・ アーゾロは、春雨にけむり

先月4月上旬の一日、アーゾロ・Asoloに行って来ました。
天気予報はしっかり雨でしたが、薄曇りで、午後遅くに少し春雨が・・。
で、淡い、春の色に霞むアーゾロをどうぞ!

既にこの町はご紹介してますので、なるべく写真が重ならないように。

アーゾロは、ヴェネト平野の北西、海抜200mに位置し、駐車場から
町の中心に向かう坂道。 残念ながらこの日は、地平線が霞み・・。

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町の南の門、ポルタ・ロレッジャ。

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この門を入った左の建物下に、可愛い泉のフォンターナ・ゼンがあるのが、
今回水盤がすっぽりと取り去られていました。
上のライオン君と紋章はあるので、多分修復のためと思うのですが。



ポルタ・ロレッジャから中心のガリバルディ広場に続く、ブラウニング通り。
この名は、この町を愛し住んだ、ロバート・ブラウニングに由来します。

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ガリバルディ広場の南西。 奥に見える塔が現在唯一残る、城の時計塔。
フレスコ画の見えるロッジャの下に、インフォメーションがあります。

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インフォメーションの前のポスター。 真ん中の女性はアーゾロの顔の一つ、
悲劇女優として、G・ダヌンツィオの愛人として有名な、エレオノーラ・ドゥーゼ。
彼女はこの町に住み、亡くなり、住んだ家もお墓もここアーゾロに。

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広場の南にはドゥオモがあり、少し傾いた鐘楼があり、
北側には、翼を持つライオン君の鎮座する泉があります。

この窓は、角にある古い建物の窓。 まだ少しお花が寂しい季節です。

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今回は、久し振りに、ロッカ・要塞への道を辿りました。
町からかなりの坂道で、カテリーナのお城が見えます。

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カテリーナ・コルナーロは、15世紀、ヴェネツィア共和国養女の身分で、
キプロス王に嫁ぎ、夫の死後キプロス領をヴェネツィアに差出し、
引き換えにこのアーゾロの領土を得、町に宮廷文化を持ち込んだのでした。
ヴェネト平野の奥、山の上に、典雅な町を作った彼女の城の名残です。



ロッカへの道も以前と比べるとかなり整備され、右の建物もすっかり修復され、
綺麗になっていました。
この門をくぐり、町の城壁外の道をロッカに向かいます。

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アーゾロ自体はローマ期に既に開けていて、劇場、水道、井戸、浴場も
整えられていて、その遺跡が今も残ります。
       


今回この道が大変素敵でした。
まさに、この高所に位置するアーゾロに春が訪れかけた時とでも。
時に薄日が射し、春霞に滲む丘の風景。

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新芽が芽吹き、花、ほころび・・

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丘の向こう、また丘が連なり、道が曲がりつつ、丘に向かい・・

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小さな丘の上に、小さな素敵な家。 春の色に囲まれ・・

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こちらも、なんとも素敵な春色。

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右手上に、ロッカの壁が見えてきます。

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何度か来ている道ながら、やはり、門が見える時が嬉しい。

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ロッカにはこの入口のみで、窓も銃眼も狭間も何も無く、巨大な少し楕円の
城壁だけで、いつの時代に造られたものかも謎で、たくさんの伝説が・・。

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長らく閉じられたままでしたが、手が入れられた感じで、CASSA・支払い口、
の札が見え、ン? と貼り札を見ましたら、お、日曜には開かれている様子。
よっしゃ、次回には!



なんとも可愛い、ローリエの花を見つけました。

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こちらにも、由緒ありげなお家が。

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ロッカから下り、町に戻ります。 中心下のガリバルディ広場に続き、
北側にブルニョーリ広場があり、そして高い位置にロッカが。

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アーゾロの町の狭い通り。 店のウインドウを覗くと品が高級で、
年代層が高い客向けなのに気がつきます。観光客向けでもあるのに、
この辺りが、この町の少し違う所。

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この静かな町にも、少しずつ変化が見られます。
この、いつも表に自転車のある、何代目の?、以前は単に古道具屋だった
店も少し、小奇麗になりました。

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中を覗いて見ると、雑然としてはいますが、ちょっとした骨董店になっている!

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西に古いアーチの道が続き、カーヴする手前左に濃いピンク色の大きな家、
エレオノーラ・ドゥーゼの家があり、

その斜め手前に、こんな色糸のバケツが表に。

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19世紀の半ばから続いているという店の中では、絹物の手織りをしています。
織の手法、そして作品も、特別な物では無いですが、
手仕事をする場の持つ雰囲気には、いつも心が惹かれます。

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縦糸の色を分け、横糸に変化を持たせ、一見単調な、が、密度の濃い時間が。
今回この店で、赤の入った茶系の幅の広いスカーフを買いました。
絹物の肌触りには、やはり心が弾みます。

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この窓もアーゾロの写真によく登場する窓で、一階は長らく閉じられてたのが・・、

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ご覧の通り改修され、男物の衣料品店に。

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カテリーナのお城の城壁部に、町が見張らせるちょうど良い場所があり、
以前は、足元が難しい位置だったのが、整備され、写真も撮り易くなり・・!
アーゾロの町の、静かな変化。

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ガリバルディ広場に面したレストラン。 訪れたのは水曜でしたが、
本当に町全体に、人気が少なく。

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ガリバルディ広場からブルニョーリ広場にかけての眺め。 
ライオン君の泉も、新芽が美しいマロニエの樹も春雨に濡れ・・。
       
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この後、無人駐車場の器械が駐車券を受け付けず、出るに出られず、
電話をし、係りの人に来て貰う、というおまけ付きのアーゾロ訪問となりました。

n.1 アーゾロ ・ ヴェネツィアの典雅な奥座敷
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460977794.html

n.2 アーゾロ ・ 文化人に愛される、典雅な町
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460978007.html

n.3 アーゾロ ・ ヴェネトの奥 文化の香る小さな町
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/460978208.html
 
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この4日の日曜から1週間、ウンブリアに出かけてきます。
アッシジの中世のお祭り、カレンディ・マッジョを見るのが、最大の目的ですが、
トーディ、ナルニ、デルタ も訪れ、そして、ペルージャで開催中の
ピントリッキオの展覧会もと。

という事で、次回のブログ更新が、3日ほど遅れますが、ご了承願います。
では、行ってきま~~す!!

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