見るべきものがあります。
で、このデルタは中世からの陶器製造で、ヨーロッパ中の貴族の邸宅の食卓を飾った
マヨリカ焼きで有名なのですね。

博物館の開く時間に戻り、無事会館、入場!



破片の数々。 無くなって見えない分、逆に想像が沸きません?

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垣間見える顔のいろいろ、太い線、細い線、色も鮮やか、豊富です。



一段と高い出窓の場所に、背の高い見事な壷。

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広い陳列室の一つ。 ガラスのケースにびっしリと。
ここは2階の一部ですが、一階にも陳列室があり、作業台の置かれた所では
子供達が賑やかに製作中でした。

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上の写真の正面の棚の一部。

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細長い筒状で、名前が書かれているのは薬草入れ、の様。



これは、ペルージャのパオリーナ要塞で使われていた陶板との説明。
床ではなく壁だろうと思いますが、図柄が優しくは無いものの、繊細さに驚き。

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スープ入れ。 横についている顔の、なんとも言えない表情の良さ。
柄も大変繊細で、同じ柄のお揃いセットだった様ですね。

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蓋物の、塩入れ。 ワン君の柄入り。

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こちらも塩入れ。 なんとなし藍の染付けを思わせる、可愛い小鳥の柄入り。
他にも小鳥の柄入りはたくさんありましたね。
私も小鳥柄のサラダ鉢を一つ、町で買いました。

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こちらも小鳥の絵柄ですが、何に使われるお皿か、わかります?
卵入れが2つ付いて、上はお塩をのせるのだそう。
このまま現代の食卓でも使えそうですが、17~18世紀の物だったと。

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これは見た途端に、うぷっ、と吹きだした、なんとも楽しいお皿。
このアイディア、筆遣いの闊達さ、これで18世紀の作品ですと!

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昨年春グアルド・タディーノ・Gualdo Tadinoという、グッビオとアッシジの
中間にある、やはり陶器製造で有名な町に寄りました。
町中にはほんの少しの店しか見当たらず、尋ねると、殆どがフラミニア街道筋に
工房と店を出しているとの事で、この町の作品と同列の作品を2種類どうぞ。

グアルド・タディーノの町の作品は、金属的な味わいの絵付けで有名で、
中世の後一時途絶えていたのを復活させたのだとか。
      
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これは鍛冶屋の格好で、ハートを鍛えている図柄で、何か含む意味があるものと。



上のお皿よりももっとハードな印象ですが、図柄は、サン・フランチェスコが
聖痕を受けている様子。

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現在のグアルド・タディーノで見た作品は、もっと多色で金属的な味わいも強く、
キンキラ、キンキン。


他の気に入った作品をどうぞ!
小紋柄にも似て、すっきりと、美しく。

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唐三彩と同じで、藍、緑、黄土(茶)色が、基本色だったそうですが、
こうして見ると色数は少ないものの、かなり複雑に見え、
なんとなく日本の南蛮絵図のイメージを感じられません?

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色々見ているとヴァリエーションがあるものの、縁取り模様に一定の様式がある様で、
3本の線、色で区切りながら、曲線の植物、鱗、楕円形、といった様な。



おちょぼ口のウンブリア美人。 バックの山を波に見立て、帆船があっても
可笑しくはないですね?

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この筒状の物は、薬草入れ。 今でも由緒ある薬局には、大小の同様の焼き物が。

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最後に、小振りの可愛いお皿を。

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デルタの古い町は小さく、ぐるっと町の壁が取り囲んでいます。
壁に沿っての道は格好の散歩道のようで、お喋りに余念のない人々の姿が
見られた、眩しいほどのお天気の日。

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アカシアの花の種類と思いますが、ちょうど満開。
戦争直後の食糧不足のとき、この花をフライにして食べたとか。

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こちらが町の中心通り。 先に私は博物館とその近くの店々を覗き、
気に入ったお皿や、鉢、時計等を買い、もう十分に満足していましたので、
この通りはチラッと見ただけ。 
   
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陶板で飾られた建物の様子が分かりますか? 




店の場所が良く観光客が多いと、それ様の品も多くなるようで、
同じような品の店が増えますね。

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一見パッと派手で見栄えがしても、近寄って見ると、絵柄が素人の腕前だったり、

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この店は、表の感じがなかなか良く・・。

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ここで小鉢と小さい蓋物を買った店奥の制作机。

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殆どが、店の主人兼製作人の様で、買い物をした3軒のうち2軒が、
年配の女性が絵付けをしていて、色々話を聞く事もでき、実際の絵付けも
ちょっと見せて貰えたり、でした。

マヨリカ焼きの定義について、ガイドブックを読んだだけではイマイチ分からなかった
のですが、今回博物館にあった説明と、彼女の説明とですっきり、解決。

つまり、マヨリカ焼きというのは、粘土整形の後、上にガラス質の釉薬をかけ、
その上に絵付けをするのですね。
磁器のように、高温で長時間の焼き入れ、数字は聞かないで!なので、
普通の陶器のように、絵付けをした後の釉薬は必要なく、
出来る製品も、大変固い品、という事で納得。

今、机の上にある製作中の図柄は、受けるイメージ通り、孔雀と言うそう。
ラファエロ風等という名を持つ柄もあったり、名の無い物もあり、
古い作品の柄からアイディアをとったりも。
       
私の買った、白の帯の上に薄いベージュで柄を描いた小鉢は、色が見え難く
大変面倒で、1週間かかったと余りまけてくれませんでしたが、
やはり焼き物の国の日本人、こういう町に行くと手ぶらでは帰れませんねぇ!!



道の両脇にずらっと駐車していて、なかなか思うように写真が。

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デルタの町はマヨリカ焼きで有名ですが、デルタ固有の柄、というのは無い様子。
が、こうして見ていると、やはり幾何学的というか、小紋柄風に
びっしりと埋め込んだ柄が多いのに気が付きます。

ウンブリア、トスカーナの土地、土地で陶器の作品を見ますが、
今回デルタを見て思った事は、やはりデルタの陶器の技術の高さですね。
デルタ以外の他の町では、グワルド・タディーノ。
他の町は、個人的に優れた作家がいるかもしれませんが、全体の技術としては
やはりデルタに劣ります。 伝統の強さでしょうか。
       


朝登ってきた坂道を戻りますが、


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その前にお昼を食べました。

半地下風の古い家を修復したレストランで、美味しいチーズの入ったサラダを
勧めてくれた中年のご主人は、黒いシャツに茶色のジーンズ。
隣に座った2人連れが傑作でした。 女は30代半ば、男は40代後半から50代。
ご夫婦ではなく、ははは、女は大変な文句たれ!
が、男の方は完全に斜め座りで、甘~い言葉を次々と!!
あははぁ、聞き耳を立て大いに楽しみましたぁ!!

ウンブリア陶器の町・ デルタ、グアルド・タディーノ、グッビオ・・
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/462900686.html
   
    
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